ローレン・バコールが「マルセル・プルーストのように」などという不思議な言い方をする(当然ボガート演ずるマーロウはプルーストを知らない)のは脚本に名を連ねるフォークナーのせいだろうか。
ガイガーのエセ>>続きを読む
人々が顔を突きあわせて語らう空間を切り取るということがこんなにも美しいと感じられることの奇跡。シェルブールの休暇のどの瞬間も素晴らしいのだが、草原を散歩しながらデルフィーヌが突然立ち止まって泣き出して>>続きを読む
葉巻や吸付煙草の煙の中でトランプを捌く手つきやナイフ、懐中時計、ステッキ、といった小道具が執拗にクローズ・アップされる画面の美しさ。盲目の風船売りと犯人の口笛が奏でるグリーグのペール・ギュント。
バカ>>続きを読む
宮殿からトラックで脱走するアン王女が後ろについてくるスクーターのカップルと手を振り合うところが素敵〜
バーでラム・コリンズを飲むシーン、いや、懐中時計をもらうシーンのシークエンスで良い映画だと確信できるし、それが裏切られないのが映画の幸福ですね。
せっかく美味しいものをつくっても、絶望的にセンスのないおじさん相手だと張り合いがないから可哀想だしところどころキモいシーンがある。でも長髪で若干無精ひげの伸びた堺雅人がかなりかっこいい瞬間がある。
馬車がトコトコ走ってきて、少年の釣り竿がサッと画面に伸びてくる冒頭の瞬間にすでに充実した映画だと思ってしまう。
あまりに醜く戯画化された俗悪ブルジョワファミリーはまるまる太った父親をはじめ、しゃっくり>>続きを読む
「夫婦ってみんな同じなのね」とマーガレットの花束を捨ててつぶやくドミニク・サンダ、バスタブから脚を伸ばすドミニク・サンダ、ハムレットを観劇するドミニク・サンダ、「幸せよ」と呟いて女中を抱きしめるドミニ>>続きを読む
フェティッシュな着替えのシーンから(性的象徴として?)石灰ぶちまけるところのやりすぎた感じはありつつも、ガレージの中で自転車のライトに照らされる岡田義徳の顔とか、港町の公園で浜崎あゆみ(!)が並んで歩>>続きを読む
総集編!
メロン騒動がおもしろおかしく、美保純のいつまでもクサい演技が嬉しい。
若尾さんや京マチ子さんなんかがちらちらと映るのも楽しい。
ここから『地獄に墜ちた〜』の時代に移ってゆくのだと考えるとアツい。
戯作めいた節まわしに人情の味がしみる寅さん、こういう人情の人が欲しい。
櫻の名前について、「貝が二つ、その下に女と木、二階の女が気にかかるってな」。
笠さんに「バタァー」とか言わせてるのがすごい。
笑>>続きを読む
ロバート・ワイズ版と違うのはジェッツとシャークスのシマ争い以前に再開発という両者ともに抗いきれない破局が控えているというところ、人種間の争いの背後にもっと圧倒的な権力が控えている、戦う相手を間違えるな>>続きを読む
いまどきもうあんなに手入れの行き届いた日本屋はないだろうなというようなセット。
嵐山での法事の際の、原節子、司葉子の川べりでの会話のショット、本当に端役ながら、川でものを洗う農夫の笠智衆の姿があまりに>>続きを読む
マチ子様を久しぶりに観た。
冒頭、平治の乱の混乱で几帳のヴェールとそれを乱す謀反人らの押し合いへし合いが印象的。その後もやはりこの几帳が映画全体の基調を成している、几帳だけに。
競べ馬のシーンも鮮や>>続きを読む
ローマ法王の使節の司教役でダニエル・クレイグが出演していて、坊主の役はなんだか違うんじゃないかと思ったが、ちゃんと怪僧だし、拷問も受けるので安心した。
メアリー・オブ・ギーズのやり手の感じ、アンジュー>>続きを読む
久しぶりに長い映画を観てちょっと疲れたが、指の六本ある少年が担ぎ込まれる劈頭のところから惹きつけられる。映画というメディア=芸術がそうであったように京劇という芝居=芸術も日本軍占領下、国民党政権、共産>>続きを読む
なぜかルビッチの作品だと思いこんでいたヒッチコックの映画、マレーネ・ディートリヒが大好きなので彼女のla vie en roseを聴けたことが本当に嬉しい。
脚本も緻密なミステリーのプロットにメロドラ>>続きを読む
アメリカのティーンはマジで良いな。
主人公サイモンの部屋も素敵、ベッドの周りに黒板ついてるの面白い。
ミュージカルの演目がライザ・ミネリの「キャバレー」だというのもセンスある。
Simon says>>続きを読む
監督が構図厨なのでどのカットもきまりまくっているが、かえって息苦しいとも感じてしまう。
図書館勤務の様子に親しみが持てるが、常勤職員は「図書館学の修士号」を持っているのが当たり前で、もし持っていなかっ>>続きを読む
一人の女をめぐる「男同士の絆」を描いてこのスマートさ、この余裕はどうして生まれるのだろう。この3人の神話的関係が現実のジェンダー秩序と多くのものを共有していながら決定的に何かが違うという点がこの作品を>>続きを読む
映像が進みゆくにつれて、劇場で観ようか迷って結局観なかったのを激しく後悔することになってしまった。傘をさすエレナとマーティンが眺めるイタリアの荒野のショットやタイプライターの音を聞きながら挿入される水>>続きを読む
思春期をこじらせて好きな女の子の背中に熱した鉄を入れたり、レイプ未遂したりするミソジニー映画だと言ってしまうこともできるし、嵐の中で「もしも明日が晴れならば〜愛する人よ~♪」と歌う素っ裸の少年少女らに>>続きを読む
久しぶりに観直すと、ウフィツィ美術館前広場での狼藉シーン、男3人水浴シーンなどかなり興味深いシーンがあって、これは単なるラヴロマンスではないと思う。
フィレンツェではゲーテに言及されていたが、そういえ>>続きを読む
前半のモタつき具合とダンスのシーンでのモザイク映像の稚拙さで観るのをやめようかと思ったけど、バーンスタインのマンボやらtonightといった曲の魅力といわゆるロミジュリの露台のシーンにあたる鉄柵の渡り>>続きを読む
美輪明宏の歌に「老女優は去りゆく」というのがあるが、そこで歌われている女優のひとりがこのジュディ・ガーランドなのかもしれない。優しい愛と誠実さをもったスターの去り際はかくのごとしであったのだろうと思わ>>続きを読む
雷蔵はさっぱりとした色男だし、ぼんぼんの役がよく似合う。
越路吹雪、若尾文子、京マチ子のスター揃い踏みでの行水のシーン、まぁ市川崑のカメラのいやらしさたるやヘキエキとしてしまうのだけど、彼女らの魅力>>続きを読む
エヴァ・グレン、マッツ・ミケルセンときてまさかのジャンカルロ・ジャンニーニ様がおいでというスターリング、贅沢や〜
中学くらいのときテレヴィで観た記憶があるんだけど、これノーカットで放送してた気がする、>>続きを読む
全てのカットが巧みなセリフと演出によって緻密に繋がっており、反復による笑いが快感として襲ってくる。髭、スリッパ、ステッキ、帽子、シガレット、ブランデー、コート、全てがあるべき場所にあり、有機的細部とし>>続きを読む
ジュディ・ガーランド演じるエスターがジョンと一緒にパーティーの終わったあとの家の照明を一つずつ消してゆくシーンのカメラがとても良い。そして妹のトゥッティが「ジョンに殴られた」といたずらめいた嘘をついた>>続きを読む
一話目がとりわけ良い。マルシェの豊かな色彩の中で、黒の革ジャンが異質な男のナンパがなぜだか切実に見える。そして30分の物語で奇跡的に集まる4人がものの見事にすれ違って解散してゆく。人生!
二話目の植>>続きを読む