うらぬすさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.2

観客を問答無用で作品世界に引き込む映像の魔力。莫大な製作費と監督の美学が理想的な形で結実したら凄いものが出来上がるのは自明。ドラマとしての魅力という点では決して傑出していないけど、それを考慮しても4.>>続きを読む

12日の殺人(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

刑事が真実を追求しやがて事件を解決に導くというありがちであると同時に観客から期待されている筋書きを、監督はあっさりと捨て去る。その代わりに、事件に向き合う刑事らや容疑者候補の人々の言動を冷徹な眼差しで>>続きを読む

テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR(2023年製作の映画)

4.3

folkloreとevermoreの内省的で詩情に満ちた表現がやっぱり特別に好きだけど、それ以外のアルバムの美点、たとえばLoverが祝祭的なムードに満ち、Reputationが感情のより暗い側面を見>>続きを読む

ムクドリ(2021年製作の映画)

2.6

シリアスな題材のヒューマンドラマの中にスラップスティック・コメディの要素を混ぜた結果全体のバランスが大きく損なわれて空中分解してしまっている、邦画でたまに見かける悲劇的な失敗がここにも

ラスト・リペア・ショップ(2023年製作の映画)

3.5

総論的ではなく各論的に職人ひとりひとりに焦点を当てているのが中々面白い。
飴色に艶めく映像やエモーショナルな音楽が、良くも悪くも印象に残る。実際心動かされる部分もあるけど、あまりドキュメンタリーらしく
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マンハッタン(1979年製作の映画)

3.5

皮肉と諧謔に満ちたやり取りが小気味良い。でもなんか……中年男性とティーンの女の子が交際関係にあるという設定が……。いや当人たちが己の意思で納得して交際してるんなら第三者が口を挟む問題ではないのかもしれ>>続きを読む

グロリア(1980年製作の映画)

3.7

金獅子賞を与えるほどか…?と思いつつ、グロリアを演じるジーナ・ローランズのスター性を演出する手並は凡百の娯楽作品とは一線を画すものがたしかにあるような気がする

オール・ダート・ロード・テイスト・オブ・ソルト(2023年製作の映画)

4.2

監督が写真家というだけあって、すべてのショットに静謐の美や生命の躍動、土着的なエネルギーのうねりを感じ取れる。贅沢すぎるくらい時間を費やして一つ一つのシーンが撮られているお陰で、そのやり方でしか生まれ>>続きを読む

エターナル・ドーター(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

陰鬱な緊張感が漂う中で繰り広げられるティルダ・スウィントンの謎めいた一人二役の演技と、心に重い打撃をもたらす真相。意外と楽しめて良かった。

モンキー・キング(2023年製作の映画)

3.2

大人の鑑賞に堪えうるかというとなんとも微妙なところ

ヒットマンズ・ボディガード(2017年製作の映画)

3.1

豪華なキャストでありきたりなことをやられると余計悲しい

グレイテスト・ラブストーリー・ネバー・トールド(2024年製作の映画)

3.5

額面通りに受け取って良いかは置いといて、掛け値なしに恰好良い女性ではあると思う

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

ステレオタイプがもはや通用しなくなっている今の社会の現実を指摘しつつ、アイロニカルなユーモア満載で最後まで飽きさせない。この時代に生まれるべくして生まれた秀作。

HIDEO KOJIMA:CONNECTING WORLDS(2023年製作の映画)

3.3

あまり真に迫っている印象がない。彼のファンはこれで満足するんだろうか…

C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

3.6

ウイットと風刺を交えながら家族の間に走る亀裂とその回復、自己の探求と確立というテーマを鮮やかに調理している

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

4.2

奇妙な運命に翻弄される男二人の姿を通して愛の諸相を描く。これだけ複雑な脚本をよくもまあ巧みに操れるものだと、毎度のことながら感心してしまう。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

法廷劇だから夫の死に関して判決こそ一応出るものの、観客に対しては紛れもない一つの真実を敢えて提示せず、曖昧な薄闇の中に隠してしまう。しかし人生とは得てしてそういうものである──作中で述べられていた通り>>続きを読む

ゴッズ・クリーチャー(2022年製作の映画)

3.9

肉親としての情と外れてはならない人倫の狭間で懊悩し引き裂かれる心という、かなり古典的な主題に正面から取り組んでいるのに、あまり陳腐に感じさせないのは主演二人の卓越した演技の賜物か。

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

孤爪研磨の一人称視点で試合の動きを描くあの長くも短いシークエンスは、ここ数年の日本産アニメーションの中でも屈指の出来栄えだった

This Is Me…Now ディス・イズ・ミー… ナウ(2024年製作の映画)

3.3

ジェニファー・ロペスを徹底的に美しく凛々しく撮ろうとする気概も、リッチな映像表現へのこだわりも感じ取れるのに、曲がとにかく凡庸なのが残念(アルバムを通して聴いても同じ感想)。プロデューサーやソングライ>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.2

愛を無償のものと見なせなくなったときにもたらされる呪縛と痛みについて、あるいは機能不全に陥った家族関係が植え付けるトラウマについて、悪夢的なイメージを追求し予測不能な展開を詰め込むことに執着しすぎるあ>>続きを読む

のら犬(2023年製作の映画)

4.1

田舎でなまじ距離が近いせいで煮詰まって歪な形で均衡を保っていた人間関係、パワーバランスが、外部からの刺激でいとも容易く崩れていく様の、なんという生々しさ。ハリウッドで名を轟かすような監督の作品にも負け>>続きを読む

アース・ママ(2023年製作の映画)

4.1

ゆっくりとズームイン/ズームアウトするカメラワークで登場人物の素顔を捉えつつ、瞑想に誘うような詩的な映像で以てシングルマザーの苦悩を克明に描く。監督の共感の眼差しこそが、きっとこの世界の至る所に存在す>>続きを読む

ゴースト・トレイン(2013年製作の映画)

3.6

いかにもな演出で畳み掛けつつ、ストーリーの構成の仕方もなかなか手堅い、短編の佳作

真夜中のベッドの中で(2009年製作の映画)

3.4

ひとつのシンプルなアイデアをそつなく短編映画の形にまとめている。物足りなさはあるものの、『死霊のはらわた ライジング』でも感じた演出面の冴えの片鱗がすでに窺える。

河畔の家(2021年製作の映画)

3.2

どんなに頑張っても肝心のプロットがありふれたものならありふれた映画にしかならない