イシダコさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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エクソダス 爆弾に取り憑かれた男(2021年製作の映画)

3.0

『ブレスラウの凶禍』のパトリック・ヴェガ新作ということで期待しまくっていたけど、結果はイマイチ弾け切らずといった感(決してつまらなくはない)。前作のようなゴア描写は皆無だし、おっさんとおっさんの知恵比>>続きを読む

アテナ(2022年製作の映画)

4.0

恐らくこの製作陣の力量なら、しようと思えば全編ワンカットの長回しでも観せれたんじゃないかとは思う。が、それを回避して割るところはおもいっきり割り、複数の長回しシーンを繋げて一本の映画を構成していくとい>>続きを読む

ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

4.5

ダグラス・サークの現代版っぽさやPTAの『マグノリア』っぽい演出(曲を媒介して悩んでいる登場人物が次々とひとりずつ映し込まれる)、拘束衣を嗅覚に置き換えた『ジャケット』? といった感じで、まさにタイム>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

2.0

期待ハズレ。いくら何でも設定や背景がザル。子供でももうちょいマシなのを考えるだろってぐらいには幼稚な代物。アリ・アスターの線を狙っているなら(展開もそうだけど音楽がコリン・ステットソン)、真剣に練って>>続きを読む

グッド・ナース(2022年製作の映画)

4.0

アクの強さには欠けるものの、正攻法にしてオールドスクールな作劇で上質。脚本良し・演者良し、演出はとくに秀でた部分を見受けられないがそのかわりマイナスとなるようなところも一切見当たらない。こないだの「ダ>>続きを読む

バーバリアン(2022年製作の映画)

3.5

良くも悪くもことごとく予想を裏切られた。それがカタルシスをもたらして成功しているところもあれば、意表を突かせることだけに囚われてしまい、展開に説得力が欠けているところも見受けられる。とはいえ全体的には>>続きを読む

アッテンバーグ(2010年製作の映画)

3.0

ランティモスは監督でも脚本でもなく、製作と出演のみだが非常にランティモス的な感触の作品。何から何までクセがありすぎでシュール極まりない。親離れとそれへの葛藤やもつれを描いた映画で、セックスへの関心の根>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.5

新味には欠けるものの、ヴィジュアルの強度は噂に違わぬさすがの力作。戦車が兵士をぺっしゃんこに轢き殺すゴア表現とか、反射的に「スゲぇ!」と発してしまうぐらいには瞬間最大風速を叩き出した(もちろん巻き戻し>>続きを読む

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

2.0

前作のように「ざけんな・滅べバカ」と言いたくなるほどではないが、しかし相変わらず「あかんな・これは」…… とりあえずクーグラーには娯楽活劇を撮れる資質は備わっていない(ジョーダン・ピールと大違い)。3>>続きを読む

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

4.0

どう考えても地獄的な状況でしかないのに(豪華客船転覆の『ポセイドン・アドベンチャー』が煉獄からの脱出を意味していたのと同じ構造)、それをコメディーとして見せてくる韓国映画の胆力に脱帽。と思いきや、中盤>>続きを読む

柔道龍虎房 4K(2004年製作の映画)

4.5

トーさん絶頂期真っ只中の傑作であり、キャリア史上屈指のエモーショナルで熱い感動作。繰り返し観ることが苦にならない中毒性まで備わっている。熱い青春映画ということで、つい青臭いものを想像しまいがちになるが>>続きを読む

デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

4.0

爆音上映並みの怒涛の重低音とボウイの哲学を散々っぱら浴びてきた。てっきりライヴドキュメンタリーの類かと思っていたらそうではなく(ライヴシーンはもちろんあるものの)、インタビューやMVに密着映像、さらに>>続きを読む

犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

3.0

ソン・ソックの荒々しい色気に免じて+0.5のスコア。例えばこれが『ベテラン』みたくリュ・スンワンの手による刑事モノだったら、どんなに活きのいい映画と悪役になっていたことか…… 前半は何もかもがつまらな>>続きを読む

同じ下着を着るふたりの女(2021年製作の映画)

1.0

意外性も新鮮味もなく、ありふれた母娘モノで類型的。それだけならまだしも、尺が長すぎる。終盤はもはや作り手がやめどきを見失い、ただただカメラを回しているだけのようですらあった。痺れを切らすほどにつまらな>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

5.0

前作よりも飛躍的に進化を遂げたチョン・ジュリ2作目。正直期待は全くしていなかっただけに本当に面喰らった。ざっくりと言ってしまえばここで扱われているのはブラック企業の体質とそこで働くことの疲弊やシステム>>続きを読む

カイマック(2022年製作の映画)

2.5

話はフツー。というかわりとイマイチ。期待していたセックスシーンも全くたいしたことなかった。が、予想外にカラコレとグレーディングは素晴らしい塩梅。見事な色彩設計に唸らされた

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

1.5

凡庸極まりない。あまりにステレオタイプが過ぎる。この映画独自の個性というものが全く見当たらない。作り手自身が多様性と真逆の画一性に陥っていて、それなのにテーマとして抑圧からの解放を扱うとか、さすがに本>>続きを読む

警官の血(2022年製作の映画)

3.0

うーん、期待ハズレとまではいかないが、あまり出来はよろしくなかった。主演二人の力量の高さに演出も脚本も見合っていない。うーん……

独裁者たちのとき(2022年製作の映画)

4.0

地獄の釜の蓋が開くハロウィンに観るに相応しい煉獄映画。スローなペースのなかで独裁者たちが好き勝手に延々とダベり続ける。ロトスコープ的な手法のゆったりとした動きが“死者”としてのトロさや良い意味でのタル>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.5

ラスベガスを修道院に置き換えた『ショーガール』とも言える。いや『ショーガール』だけに留まらず、これまでのヴァーホーヴェン作品の要素を随所に垣間見ることができた。ある種の集大成としても機能している側面が>>続きを読む

神探大戦(2022年製作の映画)

1.5

期待ハズレが過ぎる。製作費は明らかに前作よりも膨れ上がっているはずなのに、画面の隅々からチープ感が漂っている。これなら『MAD探偵』の方がよっぽど高級感があった。ラウちんの演技力の高さ以外どこにも面白>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.5

あの『スリー・ビルボード』の次に、こういう間口の狭そうな作品を放ってくる姿勢に好感が持てる。マクドナー、やっぱりコーエン兄弟に近いところがちょっとあって、底意地の悪さとか冷酷さとか、初期コーエン兄弟に>>続きを読む

パシフィクション(2022年製作の映画)

4.0

淡いくすみがかった階調の味わい深いルック、ふてぶてしさすら感じられる大胆な締め方のエンディング、時間が経てば経つほどにこの映画のことを思い返す時間が増えていく…… すっかり虜になってしまい、今じゃ再見>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.0

やや一本調子な長さは否めないけど、徹頭徹尾野蛮で禍々しく、そして血生臭くて素晴らしい。ひたすらパワフルなショットだけで紡がれていく一大残酷パノラマ。エガース、大作も全然イケる器用さを証明した。あのアイ>>続きを読む

タバコは咳の原因になる(2022年製作の映画)

4.5

カンタン・デュピュー、現時点での集大成・総決算。最高傑作は未だに『ディアスキン』だけど、今回はそれ以来ひさびさに発想がぶっ飛んでた。今こんな脈絡のない突飛なものを放てるのってランジャタイかデュピューぐ>>続きを読む

アシュカル(2022年製作の映画)

2.0

黒沢清の『CURE キュア』に影響を受けたと言われている連続焼死体事件モノ。なんというか、捜査の進展のなさを単に物語の停滞だけで表しているようにしか見えないというか、そういう状況であっても(というかそ>>続きを読む

四年生ボギョン(2013年製作の映画)

3.0

エンドロールの音使いとそれが示唆する事柄に感心。ウマい。観る順番は逆になったけど、『ロミオ』は姉妹的続編だったのかもしれない

理想郷(2022年製作の映画)

4.5

骨太にして見応え抜群。右肩上がりで面白くなっていき、最後までぐいぐい惹きつけられた。話の骨格は『わらの犬』でありながら、安易に暴力で対抗しないあたりにアンチペキンパーの気概すら感じられる非常に現代的な>>続きを読む

MAD探偵 7人の容疑者(2007年製作の映画)

3.5

『神探大戦』に向けての復習。2011年の公開時にK's cinemaで観た以来ひさびさの鑑賞。ジャケの裏にある解説を見てもトーさんだけが推されている印象が強いけど(でかでかと「ジョニー・トー美学の新た>>続きを読む

イントゥ・ジ・アビス 深淵へ(2011年製作の映画)

3.0

いかにもヘルツォークらしい粛々とした語り口で進行していく死刑囚を題材にしたドキュメンタリー。言ってしまえば、つまらない動機・ありきたりな犯行・地味な顛末と三拍子揃っていてどこにもセンセーショナルな要素>>続きを読む

ブリュノ・レダル、ある殺人者の告白(2021年製作の映画)

4.0

殺人とオナニーと信仰にまつわる告白。そしてルサンチマンと幼少期に受けたレイプがもととなる歪んだ性癖(殺人の妄想で性的に興奮してシコる。本人曰く一日で5回も6回も7回も8回もシコり続ける)。狂ってはいつ>>続きを読む

監督!僕にもDVDをください!(2013年製作の映画)

2.5

これぐらいの短編の尺でやる分には許せる。最後に登場する大物にメッセージを託しすぎている感

勤務につけ!(2018年製作の映画)

3.5

デュピューでは当たりの部類。回想シーンの中でのアレとか、他で観たことないフレッシュさで独特。オチも驚愕。ただオリジナリティとしては申し分ない反面、それらはいずれも映画文法的に破綻している反則同然で、正>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.0

まあまあ。意外性はとくになし。途中にある「批評家も客も本物じゃない。なぜ周りを気にする。誰一人、君に関心はない。君が本気で勝負していないからだ。自分を見失っている。本気になれることはそうそうない」はニ>>続きを読む

REVOLUTION+1(2022年製作の映画)

5.0

国葬当日、開催同時刻の真裏で鑑賞。このイベント性があるだけでも本作はすでに最高だと言える。映画自体の見栄えは決して良くないが、そんなことは観る前から百も承知。こちらは他の映画にない特異性を求めているの>>続きを読む

アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター(2022年製作の映画)

4.5

雑魚雑魚3Dとは一線どころか十線も百線も画していると言っていい驚異的な艶の質感と立体感。初公開から13年経とうとも、未だ3DとCG表現において本作がトップに君臨し続けていることをまざまざと見せつけられ>>続きを読む