このレビューはネタバレを含みます
メタ視点が複雑である一方で、何を写し取るためにこんな複雑な構造にしてるのかラストまではわからなかった。ただ、椅子から転げ落ちる役者(?)の演技とか、絶対NGだろみたいなカットを入れている独特のリズム>>続きを読む
流氷シーンすごかった。あと、角に帽子を乗っけられた牛の荒々しさ。人間では操れないはずのものを映画にそのまま取り入れようとしている点に目を見張った。
ドライブシーンが速くてビビった、本当に事故るんじゃないかという驚きがあった。
主人公はどことなく昔の知り合いを想起させられて痛々しかった。
この世の終わりを感じさせる金色の陽射しが美しく不気味であった。真っ黒な天空は室内テーマパークの天井のような狭苦しさを感じさせるし、建物の中は迷宮のよう。登場人物が日常を送っている部屋でさえも、斜めを>>続きを読む
ツァイ・ミンリャン独自の映画製作方法 がリー・カンションなくしては産まれなかったことが身に沁みてわかった。
リー・カンションのゆったりとした佇まいがスローシネマの作風を作り出している。ツァイ・ミンリ>>続きを読む
ステージに上がるパフォーマーたちの自由な身のこなしが画面内に根付いていて良かった。当時のジャマイカのストリートの風景や社会背景がライブ影像の合間に時折入ってきて、その影像とライブを比較する限りこ>>続きを読む
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物語の展開は綱渡りみたいで面白く、クヒオ大佐の浅はかな感じと、バレてるのに演技をし続けるキャラクターには引きつけられた。気になったのは、ラストの和室のシーンでご飯を食べているシーン。クヒオ大佐は身分>>続きを読む
ジャンヌ・ダルクがずっと恐怖に怯えていて不気味。裁判で訳わからないこと言ってる神職者に対して怯えてるのだろうけど、自分はずっと怖がり続けているジャンヌ・ダルク自信にも怖さを感じた。怖がってるジャン>>続きを読む
話している人物たちの顔をひたすらピントの浅いクローズアップとバストショットで優しく取り続ける前半では、登場人物たちの記憶を声によって観客と共有する。失踪した俳優だけでなく、彼を中心として想起される記>>続きを読む
朝日がベットの頭に強く差す。おそらくこの家で一番朝の陽当りの良い部屋だろう。その空間には誰も居ない時間が流れることになる。これだけで充分物語を語れているのが良い。
去年一番聴いた曲はこの映画で流れる「A Pure Person」だったので一際感動して観なおしてしまった。
空間を移動する姿を徹底してカメラが追うことで、スー・チー演じるヴィッキーの存在の中>>続きを読む
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映画のカメラのレンズの延長線上に望遠鏡のレンズがあり、その中間には中学生がとる栗田科学のドキュメンタリーのレンズがある。過去の星と人物を記録することを、中学生は楽しく日常の延長で行う。映画のレンズの>>続きを読む
自分の欲望に忠実であるからこそ誰が馬鹿か分かり、自分の落ち着ける場所を見つけられるという展開をエロ・グロ・ナンセンスを用いて表現していてこれは日本の作品かよと思いたい気持ちがわいたが、もはやそんな時は>>続きを読む
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沢田研二は演技が自由でいい。
自分が観てきた中では、この時代の作品としては一番好きかもしれない。
沢田研二演じる原爆をつくる化学教師の子供っぽさの演出がずっと面白く、ただ明るいだけじゃない虚無>>続きを読む
記憶の中にいるような孤島の世界観を美しく描いている一方で、役者である主人公の男が夢の世界に浸りきり退廃的に生きているばかりの感情には共感できなかった。失った元嫁をどこか彷彿とさせる女性人物たちは皆魅>>続きを読む
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画面内の緊張感が足りない。その一点に尽きる。サスペンスで麻薬というジャンル自体としては展開に複雑さがない。性的に暴力を振るう夫とのやり取り以降の展開は先が不安定で勢いがある一方、繫がりがぼんやりし>>続きを読む
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不条理な歴史を振り返るならば、弔うことは希望にならざるを得ない。
展開が複雑であり、白色テロという物語としての軸が前提としてあるためかろうじて追いついていくことが出来る作りとなっている。白色テロ>>続きを読む