バルタン星人の声の流用元ってのは結構驚いた。化け物そのものより、極限状況におかれた人間の心理に焦点を当てている。
ありえねえだろと思って観たけど、織田裕二の三船敏郎風演技自体は案外悪くなかった。同じ脚本を使って、黒澤版を超える演出が一つでもあったかというと、それは皆無。
観ているだけで楽しいデバイス、人体破壊、セックス描写盛り盛りなところなどは親父さん譲りですね。ブランドン氏の作品からは、特にマスクへの強いフェティシズムが感じられる。
このレビューはネタバレを含みます
自らの意思に反して異物を産み出すというモチーフ自体は散々手垢がついたものだが、それを反キリストに絡めつつオーメンの世界観に上手く落とし込んでいる。事件に巻き込まれる立場の明朗快活な主人公かと思いきや、>>続きを読む
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顔に寄ったカットが常に多く、通常の彼ら自身をさんざん目に焼き付けさせられているので、クローンや仮面の登場以降は一気にそのアイデンティティが剥がされていく様を強烈に体験できる。インフィニティ・プールのよ>>続きを読む
轟音版の風立ちぬ。オッペンハイマーの物語でありながら、量子力学を通じたノーランなりのいつもの「俺と、世界と」的な話に収斂している気はする。
サブリミナル演出を多用し過ぎて安っぽい。そのくせ、死の描写の一つ(病院のくだり)がオリジナル版と比べて全く盛り上がりのないものに変えられていて、意味が分からない。神父の惨殺死体をそのまま掲載するネット>>続きを読む
救いは無いが美しい。ただこの紙のバレリーナは、スター・ウォーズのカミーノアンみたいだ。
スケールが大きくなる『2』モノの定番の割にはビルの中でしか話が進まないのがもったいない気もするけど、これも傑作。
面白いんだが、マシュー・ボーンのこの悪趣味さには相変わらず引っ掛かりを覚える(ジェームズ・ガンとかもこれに近い)。
『モスラ対ゴジラ』へのオマージュである名古屋襲撃は素晴らしいし、最後がみなとみらいというのも、いかにもバブリーな平成ゴジラという感じで良いですね(もうバブルではなかったかもしれんが)。ただバトラはモス>>続きを読む
一見普通そうに見える善良な市民の生活が、ちょっとしたところからズレていくという話を毎回上手いことやりますね。役所広司も悉くハマる。
PARTIIIは元々クライマックスの展開が1作目の変奏になっていたが、この再編集版では大司教との会話を冒頭に持ってきたことで、1作目冒頭のヴィトーの会話シーンともきれいに対になっている。しかしコッポラ>>続きを読む
RDJが飲んだくれ・ヤク中の役やってるとリアル過ぎて笑って良いのか分からない。フィンチャーの猟奇殺人モノとしては『セブン』が後味悪いなりにも分かりやすいオチであった一方、なまじこちらは実話なだけに余計>>続きを読む
永作博美の弟が自殺するくだりに始まる冒頭の展開だけは、ドッペルゲンガーの見せ方も含め完全にホラー。ドッペルゲンガーという題材でもっといくらでもガチのホラーにできそうなところ、そうはならずにおかしな方向>>続きを読む
『トイ・ストーリー2』であった『帝国の逆襲』のパロディネタの回収をちゃんとやったことだけは(若干変化球ではあるが)偉い。あとは平凡。
男が色々と身につまされる系映画。ジョージ・クルーニーの仕事や生き方には全く共感しないが、作中で受ける仕打ちには同情する。
傑作。やがて訪れる破滅を知らぬまま大合唱する『ハイ・ホー』は涙無しには観られない。
賞狙い臭は確かにある。非当事者であるスピルバーグが監督したことにも色々言う向きはあるかもしれないが、手がたくまとめてはいる。
理知的な佇まいの内に秘めた冷酷さ、凄みの表現はジョニデよりマッツの方がハマってる。半ば打ち切りみたいな扱いなのは勿体無い。
こんなすごいものを見せてくれるんだという驚きが、2作目にしてもう枯れてんね
エズラ・ミラーの役柄、どこかフラッシュに通じるものではある
原発に有楽町、新宿、とにかくミニチュアが気合い入りまくり。有楽町の街並みは40年前からそんなに変わってないんやなと妙に感心。小林桂樹を筆頭に、閣議に居並ぶ面々がいかにもこの時期の邦画超大作といったおっ>>続きを読む
二つの会議が同時に進行してるとこの畳み掛けるような編集とかすごいっすね。暴走する民衆を描いたこの映画が1931年のドイツで作られたというのは、この後の歴史的な経緯などを考えると感慨深いものがあります。
宇多丸が言ってたようにこの映画のヴィランがやってることはウォルト・ディズニーそのもので、100周年の記念の作品にあえてそれを持ってきたのだとしたら凄いことだと思うが…。意図せざる結果なんでしょうか。
『聖なる鹿殺し』も割とそんなんだったが、この奇妙な世界のルールや細かい部分の整合性は色々曖昧にしたまま、単純にテーマだけで押し切る潔さが良いですね。ただちょっと、中盤で一回映画の流れがぶった切られてる>>続きを読む
不快な音楽が不条理さを劇的に盛り上げている。バリー・コーガン、ただ映っているだけで不安な感情を掻き立てられる稀有な俳優だと思う。
ひたすら繰り返される横スクロールと画面の奥行き。水、湯気、炎。ロウソクの件を果たしたその先にあるものは何なのか…。
今井正×錦之助で、『武士道残酷物語』に続く、武士道ってロクなもんじゃないよね路線。脚本の橋本忍にとっても、『切腹』の次は仇討の愚かさを書いてみましょうかという感じか。いつも目がガンギマリの錦之助だが、>>続きを読む