ミラーズさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ミラーズ

ミラーズ

映画(174)
ドラマ(0)
アニメ(0)

脱獄十二時間(1958年製作の映画)

5.0

「中世と見間違うほど、暗く重苦しい牢獄から脱した三人の男達の運命を、深い陰影のモノクロ撮影で表現するノワール」

スリラーの名作『悪魔ような女』(1955年)やヒッチコックの名作で近年評価が高い倒錯サ
>>続きを読む

男嫌い(1964年製作の映画)

5.0

「シュールでダサモダンなセットとヘンテコな画面構成で楽しめるが、元はテレビドラマなのかな?」

冒頭から割と豪華だが舞台味のある屋敷のスタジオセットとほとんど全編スタジオでの撮影が多くて、当時のモダン
>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

5.0

「クロエ監督の特有の美しい風景をバックにマ・ドンソクが敵をパンチで倒す場面があるのでとりあえず満足できる?でもね」

『守護教師』を観て、ご贔屓になったマ・ドンソクのアメリカ映画初出演作なのと『ノマド
>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

5.0

「モラルと矛盾が天秤のように揺れ動く世界で、行動する由宇子が魅力の社会派ハードボイルド映画の良作」

テレビドキュメンタリーの敏腕ディレクターとして顔と父親の経営する進学塾で講師の顔の二つの異なる世界
>>続きを読む

特攻サンダーボルト作戦(1976年製作の映画)

5.0

『スタンダードサイズのテレビムービーだが、カッシュナー監督の折り目正しい演出と多彩な配役で見ごたえあり』

続編としてもシリーズ内でも傑出した出来の『スターウォーズ帝国の逆襲』で監督してその名が知られ
>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

5.0

「シンプルなビジュアルデザインと広大IMAXスクリーンに照らされる、スペクタル貴種流離譚の序章だが、シャラメくんが凛々しい」

昔デビッド・リンチ版のデューンのビデオが何故か家にあったので、何回となく
>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

5.0

『近年に再評価された傑作『女王陛下の007』のリスペクトとリメイクと総括』

個人的に007のベスト映画の一つである『女王陛下の007』を強力にリスペクトして現代風要素を交えてリメイクした作品。(結論
>>続きを読む

劇場版 きんいろモザイクThank You!!(2021年製作の映画)

5.0

「映画的サプライズも欲しかったが、きちんと完結させてくれた関係者にThank you!!な一編」

2013年に1期シリーズから始まった日常系作品の一つで、個人的にお気に入りの作品。

京都アニメーシ
>>続きを読む

愛の昼下がり(1972年製作の映画)

5.0

「六つの教訓話シリーズにある共通点である男の女性への揺らぎを今回も超絶的巧みさで描いている」

冒頭の浴室でのやり取り場面の形を変えてクロエと同じ事する反復などや脚本のうまさやキレのあるカットと編集に
>>続きを読む

ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

5.0

「馴染みの店で食べる定食で美味しく頂ける。そして終わりに向けての一抹の寂しさも」

世界的に人気の地方的にはネオ・ヤンキー気質の人気シリーズ9作目。

前作から番外編に行った面子以外のメインチームは続
>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

『庵野秀明が若者向けアニメがなるべき結末を実践して旧版にけりをつけた分岐点となる良作』

テレビと旧劇場版のみ鑑賞していたエヴァ弱者でもある自分だが、インプットとアウトプットつねにおこなう天才的な映像
>>続きを読む

いとみち(2020年製作の映画)

5.0

「安易に量産されるご当地映画を吹っ飛ばす傑作」

青森を舞台にした人見知り女子高生とメイドカフェの物語と甘く見ると驚くほど丹念に撮られた演出と主演から傍役までの生き生きとした姿を青森の風景を元に収めた
>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

5.0

「迫力バトルとスピード移動の快楽で、白目を剥く薄いドラマを補完した怪獣バトル物は、こうあれ!な快作」

前作の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は怪獣バトルの出来映えが良かったが、それ以外のドラマ
>>続きを読む

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

5.0

「ガンダムを知らない一見さんには、分かりにくいがキレのある映像と最新音響などの演出により見応えある力作」

冒頭の15分で3人の主人公たちを紹介してその後を暗示させる手際から風光明媚なリゾート地でのゲ
>>続きを読む

ダーティハリー3(1976年製作の映画)

5.0

「名脚本家スターリング・シリファントの落日と影響を受けたベトナム帰還兵ランボーとは」

公開当時のコピーに「巨大な10大見せ場を引っさげてダーティハリーが帰ってきた!」とあり、ハリーキャラハン刑事と新
>>続きを読む

ランボー/怒りの脱出(1985年製作の映画)

5.0

「名作と認定された第一作も良いが、のちのノンストップ・アクションに影響を与えた本作も良い」

刑務所に服役しているランボーに、恩赦を条件にベトナムへの調査任務に赴くが、味方の裏切りにより窮地へと落ちる
>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

5.0

「ロードムービーの開拓者と終活」

車上生活と季節労働をしながらアメリカを周る六十代女性の1年をドキュメンタリータッチで描くロードムービー

凍てつく荒野にある貸し倉庫に思い出の物を取り来た女性ファー
>>続きを読む

爽春(1968年製作の映画)

5.0

「松竹の女性映画の名匠中村登監督と原作が山口瞳。傑作だが近年の視点で見ると・・・」

三十代を迎えながらも父親と二人暮らしの娘由利子と五人家族の長女で大学生の亜矢子の結婚と顛末を描く。

主演の由利子
>>続きを読む

台風クラブ(1985年製作の映画)

5.0

「思春期特徴のイラつきを台風に重ねた逸品の出来栄え」

相米慎二監督作は、「ションベンライダー」を以前に見直してから、その独特の長回しのシーンと子役も女優も容赦しない体当たり演出に度肝を抜かれてから、
>>続きを読む

あらくれ(1957年製作の映画)

5.0

「成瀬アンド高峰秀子の黄金コンビ作でダメ男ゴロゴロ映画でもある」

高峰秀子が最初やけに丸い顔をしているので、誰?と思ったが、劇中で年齢を重ねるといつものデコちゃんになる。メイク?

高峰秀子は扮する
>>続きを読む

お引越し(1993年製作の映画)

5.0

「少女の夏を描いたホームドラマものと思うと祭りを描いた神秘と幻想の世界へ」

相米慎二監督特有の長回しも、ワザとらしさが消えて、気にならないくらい自然繋いでいる。
現場と役者の緊張感は凄いと思うけど。
>>続きを読む

撃たないで!(2018年製作の映画)

5.0

「実話の映画化で衝撃的な場面もあるが抑制の効いた演出で綴られる闘いの記録」

1985年、ベルギーのスーパーマーケットで起こった強盗事件で、アルバートの娘夫婦と孫娘が犠牲となり、孫のダヴィッドだけが生
>>続きを読む

戦争のはらわた(1977年製作の映画)

5.0

「アメリカ人が描く伝説の兵士とソ連北部戦線」

名誉欲に取り憑かれた上官とその配下の兵隊の対立を敗戦の色が濃いドイツ軍の視点で描く戦争映画。

ナチスドイツの記録映像を駆使したオープニングから徐々戦場
>>続きを読む

シブがき隊 ボーイズ&ガールズ(1982年製作の映画)

5.0

「アイドル映画だがボーイ・ミーツ・ガールな展開と印象的ラストで新人だった森田芳光の才気を感じさせる良作として楽しめる。」


『 2018年の森田芳光 -森田芳光全作品上映&史上初!ライムスター宇多丸
>>続きを読む

ダーティハリー2(1973年製作の映画)

5.0

「ワイルド7な白バイ軍団とテレビ放送でカットされる見せ場のアクションとミソジニー感は誰?」


映画の始まりからして何とも印象的な赤いバックにM29拳銃がアップで映しだされて、ラロ・シフリンのスリリン
>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

5.0

「90年代韓国の孤独と素晴らしい撮影が一体になった傑作」


1994年ソウルの団地に住む中学生ウニの物語で、全編が彼女の視線から見た日々を丹念に綴っている。

多くの方々が指摘している事ではあるが、
>>続きを読む

リズと青い鳥(2018年製作の映画)

5.0

「数ある京都アニメーション作品としても、映画としてもとても好きな一編」

テレビアニメ『響けユーフォニアム』の番外編的位置付けのほぼ独立した作品だが、個人に京都アニメーションの若手山田尚子監督が有能な
>>続きを読む

リーサル・ウェポン(1987年製作の映画)

5.0

「マッドな刑事と完成後に省かれた夜雨のロサンゼルス」

クリスマス近辺の夜に起きた女性の投身自殺から浮かび上がる、ベトナム帰還軍人の麻薬犯罪組織に立ち向かう二人の凸凹コンビ刑事の活躍。

公開時に見て
>>続きを読む

エリア88(1985年製作の映画)

5.0

「スタジオぴえろ入魂の作画と刈り込まれたストーリー」


親友に裏切りにより入隊させられた最前線の傭兵部隊でパイロットの風間真は、日本に帰る為に死闘をくぐり抜ける。

新谷かおるの名作漫画のアニメ化で
>>続きを読む

遊星よりの物体X(1951年製作の映画)

5.0


「傑作の82年カーペンター版より、ちょっとイビツなこちらの方が好き。」

クリスチャン・ナイビー監督作品となっているが、どう見てもハワード・ホークスの映画になっているのが判る古典SF恐怖映画。

>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

5.0

「理解するならリテラシーも必要だが、映画の完成度は今年ベスト級で、内幕物や群像劇としても楽しめる」

1941年の古典的名作映画『市民ケーン』をめぐる制作秘話的な内容だが、脚本家のマンクの皮肉屋だが愛
>>続きを読む

ある女優の不在(2018年製作の映画)

5.0

「ミステリーかと思うと見間違う、別の主題を提示する辺境への旅」


若い女性から自殺を決意する連絡を受けた人気女優と監督が、女性の住む辺境の村に向かう。

イランの現状描き続けるジャファル・パナヒ監督
>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

5.0

「逆回し風アクションや眼を見張るロケ撮影などのも楽しいノーラン映画の大集成的作品」

時間を遡行して来る悪の組織と対決するエージェント達の活躍と聞くと、いかにもSF的な設定で、最新の特殊効果バリバリの
>>続きを読む

劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女(2016年製作の映画)

5.0

「一見さんお断り状態の『さすおに』映画だが説明台詞の応酬になるよりは、潔くて個人的は悪くないと思う」



第2期テレビシリーズの一話を見て、劇場版を未見だったのを思い出し配信サービスにて鑑賞。
ちな
>>続きを読む

探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!(1982年製作の映画)

5.0

「小気味よいテンポの活劇とお色気の連打で魅せる傑作B級アクション」

妻の浮気調査依頼されたのに、調査対象と関係してしまうモラルレスな主人公が、殺された戦友の背後にある秘密組織と対決する。

ミッキー
>>続きを読む

ベルサイユのばら(1979年製作の映画)

5.0

「ジャック・ドゥミ作品ではネタ的な駄作と呼ばれているが、嫌いになれない」


テレビアニメも全話見て原作も読んだくらい好きな作品なので、どうしてこうなったのか自分なりに考えてみた。

[製作背景と経緯
>>続きを読む