赤ん坊、怪我人、宗教、あらゆるものを使ってサスペンスを作ろうとする強い作り手の意志に驚く。ここまで心理的理由も無く人が次から次へと死んでいく映画も珍しい。
なんだろう、このアメリカ映画っぽさは。終盤のメガホンによる問いかけ、近藤と梶芽衣子の駆け落ちなど。
夜、もしくはローキーの屋内シーンが大半であり、顔の半分を影で覆う照明が頻出する。ある種の一夜モノ、ラストは夜明けで影は無い。
街を歩く人々が足元をライトで照らすのが印象的だった。
冒頭、海のショットが良い。波と波音。また、幾度となく主人公が訪れる湖畔はロケーションとしてさらに素晴らしい。斯様に単純なスクールものではなく水辺が反復、強調されるのが本作の満足度を上げていると感じた。>>続きを読む
雨の再会シーンはすこぶる感動的だし、何よりアメリカの車と家が被写体として素晴らしすぎることを再確認してしまう
イーストウッドが運転する自動車と馬が並走するショットの素晴らしさ。夜や屋内のローキーさ。ラストのドワイトヨーカムをロングショットだけで処理してしまう簡潔さ。
なんだか北村匠海の扱いの薄さが気になるが、川や雨、海と対照的なライターや煙草の火、花火が良い。最初のレストランの赤い椅子、公園の緑の照明等、画面でも魅せようという意志を感じる。
なぜ川辺の女は洗濯物をバットで叩くのか、事件現場から逃走するロシア男は何なのか、情報屋?の入り口のシャッターの異様さ。意味不明な細部で満ちている。
凄すぎ。こんなに徹頭徹尾スペクタクルな画面の連鎖と不条理さを実現した映画は初めて見た。世界最高の映画なのでは。
再見だが面白い。よくわからないことがさも当たり前のように起こる。夜の黒さ、雨に濡れる路面等、画面にもノレる。
ただ約束を守るだけの映画である。論理的正しさ、法律、倫理なんてのはどうでもいい。イーストウッドを通り越してシーゲル、まるで『ラスト・シューティスト』と言うと言い過ぎかもしれないが、こんなのが新作として>>続きを読む