軽い話。クリス・エヴァンスの、後のキャプテン・アメリカとは正反対な役柄が面白い。
スペクタクル=見せ物であるところの映画体験として、すごいものであることには間違いない。特に中盤の山場である婚礼は、『ベン・ハー』や『スパルタカス』の再現や、それ自体上手くいっているとは言い難いモンター>>続きを読む
影響を与えた『地獄の黙示録』以上に悲惨で不快、異常な旅路。自然は恐ろしいし、人間の狂気はもっと恐ろしい。斬首直後にまだ意識が残っている生首、一瞬の描写だが、本当にこれくらいならあり得るかもと思わせる。
傑作。豪華絢爛、華麗なる画作りの極みであると同時に、滅びゆくもの、退廃的な美の描写も徹底している。微妙な心理の間を揺れ動くヘルムート・バーガーの不安な演技も、素晴らしい。
超速のカット割りでレースを様々な角度から見せ、緊張感とスピード感を常に保っている撮影と編集は見事。しかしおっさんの妄想としか言いようがない脚本にはゲンナリ。ブラッド・ピットもトム・クルーズ同様、いつま>>続きを読む
シュールな世界観で夢と現実の間を右往左往する三流作家ヴァル・キルマーの姿は、それなりに笑える。売れない作家の脳内そのものを映像化したと思えば納得。
「兄弟」としての関係は『ランブルフィッシュ』の変奏。白と黒、光と影、カラーとモノクロ、強烈なコントラストが、交錯する血縁の因果を際立たせている。
子どもを守る仏としての寅次郎。秀吉という名付けのセンスがすごい。
家族を家族として必ずしも一カ所に縛り付けない。そこにオリジナル版とは異なる救いを感じた。
単に動物キャラとしての映画化ではなく、あくまでお菓子であることを重視した結果、なかなかぶっ飛んだ設定になっている。いろいろゲスト出演もあるので、これ一本でもお菓子・シネマティック・ユニバース的な趣があ>>続きを読む
往年のディズニー映画のように本(アルバム)をめくるところから始まり、広告のポップな書体の文字の大写し、離れた場所で電話している相手同士を同じ空間にいるように見せる画など、固い伝記モノとしても成立しそう>>続きを読む
リアル師弟の寺田農と椎名桔平がヤクザの親分子分役で共演しているのが良いっすね。椎名桔平はほぼ同時期の『GONIN』のジミー役はやや変化球だったが、こちらはストレートに、若くギラついた感じが出ている。他>>続きを読む
金子・樋口版ガメラの逆張り。昭和ガメラの作風に回帰した結果、微妙な出来になったのは必然か。
降りしきる雨と煙草の火が、ウェットでありながらも燃え上がる情念を象徴している。冒頭たまたま駅でぶつかった永瀬正敏と大竹しのぶを細かいカット割りでつなぎ、2人の物語が始まるきっかけになった決定的場面をじ>>続きを読む
星や音符など現代にも通じる表現があり興味深い。侍を蹴散らす按摩は、遥かに後年の『座頭市』を想起させる。
三船敏郎と渥美清、何故かよく分からないが馬が合う、といった具合の2人の掛け合いがおかしい。三船と深い関係にあり、『男はつらいよ』にも3度出演した志村喬(既にこの時は作中でも志村本人も故人)と渥美清の絡>>続きを読む
『ソナチネ』助監督の清水浩監督、舞台も沖縄、青いライティングも相まって、同作や『3-4x10月』の番外編的な雰囲気が漂う。ダンカンの脚本も、たけし映画特有のギャグの「間」をかなりトレースしている。
長渕剛の野生味が絶妙。ヤケになって注文するのが団子とビールという変な組み合わせなのが良い。
「ファイナル」って語を使うだけですげえバカっぽいねという感慨がデジャブで、何だったかなと考えてみたら『スカイウォーカーの夜明け』の「ファイナル・オーダー」だった。実際それに相応しいバカ映画で、過去作の>>続きを読む
ストレートな勧善懲悪の法廷劇で、結末に一抹の苦味は残るものの、総じて爽快。ジョン・ヴォイト、ミッキー・ローク、ダニー・デヴィートらアクの強い脇役たちが良い外連味を加えている。
ジェネリック版『二十四の瞳』。パクりだと分かっていても、自転車贈呈は感動的である。
特撮で誰もが疑問を抱く、描かれない大量の死という問題に真摯に向き合っている。京都駅の贅沢な使い方も良いですね。
アクションから逆算したようなストーリーが露骨過ぎて、乗れない。予告で繰り返し観させられたバイクと一緒に飛び降りるところも、その画だけが先行していて、肝心の〝着地〟に至るプロセスがよく分からないまま次の>>続きを読む
劇場公開時以来の再見。今で言うヤングケアラーに該当するような重めの題材でもある一方、ハワイの風景と魅力的なキャラクターたちが彩りを添え、明るい作品になっている。
バロウズ作品の映像化のアプローチとしては、クローネンバーグの『裸のランチ』と対照的。湿っぽく、良くも悪くも分かりやすい仕上がりになっている。
長崎が舞台で、キリスト教が題材の一部になっている。その中で自殺することの罪にも触れており、これまでにない趣。
都会で猛烈に働いていた米倉斉加年の中で糸が突然切れ、蒸発を決意するに至る過程を理解させる一連の流れが巧い。街を行き交う人々の姿と紙上に踊る数字で混沌が示され、最後はサブリミナル的に挿入される花のイメー>>続きを読む
全編にわたって逆光によるシルエットで人物、特にオルロック伯爵の姿を見せることで、物語の底を流れる邪悪さが際立つ。しかし執念の末に手に入れた愉悦が頂点に達したその時、ようやく陽の光が〝彼〟の姿を捉える。>>続きを読む
ゼメキスの『永遠に美しく…』でも似たような感想だったが、あれ以上に『笑ゥせぇるすまん』的な寓話だった。接写を乱発し過ぎていて、効果としてはいかがなものかと思う。
この手のリアル風路線としては、後に樋口真嗣自身が手掛ける『シン・ゴジラ』の原型となっている。ガメラ復活の方法やレギオンとの決着の付け方はファンタジー色が強く、作品全体のトーンからするとやや浮いている(>>続きを読む
舞台となる家の内部のデザインが素晴らしい。様々な文化や宗教のモチーフを雑多に組み合わせた上に、過度に作り物めいた構造であることが、ミニチュア模型の存在で強調される。ごちゃごちゃ知識を詰め込んでいるが結>>続きを読む
福岡ドームの天井の割れ目から顔を覗かせるガメラ、東京タワーで巣作りするギャオス。巨大建造物と怪獣の美しくアイコニックな掛け合わせという基本を忠実に押さえている。