うめさんの映画レビュー・感想・評価 - 32ページ目

空気人形(2009年製作の映画)

3.8

私はただの人形

空気だけの入れ物の私に

人はみんな欲望を注ぎ込む

不思議ね

終わってしまえば

みんな虚ろな目になるだけなのに

でも

もう無理よ

私の中は空気だけじゃないから

あの人が
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MAMA(2013年製作の映画)

3.7

ギレルモ・デル・トロが関われば
生まれる愛の形
それは
そうすることしか出来ない
儚く
悲しい
愛の形
その中には純粋な思いも詰まっている
そして
私達は考える
魂の救済とは何なのかと


女性の強さ
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ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

3.7

ジャケを見ればわかりますよね?
そう!
猫が出てくる癒されるヤツです♪
全てをなくしつつある男が立ち直る助けになるボブ
確かに彼なしでは一歩は踏み出せなかったと思う
でも
同じくらい
ずっと信じてくれ
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.4

悔しい

お隣でこんなにも素晴らしい映画が作られたことが

良い意味で悔しい

全ての感情が臨界点を振り切る展開

音楽の使い方の絶妙さ

こんなにも心がぐちゃぐちゃにされるとは

だから

内容には
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ラブリーボーン(2009年製作の映画)

4.0

もう

私の声は届かない

もう

抱きしめられない

もう

私の目を見つめてくれない

まだ

私はここにいるのに

別れを言うべきなのかもしれない

私のためにも家族のためにも

でも

まだ行
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チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密(2012年製作の映画)

3.8

監督もまだ有名ではなく
役者も知られていない
とくれば
なんとか人が反応するようなとっかかりを作りたかったのだろうが…
この邦題はやっちまった感がすごい
内容がなかなか良いだけになおさら


ポルノ女
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レクイエム 最後の銃弾(2013年製作の映画)

3.8

香港ノワール

でも
この作品は
ハードボイルドさよりも哀愁よりも
強引なまでの熱量でねじ伏せにきますね
観てて気持ち良くはなるが…
割と大味なので
気持ちが昂ぶるまではいかないのが残念ではある
まあ
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スリーピング・ボイス 沈黙の叫び(2011年製作の映画)

3.8

やっと内戦が終わって

変わったのは

今度は独裁者になっただけ

苦しみは変わらない

会いたい人にも会えない

何も悪くないのに

救うこともできなければ

叫ぶことさえ許されない

声をあげたと
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すもも(2016年製作の映画)

3.9

家も家族も失い
藩を追われ
全ては削ぎ落とされ
残ったのは
右半身が不自由な侍という
ただの種

農村の土に落ち着き知る
そこでの暮らし
人々の思い

居場所を失い
幼い娘と二人
行き着いた女と
寺子
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

3.9

昔に観た時は
「エイリアン」「プレデター」などと並び身体が震えたものだが…
最近の映像に慣れてしまった今
確かにやや古さはある
でも
誰が敵なのか分からない恐怖
南極という極限の環境
そこに未知の生物
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ブラック・スネーク・モーン(2006年製作の映画)

3.8

妻に捨てられた男サミュエル・L・ジャクソン
己を見失った女性クリスティーナ・リッチ
思いもせぬ出会い
そこから
宗教観もあるのか?
一時はエキセントリックな展開に
しかし
さすがはサミュエル
傷ついた
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田園に死す(1974年製作の映画)

3.2

私の大好きな「つげ義春」的な世界観のようでありながら
シンプルなテーマをこねくり回しているように感じてしまうのは
私の感性が鈍いのか
はたまた相性が悪いだけなのか

感覚のように見せといて
意外と頭で
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.3

歩いても

歩いても

将来への不安はなくならないし

過去の傷は消えないし

あの人は帰ってこない

それでも

人は

歩く

歩いてしまう

流れた涙も

枯れるほどの叫びも

胸に空いたままの
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.9

実は…初鑑賞です!

かまってちゃんな詐欺師ディカプリオも似合っていたが…
飄々としながらもコミカルな人間味を見せるトム・ハンクスはさすがですね〜
ジョン・ウィリアムズの音楽がそれを引き立てる

そし
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羅生門(1950年製作の映画)

3.8

先日、話したトロント育ちのブルガリア人留学生(20歳)
マンガ・アニメよりも
日本の音楽(特にシティポップ!YMOや竹内まりやが好き!ゆらゆら帝国も好き!)
日本の映画(特に黒澤明が好き!)
に興味が
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タイピスト!(2012年製作の映画)

4.1

タイプという吹けば飛んでしまうような小さなプライドだけを持って
田舎から出てきたローズ

失った苦しみを背負い
自分への怒りを抱え
父から継いだ保険会社を営むルイ

彼が必死に敷いたレールの上を
彼女
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エリカ&パトリック事件簿 踊る骸/ヒドゥン・チャイルド 埋もれた真実(2013年製作の映画)

3.6

娘の誕生直後に両親を亡くした作家エリカの前に現れた
兄を名乗る一人の男
少しずつ迫り出す過去の影
警察官の夫パトリックと共に事件の真相を追っていく

う〜ん
安定感のある北欧ミステリーだけど…
「ミレ
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チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛(2017年製作の映画)

3.8

世界初のバブルにわくオランダ
一つのチューリップの球根が莫大な金を生むという恐ろしさ
翻弄される人々

孤児院で育った美しきアリシア・ヴィキャンデル
己を捨て
子を望まれ
報われぬ
そんな彼女から溢れ
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サプライズ(2011年製作の映画)

3.8

マスクを被った謎の男達
襲われる家族

あ〜
サプライズはそういうことか…
思わず笑ってしまうシーンもあったりして
割と私は楽しめました

スプラッター的要素はあるが
ホラーかと言うと怖さはそれほどで
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Guava Island(2019年製作の映画)

3.7

小さな島で搾取される人々
その心を癒すのは
毎日ラジオから流れるドナルド・クローヴァーの唄声だった
しかし
支配者から影響力を警戒されてしまい…


このシチュエーションならば
生まれる音楽は熱く反抗
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ブラック・レイン(1989年製作の映画)

3.9

追う日米合同刑事チーム
追われる狂気の殺し屋
シンプルなストーリーに
独自の世界観
豪華な俳優陣
キレのあるストーリー
やや古びた気はするものの
今でも充分な迫力がありました
タイトルも秀逸
言っても
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ナイロビの蜂(2005年製作の映画)

4.0

大人の映画だ

相手を思うゆえの行動
譲れない信念
しっかりと根を張った愛

レイフ・ファインズ
優しい瞳の奥にある硬質な意思
悩み
迷い
揺れる
その心の表現が見る者の心も揺さぶる

レイチェル・ワ
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ソウル・パワー(2008年製作の映画)

4.0

ザイールで行われた
モハメド・アリvsジョージ・フォアマン
同時企画された音楽イベント
通称“ブラック ウッドストック”

連綿と続いてきた苦しみを乗り越え確固たる場所を築いたアメリカのアーティスト
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ハンター(2011年製作の映画)

3.8

絶滅したとされるタスマニアタイガーのサンプルをとるという依頼を受けた
孤高のハンター
現地に宿を取るのだが
そこにいたのは
行方不明になった父を待つ2人の子供と弱った妻だった
一人で孤独に仕事をこなし
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

3.8

こんな形は

望んじゃいなかった

彼と一緒に

普通に訪れたかった

喪失感は

時間とともに

ねじ曲がり

歪な新たなものを形作る

これを

なんと呼ぶべきなのか

もう

僕にはわからない
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残酷で異常(2014年製作の映画)

3.9

横たわる妻
力つきる男エドガー

着いた場所は
謎のセラピーが行われる一室
そこで
延々と繰り返される自分の罪
命さえ失った今
罪を贖えないならばと
地獄の輪廻に落とされる


何度も繰り返されるうち
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サスペリア(2018年製作の映画)

3.7

これは
サスペリアであって
サスペリアではない

リメイクでありながら
ついていくのが難しい
この敷居の高さ
内容としても
はっきりと割り切れない
人間の持つ複雑さが際立つ
これは
純粋なホラーではな
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SPL 狼たちの処刑台(2017年製作の映画)

3.7

異国で攫われた娘
探す警察官の父
徐々に明らかになっていく2人の関係
そして
協力してくれる現地の警察官
それぞれが絡み合い
行きつく果ては


いつもの香港アクション映画とはまるで違うテイスト
むし
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

4.1

わかってはいるが
やはり言わずにはいられない
韓国映画
恐るべし


実際に起きた大統領暗殺事件
何が起きていたのか
韓国のCIAこと中央情報局部長の目線で語られる
被害者
実行犯
どちらにも言い分な
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ソウルガールズ(2012年製作の映画)

4.3

迫害されるアボリジニ達
さらに追い討ちをかける
肌の白い子供を連れ去り
無理矢理に白人社会に同化させる政策

貧しさも
苦しさも
やり切れなさも
歌で埋めてきた三人姉妹に訪れた
ベトナムの兵士を慰問す
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マガディーラ 勇者転生(2009年製作の映画)

3.9

「バーフバリ」の原点…
確かに
派手な肉弾戦だったり
とんでもアクションだったり
熱くなる絵面だったり
繋がるエッセンスこそあるものの
さすがに10年以上前ともなると
ダンスシーンもちょいダサだし
C
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サウンド・オブ・ノイズ(2010年製作の映画)

3.9

身の回りに
常に響いている音

鳥のさえずり
虫の鳴き声
子供のはしゃぐ声
車の走行音

心地よく聞こえる時も
耳障りとなる時も
癒されたり
心乱されたり
感じ方は様々だ

そして
普段は自覚してない
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ストリート・オブ・ファイヤー(1984年製作の映画)

4.0

何十年ぶりに観たが…
あぁ
何故だ
今の方が面白い!


“ボンバーズ”に攫われる美人歌手エレン
若かりしダイアン・レイン
今も素敵だけど
やっぱり綺麗ですね!

救う為に街に帰ってきた元彼トム
あま
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ラジオ・コバニ(2016年製作の映画)

-

若き女性は語りかける

未だ影も形もない

我が子へ

あなた達に

私達のように

血にまみれ

心が凍りつく

そんな瞬間が二度と訪れないことを祈って



願いは

枯れ果てた大地から

本当に
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ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

-

RBSS

彼らの絞り出した勇気

それは

自分の命だけではなく

家族

友人

恋人

全てを奪う可能性を孕んだものだ

それでも

伝えることを選んだ

その胸の内を

私が本当に理解すること
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.2

外から見れば
普通そうな家庭でも
中に入ってみれば
そこは
どこかが
少し
しかし
確実に
歪んでいる
不満
希望
怒り
プライド
パンパンに膨れ上がった風船に
1人の男が針を刺す
とめどなく流れ出す
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