平成2年の男さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.0

・空間と持続についての議論は、芥の詭弁方便にうんざりした。論破することしか頭にない芥に対する、三島の大人な対応には感心しきり。実際、三島は相手の土壌に立って勝負してあげているわけだから、論筋だけ見ると>>続きを読む

この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説(2018年製作の映画)

3.0

・なかなかにおもしろかった。

・人生において、頭を空っぽにして観られる作品は大切だと思った。

Vフォー・ヴェンデッタ(2005年製作の映画)

3.5

・ツッコミどころの多い作品である。だが、多少の瑕疵を補ってあまりある熱量が本作にはある。

・二時間と少し、という尺は、この作品には窮屈だったように思う。本作は、あまりに多くのメッセージを抱え込んでい
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.5

・異様な迫力のある作品。R18で作成して欲しかった。

・カメラアングルがセクシー(小泉進次郎風

・キャリアハイのアルパチーノの演技が堪能できた。いやぁ、背がちっこいのに、すごい存在感だ。

グッドフェローズ(1990年製作の映画)

3.0

・実話をベースにしているだけでなく、細部においても事実に忠実な作品、とマフィア界隈から評価されている作品。

・ロバートデニーロって何を演じてもロバートデニーロにしかならんよな。

・グロ要素は少なめ
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三人の夫(2018年製作の映画)

3.0

・ネタ作品かと思いきや、最後の20分の難解さはこれまで視聴した作品の中でも屈指のレベル。

・作品全体を覆う息の詰まりそうな倦怠感。開放感のある海を舞台に据えながら、尚且つコメディタッチな会話の応酬が
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.0

・ライアンゴスリングには薄幸のソルジャー役がよく似合う笑 「Drive」然り。

・レプリカントやAIの死に、生命について考えらされる。どのようなボーダーを以って、我々は物質から超越した存在として己を
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.0

・「おまえたち人間には信じられないようなものを私は見てきた。オリオン座の近くで燃える宇宙戦艦。タンホイザー・ゲートの近くで暗闇に瞬くCビーム、そんな思い出も時間と共にやがて消える。雨の中の涙のように。>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.0

・「え、どうやって撮ったの?」の連続。宇宙船のプラモデル、回転ステーション場面の撮影手法以外は訳が分からなかった。冒頭の猿人、あれ人間が演じているのかね。運動神経すごすぎないか?

・一番訳がわからな
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つぐない(2007年製作の映画)

3.5

・ノーベル賞作家であるイアンマキューアンの「アムステルダム」を読了した後に、本作を視聴。文体から香るイアンマキューアンらしさが映像形式としてふんだんに翻訳されていると感じる。

・小説の中に物語を語る
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文学賞殺人事件 大いなる助走(1989年製作の映画)

2.5

・原作から入ったクチである。筒井康隆さんの天才っぷりにあてられて本作を視聴。

・実写化である本作については、濡れ場以外の見所がいまいち見出せず。シナリオライターを責めるのは酷だろう。原作がそれだけよ
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.0

・映画に無関心な親父が珍しく勧めてきた作品。

・「埼玉を馬鹿にしている作品だ」とぷりぷり怒るような埼玉県民は少ないだろう。本作はあまりに埼玉愛に溢れている。

・グンマーの扱いに笑った。いくら修羅の
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マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

2.5

・許される不倫というものがあるならば観せてもらおうじゃないかという期待から視聴。

・フランチェスカとキンケイドの邂逅パートが始まると、俺の感性という感性が嫌悪にざわめいて、すぐにギブアップした。セッ
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ムンバイ・ダイアリーズ(2010年製作の映画)

3.0

・難解ではないが、難しい作品である。本作にはロクな解説記事がない。それだけメッセージを受け取るのが難しい作品ということだろうか。Filmarksのレビューも、本当にちゃんと観ているのか疑問を抱かずには>>続きを読む

パフューム ある人殺しの物語(2006年製作の映画)

3.5

・俺、鼻腔炎持ちやから、、

・始まり方の仰々しさに気を引き締めたものの、物語が進むにつれて真面目に見たらダメな方の映画と分かってくる。

・グロとエロに斜め45度の角度で吹っ切れている。そして、無駄
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ダンケルク(2017年製作の映画)

2.5

・ノーラン監督の作家性とやらが爆発しておりますが、個人的には近代に至るまでのイギリスのダサさをよく知っておりますので、鼻で笑ってしまうような視聴感しか得られず。

・本当に紅茶が好きなんだな。イギリス
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

・とにかくすごいが、とにかく難解な作品、という事前知識は持っていた。

・私は従順なコロナ自粛民なのでNetflix配信を待っていた。思ったより早かったぞ、Netflix。待ちわびたぞ、Netflix
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スワロウテイル(1996年製作の映画)

3.5

・触れたこともない記憶がノルスタジックに生起される思いがした。

・円を求めて生きるという異邦人の目的が、意図しない複雑な分裂を経て、増歪を繰り返した果てにつまみ出される感傷こそが本作の全てだろう。
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ベルヒカ(2016年製作の映画)

3.5

・隠れた傑作のように思う。

・俺は好きだ。そもそもナイトクラブの雰囲気が好き、といったほうがいいだろうか。

・「That’s Life」を地でいっている。人生なんてこんなもの。誰もかも、刹那の快楽
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.0

・カーアクション映画にそこまでバイブスを揺さぶられることはないのだけど、本作には珍しく魅入った。ドライビングテクニックが最高にセクシーだ。

・カーアクション作品に対する個人的な評価は「Drive」と
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嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)

4.0

・これはJ-popな「ダンサーインザダーク」である。個人的には本作の方が好き。

・平成の特徴が鮮やかに描き出されていて、令和の時代にみると、平成は平成なりの文化が確かに育っていたことがよく分かる。
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アンソニー・ロビンズ あなたが運命を変える(2016年製作の映画)

4.0

・いつもおすすめに出てくるが、広告動画の胡散臭さから敬遠していた。観る気になったのは気まぐれというしかない。視聴後の感想としては、観てよかった。本作は劇薬だが、あなたが賢明な人間であれば人生に対する深>>続きを読む

イノセンス(2004年製作の映画)

2.5

・物分かりのいい方だと自認しているが、本作については全く理解できなかった。ただただ、映像美に酔いしれた。手塩をかけた作品であるところは評価するが、あまりに独りよがりな作品。壮大に過ぎるこのオナニーをど>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

-

・あえてスコアをつけていない。だが、高く評価している。

・はっきり言って本作を観るのは苦痛だった。

・俺はこの結末を認めない。

・聴こえない世界の表現は素晴らしいと思った。あらゆる面でリアルだ。
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.8

・Netflixはよくぞ決断してくれた。よくぞ、このドキュメンタリーを流してくれた。本作によって多くの日本国民が彼の名前を知ることになる。

・小川淳也氏の掲げる仁義に心を揺さぶられた。

・四国出身
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

3.8

・とてもよくできた短編純文学を読んだような充足感がある。後味は悪いけれども笑

・現代の問題を映画という形式で風刺するのは、よくあることだが、本質的に映画のルーツは口伝にあり、それから芸術性、最後に娯
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セルジオ: 世界を救うために戦った男(2019年製作の映画)

2.5

・ひりつくような外交を期待して観たのに、なんやこのメロドラマ。

・実物がそれなりにイケメン美女でおったまげ。この二人ならロマンスもむべなるかな、というくらいに顔面偏差値が高い。

・日常、フィリピン
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.0

・「記念するべき500本目は君に決めた!」のノリで視聴。チョイスに間違いはなかった。

・こんなにヒューモア溢れる映画だったのか。新鮮な驚きがあった。

・傑作と呼ばれる作品には、視聴前の段階である程
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年製作の映画)

2.5

・一ヶ月かけて視聴した。非常に忍耐を必要とする作品であった。四時間近い尺は退屈の原因ではない。

・時間を置きながら観たせいで、話の前後の記憶が糢糊として、物語への同調が難しかった。はじめは、話が複雑
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羅生門(1950年製作の映画)

4.0

・「羅生門効果」という言葉が世界に流布したのは本作のためである。

・最初のクレジットで原作「藪の中」とあったので、あれ?となった。語り口の舞台設定が羅生門なだけで、話自体は藪の中なのね。

・本作に
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欲望の翼(1990年製作の映画)

4.8

・本作では次の詩が繰り返し登場する。この詩については中学生の頃から知っていた。すさまじい詩だったから、ずっと覚えている。テネシーウィリアムズ「地獄のオルフェウス」の詩である。

『脚のない鳥がいるらし
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ロニー・コールマン: 偉大なる王者(2018年製作の映画)

3.5

・全盛期のロニーの破裂しそうな肉体美、晩年のロニーの自力歩行すらままならない姿、その対比により絶えず問いかけてくるのは人生に横たわる等価性である。

・某登場人物「自分で立つことも出来ない身体になって
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ジェネレーション・アイアン3(2018年製作の映画)

3.5

・ジムに通い始めて分かるボディビルダーのかっこよさ。きもーいと一蹴してきたあの身体が命を賭して作り上げられたものと知った瞬間に、彼らの全てが神々しさを纏いだす。

・昔から鍛えなくても筋肉質だった俺が
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ミュウツーの逆襲 EVOLUTION(2019年製作の映画)

2.5

・当時の俺にとって「ミュウツーの逆襲」は怖い映画だった。ポケモンらしかぬダークな雰囲気にすっかり参ってしまい「僕は本当にポケモンの映画を観たのだろうか」という疑念が映画館を出てからもしばらく抜けなかっ>>続きを読む

SCOOP!(2016年製作の映画)

2.5

・開始10分後くらいに現れる沖田杏里に反応した男はきっと多いはず。

・カウボーイビバップ感ある福山雅治も悪くない。

・チャラ源、リリーフランキーさんでしたか。演技がお上手ね。馬場さん役の演技がとっ
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

4.0

・文学を愛する一人として本作を視聴した。厳しい目で見てしまうだろうからと避けてきたが、実際に視聴してみるとなかなかどうしてよくできた作品である。

・「ミッドナイトインパリ」の日本文学版のような作品で
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