ささやかな幸せに手が届く、幸福感に浸る前に、まさに瓦解してしまう。
自分は今、いったい何なのか、誰なのか、自らも錯綜する中で周囲の人々は戸惑い、巻き込まれ途方に暮れる。
自分ではどうしようもない宿命を>>続きを読む
映画『沈黙のレジスタンス』が、対戦中のマルセル・マルソーを演じ、描いたのに対し、今作は主に大戦後のパントマイムに焦点を当てたドキュメンタリー。
マルセル・マルソー本人というより、彼の妻、娘、孫など、身>>続きを読む
【2023.12.10 サロンシネマ2で再度鑑賞】
【2023.12.8 サロンシネマ2で鑑賞】
冒頭から一気にフランソワ・オゾンの世界に引き込まれる。
真面目なコメディ、精緻なクライムミステリー、>>続きを読む
『見知らぬ乗客』、『太陽がいっぱい』、『リプリー』、『キャロル』…気がつけば映像化されたものはかなり観ているけれど、著作(原作)は読んだことがないかもしれない不思議な作家。
このドキュメンタリーを観て>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
爆破犯として逃亡を続ける両親とその二人の子供。
罪を重ねることは無いが、罪を償うことなく逃げ続ける両親のエゴに巻き込まれた子供と周囲の人々がかわいそう。
この子に才能が無かったら>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
真面目、堅物で冴えない独身教師、イマヌエル・ラート教授が、街のキャバレーに巡業中の踊り子ローラ・ローラ:マレーネ・ディートリッヒにうつつを抜かす生徒を正しにキャバレー『嘆きの天使>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
田舎の狭い世界の、その片隅に住む14歳の(たぶん公立)中学生達が、吐口を求めて彷徨い非行に走り、退屈し、その慰め、理論的支え、共感としてある「リリイ・シュシュ」。
ある意味、それ>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
偶然、原作(『朗読者』(新潮文庫))を買っていたので、2時間あまりで読んで、そのままDVDを鑑賞。
物語の急展開とその理由がわかった途端に、原作の持つ隠されたテーマが一気に迫って>>続きを読む
北野武監督のバイオレンスもの、本能寺の変の新解釈に期待して鑑賞。
かなり個性的な多くの俳優たちを上手く組み合わせて話を作り上げていく手法は、いまだ健在でさすが。
2時間あまりの短時間で、複雑で多量の人>>続きを読む
第一作が好評の中迎えた第二作、やはりpart2の厳しさに沈んでしまった。
大阪風に言えば、「ボケとツッコミが浅い」感じ。
「大阪」のキャラが濃すぎて埼玉の個性では攻めきれていないうえに、見え隠れする大>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
西地中海やアドリア海を想像させる海と街並みの美しさと精緻さはさすが。
作品冒頭からジブリワールド、夢の世界に連れて行ってくれるけれど、個々のエピソードが浅く薄いのが残念。
パイの>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
アメリカ社会に深く根付く反ユダヤ感情、ユダヤ人排斥の暗黙の了解=「紳士協定」の存在とそれへの対応について、鋭く世に問う作品。
世界大戦の際のホロコースト直後、イスラエルの独立宣言>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
一見すると、1950年代の典型的アメリカン・ホームドラマ「Pleasantville」にハマっている冴えない男子の、タイムスリップ・ファンタジー・コメディの様相。
しかしそこには>>続きを読む
「松方コレクション」について知った時からより身近になった国立西洋美術館、おそらく日本最高の常設展示に魅了されて、訪れるたびにほぼ半日を過ごしている。
建物の世界遺産登録を機に行なわれた改装・休館中の美>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
真珠湾攻撃翌年の1942年制作のアメリカ映画、冒頭の一曲目は米軍の戦意高揚の歌詞、戦時の気配が全く描かれない余裕のミュージカル・ラブコメディ映画、と、同時期の日本公開は絶対に無理>>続きを読む
20代の若い監督、これからの映画界、演劇界を担っていきそうな若い才能ある俳優たち、希望と期待が持てる作品。
10年間の淡いぼんやりとした、けれど確実な気持ちが正直に醸し出されていて、誰もがきっと部分的>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
戦前の作品、フィクションにもかかわらず、シューベルトの楽曲が上手くストーリーに組み込まれながら展開していく。
『未完成交響曲』の誕生の背景はこうだったのか、と誤解してしまいそうに>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
「固定電話」「電話回線の共同利用」と、70年くらい前の時代感たっぷりのラブ・コメディ。
衣装や車、オフィスや部屋の調度が1950年代アメリカを表しているが、この時代のキャリアウー>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
30年も前の映画とは思えない先進性と映像美。 衣装も素晴らしい。
一人生き続けることは、本来は相当な悲劇だと思うのだけれど、暗く描かれることなく、むしろ、次のターンの行方が気にな>>続きを読む
相手をどれくらい理解しているのか、実は知ったつもりで、虚構の上に安住しているのではないか、と繰り返し突きつけられていく感じ。
表面的には平穏な生活の、底流で渦巻く虚構と欺瞞と深層心理が、時にはくどく感>>続きを読む
「東京国際映画祭2023」にて(監督、主演5人の舞台挨拶付き)。
『多様性』の言葉に含まれる「多様」について、その広さと深さと複雑さについて考えさせられた。
全く同じ人間は、これまでもこれからも一人と>>続きを読む
自己承認欲求がエスカレートしていく過程の、「焦燥」「妬み」と「誇張癖」「虚言癖」との絡み合いがあまりに恐ろしい。
程度の差はあれ、メディア内や意外な身近にも同じような性癖の人が居ると思うと、ますます恐>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
時代設定が1957年というのが絶妙。
上空、宇宙空間には冷戦最中のソ連の衛星スプートニクしか飛んでいない中、宇宙に出遅れたアメリカの不安と焦り、一方で原子爆弾への依存と無知とが織>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
人生の黄昏時、夏の終わりを過ごす二人の老姉妹の物語。
何がおきるわけでもなく、夏の日がゆっくりと過ぎていく中で、姉妹の間の距離感、空気感が微妙に変化し伝わってくる。
観終わった後>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
実話に基づく作品。
つい四半世紀前までアイルランドにあったおぞましい修道院。
歪んだ道徳観で理不尽に強制収容され、外部から閉ざされた中で「更生」の名の下に行われる非道な行為が恐ろ>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
ヒッチコック監督のラブコメディ。
作品としては普通だけれど、この映画の公開後一年で主演のキャロル・ロンバートが亡くなってしまうとは、と考えると少し寂しい。
本日の巣ごもり鑑賞。
評判の台湾映画なので、観るのを楽しみにしていたが、消化不良のまま。
それぞれが魅力的な登場人物達の群像劇に、終戦時の悲恋と届かない手紙の物語が絡み合う。
残念なのは、登場人物一人>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
日本未公開作品。
妻子ある中年男との不倫に走る15歳(と11ヶ月)の小悪魔少女を、当時18歳のオリビア・ハッセーが演じている。
ストーリー的には単調で盛り上がりには欠け、ラストも>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
あまりに有名すぎる表題曲とともに、クリスマスシーズン定番のミュージカル映画。
ただ、正直、『White Christmas』の流れる2シーン以外の印象は薄かった。
今回、真剣に観>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
1936(昭和11)年から2009(平成21)年までの、女性たち6人・三代の人生を、6人の豪華女優が演じる。
それぞれの時代背景と女性を取り巻く社会環境、美しい日本の四季の映像で>>続きを読む
本日の巣ごもり鑑賞。
アメリカ映画だけれどパリが舞台のラブコメディ。
ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンの二人が自然でいい空気感を出しているし、娼婦とヒモの話なのに、何故か純愛物語?と思える清潔>>続きを読む
この稀有な007作品をスクリーン上映してくれた4Kレストアに大感謝。
007映画では稀なラストと本作限りで降板したジョージ・レーゼンビーが地味なこともあって、007作品の中では観た回数がおそらく最少だ>>続きを読む
ソ連の崩壊を象徴するレーニン像が多出するタイトルバックから、東西冷戦終焉後の新たな脅威と危機の物語に繋げている。
やはり圧巻は戦車でのカーチェイス。
破壊の圧力がやはり桁違いで、これだけでも爽快。
そ>>続きを読む
この映画観るたびに、影響されてエジプト・カイロに行った時、『ギザの音と光のショー (Giza Sound & Light Show)』をつい予約して見に行ったこと、ロータス エスプリと主題歌に一目惚れ>>続きを読む
007映画の中でもトップクラスに好きな作品。
この映画観たことで、トルコ旅行の際にイスタンブールの『地下宮殿』にもわざわざ行ってしまった。
ボンドガールのダニエラ・ビアンキは美しすぎるし、オリエント急>>続きを読む
誤解も含めて、1960年代の日本をどう見ていたのか、どう見えていたのかが少しわかる、今では考えられない007映画のオール日本ロケ。
ショーン・コネリーが日本人に変装、にはやはり無理があったけれど、若林>>続きを読む