すぐそこにある未来。
昨夜にひきつづき、
リー・ワネル監督、脚本作品。
いかにもかくやあらん、という遠くない未来。
AIの万能性と希望、
及びその反転としての恐怖と絶望。
デジタルとアナログ>>続きを読む
『ソウ』シリーズを手がけたリー・ワネルが
監督、脚本ということで鑑賞しました。
前半、姿を見せずに忍び寄る気配と、
姿が見えないのに明らかな悪意が
サスペンスフルに描かれていて、
惹き込まれま>>続きを読む
既成の善と悪に塗れていない
“ 無垢 ” の鋭利な残酷さ。
” 無垢 ” と云うのは
長所や美徳の謂いなどではない。
鞘のない剥きだしの抜き身に似て
その煌めきに誘われて
近づくものの生命>>続きを読む
『愛と宿命の泉』(1986) / 2部作 4Kレストア版
「フロレット家のジャン」(122分)
「泉のマノン」(114分)
新年(令和4年 / 2022 ) 初投稿です。
新年第1作は、19>>続きを読む
トム・クルーズが『オープン・ユア・アイズ』を
甚く気にいって、自らハリウッドでの映画化権を獲得し
リメイクした作品です。
舞台をニューヨークに移し
トムが演じた主人公の生い立ちや
社会的背景に膨>>続きを読む
先取的でありながらも
普遍的なテーマを扱った作品。
先見性に満ちた難題を手がたくまとめて
かつ示唆に富む意味深な会話で
物語を牽引する優れた脚本。
ペネロペ・クルスの
その年ごろならではのまばゆ>>続きを読む
1987年 (昭和62年) 夏
日比谷のスカラ座で観て以来、34年ぶりの再観です。
昨年春のコロナ禍以降、
ぽつぽつ思い出したように映画を日常に取り戻して来ましたが、
そうなるずっと以前から、こ>>続きを読む
今夜の月はやけに大きくて
望月とはまさに、
いま懸かっている月のことを云うのでしょうね。
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『マルホランド・ドライブ』で
ルース叔母の家に飾ら>>続きを読む
町山智浩さんが『マルホランド・ドライブ』には
本作の影響も見られる、とツイートされているのを目にして
これは観ておかねば、と鑑賞しました。
観客を作品世界に招じ入れるオープニング・タイトル
そ>>続きを読む
『マルホランド・ドライブ』でナオミ・ワッツが演じている
ベティの叔母の名前がルースということで
本作のジェーンを演じるベティ・デイヴィスの本名
ルース・エリザベス(ベティ)・デイヴィスにちなんで、>>続きを読む
いわずとしれた不朽の名作。
いまさら何を付け加えることがあろう。
一分の隙がなく
皮肉やエスプリがよく効いていてぐうの音しか出ない。
けれどもただ一点蛇足したく、本作は
大時代的な世界に>>続きを読む
リンチ作品の中で、
いちばん回数を観ている作品が
『マルホランド・ドライブ』かもしれません。
ネット上には色とりどりの解釈、解説があふれかえっていて
それらを見ていると、多くの人たちが
本作の虜>>続きを読む
色彩と音楽と言葉を
巧みに組み合わせて
5人の家族それぞれの心理の襞に
カメラは静かに分け入っていきます。
揺れ動くこころに寄り添いながら、
穏やかに人物を捉えるその描写は
どこまでも静謐で>>続きを読む
『ロスト・ハイウェイ』(1997) につづくリンチ監督作品。
久しぶりに
人の善意や好意が
しみじみとしみわたる映画体験をしました。
シンプルなストーリー。
主人公のアルヴィン (73)>>続きを読む
「ツイン・ピークス / ローラ・パーマー 最期の7日間」につづく
デヴィッド・リンチ監督5年ぶりの作品。
メビウスの輪に継ぎ目があるとするなら
“ Dick Laurent is dead>>続きを読む
劇場公開版は、
陰陽でいうところの
陰に特化した編集になっていましたが
削除シーンをまとめた本作には
公開版には登場しなかったツイン・ピークスおなじみの面々が
済々と描かれていました。
つま>>続きを読む
鑑賞後にいくつかの映画サイトを渉猟してみたら
本作が
おもしろ半分の解説や嘲笑的な批判に長くさらされて
散々虚仮にされてきたことを知りました。
その主な原因は、やはり性的な描写にまつわるもの>>続きを読む
TVドラマでは、
赤い部屋のシーンでしか
生きて動くローラは見られなかった。
あったのはローラの写真と関係者の証言だけだった。
にもかかわらず、
ローラは紛れもなくツイン・ピークスに在りつづけ>>続きを読む
雰囲気に惹かれて鑑賞しました。
まだご覧になっていない方は
ぜひ予備知識なしで観ていただきたい作品です。
公式サイトには “マローボーン家の掟” として五つ掲げられており
それらを破ると何>>続きを読む
『ツイン・ピークス』を現在鑑賞中で
カイル・マクラクランつながりで鑑賞しました。
仏の第16回アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭
グランプリ受賞作とのことです。
かの淀川長治さんも本作を高>>続きを読む
昨年6月に日本公開された
リュック・ベッソン監督作品を鑑賞しました。
久方ぶりのリュック・ベッソン節
相変わらず健在でした。
小気味よい展開に明快なストーリー。
ここのところ、もつれた糸をほ>>続きを読む
ドラマティックな筋立てがある訳ではないので
本邦において劇場公開のないままソフト化のみに終わったのは
いかにもありうべきことと察せられます。
邦題も、
内容にマッチしている部分がなくはないと>>続きを読む
『ツイン・ピークス』の第1シーズンと第2シーズンの
間隙を縫うように公開された作品。
『オズの魔法使い』の翻案とも、
『ラブ・ミー・テンダー』を敷衍して再現、
結晶化した作品とも云えようか>>続きを読む
依頼人の仕事を引き受けて調査を開始したとき
ジェイク・ギテス(ジャック•ニコルソン) が手にしていた競馬新聞に
大きく扱われていたのはアメリカの名馬シービスケットでした。
その僅か数秒のショ>>続きを読む
『反撥』からの命脈を保ち
『赤い航路』『ナインスゲート』へとつづく分岐点
とも云うべきあやしき写真。
ローズマリー (ミア•ファロー) は
装いも挙措も可憐で険のないヒロイン。
そんな彼女が>>続きを読む
ラストがまったく意想外で、
新たな問いが筆者の中に巣くうことに。
ネコの行方を心配し、
未明にキャットフードを
いとわず買い求めに出たり
同じフロアの半裸で過ごしている女性たちにも
色眼鏡で見ず>>続きを読む
『インヒアレント・ヴァイス』つながりで
本作をチョイスしてみたのですが、
ひ弱な筆者には、物騒な連中の物騒なやりとりは
今回ばかりはちとこたえました。
血の気が多くてエナジーが有り余って>>続きを読む
およそ2時間半、
長いと云えば長いのだが長さが苦にならない。
私立探偵のドク(ホアキン•フェニックス) を訪れる依頼人はひきもきらない。
その依頼のために、関連する場所や人をドクもまた足繁く訪ねる>>続きを読む
なんといってもジョージを演じている
ドナルド・プレザンスの滑稽な挙動が目につきます。
不安や動揺、戸惑いや苛つきなどの内面を
全身で表現しているさまはいかにも珍妙で
嗤いを誘わずにはいない一方、>>続きを読む
この世界観、たまりません。
作品を鑑賞中、どういうわけか
泉鏡花のことが浮かんできました。
どの作品と云うわけではありませんが。
また読み直したい。
『オルフェ』も何度でも
観ることが>>続きを読む
キャロル(カトリーヌ•ドヌーヴ) の逸脱は
謂われのないことでは決してない。
ラストシーンでクローズアップされる写真の中の
幼いキャロルが呪詛するように見つめるその先の人物は
父、或いは親>>続きを読む
高校に入学したばかりの勇介 (鶴見辰吾)と圭 (薬師丸ひろ子) 。
ひょんなことから
東京での新生活をともに一つ屋根の下で
スタートさせることになった二人の
半年余りの歩みを活写しています。>>続きを読む
期せずして非凡な人間と化してしまったマックス。
数に関する非凡な才を手に入れた一方
激しい頭痛、幻覚、痙攣、昏睡等の変調に悩まされている。
数に魅入られて、次第に数に追いつめられていくマックス>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
17:11/11/07/2014
ある出来事が起こります。
私たちの日常にも時に訪れる
死傷者何名、何十名という事故や事件、惨事の類です。
この映画は、ある悲惨な出来事が
何故その場所で、その>>続きを読む
書き出しの一文で心を奪われる作品は
まず間違いなく名作と決まっているが
映画の出だしでも同じことが云えよう。
オープニングがいい。
音楽もまた。
プジョーの狭い車内に窮屈げに接している夫>>続きを読む