おどろきの白鳥さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.4

「間」がよかった。
セリフも音楽もなく、自分や同僚の症状に向き合っている2人の姿がいい。
恋愛でも友情でも依存でも甘やかすでもなく、「理解して症状に冷静に対応する」。
実はこれ病気に限らずで、言ってし
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.4

脚本から設定から、斬新かつ魅力的でした。
すごい緊張感のある118分で、体感40分くらいだった。
声を上げずに見過ごして暮らすことこそが目が見えぬことであり、声を上げ不正を糺すことが大事なのだと。
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カラーパープル(2023年製作の映画)

4.2

個人的には本作の方がスピルバーグ版より遥かに好き。
同じ原作が下敷きだし、スピルバーグ自身やオリジナル版に出演したオプラ・ウィンフリーが製作総指揮に名を連ねているし、大筋は変わらないものの。

スピル
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ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人(2023年製作の映画)

3.4

様々な差別や偏見が一向に改まらない今の時代、こういった女性視点で「出自に関わらず自由を求め、愛に溢れた人間」を描きたかったのだろうなと思いました。
愛にのみ絞った作劇は、実にフランス映画。

史実を下
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バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)

3.1

……ひょっとしたらこの舞台、先月観た『コンクリート・ユートピア』と同じマンションじゃない?
おそらく、続編というか、『コンクリート・ユートピア』と世界観を同一にするのかも。
『GODZILLA ゴジ
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罪と悪(2024年製作の映画)

3.4

俳優陣の実力と存在感でかなり見応えはあったし、田舎町の嫌な部分についての指摘は面白かったものの。
やりたいことが多すぎて未整理だったような。
一応、作中で起きている複数の事象が相互に絡んでいるので、要
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.9

高揚感がすごい。

「ゲームストップ株事件」を一部富裕層vs貧乏人(個人投資家)の構図のみに絞って描いたのは、映画的には成功かと。

実際には、空売りを仕掛けていなかった別のヘッジファンドが、SNSか
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.4

親がいるにはいるが、愛を知らずに育った無口な少女が、預けられた先で確かな愛に包まれて、感情を育んでいく姿を描いたこちら。
とにかく少女は何にも、不器用なおじさんも説明的かつ優しい事を喋らない。
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

ベラが既存の価値観へのNOを突きつける。
父権主義も、資本主義の非常さも、暴力も、ありとあらゆる理不尽に対して、無垢な眼差しで「これは認めない」という魂の自由。
男女や人種を超えた平等への強い欲求。
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

3.9

旧キャラ、旧メカいっぱいのファンムービー。
大同窓会。
初見さんお断り系。
初動が全てで、興行的なあと伸びは厳しそうな印象はありつつも……
(事前に発表されたカガリ役の変更を除き)大半のキャラの声優が
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千年女優(2001年製作の映画)

4.3

以前配信で観ていましたが、リバイバル上映を機に改めて劇場にて。

万華鏡のように場面がくるくる替わり、話を聞いているインタビュアーの2人が目撃しているのが千代子の記憶なのか、出演した映画作品の中なのか
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葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

3.5

トルコを旅する老人と孫娘の話。
あらすじには「亡き妻」とあるが、後半でやっと明かされるまで、誰の亡骸かは不明のまま映画は進む。
孫娘の名を呼んだり、宗教的に子どもだからと許せないことを叱る以外に、ほと
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ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

3.8

色が抑えられ、凹凸明暗が強調されてディテールが細かくわかる。
このバージョンの方が、圧倒的にゴジラが怖い。
終戦直後という描いた時代との親和性も相まってしっくりくるし、また、色が削げたことで情報量が絞
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

北の洗脳教育と生活程度を見せつつ、二組の脱北を追うドキュメンタリー。

一組目は、脱北してソウルに暮らす母が、中学生くらいの息子を脱北させようとブローカーに頼むが、中国で捕まり送還され、拷問の果てに収
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メカアマト MOVIE(2022年製作の映画)

3.8

TVシリーズ前日譚、エピソード0。
アマトとメカボットの出会いを描いたストーリーなので、毎話につく冒頭の説明はなし。
むしろTVシリーズを観る前に観た方がいいくらいで、予備知識なしで楽しめます。
『ダ
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.9

壮大なスケールの「新春スター・かくし芸大会」で、その辺は『キングダム』からの流れを汲んでおりました。
ちゃんと『ゴールデンカムイ』になっているのは、役者陣以上に、百武朋さんの特殊メイクと、白組をはじめ
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仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインド(2024年製作の映画)

3.7

先行上映で鑑賞。
中身は公開前なのでネタバレは避けるとして、井上御大らしい「説明なく裏切り、立場をコロコロ変える」「辻褄の合わないキャラの雰囲気優先な勢いだけ」で、なんだよこれと文句を言いながら楽しん
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

笑った笑った。
すこしホッコリ。
野木亜紀子さんのセンス・言葉選びによるものなのか、原作によるものなのかわからないけど、喋り過多にならずに、感情が伝わってくるセリフの使い方が上手い。

ヤクザ役が皆、
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.4

さすが『ワイルド・スピード』シリーズのジェームズ・ワン!

観てる間は楽しいアトラクション映画でした。
中身はないが、勢いで全部押し切り感!

前作観てないと、なんのこっちゃ? こいつは誰? のオンパ
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ナックルガール(2023年製作の映画)

2.8

すごくご都合展開かつ漫画的な臭いがきつくて、なんだろうとWEBの解説を見たら、韓国のウェブコミックが原作だったのね。
それを韓国人監督、日本人キャスト、アマゾンの資本で作った試みそのものは面白いんだけ
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エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

3.3

前三作と比べると地味にこじんまりとしていて、展開が冒頭から読めちゃうし、主犯に至っては登場シーンで誰かがわかる。
アジアのアクションスターが加わったというのに、見せ場も少なく。
シリーズそのものが老け
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

2.8

能登をはじめ、北陸一帯があんな悲惨な状況にあるときに観るような映画ではなかったな、と逆の意味で絶妙なタイミングな作品でした。

内容的には、ディザスター&サバイバル映画系。
災害原因は語られません。
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シャクラ(2023年製作の映画)

3.5

内容は熱い!
昔、日本で翻訳刊行されていた金庸武俠小説集に収録の、『天龍八部』をアレンジしたもの。

敵の罠によって仲間や育ての親を殺した犯人にさせられ、また宋の敵国人の血を引くことを暴かれて追放され
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NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.3

『ビバリウム』の監督か、と後で調べて納得な、身体干渉と肉体のっとり。
不気味ではあるが、怖くない。
きっと主人公が悪人なんだろうな、と思わせる出だしなので、予定調和に閉じていった感。

ファストファッ
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

必要最小限の言葉のやり取りで紡がれる中年低所得者同士のパートナー探しの展開は、どことなく大戦前ヨーロッパ不況時代を描いた、欧州の諸作品を思い出す。
あと、白黒時代の日本映画っぽくもあり。
新しいけど懐
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

開拓時代の男二人の友情を描くA24作品。
ゆったりとした時が流れ、会話も含めて、全体がスロー。
油断すると、すぐに眠りの世界へ行ってしまうくらい。

ラストシーンは冒頭と円環になっているのは分かるし、
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アンブッシュ(2021年製作の映画)

3.3

基本的にはドキュメンタリータッチな再現ドラマの様相で、リアリティある展開。

国連の要請でUAE(アラブ首長国連邦)軍は、イエメン内戦でインフラが断たれた地域へ食料や医療品を運ぶ&村人たちを守るための
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

4.0

気持ちいいゴアっぷり。
次々と楽しく、死んで当然なクソキャラが惨殺されていく展開に大喜び。
むしろ犯人の応援をしたくなったくらい。
80年代ホラーを現代の技術で撮ったような、オーソドックスな復讐劇タイ
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.9

Filmarksの試写会に当選して拝見。
原作を読んでなかったのですが、観始めてすぐにオードリーのオールナイトニッポンの常連投稿の彼か、と気づきました。
仲野太賀の若林ぶりが酷似し過ぎですごかったです
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.3

ストーリー的には読めすぎて、面白味も新鮮味もなかった。

霊に憑依される「90秒チャレンジ」が危険で快感という設定なのだが、これにハマって自我を失っていく子供たちの様子は、まるで法で指定されていないか
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劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

3.8

展開が若干ご都合優先で雑なところもあるけれど、アーニャがかわいいからOK。
両親の活躍もゲストキャラの頑張りもどうでもよくなって、みんなアーニャが持って行く感じ。

個人的には神様の声が千葉繁さんだっ
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ほかげ(2023年製作の映画)

3.7

半分以上は、主人公の女(趣里)が住む居酒屋が舞台で、室内劇。
内容的には、塚本監督作『野火』の延長上にあり、戦後のバラック&闇市の中で、生き延びた人間も復員兵もPTSDに苦しみ、心の中の戦争が終わらな
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.0

美しかった。傑作!
「静謐」という言葉を思い浮かべながら鑑賞。
光とフレームが、絵画みたいでした。
ひとつひとつのシーンに見惚れる感じ。
冒頭、畑から食材を取り、丁寧な下拵えから調理までの一連を約20
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.6

けっこうハラハラドキドキできました。
出だしに主人公の機長が、遅刻しそうに搭乗するシーンで、「アルコール検知など数時間前のチェックは?」など、欧米各飛行会社が義務付けていることの表現がない時点で、雑に
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ティル(2022年製作の映画)

4.1

主演のダニエル・デッドワイラーがとにかくすごかった。
ヒステリックでなく、極めて理性的に状況を学んでいき論理的な活動をする女性の姿を体現。
「こいつら(ミシシッピ州の白人ども)に、私のボーイは二度殺さ
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ヤジと民主主義 劇場拡大版(2023年製作の映画)

3.8

よいドキュメンタリーでした。
法も憲法も守っていない警察が、戦時中の憲兵さんみたいに検閲と思想取り締まりをやってる、野蛮な下等国家に逆戻りしている姿が克明に。
まあ、道警は(旭川だったけど)裏金事件、
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