女の子になれないロール、林のなかを走り抜けた先にある小さな広場で、男の子とサッカーをする姿がいちばん輝いていた。静かに語りかけてくる美しいフランス映画。
人の温かさともろさ、情の深さとやり場のない怒り、心の奥深くに沈めて日常を過ごすが、その炎は燃え盛ったままだった。人としてどこまでも美しい。3人の思いあふれる熱演が突き刺さる名作。
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療養所で生活の世話をするおばさん達がいちばん輝いてみえた。善し悪しの区別を第一とする人の輪がそこにあった。療養しつつ共に働くおとよ(二木てるみ)を、娼家の女主人(杉村春子)が迎えに乗り込んできたとき、>>続きを読む
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ラスト、休学して実家の淡路島に引きこもるイノギのもとに、ホリガイが船で向かっているとき、2人はスクリーンから飛び出してしまった。佐久間由衣さんはホリガイそのもの、奈緒さんはイノギそのものだった。ホリガ>>続きを読む
美味しくいただく小豆の心の声にも耳を傾けたり、働けたことに感激したり、そんな幸せなひとはいない。オーナーに縛られる千太郎(永瀬さん)、中学生活に馴染めないワカナ(内田伽羅さん、希林さんの実孫)、そして>>続きを読む
ひとは街に流れてゆく。大人たちが皆でクジラをさばく風景、クジラの肉と山村の農産物を物々交換する風景、そして子供たちが遊びながらそれを手伝うキラキラした風景こそ、ひとが住むべき世界。
スクリーンが美しい。自分の居場所で働く人が美しくたくましい。津軽弁、三味線、メイドカフェ、母の居ない家、岩木山をのぞむ町、大好きな1本。
映画が好きで好きでたまらない。そんな2人の想いがじんわり伝わってくる。高畑充希は、もぎり子にしか見えない。とびきり輝いている。失ってはじめて気づく町の小さな映画館のおもみ。クソじじい!って叫んでるのに>>続きを読む
人々が暮らす町の佇まい、家で過ごす時間、特別なことは起こらないけれど、そんな日常が美しい。そこに目を向けさせてくれる優しく力強い作品。
はじめに曲が流れただけでダメだった。ジェームス・ディーンのナイーブな世界にひきこまれてゆく。今は逢えぬ面影むねに。けれど、スクリーンでずっと生きつづけている。
デフォルメのない真面目な人のこっけいさ、これがいちばん笑える。そんな人が大事にする人達の夢を成就させるため、さりげなく自らの命をかける様、これが心をうつ。中井貴一のほんとに名演技、松山ケンイチの絶妙な>>続きを読む
観た次の日もずっと続く幸せな気持ち、初めてのような気がする。登場する役者さんが素晴らしく、日常をうつす映像が心地よく、そして全編を流れる音楽、こんな映画音楽ずっと待っていた。音楽とともに昇華する映画は>>続きを読む
自分を信じて前に進む、4人それぞれ違うけれどアニメへの思いはみな熱い。スタッフと仕上げていく作品は、アニメという分野の芸術として、傷ついた人の心にも届けられていく。エクレアが食べたくなった、もちろんチ>>続きを読む
わんぱく戦争でできあがる隣り村とのつながり、転んでも転んでもケロリと立ち上がるわんぱく少年のたくましさ、名子役が大人たちに届ける名作。
夏休み、優しい今の父のもとを離れ、ちょっとだけ前の実父とバカンス、ほんの少しせつないけれど笑顔いっぱい。萌歌さんはカメラ越しだと思わせないから、こっちまで楽しくなる。
大感動作。パッチギを見たときの衝撃が少しよみがえった。人として生徒たちと向き合う先生がたしかに居た。
戦後、元ナチス将校を探しだし復しゅうするユダヤ人の地か組織、死には死をもって復しゅう、それでは永遠に終わらないのだけれども。
味わいのある芸術的なアニメが動く世界、しかもフランス語。捕虜の絵描きにこっそりと筆を渡す心優しい看守も戦争の被害者、勝った者なんていない。
見ている側も青春させられてしまう。伊藤万理華さんのまっ直ぐな熱演にそうさせられたのだろう。いい空気すったー。
スカッとする南米の復しゅう劇。うまくやる事、仲間を大切にする事、たしかに。
古き良きキネマの時代、映画愛いっぱいの作品だった。ここでも菅田&永野の名演ぶりは際立っていた。
衝撃的なストーリーに圧倒されない周冬雨(チョウ・ドンユイ)の淡々とした怪演、最後まで彼女を追いつづけていた。中国のすばらしい女優さん発見。
見終わった後、ひざが震えて、映画館を出たところで転んだ。あまりにも美しく、悲しく、温かな映画だった。戦争は庶民の暮らしをひょう変させる。でも人は強くて、優しくて、温かい。きっと見つかる。
おじさんと姪っ子、それぞれ生きづらい世界でけんめいに自分だけの羽を広げる。その姿はただ美しい。
平成、令和の大スターの共演。強さ、はかなさなど見る者に様々な共感を抱かせる。映画館のハコが見終わった後も、2人に支配されていた。
メインキャストからほとばしるセリフの緊張感、躍動する銀幕、日本映画が紡いできた興奮と感動が、またひと華咲かせた。しみる。カッコイイ。
いくつになっても追いもとめる自由、いくつになっても訪れる希望、ケベックの森がすべて包みこむ。目の前には、ただ今があるだけ。
杉原さんの巧みな演技と、小倉さんの情熱伝わる演技でスクリーンが充たされた。静かに流れていく独特のシーンが心地いい。
成田凌、彼のような演技力の役者さんは見たことがない。清原さんとの会話だけで十分楽しめる映画だった。彼は日本のスター。
今もフランスの東北地方で使われるアルザス言、その地域の偏見や男性優位社会、1960年代後半にフランスでは日本と同じような意識があった。映画はちょっとバタバタだったのかな。
今さら知る、ジュリア・ロバーツのキュートさ、中学生の頃の映画ファンにひき戻された。映画はスターを見るためのものでもあった。
人の垣根を超える情熱と感動、力強く切り開いてゆく。彼女も父の前では一人の少女だった。町の人たちは彼女がビッグになり、この小さな教会から去るのを惜しんだ。
役者さんの迫真の演技に尽きる。尾野さんはもちろん、片山さん、永瀬さんと、そして和田さんのナチュラルで力強い存在感に注目、4人とも役づくりがスゴい。
またまたフランス映画、そして大好きなカトリーヌ・フロ、美しいスクリーンとともに、彼女が観る者をひっぱり込む。映画はすばらしい。
フランスのリゾート地の港町、さびれてしまったが哀愁あふれる風景、家族がもつ過去の傷のかさぶたをはがして兄弟わかり合うまで、ゆっくり美しく時が流れる。これぞフランス映画、カメラ、光、音、人、どれもすばら>>続きを読む