よしやさんの映画レビュー・感想・評価

よしや

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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.4

『人類の進化の黙想』それ以上でも以下でもない映画。長いキャリア通してクローネンバーグが悟るやはり「身体」というテーマ。
クローネンバーグらしい近未来的ながら極めて人体的な構造物が暗闇でヌメヌメと存在を
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.4

眩しいきらめきと曇天のような暗さのある映画。イギリス人の監督らしい何というかジメッとした暗さ。

父と娘の距離感の近いけどやや遠さのある感じ、娘は生き生きと日々成長していくのと比べ鬱屈とした父という対
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怪物(2023年製作の映画)

3.7

坂本裕二の脚本はよく書けているなというが最初の印象。特に目線が変わるごとに捉え方が次々と変わっていく様は巧み。
同じようなエピソード描きつつも細やかに切り口を変えて飽きさせない。

是枝裕和は日本の家
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タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

4.6

上手すぎるぞジェームズ・キャメロン、上手すぎる。
確かにディカプリオとウィンスレットの物語は2人の名演技とタイタニック沈没という実際にあった悲劇を背景にすることで深い愛と悲哀を感じさせるが、とにかくそ
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.6

アニャ・テイラー・ジョイが可愛くてたくましくて魅力的。怪しげな演技から骨太な所まで幅を見せてくれる、素敵。
作品は風刺やブラックが効いていて良いユーモアもある良作。
特に最後までレストランとして料理を
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.5

端的に言って素晴らしい映画。“Little women”という古典を現代的な視点を入れつつ鮮やかな構成でアップデートしている。
邦題が酷すぎて本当に損をしている映画でもある。

監督グレタの古典解釈と
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呪詛(2022年製作の映画)

3.3

前評判が良すぎたからもう少しテンションが欲しいって言うのが正直な感想。

ラストのビジュアルだとかファウンドフッテージ的なギミックの仕掛けとかは非常に興味深い。信頼出来ない語り手の手法とホラー要素とY
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カリートの道(1993年製作の映画)

3.5

デ・パルマ、パチーノの「スカーフェイス」コンビ。スカーフェイスがギラギラした成り上がりを描いてるとするならカリートの道はマフィアのその後。

出所して仁義ない裏切りに満ち溢れた街に放り出されたかつての
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.5

ドゥニ・ヴィルヌーヴらしい原作への熱いリスペクトと丁寧なストーリーライン。
ヴィルヌーヴは過去作でも特にその気遣いの深さを感じることが多い。説明が多いわけじゃないのだけど、伏線を細かく張って前に前に理
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ラブ&モンスターズ(2020年製作の映画)

3.4

結構ストーリーとしては前向きでしっかり作られてる印象。ヘタレがモンスターと戦いながら人間として成長していくし恋愛ありどんでん返しありとエンタメとしては王道を行ってる。

シャンデリアと似顔絵のくだりは
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.1

分かるよ、PTA何でも出来ちゃうよね。ボーイミーツガールも出来るし自分が大好きなあの頃のハリウッドも再現出来るし。

このレベルのクオリティに自分のやりたいこと撮れたらそりゃ気持ちいいだろうなって感じ
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.6

2部作で兄弟の浮き沈みが描かれる本作。プレイリストをベースに音楽と映像がクロースなのはtiktokを含め昨今のトレンドを意識した作り。

特に前半パートがいい。カメラワーク巧みで開放的なドライブから始
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.2

殺人鬼と家族だけの陰鬱でがらんとした家の感じとかダイナーで食事してたらケバケバしい女性に見られるシーンとか好き。

静謐と冷たさのある突き放したカメラワークや音楽とのコンビネーションもなかなか。

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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.7

「ボーダーライン」脚本のテイラー・シェルダンの監督作。よく書けてるしよく撮れてるなといった印象。

派手さ目新しさはないが作りは丁寧で真相にテンポ良くせまり、家族の喪失というテーマで人間的な苦味と立ち
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ブラッド・レッド・スカイ(2021年製作の映画)

2.3

ハイジャックした飛行機に吸血鬼が乗っており殺戮の嵐が巻き起こるパニックホラー映画。

ハイジャックの描写は丁寧にやってる反面、吸血鬼やホラー的側面は雑。
吸血鬼になるきっかけのとってつけたようなエピソ
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.7

劇場版だからバトル描写を増して派手に、という方向ではなく、乙骨憂太の人間としての成長談メインに構成されていたのが印象的だった。
本来0巻に書かれていない乙骨や五条先生の人物周りの描写なども違和感なく背
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.6

海外でも能面って怖い印象なのか?
序盤はスピード感、アクション共に素晴らしい。緊迫の幼少期のマドレーヌが襲撃されるシーンから始まり、イタリアでの美しい情景とカーチェイス、銃とDNAの二重螺旋を絡めたタ
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アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

4.0

いいよねぇ、アメカン・サイコ。男しか好きじゃない映画Top3、アメリカン・サイコ、ファイト・クラブ、ダークナイト。

ムキムキナルシストのクリスチャン・ベールがいい。パックしてるとことセックス中に鏡で
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マーターズ(2007年製作の映画)

3.8

残酷な拷問描写が光るパスカル・ロジェの名作フレンチホラー映画。
何より美しいリュシーとアンナの2人の関係性の描写が凄くいい。
アンナはリュシーを愛しているけどリュシーは復讐と幻影に支配されている。
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RED/レッド(2010年製作の映画)

3.3

引退した初老に差し掛かる凄腕スパイたちが国家に命を狙われるも返り討ちにしていくアクション映画。

ブルース・ウィリスの顔つきが戦闘を重ねるごとに鋭くなっていくのが印象的。

とにかく展開が早くてサクサ
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ミュージアム(2016年製作の映画)

1.7

ハンバーグのシーンだけ良かった。
他は劣化版セブン。もういい?

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

2.4

敵も味方も魅力ない雑魚ばかりのご都合展開連発でがっかり。マーゴットが可愛いだけの映画、本当にスーサイド・スクワッドで何を学んだ?

主人公サイドを女性キャストで固めてガールクラッシュ的な映画にした意図
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サンクタム(2010年製作の映画)

3.1

ジェームズ・キャメロン総監督作品という謳い文句と雄大な洞窟のビジュアルに惹かれた客を悲しませた映画。

この手のサバイバルものにありがちな鑑賞者は自然vs人間をみたいのに実際は画面の中で一緒人間同士が
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.2

パルムドール、オスカー撮る前に観に行ったけど客かなり入ってたし面白かったね。

韓国映画らしいハードなゴア描写、激情、ドンデン返しもいれつつ、韓国のリアルな社会問題も背景にありつつ、話も面白いという、
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アス(2019年製作の映画)

4.0

「ゲットアウト」より良い。
最初は“ファニーゲーム”的な侵入者に家族が狩られる追いかけっこ系かと思わせといてグッと中盤で話を広げてくるのはお見事。

「ゲットアウト」は真相周りでやや尻すぼみしたのに今
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.8

オスカー受賞を総嘗めにしたアジア系監督クロエ・ジャオ監督のノマドランド。
受賞は昨今のマイノリティ配慮への影響も強いとは思うけれどアメリカらしい価値観とマイノリティらしい視線のmixとしてこのノマドと
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

2.4

ネットで拾ったあるあるネタを恋愛映画フォーマットに乗っけて焼いてさぁみんな共感出来る恋愛映画作ったよって感じ。
いや良いところもあるよ、オチの付け方はスッと清涼感あるし「きらびやかな思い出としての終わ
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.7

時間逆行を物理学的に見せるやり方は画期的で、アクションは派手だし、登場人物はスタイリングも含めかっこいいし、画面映えするし、でも惜しい映画だった。言うならばお子様ランチ、やりたいことが全部乗ってるけど>>続きを読む

ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛(2008年製作の映画)

3.4

原作自体が淡白でつまらなかったぶん、アクションシーンを映画では増やしておりエンタメ性が増してよかった

ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女(2005年製作の映画)

3.7

ライオンと魔女、原作が良すぎるせいもあるのだけれど最終決戦を含めたアクションシーンは映画ならではの良さ。

世界観も綺麗に再現されてストーリーも不足なく忠実な映画化といっていい

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.3

ティモシー ・シャラメは完璧な王子様キャラではなくて、こういう金持ちでルックスもいいけどスノッブ、ナイーブでなよなよしてる男、を演じるのが合っている。
今回はウッディ・アレンを投影した猫背で神経質で口
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.0

デビュー作でこの完成度かよ、って思わされるほど完成されたホラー映画。
悪魔崇拝というテーマは非常に古典的だけど、霊的な恐怖を押し出すのではなく現代家族崩壊の話として展開してみせたのが上手い。
古典ホラ
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キャリー(2013年製作の映画)

3.2

演出やストーリー仕掛けともにわざわざリメイクしたものとしては弱いように思えた。
特に母親のクリスチャン的な病的さの見せ方がもっと丁寧にやっても良かった。
キャリーの情念や思春期の女の子としての心の動き
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

3.8

トリアーやればきちんと出来るじゃん!って感じの映画。新しい作品しか観たことなかったけれど、今作は代表作だけあってか丁寧な筋運びとセルマの感情がきちんと描写されて実に綺麗に作られている。
子供を障害が出
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.1

建築やナチス、宗教、芸術などの対話やイメージを挟みながら殺人鬼ジャックの生涯が語られていく。
正直対話とジャックの話の関連は分かるようで全然分からないし掴みどころがない。最後もダンテの神曲をモチーフに
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