ヤマナカさんの映画レビュー・感想・評価

ヤマナカ

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マーティン・エデン(2019年製作の映画)

4.5

映像が進みゆくにつれて、劇場で観ようか迷って結局観なかったのを激しく後悔することになってしまった。傘をさすエレナとマーティンが眺めるイタリアの荒野のショットやタイプライターの音を聞きながら挿入される水>>続きを読む

台風クラブ(1985年製作の映画)

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思春期をこじらせて好きな女の子の背中に熱した鉄を入れたり、レイプ未遂したりするミソジニー映画だと言ってしまうこともできるし、嵐の中で「もしも明日が晴れならば〜愛する人よ~♪」と歌う素っ裸の少年少女らに>>続きを読む

眺めのいい部屋(1986年製作の映画)

4.5

久しぶりに観直すと、ウフィツィ美術館前広場での狼藉シーン、男3人水浴シーンなどかなり興味深いシーンがあって、これは単なるラヴロマンスではないと思う。
フィレンツェではゲーテに言及されていたが、そういえ
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ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

4.0

前半のモタつき具合とダンスのシーンでのモザイク映像の稚拙さで観るのをやめようかと思ったけど、バーンスタインのマンボやらtonightといった曲の魅力といわゆるロミジュリの露台のシーンにあたる鉄柵の渡り>>続きを読む

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

4.5

美輪明宏の歌に「老女優は去りゆく」というのがあるが、そこで歌われている女優のひとりがこのジュディ・ガーランドなのかもしれない。優しい愛と誠実さをもったスターの去り際はかくのごとしであったのだろうと思わ>>続きを読む

ぼんち(1960年製作の映画)

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雷蔵はさっぱりとした色男だし、ぼんぼんの役がよく似合う。

越路吹雪、若尾文子、京マチ子のスター揃い踏みでの行水のシーン、まぁ市川崑のカメラのいやらしさたるやヘキエキとしてしまうのだけど、彼女らの魅力
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007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

4.3

エヴァ・グレン、マッツ・ミケルセンときてまさかのジャンカルロ・ジャンニーニ様がおいでというスターリング、贅沢や〜
中学くらいのときテレヴィで観た記憶があるんだけど、これノーカットで放送してた気がする、
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生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)

5.0

全てのカットが巧みなセリフと演出によって緻密に繋がっており、反復による笑いが快感として襲ってくる。髭、スリッパ、ステッキ、帽子、シガレット、ブランデー、コート、全てがあるべき場所にあり、有機的細部とし>>続きを読む

若草の頃(1944年製作の映画)

4.3

ジュディ・ガーランド演じるエスターがジョンと一緒にパーティーの終わったあとの家の照明を一つずつ消してゆくシーンのカメラがとても良い。そして妹のトゥッティが「ジョンに殴られた」といたずらめいた嘘をついた>>続きを読む

パリのランデブー(1994年製作の映画)

4.3

一話目がとりわけ良い。マルシェの豊かな色彩の中で、黒の革ジャンが異質な男のナンパがなぜだか切実に見える。そして30分の物語で奇跡的に集まる4人がものの見事にすれ違って解散してゆく。人生!

二話目の植
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イースター・パレード(1948年製作の映画)

4.2

脚本の弱さが否めないが、大好きなジュディ・ガーランドがやっぱり素敵。彼女がハツラツと歌って笑ってるのを見るだけで泣ける。フレッド・アステアもかなり歳をとっているように見えるが、その見た目以上に機敏でち>>続きを読む

ホワイト・クロウ 伝説のダンサー(2018年製作の映画)

4.2

アントルシャやピルエットの優美さに加えて、トウシューズを身に着けた足を木の板にこすりつけるときの音とその質感が美しいと思った。何より主演のイヴェンコ自身がロシアのバレエ団のプリンシパルとのことだが、彼>>続きを読む

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

4.0

I got rhythmの掛け合い、セーヌ河畔でのやりとりなんかが小気味よくて好き。それにしても『ラ・ラ・ランド』はこの映画のパクリみたいだなぁ、よく言えばオマージュって言うわけだけども。

女優以上
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.3

子どもの頃に観たきりの名作だったのを改めて見直した。ジュディ・オングみたいなレースのドレスにジーン・ケリーが巻き込まれていくところがかなり好き。
上体のブレなさと目の回るような足さばきがコメディの土台
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

4.5

画面の切り替わりによって衣装がどんどん変わってゆく、その速度と色彩の豊かさに心地よさを感じるし、一方で森の中の散策と抱擁、突然の涙がやや長めに演出されるのも良い。水と光と植物と。
最後の緑と青の衣装の
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シェルタリング・スカイ(1990年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の顔のアップが後半死に顔として再び現れる。

同じく冒頭、船着き場で子供たちが荷物をさらっていき、羊の群れとすれ違うところからしてほれぼれするのだが、カフェの場面ではカメラが戸棚についている鏡を撮
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サンセット大通り(1950年製作の映画)

4.5

エーリヒ・シュトロハイムがかつての有望な若手監督として「グリフィス、デミル、そして私」って言うところでゾクゾクする。
あとウィリアム・ホールデンがアーミー・ハマーに見えて仕方ない。

グロリア・スワン
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

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トリュフォーの『大人は判ってくれない』のジャン・ピエール・レオを思い出す。ジグザグ道の丘とラストシーンの洗濯物が印象的だ。大人は判ってくれない一方で、歩けないおばあちゃんを連れ出したり、歩くのが遅いお>>続きを読む

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

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石川啄木の「砂山の砂に腹這ひ初恋のいたみを遠くおもひ出づる日」を思い出すなど。
ホン・サンスの映画初めて観たけど、濱口竜介みたい。

his(2020年製作の映画)

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映画としてはビミョー、ただ藤原季節の魅力が抜きん出ている。

「シュン、長生きせぇよ」っておばちゃん、カッコよすぎ。

イノセント(1975年製作の映画)

4.3

ヴィスコンティの作品では一番好きだな。カーテンやドレス、シーツの布の厚みに加えて毛皮までてんこ盛りなので若干うっとうしいくらいに感じる画面のためか、ジャンニーニもラウラ・アントネッリも汗まみれだ。ジャ>>続きを読む

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

4.0

小津の『浮草』でも一緒だった川口浩と若尾文子のラブコメ、L字のカウンターに向かい合わせになって発する互いの愛の告白に「聞こえないよ/わ」とやり合う二人の名シーンをようやく観られた!

金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

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この映画を観て「反日」などという醜悪な言葉を並べてしまう人々がまだ日本にはいるのだ、ということをレビューから思い知らされる。日本の植民地支配、強奪に対する金子文子の強烈な批判と朝鮮へのエンパシーを抱き>>続きを読む

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

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ワイズマン中毒なのでやることがたくさんあるのについつい観てしまう。パティ・スミスがジュネの『泥棒日記』について話しているところとか、エルヴィス・コステロがアンチ=サッチャーの曲を書いた当時のことを話し>>続きを読む

セザンヌと過ごした時間(2016年製作の映画)

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やはり女性のドレス、シュミーズ、男性のヴェストやシャツにはじまり、シーツ、ピクニックのレジャーシートに至るまで、あらゆる布は映画的だし、その映画的な布の肌触りというのが絵画のキャンバスとも関係して、絵>>続きを読む

スージーの真心(1919年製作の映画)

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『スージーの真心』というより「とんまのウィリアム」と言いたい。売られてゆく牛に顔をすり寄せるスージーの目に角があたりそうでヒヤヒヤする。スージーのつくるごちそう、スージーの家の庭の花々、洋服、後れ毛、>>続きを読む

恐竜が教えてくれたこと(2019年製作の映画)

4.3

空の高さと海の心地よさがとても丁寧に画面に切り取られていて、この素晴らしいボーイミーツガールの下地を作っている。

末っ子だからみんなに死に遅れて独りになってしまうことを心配して「ひとりになる訓練」を
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ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)

4.3

原題On the Basis of Sexの明確な性差別主義批判をガン無視して、「ビリーブ」などという脱性化されたくだらない邦題をつけてしまうあたり、「フェミニズム本が売れる」時代になんとも情けないじ>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

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様々な問題のある賞だとはいえ、この作品が日本アカデミー賞を獲ったことがわたしたちの民主主義の希望だと思う。

伊藤詩織さんのこと、赤木さんのことが露骨に劇化されていたが、たとえばアベノマスクのことや、
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.3

鈴木福くんに激似のアジア系がスケボーに乗りながら消火器ぶっ放すところと校長の車のブルートゥースでポルノ流すところ、おもしろすぎて笑い死ぬかと思った。

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