平田一さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

少年と自転車(1965年製作の映画)

4.6

ようやく昨日購入できた『デュエリスト-決闘者-』の映像特典に収録の(リドリー・スコット)初監督短編映画。今は亡きトニー・スコットが演じている少年と少年が乗っている自転車の物語。

モノローグで進行する
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盲剣楼(2022年製作の映画)

3.8

77分間という大して長いわけではない、いつの間にかリメイクされてた中国版『座頭市』。中々捻りの効いていた放火犯の下りとか、法を執行する者が悪に尻尾を振るだとか、『マグニフィセント・セブン』同様しっかり>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

4.2

借金まみれで浪費癖の落ちぶれた映画スターって、どう見てもニコラス・ケイジ自身がモデルの役柄じゃんw けどそこすらチャーミング、尚且つキレ味抜群なのが、もう既に最高ですし、流石ニコラス・ケイジすぎw>>続きを読む

GOEMON(2008年製作の映画)

3.9

※よく見たら700本目の映画レビューになりました。あと殆ど半年振りの邦画実写鑑賞です。

ド派手に安土桃山時代を装飾過多した世界観、天才型の五右衛門と努力型の才蔵と、史実と空想を盛り込んだ新手の戦国時
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.9

アニメーションでこれほどまで“時の経過”を痛感させて、歳月を刻み付ける映画は久しぶりでした。日本の劇場アニメーションで140分という破格の時間で捧げられたヴァイオレットへの“祝福”、登場人物への“エー>>続きを読む

大雪海のカイナ ほしのけんじゃ(2023年製作の映画)

3.6

元々はTVシリーズ2期のシナリオだったのか、ところどころが駆け足じみて、ダイジェストのようでした。例えば最初にカイナたちが立ち向かってく「巨大な壁」は1話じっくり費やす必要ありに思えたイベントで、その>>続きを読む

ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

5.0

世界を何も知らなかった狩人の女の子とウルフウォーカーと呼ばれている女の子の物語。まるで昔夢中になった絵本のようなイラストが全編に広がっているだけでも素晴らしかったのに、

「命令に従わなければならない
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.9

例えば野崎まどさんの「バビロン」の曲世愛、飯田譲治さんの「NIGHT HEAD」の曽根崎道夫…超能力や催眠が絡む作品を観ておくと、良い意味でオタク心をくすぐられてニヤリです。ボクは見ていて「バビロン」>>続きを読む

エクスペンダブルズ エクステンデッド・ディレクターズ・カット(2010年製作の映画)

3.9

以前書いた『エクスペンダブルズ』のレビューに追記したコメントを切り取って、こちらに添付したものです(U-NEXTでの視聴)。

あの場面が膨らんでたり、あそこが少し変わっていたり、さりげないところの変
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.9

冒頭のパリの時点でフィンチャー印と言えばいいか、贅肉を徹底的に削ぎ落としたシークエンス。粛々と進行していく“ザ・キラー”の均衡が確実にジワジワと崩壊する物語…音楽も最小限、画面の色合いも淡々…なのにま>>続きを読む

スライ:スタローンの物語(2023年製作の映画)

3.9

“時間”についてスタローンが語ったところがそうなんだけど、人生にはどう足掻いても「有限」が居続ける。それも彼の映画作り、もの作りの根幹に感じられて、他の映画をもっと見たくなってくる。

正直いくつか眠
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.9

3時間半の上映が未だに信じられないぐらい、全編を見逃す暇も、眠気も疲れも来なかった。他の人も語ったような、グロテスクどころじゃない…何を言っても形容できない人の邪悪が宿ってて、なのにそれらを露悪的に感>>続きを読む

地下道の鳩 〜ジョン・ル・カレ回想録〜(2023年製作の映画)

4.2

題名たる「地下道の鳩」が意味するものだとか、人間の二面性・カオスと常に相対し、父でさえ信用詐欺のカモに自分を利用など、終始トーンは冷笑的で乾いたドキュメンタリー映画。

『ナイロビの蜂』しか観てないル
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ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

4.2

エドガー・アラン・ポーといえば、直近だと『推理作家ポー 最期の5日間』やシルヴェスター・スタローンがずーっと企画を練ってるほどに、死の間際も謎に満ちた著名なミステリー作家。しかもポーは世界初の推理小説>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.9

副題たる「コンセクエンス(=報い)」が指し示す多くのことが、ジョン・ウィックが相手にしてきたロシアンマフィアや野心家たちと大きく異なる敵対者(尊重を軽視して、嘲笑う人間たち)に向けられるのが圧巻です。>>続きを読む

ナイトライド 時間は嗤う(2021年製作の映画)

3.4

人生最大の大ピンチに直面したドラッグ・ディーラーの真夜中の94分間ワンカット・クライム映画。その場で事態を追ってるような没入感もさることながら、主人公がドミノ式にピンチに直面する様は、リドリー・スコッ>>続きを読む

オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.5

序盤から中盤はいつも通りのステイサムとチームの無双と思っていたら、中盤から一気にギアがチェンジしたのが驚いた。“ハンドル”の正体自体も驚きはなかったが、ちょいと捻りを加えていたのが個人的にはニヤリです>>続きを読む

オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)

4.2

旦那の疑惑に振り回される“宙ぶらりんの状態”を作家の奥さんがプレイボーイの父と調べる冒険譚(バケーション映画かも)。殆ど会話劇なのでヘタをしたら退屈なシーンの羅列になりそうなのを、ソフィア・コッポラ監>>続きを読む

リーサル・バレット(2022年製作の映画)

3.0

てっきり主人公の一人がメル・ギブソンかと思っていたら、彼は脇役だったので、パッケージはいわば詐欺(ガッツリの主人公はコール・ハウザーでした)。でもこういうパッケージ詐欺の映画は初めてで、新しい経験を出>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

5.0

伊・シチリアの冒頭から掴みが完璧だったうえ、“どちら”なのかを予測させる仕掛けもホントに痺れたし、何より「終活」のみならず「後継者襲名披露回」もやっていた『イコライザー』名残惜しき最終章。心から完結宣>>続きを読む

イコライザー2(2018年製作の映画)

3.4

『1』でまだホームセンターで働いていた頃はシュッとした格好といかついはずのスキンヘッドがカッコ良さと温かみを与える印象だったんです。『2』ではいきなり変装してたり、タクシードライバーしてたりと、個人的>>続きを読む

COWBOY BEBOP 天国の扉(2001年製作の映画)

5.0

銀幕へ移行してもビバップらしい矜持はもちろん、腐れ縁も磨かれてる「ビバップここにあり!」作品。サブタイトルの元ネタは1997年同名ドイツ映画かな(確か同じ名前の曲があったような気がしたな)?

煉獄っ
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

4.2

高畑勲監督の『おもひでぽろぽろ』のアプローチ(現在と永遠に時が進まない過去とか)、”子宮“という自閉空間を扱った『コズモポリス』(デヴィッド・クローネンバーグ監督)、『トゥ・ザ・ワンダー』(テレンス・>>続きを読む

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

4.9

ヴァイオレットの「それぞれの花道があるのですね」が非常に豊かなドラマを拡げる必見の番外編。TVシリーズを見てなくても単体で楽しめて、事前に見てると感慨ばかりの手抜きゼロぶりが良いし、“どこにでも行ける>>続きを読む

ブラック・ダリア(2006年製作の映画)

3.2

3時間半もあれば、デ・パルマ×エルロイの最高の凶作にして、デ・パルマの『スカーフェイス』に劣らぬ名画になれた気が…

と、早速言ったように、映画としてはイマイチです。原作小説は高校生だったときに初めて
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

5.0

#MeToo 運動の発端となったハーヴェイ・ワインスタインの性暴力報道を題材にした社会派映画。90年代から数多くの性暴力事件を起こし、圧力や示談金でその事実を揉み消して、映画業界に居座り続ける大物映画>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.9

14世紀の作者不明の叙事詩「ガウェイン卿と緑の騎士」を基にした壮大で奇妙なダーク・ファンタジー。アーサー王の甥であるガウェイン卿を主人公にクリスマスを端に発した冒険を描いてく。『A GHOST STO>>続きを読む

劇場版 ドーラといっしょに大冒険(2019年製作の映画)

2.5

新生DCU(DCユニバース)映画(『Superman:Legacy(原題)』)のホークガールにも決定したイザベラ・メルセード(『トランスフォーマー/最後の騎士王』『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』>>続きを読む

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.8

世界的人気シリーズ「死霊館ユニバース」のエド&ロレイン夫妻シリーズの第三弾。1981年に米国で実際に起きた「悪魔が私に殺させた」事件を実在の心霊研究家であるウォーレン夫妻の視点から紐解いたお話に。>>続きを読む

リプレイスメント・キラー(1998年製作の映画)

2.9

(チョウ・)ユンファのプロモーションビデオのような映画だけど、随所にテーマのようなものを宿しているのは良かったです。まあボクは全盛期のチョウ・ユンファを存じずで、マチェーテ=(ダニー・)トレホを呼んだ>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.0

1970年、「水俣病」として知られる熊本県水俣市の水銀中毒の影響を世界へ伝えた写真家ユージン・スミスとその妻のアイリーン・美緒子・スミスの写真集(『MINAMATA』)を基にした人間ドラマ。本作では製>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

アニメも漫画も触れたことに一度も無かった「SLAM DUNK」を、ましてやこの先触れるかどうかも考えていないスラダンが、まさか両手を上げたいほどの劇場アニメだったとは…スラダン素人の人間でもウェルカム>>続きを読む

ハート・オブ・ストーン(2023年製作の映画)

3.4

開幕からバリッバリの既視感に溢れてて、正直これはあまりによくあるアクション映画すぎますね。AIが実質支配をしている諜報活動も何というか今更感が拭えないのも大きいです。何より『ミッション:インポッシブル>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

4.9

拐われたブタを探しに街へと繰り出す一人の男。世捨て人のような彼はシェフかコックだったらしい。しかも彼の本名に皆揃って騒然に。これだけだとキアヌ・リーブスの『ジョン・ウィック』が連想ですし、てっきりいつ>>続きを読む

ブラックアダム(2022年製作の映画)

3.6

90年代アクション映画の良いところを濃縮させて、尚且つ豪快アクション映画に特化させた姿勢とか、マーベル(MCU)では出来ないことをDCではやれている。

そこにドウェイン・ジョンソンというアクション界
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.9

劇場体験は初めての「ミッション:インポッシブル」シリーズ。しかも国内最高峰のIMAX体験ですが、これほどIMAXとの相性が最高とは思わずです。

予告編にも登場していたジャンプは前座に過ぎなくって、本
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