午後の山さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

午後の山

午後の山

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若草の頃(1944年製作の映画)

3.0

家族を引っ張る父、思春期の子供たち、何より、家族の幸せを願う母の大きな愛情をセントルイスの街が映しだす。キュートという言葉は、ジュディ・ガーランドのために出来たのではないのか。

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

4.0

巴里の小さなカフェ、巴里の小さなアパートメント、巴里の小さな広場、ジーンケリーとともに躍動する。古き良きハリウッド映画。小さな映画館を出たあとも浮かれ気分でステップを踏みたくなった。

前科者(2022年製作の映画)

4.0

"安心できる存在"という言葉が響いてくる。石橋静河のやさぐれた役、堂にいってカッコ良かった。

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

5.0

Clint Eastwoodがカウボーイハットを付けてるだけでジーンとくる。そこに乗馬シーン、格闘シーン、そして魅力的なメキシコ女性との恋のストーリー、奇跡的な映画。淀川長治さんに解説してほしい。

再会の奈良(2020年製作の映画)

4.0

中国と日本、戦後まもなく国境をまたいで寄せた思いが、時を経ても、別のかたちで紡がれる。そんな人たち3人、答えを求めるでもなく、同じ調子で黙々と歩き続けるシーンが美しい。

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

5.0

もっとも好きな作品。飾り物じゃなく卑屈、下世話な日常もしっかり映し、それでも更に美しく力強い。その場所は、家庭、漁場、市場、パブ、学校、講堂、先生の家、池のほとりで展開する。そして生活のパワーをドカン>>続きを読む

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

3.0

女優、加賀まりこさんの母親役がとてもいい。穏やかな街、一軒の家での静かな暮らしぶりが映し出されていく。

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

3.0

ドキュメンタリーかと錯覚するほど、闘いの残酷さが伝わる。南米山岳地帯、少年少女兵、仲間割れ、ミステリアスな指揮官、とても興味深い設定の映画。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.0

人間がやってのけるスタントにこそ興奮する。軽い身のこなし、バイク、カーチェイス、ストーリーと繋がって目が離せない。これぞ007のダニエル・グレイグ、多様な美しさをもつレア・セドゥ、体じゅうに爽快感がの>>続きを読む

スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.0

子供から大人になるとき、勝手な大人たちに翻弄されるが、それらを手放して3人で走り抜ける光あふれる映像。観ているとき、自分もその年代にタイムスリップしてドキドキしてるから映画はおもしろい。モノクロも効果>>続きを読む

Our Friend/アワー・フレンド(2019年製作の映画)

4.0

寝室、リビング、森の川辺、映像がとても美しい。特に、窓の外から覗き込むように部屋の様子をとらえるシーンは印象的だった。親友の存在が、ほころびかけた家族の絆をより固くしていく温かな作品。

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.0

瀧内公美さんのリアルに迫る眼差し、河合優実さんの目をそらしバランスをとる深い情感、梅田誠弘さんの静かなエネルギーのかたまり、光石研さんの繊細な表情、予想外の展開のなか、すっかり魅き込まれていく。

トムボーイ(2011年製作の映画)

4.0

女の子になれないロール、林のなかを走り抜けた先にある小さな広場で、男の子とサッカーをする姿がいちばん輝いていた。静かに語りかけてくる美しいフランス映画。

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

5.0

人の温かさともろさ、情の深さとやり場のない怒り、心の奥深くに沈めて日常を過ごすが、その炎は燃え盛ったままだった。人としてどこまでも美しい。3人の思いあふれる熱演が突き刺さる名作。

赤ひげ(1965年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

療養所で生活の世話をするおばさん達がいちばん輝いてみえた。善し悪しの区別を第一とする人の輪がそこにあった。療養しつつ共に働くおとよ(二木てるみ)を、娼家の女主人(杉村春子)が迎えに乗り込んできたとき、>>続きを読む

君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラスト、休学して実家の淡路島に引きこもるイノギのもとに、ホリガイが船で向かっているとき、2人はスクリーンから飛び出してしまった。佐久間由衣さんはホリガイそのもの、奈緒さんはイノギそのものだった。ホリガ>>続きを読む

あん(2015年製作の映画)

5.0

美味しくいただく小豆の心の声にも耳を傾けたり、働けたことに感激したり、そんな幸せなひとはいない。オーナーに縛られる千太郎(永瀬さん)、中学生活に馴染めないワカナ(内田伽羅さん、希林さんの実孫)、そして>>続きを読む

くじらびと(2021年製作の映画)

4.0

ひとは街に流れてゆく。大人たちが皆でクジラをさばく風景、クジラの肉と山村の農産物を物々交換する風景、そして子供たちが遊びながらそれを手伝うキラキラした風景こそ、ひとが住むべき世界。

いとみち(2020年製作の映画)

5.0

スクリーンが美しい。自分の居場所で働く人が美しくたくましい。津軽弁、三味線、メイドカフェ、母の居ない家、岩木山をのぞむ町、大好きな1本。

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

4.0

映画が好きで好きでたまらない。そんな2人の想いがじんわり伝わってくる。高畑充希は、もぎり子にしか見えない。とびきり輝いている。失ってはじめて気づく町の小さな映画館のおもみ。クソじじい!って叫んでるのに>>続きを読む

モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)

4.0

人々が暮らす町の佇まい、家で過ごす時間、特別なことは起こらないけれど、そんな日常が美しい。そこに目を向けさせてくれる優しく力強い作品。

エデンの東(1954年製作の映画)

4.0

はじめに曲が流れただけでダメだった。ジェームス・ディーンのナイーブな世界にひきこまれてゆく。今は逢えぬ面影むねに。けれど、スクリーンでずっと生きつづけている。

大河への道(2022年製作の映画)

4.0

デフォルメのない真面目な人のこっけいさ、これがいちばん笑える。そんな人が大事にする人達の夢を成就させるため、さりげなく自らの命をかける様、これが心をうつ。中井貴一のほんとに名演技、松山ケンイチの絶妙な>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

5.0

観た次の日もずっと続く幸せな気持ち、初めてのような気がする。登場する役者さんが素晴らしく、日常をうつす映像が心地よく、そして全編を流れる音楽、こんな映画音楽ずっと待っていた。音楽とともに昇華する映画は>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

5.0

自分を信じて前に進む、4人それぞれ違うけれどアニメへの思いはみな熱い。スタッフと仕上げていく作品は、アニメという分野の芸術として、傷ついた人の心にも届けられていく。エクレアが食べたくなった、もちろんチ>>続きを読む

わんぱく戦争 デジタルリマスター版(1961年製作の映画)

4.0

わんぱく戦争でできあがる隣り村とのつながり、転んでも転んでもケロリと立ち上がるわんぱく少年のたくましさ、名子役が大人たちに届ける名作。

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

3.0

夏休み、優しい今の父のもとを離れ、ちょっとだけ前の実父とバカンス、ほんの少しせつないけれど笑顔いっぱい。萌歌さんはカメラ越しだと思わせないから、こっちまで楽しくなる。

かば(2021年製作の映画)

5.0

大感動作。パッチギを見たときの衝撃が少しよみがえった。人として生徒たちと向き合う先生がたしかに居た。

復讐者たち(2020年製作の映画)

3.0

戦後、元ナチス将校を探しだし復しゅうするユダヤ人の地か組織、死には死をもって復しゅう、それでは永遠に終わらないのだけれども。

ジュゼップ 戦場の画家(2020年製作の映画)

3.0

味わいのある芸術的なアニメが動く世界、しかもフランス語。捕虜の絵描きにこっそりと筆を渡す心優しい看守も戦争の被害者、勝った者なんていない。

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.0

見ている側も青春させられてしまう。伊藤万理華さんのまっ直ぐな熱演にそうさせられたのだろう。いい空気すったー。

明日に向かって笑え!(2019年製作の映画)

4.0

スカッとする南米の復しゅう劇。うまくやる事、仲間を大切にする事、たしかに。

キネマの神様(2021年製作の映画)

5.0

古き良きキネマの時代、映画愛いっぱいの作品だった。ここでも菅田&永野の名演ぶりは際立っていた。

少年の君(2019年製作の映画)

5.0

衝撃的なストーリーに圧倒されない周冬雨(チョウ・ドンユイ)の淡々とした怪演、最後まで彼女を追いつづけていた。中国のすばらしい女優さん発見。

二十四の瞳(1954年製作の映画)

5.0

見終わった後、ひざが震えて、映画館を出たところで転んだ。あまりにも美しく、悲しく、温かな映画だった。戦争は庶民の暮らしをひょう変させる。でも人は強くて、優しくて、温かい。きっと見つかる。