成瀬が小津や溝口と並び称される理由がよくわかった。
2人のように、映画と現実との絶望的な距離やカメラというものの異様さを暴き出すことは無いけれど、人間を映すという映画の基本的な点において成瀬は頂点の一>>続きを読む
目の前にあるものをただ捉えるということの美しさと強さ。映画のすべてじゃん…となった。
トム・ウェイツとジョン・ルーリーがわちゃわちゃしてるというだけでありがたい
動物、機械、道具の(一見)無限な接続を可能にする平面としてのアニメーション、死の不在
大袈裟と言っていいほどのある種の愚直さに最初は笑いつつ共感しかけたんだけど、その後どういうわけかハマりきれなかった。いくつかのシーンを除いて、画面が自分の視線をするすると逃れてしまった。
切り返しもロングショットもどこか不穏なんだけど、この不穏さは黒沢清のそれと幾分通じつつもやはり違っていて、濱口竜介という人の作家性を強く感じさせる。
映画において車を運転することが本当の意味での逃亡>>続きを読む
ゴダールには移動することへの根本的な不信感、あるいは警戒心があるんじゃないか。
そしてそれはとても誠実なことだと思う。
迷路的な感覚が非常に鮮明な色彩とともに描き出されていたのも良かった。
サイダーハウスルールの時も思ったけど全体的になんか薄いんだよな〜
叙情性を一切排除したスマートな構成において、登場人物も事件もすべてたった2つの快楽を生み出すための一要素に過ぎないということがどれほど痛快か。つまり、一方向的に解決していく物語の快楽と、瞬間性と迫真性>>続きを読む
今まで観たヴェンダース作品で一番良かった。彼ほど映画的な感性をもっている作家もいないし、この作品ほどその感性が表れているものもないのでは。
ドイツの風景に漂うスライドギターの音色がそれとなく報せるよう>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
最後、『ケーブル・ホーグのバラード』じゃん…となって泣きそうになった。考えてみると、誰もいない場所(ここでは藤森がいるが家族はバラバラ)に何か(ここでは牧場)を建設し交流が生まれていくが、最後にはそれ>>続きを読む
物語としてはホロリとさせる人情劇なんだけど、ふと現れるまるで生気を感じない静物に動揺する。
何度か繰り返されるものを食べるシーンが印象的で、撮り方の違いなどからいろいろ考えたくなる。
カメラが辛うじて掴めるか掴み損ねるかという瀬戸際で動き続ける演者たちの緊張感。
音と映像が一体となって爆発的に連鎖していく様には思わずのめり込んでしまう。だけど、これにのめり込みたくないと思ってしまう>>続きを読む
「これならわかる新左翼」みたいな映画
言いたいこと明瞭すぎるしマジで思想を伝えることにのみ注力してるせいでさすがに退屈だった
冒頭の自動車工場のシーンはよかった
写真の分析そのものはだいぶ的を射ているとは思う。
映画にする意味あるのか?という疑問も無くはないけど、ナレーター2人の熱量とくどさは文章では伝わらないと思うのでこれはこれで良い気もする。ただそれ故にこ>>続きを読む
信じ難いまでに研ぎ澄まされたこの作品を過不足なく形容しうる言葉が存在しないという事実を前に、言語の不完全さを呪いつつ愕然としてしまう。
あらゆる構図が、カメラの移動が、微かな所作が、声や物音が、映像に>>続きを読む
Screamin’ Jay Hawkinsが出ててびっくりして叫びそうになった
怠い時間感覚がたまらない