スクリーンに菅田将暉さんが登場するだけでワクワクしている自分に驚いた。まさしく名優。
個人的には、もう少しホラー的な描写を期待してしまった。
カフェピアノ、そして海辺で映し出されるピュアな2人の姿を見ているだけで心が洗われてスクリーンに釘付けになる。
しかし、友人2人のハチャメチャさが愉快でスクリーンを穏やかにしてくれない。そのバランスが最>>続きを読む
主人公の身勝手さに少し引いてしまった。原住民と開拓民、お金は人々の美しい生活を狂わせてしまう。
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「あなたは、あらゆる全ての事を経験するのよ」思春期をむかえる前の娘に、母が亡くなる前に伝えた言葉だった。
この言葉が、後に栄光の絶頂から転げ落ちそうになる彼女をくい止め、体内からの喜びを見つけさせると>>続きを読む
無欲で不器用で優しい人が、自分のやりたい事をやっと見つけたときの目の輝きは、なぜあんなにもキラキラして魅力的なんだろうか。映画館に、そっと背中を押している自分がいた。年老いても毅然としていた祖父の後ろ>>続きを読む
ベテラン、中堅の役者さんの名演がめじろ押しで湯道の街に魅き込まれる。さらに際だっていたのが橋本環奈さん、演じているというより、しっぽりと其処に実在していた。ほんとうに素晴らしい役者さん、今更かも、でも>>続きを読む
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「人は元々、別の星で生まれて一つの箱に入ってるだけ、別の星の人と考えた方がラク」この映画は変に説明めいたセリフがない。だからこそ、ちひろさんがポツリと話す言葉が響く。「でも同じ星かなと思う人も時折いる>>続きを読む
子供のケンカ、これが発展すると集団での殺し合い、暴動や戦争になる。そこに目を向け、その火種を少しずつ絶やすが如く、真剣に小学生と意見を交わす校長と支える先生たちの姿が映し出される。シンク シンク レス>>続きを読む
見終わった後すぐなのに、何故かすべてのシーンが懐かしく愛おしく感じさせられる映画だった。ニヒルな過去を微塵も見せない藤竜也さんの町のお豆腐やさんぶりが素晴らしい。父の傍らで美しく輝く麻生久美子さんの豆>>続きを読む
稼いだほとんどのお金を仕送りさせるため、子供をヨーロッパの国々に密入国させるセネガルの親たち。まともな職には就けない密入国の子供らは、薬の売人となって暗躍する。純真だった子供らの目が、やがて研ぎ澄まさ>>続きを読む
老婦人マドレーヌが回顧する人生があまりにもドラマチックだった。
タクシー運転手のシャルルは無愛想だけれど、とても実直な男だった。
マドレーヌの人生の終盤、シャルルの人生の後半、2人の出会いは2人の人生>>続きを読む
かつて西部劇に魅了された世代がまた熱くなれるシリーズ。前作からの清野菜名さん、岡山天音さんの存在感がとても効いていて大好き。
映画館のシートに座ると、ファーストシーンから世界観にのめり込まされてしまう>>続きを読む
「まだ戦争は終わってないじゃないか!」あんな激しい形相でセリフを言う綾瀬はるかさんは、スクリーンで初めて見る気がする。心に残るシーンとなった。天然気質の人を本気に怒らせたときの迫力、古川琴音さんの幼児>>続きを読む
あなたは何でも許し、すべて受け入れてしまう。昔はもっと闘っていたのに。老けゆく夫に妻のジャンは苛立ちをぶつける。ついにジャンは夫と、そして夫と同じように老けゆく町の人達と、胸の高鳴り(ホウィル) を求>>続きを読む
1921年に上映された作品。今も映画館で上映され、サイレントならではの繊細な感情が映し出される。当のチャップリンは百年先にも上映されてるって想像してたんだろうか。恵まれない境遇で生活し小さな部屋で心寄>>続きを読む
看板遊女を演じた南田洋子と左幸子、熟年期の母親役しか知らなく、有り余る瑞々しさとキレのある演技に魅了された。主役のフランキー堺といい、戦後、貧しさから這い上がる世相が生み出したような凄まじい演技に刺激>>続きを読む
北川景子さんの喜怒哀楽は、いつも登場人物そのものであり心を動かされる。本来なら人生をもっとも輝かせられる時に、戦場における人間性との抗えない葛藤、十年以上も戦争犯罪者として囚われ厳寒地で酷使される身心>>続きを読む
同姓にしか興味がない内気な男子校生エディと、異姓にまったく興味がないしっかり者の女子高生アンバー、クラスメートの2人はそれぞれ、周りからの冷やかしにウンザリしたため、卒業までの約束で偽装カップルとなる>>続きを読む
1作目に堂々とならぶ面白さ、腑に落ちない行動はあるけれど、そんなことより弓矢ひとつで立ち向かう母ネイティリがたまらなくカッコいい。徐々に先住民ナヴィの姿に違和感がなくなっていて、終盤には自分自身がナヴ>>続きを読む
岸井ゆきのの目力でスクリーンに引き込まれた。岸井ゆきのの立ち姿はケイコそのものだった。そして東京の下町でケイコの背中を押し続けていた。彼女こそどんな役柄も自分の板に付ける数少ない名優だと思った。彼女を>>続きを読む
このまま映画が終わらないでほしい。ずっとスクリーンに映る彼らを見ていたかった。変わってしまうことも、ずっと変わらないことも、すべて受け入れて川は流れていく。席を立ったとき、自分の居場所をひとつ失ったよ>>続きを読む
のん演じるミー坊は、不器用で勉強もできないけど、そんなのは気にせず興味が沸く方へグイグイすすむ。その個性を伸ばしてやるのがこの子の幸せと、父、担任の先生、世間体に毅然と立ちはだかる母が優しくつつむ。性>>続きを読む
ロンドンのパブ、パリのアパートメント、小規模で魅力的なファッションショー、やるべき事をやって主にも言うべき事をスカッと言う家政婦、哲学書を好み金持ち相手のファッションショーで虚無感を抱く可憐なモデル、>>続きを読む
映画館は役者さんの熱が迫ってくる。主役の3人は勿論、年を重ねて更に増す柄本明の迫力、河合優実の素朴な情感、将来性を感じさせる坂元愛登(安藤さくらの息子役)の無垢な憂い、映画を物語る仲野太賀の静かな熱演>>続きを読む
自分の身近にいる75才を過ぎた人、あと十数年で75才を迎える人、そんな人たちに決してこんな選択をさせるような孤独な暮らしはさせない。そんな強い気持ちにさせられた大切な作品となった。
倍賞千恵子さんの変>>続きを読む
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教会にいるときだけ母をひとり占めできた。シモンは大いに甘え、母もまた大いに受けいれた。こうして2人の特別な関係性、絆が育まれてしまった。母が「もう少しだけ」と周りに泣き叫び2人かたく抱き合うシーン、実>>続きを読む
鼻をたらしている昭和の子供を子供像とする昭和のおじさんにはハードル高かったかもです。
せつなく映るけれど、それ以上に、これだけの強いつながりこそ尊く、うらやましく感じてしまう。演じたあと、ぬけ殻になるんじゃないかと思ってしまうほど、2人の渾身の姿は美しすぎて忘れられない。
こんなに面白いストーリーだったのか。ジェームス・ディーンばかり目で追っていた頃には気づかなかった。寒い夜明け前、オモチャのお猿さんに新聞紙を掛けてやるシーン。寒い夜、赤のスウィングトップを着た動かない>>続きを読む
長い長い歴史のなかで、今この我々の時代に加速度的に滅びゆく島(土地)の文化、最たるものの一つが言葉。メディアの影響で全国標準化していく。もしかすると、これを食い止めることができるのも、多くの一人ひとり>>続きを読む
中学卒業時、少しの不安と大きな期待で島を離れる子供たち、天真爛漫な明るい心だけは大切にと願うばかり。春休みに帰省した純朴な女子高生が、島を離れても心を寄せる与那国馬にまたがり、旅立つ中学生が乗る離陸し>>続きを読む
小林聡美さんのナチュラルなお芝居、松重豊さんの魅力的な立ち姿、ほっこりと温かな作品。ベンガル体操たまらん。
「長い歴史のなかで人間が大地をコンクリートで固めたのはほんの50年前」便利さに甘んじている胸に突きつけられる衝撃的で重い言葉。まずは知ることしか出来ないけれど。
主人公バディのような子供目線に、あるべき世界が映り、そこにすっぽり引き込まれる。どうもモノクロ映画には臨場感が沸く。
家族を引っ張る父、思春期の子供たち、何より、家族の幸せを願う母の大きな愛情をセントルイスの街が映しだす。キュートという言葉は、ジュディ・ガーランドのために出来たのではないのか。