MajorTomさんの映画レビュー・感想・評価

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ミナリ(2020年製作の映画)

3.8

アメリカ南部に移住した韓国系の一家を巡るヒューマンドラマ。特異な設定ではあるものの、家族が感じる痛みや喜びはいたって普遍的なもので、多くの人が共感できる作品だと思います。おばあちゃんのキャラクターが素>>続きを読む

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

4.1

殺人の服役を終え田舎町にやって来た青年が、ひょんなことから聖職者を装い町の司祭になる。信仰深くも本質的には粗暴性を抱える青年と、閉鎖的な地方が抱える闇が巧妙に交わるストーリー展開が秀逸。リアリズム的な>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

懲役を終えて出所した男が、周囲の人に支えられながら社会復帰を目指すストーリー。粗暴さもあるが人間らしさを兼ね揃えた三上に手を差し伸べる人々の姿が温かい。道を一度踏み外した者に冷淡な日本社会。希薄化した>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

4.0

西川美和監督の新作が間も無く公開ということで鑑賞。事故で妻を失った作家がひょんなことから妻の親友の子供たちの面倒を見ることに。主人公が子供たちの姿を通じて再生していく過程のみならず、遺された人間の心の>>続きを読む

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

3.8

『シカゴ7裁判』でソーキン監督のファンになったので鑑賞。主人公のモリーがギャンブルの女胴元になるまでの軌跡が小気味良いテンポで展開され痛快。過去と現在の使い方が上手いのは流石ソーキン監督。そして、強い>>続きを読む

私というパズル(2020年製作の映画)

4.0

自宅出産を選択した女性とその家族に降り掛かる悲劇。そして再生。冒頭の出産シーンの凄まじさに釘付けになり、その後の家族を巡る人間ドラマを丁寧に描いており、個人的にはかなり評価の高い作品に。そして、主演の>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.7

愛する人を失うテーマの映画は数多く存在するけれど、こちらは幽霊となった側を掘り下げるストーリー。物語には空間が多く、一概には理解が難しい。しかし印象的なカットや長回しの中での演者の渾身の演技に魅了され>>続きを読む

ホリデイ(2006年製作の映画)

3.8

想像していたよりも良かった。特にK.ウィンスレットとJ.ブラックの2人が可愛いすぎました。ラブコメにありがちな荒唐無稽な展開もなく、個人的には大好きな映画になりました。脇役のアーサーおじいちゃんもナイ>>続きを読む

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

3.6

閉鎖的なアメリカの田舎町を舞台に繰り返される暴力の連鎖を描く。こういう性悪説的な話は結構好きなんだけど、今ひとつインパクトに欠けたかも。でも、スパイダーマンでお馴染みのトムホ君の演者としての新たな一面>>続きを読む

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.0

暴徒として逮捕された7人の青年に対する裁判の経緯をドラマ化した作品。国家の「正義」に対する問いかけは勿論、反体制側が果たして真の「正義」なのかという命題を巧みに提示しており、非常に秀逸な作品と感じまし>>続きを読む

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.8

今年初の劇場鑑賞でした。殆ど前知識無しで行ったので、サスペンスものだと思っていたのですが、しっかりとした女性映画でした。結果的にそれが良かった。異食症という切り口からやんわりと、しかし痛烈な家父長制度>>続きを読む

ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

3.5

北極から地球の危機を知らせるため宇宙船への交信を試みる老人と宇宙船クルーのお話。ディストピアと化した地球で孤独に暮らすG.クルーニーの姿は、感染症の脅威に晒される今日の私たちとどこか重なる。全体的に静>>続きを読む

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.3

いわゆる“陰キャラ”の女の子2人をめぐる卒業式前夜のドタバタコメディ。モリーとエイミーの友情が本当に素敵。お互いをどこまでも肯定する姿が好きだった…けど、期待とどこか外れていたこともあって自分にはちょ>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

3.8

フィンランドに流れ着いたシリア難民の青年とレストランの従業員たちの交流を描いたヒューマンドラマ。初めは暗い雰囲気の映画かと思っていたが、授業員たちのシュールで滑稽なユーモアと、人々の無償の優しさに心温>>続きを読む

ジュリエッタ(2016年製作の映画)

3.6

ジュリエッタという女性の半生を中心に親娘のすれ違いを描く。今まで観たアルモドバル作品の中では比較的「毒」気が薄く、中途半端に残された謎も多い印象。でもやっぱり謎解きのような展開には引き込まれる。

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.9

リンチ作品は初鑑賞。噂通りの難解さ。解説抜きには理解できなかったです。しかし、意味不明で片付けられず、その謎が気になるように仕掛けられるのが監督の凄さなのだと分かりました。どれが現実だとしても切ないで>>続きを読む

エル・トポ(1970年製作の映画)

3.6

レディー・ガガの”911”のMVの元ネタの一つということで鑑賞。率直にカオスという一言に尽きる。ただ、映像は限りなく前衛的なものなのだけど、人間のエゴイズムと救済というストーリー自体は割とシンプルかも>>続きを読む

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)

3.8

様々な“愛”のかたち。植物人間となった女性たちを媒介するという切り口が、いかにもアルモドバル監督という感じで非常に興味深い。勿論、美談では終われない問題も大いに孕んではいるのだけど、どこか一抹の美しさ>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.7

公開当初から気になっていたのに観れていなかった作品。比較的短時間の中で無駄のないテンポで話は進み、謎が一つ一つ紐解かれていく展開が面白かった。オルガ・キュレリンコかその美貌も相まってミステリアスで中々>>続きを読む

ザ・プロム(2020年製作の映画)

3.8

ミュージカルらしいポジティブさは勿論、昨今のアメリカを取り巻く社会情勢をしっかり踏まえた良作でした。もちろん、ハリウッド作ということで主張はリベラル寄りなのですが、一方的に保守を批判するのでなく、相手>>続きを読む

家族の肖像(1974年製作の映画)

3.7

孤独な老人の屋敷に押し入るように間借りを申し込んできた「家族」との邂逅から運命は動き出す。正直「家族」の所業がウザすぎて終始イライラしていたのだけど、「家族の肖像」を家中に飾る程人恋しさを感じていたい>>続きを読む

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.8

あのレントンがエディンバラに戻ってきた。そこから4人の運命の歯車がまた動き出すかのように見えるが、結局は同じところを彷徨い続けているだけ。ダニーボイル流のカッコいい演出とは裏腹に、現実の残酷さの描写が>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.2

個人的にはストーリーにも煉獄さんにもあまり感情移入はできなかった。

しかし、アニメーションは素晴らしい。
煉獄さんと戦った敵に対する炭治郎の叫びには胸を打たれました。