むねとしふうやさんの映画レビュー・感想・評価

むねとしふうや

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それから(2017年製作の映画)

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神の存在証明を勉強し終わったら長文のレビュー書きます。

ワンダーストラック(2017年製作の映画)

5.0

耳が聞こえない女の子を演じた子は実際に聾唖者で、大人になった彼女を演じたジュリアンムーアは手話を猛勉強したそうだ。これだけで最大の評価に値する。映画としても耳が聞こえないことが上手く主題と絡んでいて良>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

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圧倒的な資本力。ガンダムとゴジラが戦えるのはアメリカじゃないと無理なのでは。「ジャップよ、こんなになめらかに絵を動かせるかい?ゴジラとガンダムを戦わせられるかい?できないよね、だって貧乏だもんね、どん>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.5

久しぶりに映画を観たけど、実に良かった。ウェルメイドな作りに感涙。飛び交う銃弾、せわしなく動く人々、宙を舞う新聞、動的な画面が続く中、一人じっとするメリル・ストリープ。彼女は様々な意見の人々に様々な言>>続きを読む

わたしたちの家(2017年製作の映画)

4.0

映画を好きだと言うのなら、観といた方が良いと思います。後は自分用の感想なんで無視して大丈夫です。


四角く縁取られた視覚が円を描く。障子やすりガラス越しに四角く抜き取られる円形の顔たちは、円を描く運
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

1.0

観てないふりをしようかとも思ったけれども、少しだけ。
まあ、今作に限ったことじゃないけど、やはり政治的な面でかなり馴染めない。正直、アメリカのポリコレ観にはうんざりしてる。やっぱりトランプのいる国の
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

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やっぱりマジメにレビューしておく。
長くなったので結論だけ先に書くと、「私たちは愛する人と決して出会うことができない」ということを哲学的に議論してます。


 「愛」とは何か。これを語るためにはまず出
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はらはらなのか。(2017年製作の映画)

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ちなみに、今年一番面白くなかったのはこれだな。これは映画館でかけちゃいけないやつでしよ。

PARKS パークス(2016年製作の映画)

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今年ベスト。圧倒的ベスト。
今年はそこまで新作観られなかったし、その中でもこれより面白い映画もあったし、これより褒めるべき映画もあったけど、そんなのどうでもいい。
ちょっと考えられないくらい筋がちゃめ
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ダンケルク(2017年製作の映画)

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今年ワースト。
ワーストといったも単に面白くなかったわけではない。そもそも、面白くなかったからといって今年一番悪い映画に選んでしまうほど厚顔無恥ではない。
いや、面白くはあった。というより、構造として
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希望のかなた(2017年製作の映画)

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久しぶりに映画館で面白い映画を観られた。
みんなぶっ殺されるタイプのカウリスマキじゃなくて、とんがり族みたいな楽しい方のカウリスマキ。

三度目の殺人(2017年製作の映画)

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どうした是枝!
僕の是枝のイメージは、とてもシステマチックに物語と映像を構成する人。例えば是枝の出世作である『誰も知らない』では、知っている/知らないという対比を内側/外側という対比で見事に描き出して
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聖なるもの(2017年製作の映画)

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ポストメディウムや、思弁的実在論などが流行している現在において、この映画は一つの道を示していると思う。フィルムからデジタルに移行していよいよ実在性が失われた映画に対し、でもそこにカメラがあるじゃないか>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.2

詩が言葉でしかないのだとすれば、詩とは極限の日常である。言葉は常に現実を表象(正確に言えば指示)してるからだ。では映画が散文であるとすれば、映画は何になるのか。それは極限の虚構である。映画において、映>>続きを読む

(2017年製作の映画)

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情報ではなく意味として世界を捉えること。伊藤亜紗の名著『目の見えない人は世界をどう見ているのか』における主題であるが、『光』においてもこの対比が存分に生かされている。
情報とは「明日の降水確率は100
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メッセージ(2016年製作の映画)

2.1

観たのは2ヶ月ほど前で、観てからある違和感を感じていた。それは、英語を母国語とする言語学者が時間の流れのないエイリアンの言葉をどうして使えたのか、という疑問である。言語学者はエイリアンの言語を獲得する>>続きを読む

銀魂(2017年製作の映画)

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笑いって無視されがちで、笑いについて書かれた本なんてベルクソンぐらいしかない。ユーモアも笑いに入れたらローティとかドゥルーズとかも数えていいけど、それにしても少ない。みんな1日に一回は笑うくせに、笑い>>続きを読む

ケイト・プレイズ・クリスティーン(2016年製作の映画)

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まあ、散文だと期待して観たらしっぺ返しくらうので、これは韻文なんだと思って観るのがよいでしょう。つまり、何か物語が語られている、というよりかはメディアとしての映画性に肉薄してるんだ、と解釈するのをオス>>続きを読む

(2014年製作の映画)

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マジで何の意味もわからなかったが、無意味さこそが意味なのだとは口が裂けても言いたくないから、球体という完成され閉ざされた秩序に導かれ、シニフィエなきシニフィアンとでもいうような無秩序が立ち現れたと、と>>続きを読む

昼顔(2017年製作の映画)

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渡邊大輔のツイートを見てようやくわかった。最後の落下は日常的反復としての水平への引力と理解すればいいのか。ホタルのいる小川が二人の逢引の場であり、それは山、すなわち垂直方向に位置していた。その他にもベ>>続きを読む

パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)

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自動扉が明らかにカメラのせいで開くことを隠すどころか反復する描写で顕示する様は、カメラこそが幽霊的身体だと言わんばかりであるが、カメラが上から下にティルトダウンすることで遠くにいる車を写し出すファース>>続きを読む

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

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言いたいことは山ほどあるのですが、一点だけ指摘します。
仮に片目が見えなくても、視野は半分にはならず、せいぜい3/4程度になるだけです。それにも関わらず、左目が見え辛いから主観ショットの左半分を黒にし
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さようなら、ごくろうさん(2016年製作の映画)

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モノローグや会話を多用しながら、ポリフォニックというより弁証法的に物語を積み上げ(『ドストエフスキーの詩学』)、しかもその神話的なイメージ(『神話作用』)のパフォーマティビティをこそフィクションだと思>>続きを読む

機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

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友人に勧められて鑑賞。
1より世界観が作り込まれていて、傑作だと言いたくなる気持ちも十分にわかるが、そもそも1より濃厚になったのは、全てあまりに物分かりのいい後藤のお陰で、彼があらゆる問題をささっと解
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ろくでなし(2017年製作の映画)

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ヤクザの組長が人を殺し、組長本人が後始末をしているのを眺めていた組員二人の会話に違和感。
「これで俺らも共犯だな」
「でも殺したのは社長だから」
「お前面白い奴だな笑」
これのどこに面白い奴ポイントが
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退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)

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今泉が日本のホンサンスって評されてるのを見たのだけれども、一体どの辺がホンサンスなのだろう…

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

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物語が長くて構造的というだけで面白いと言ってしまう蓮實重彦に敬意を表して、ただ長いだけのこの映画を面白かったとは言わない。しかし、この映画信じられないくらい短い…

息の跡(2015年製作の映画)

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東日本大震災のドキュメンタリー。
内容はおいといて、この映画は蓮實重彦、椹木野衣、三浦哲哉、佐々木敦、細馬広通といった名の知れた批評家が手放しに褒めている、という事実だけで一見の価値はあろう。
痕跡と
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海は燃えている イタリア最南端の小さな島(2016年製作の映画)

5.0

映画は常に排他的なメディアであった。ホワイトウォッシュだかなんだかの議論を思い出してもらいたい。映画は物語内外において民族的な偏りがかなり激しい。ポスコロの議論を援用すれば物語=表象=差別である。映画>>続きを読む

デュアル・シティ(2015年製作の映画)

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面白いかは置いといて、恵比寿映像祭でかける意味はなんだったのか疑問。ただのSF群像劇だったし、映像作品というよりは映画であったと思う。弾はほとんど当たらないとか、アンドロイドは悲劇的とか、映画のお決ま>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

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いつも疑問なのだけれども、ミュージカルは映画への愛について言及しないといけないのか?そういうルールがあるのか?とにかく不思議。
まあ、映画そのものはディーヴォをはじめ、フロックオブシーガルズやアハなど
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ブラインド・マッサージ(2014年製作の映画)

4.2

近さ/遠さの対比を上手く用いていたなと。風景とは遠さのことで、近視的眼差しは風景を隠してしまう。見えなくても近くなら見える、というよりもむしろ見えてしまう。近くしか見れない者たちが必死に遠くを見やる時>>続きを読む

ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(2014年製作の映画)

3.5

ちょっと面白かった。
神話ないし民話として始まり、背景と断絶された物語であったが、主人公が神話の語り手となることで物語がビルドゥングスロマンとして近代化すると、風景を獲得するというつくりはまあまあ面白
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

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吐瀉物に対し、「牛乳です!」と生徒が形容する映画が面白くないわけがない。
人情味溢れる妻がエジプトに行きたいと呟くと、夫は総勢6名を引き連れ、3段にもなる人間ピラミッドを行う圧巻の風景。交通網の発達し
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ミューズ・アカデミー(2015年製作の映画)

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上映後に四方田犬彦のトーク。『シルビアのいる街で』と関連させて不在を撮ることについて語っていた。バルトを引用しながら、恋愛と不在を結びつけつつ、ミューズを語りながらも恋愛に溺れる教授の滑稽さをあぶり出>>続きを読む

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