ヤスヤスさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.8

最後まで緊張感が途絶えることない見事な展開。やっぱり狂った人間が一番怖いパターンの典型。
登場人物の誰にも感情移入できないが、そのシチュエーションと映像で十分満足できる。
低予算でも意識が高ければ、こ
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風の歌を聴け(1981年製作の映画)

3.0

「ドライブ・マイ・カー」の流れで、村上春樹原作作品の再鑑賞シリーズに突入してしまった。
大昔に観て、期待外れだった記憶があるが、思ったより悪くなかった。(直前に「ノルウェイの森」を観たせいかも)
当時
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ノルウェイの森(2010年製作の映画)

2.5

「ドライブ・マイ・カー」が思った以上に良かったので、勢いで本作を再鑑賞。印象が変わるかと思ったが、やっぱり駄目だった。
鑑賞中にずっと感じる気恥ずかしさは相変わらずだし、特に独白の気持ち悪さは如何とも
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

カンヌで脚本賞も取ってるし、大丈夫だろうと思いつつも、村上春樹原作、ビートルズの曲名がタイトルという共通点から、「ノルウェイの森」が思い起こされ、若干不吉な気もした。だが、そんな心配は、冒頭で軽く一蹴>>続きを読む

散歩する惑星(2000年製作の映画)

3.7

これが全部セットの中で撮影されているという事実が、信じられない。膨大な時間と莫大な費用をかけて、この不条理コメディを作るという発想が素晴らしい。
印象的なショットが多いが、個人的に笑いの部分に限ると「
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EXIT(2019年製作の映画)

3.6

ストーリーは、有毒ガスからとにかく逃げるというシンプルなもの。余計な要素がなくスッキリまとまっていて、良かった。
チョ・ジョンソクの身体能力の高さと醸し出すコミカルな雰囲気が、役にぴったり。ただ、どう
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パラード(1974年製作の映画)

3.5

青と黄色を基調にした色彩や70年代のファッションが何ともお洒落。
ローリング・ストーンズが製作した「ロックンロール・サーカス」という映像作品があるが、本作の第一印象は、ジャック・タチ版の「ロックンロー
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.0

鈴木亮平のこれまでのイメージを覆すモンスターっぷりは、持ち前のガタイの良さも加わって、問答無用の迫力。松坂桃李の前作からの変貌ぶりも凄いのだが、霞んでしまうほど。この2人のアクションシーンも見応えがあ>>続きを読む

県警対組織暴力(1975年製作の映画)

4.0

「孤狼の血 LEVEL2」の前に、ルーツと言われる本作を鑑賞。「仁義なき戦い」シリーズとほぼ同時期に、こんな実録路線の作品があるとは知らなかった。
「仁義なき戦い」と同じ深作監督で、ほぼ同キャストなが
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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.5

あまり良い評価は聞かなかったが、前作と別物と考えると、それなりに楽しめる。
よく言われている韓国ゾンビ版の「マッドマックス」という表現に納得。特に「2」と「〜怒りのデス・ロード」の影響を強く感じる。
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ぼくの伯父さんの休暇(1952年製作の映画)

3.7

アニメ作品の「イリュージョニスト」を観て以来、ジャック・タチは、ずっと気になっていた。
チャップリンのサイレント作品を思わせるパントマイムの効いたドタバタ・コメディだが、フランス映画らしく映像的に洗練
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天使にラブ・ソングを2(1993年製作の映画)

3.5

お馴染みの展開の上、コメディ要素もハラハラ感も少ないため、クライマックスでの感動は、前作に比べ、かなり控えめ。(日本語吹替版だったことも影響しているかも)
もう一捻り欲しかった。

桜桃の味(1997年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

’97年のパルム・ドール受賞作。
車窓を流れるイランの風景。車内で繰り広げられる会話劇から、同じイラン映画の「人生タクシー」を思い出したが、本作のアッバス・キアロスタミ監督は「人生タクシー」のジャファ
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時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!(1993年製作の映画)

3.9

「ベルリン・天使の詩」に続編があるとは、最近まで知らなかった。
前作と本作の間にベルリンの壁崩壊を挟んでいるのも興味深い。しかも、お馴染みのキャストに加え、ウィレム・デフォーやルー・リード、ゴルバチョ
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ダーティハリー2(1973年製作の映画)

3.6

さすがに、一作目、初見時のような新鮮さはないが、ハリーのカッコ良さと面白さは、折り紙つき。
改めて観ると、ハリーがそれほど型破りな刑事でないことを発見する。

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.9

古き良き東映ヤクザ映画の趣きを残しつつ、マル暴に配属された新人・日岡(松坂桃李)の目を通した警察組織と暴力団との関係や暴力団同士の抗争の描き方に新鮮さも感じられ、面白かった。
作品の魅力の大きな部分を
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ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)

3.9

ジーン・ハックマンがまさにハマり役。若きウィレム・デフォーがエリート捜査官役というのも面白い。(今だとかなり違和感があると思う。)
当時はFBIも地元警察も同じ穴の狢で、史実がかなり捻じ曲げられている
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クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

3.4

王道ラブコメで、それなりに面白かったが、超セレブの世界が舞台であることに、アジア人の劣等感の根深さを感じてしまった。
少し前の韓流ドラマのような気恥ずかしさを覚えながらも、「ハングオーバー!」のケン・
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.2

時代ごとに撮り方や色調を変えていて、こだわりを感じる。もはやヤクザ映画の範疇に入れて良いのかさえ分からないくらい全く新しい感覚のヤクザ映画。
社会から弾かれ荒んだ若者から、時代遅れの存在となった中年ま
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

4.0

擬似家族のプライベートな話から、世界的な陰謀まで、テンポよく絡んで、面白い。
ナターシャの生い立ちの秘密が明かされることで、ブラック・ウィドウにさらに愛着がわいたし、「シビル・ウォー」後のナターシャの
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ジュマンジ/ネクスト・レベル(2019年製作の映画)

3.4

ジュマンジの世界は、砂漠や氷の世界など、スケールアップしていて、確かにネクスト・レベルだが、内容的には物足りない。ワクワク感やハラハラ、ドキドキ感が少な過ぎる。
キャラの入れ替わりなどもあって面白い(
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男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

3.7

「寅さん」は、そんなに観ていないが、思った以上に良かった。
昔の映像のお笑いシーンは、今でもしっかり笑えるし、ラストの歴代マドンナのシーンは「ニュー・シネマ・パラダイス」のラストシーンを観ているような
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「モンスターバース」の4作目。前作鑑賞後、次のゴジラとコングの闘いは、最後に協力して、メカゴジラを倒すというような安易な着地にしてほしくないと考えていたら、そのままの展開だったので、少し残念だった。>>続きを読む

おばあちゃんの家(2002年製作の映画)

3.6

観るまでは、「北の国から」で純が五郎に連れられ、富良野の丸太小屋で暮らし始めた頃の状況をイメージしていたが、サンウの憎たらしさは、そんな生やさしいものではなかった。前半は、サンウへの腹立ちとおばあさん>>続きを読む

ダーティハリー(1971年製作の映画)

3.8

900本目のレビューは、久しぶりに再鑑賞した「ダーティハリー」。
若き日のクリント・イーストウッドのカッコよさだけが印象に残っていて、細かなことは忘れていたが、改めて観て、本作が映画に限らずマンガやゲ
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ファイブ・イージー・ピーセス(1970年製作の映画)

3.9

ジャック・ニコルソンの初主演作。
ここからジャック・ニコルソン伝説の幕開けいった趣きで、ボビー役はまさにハマり役と言える。
鬱陶しさの固まりのようなレイを演じるカレン・ブラックの演技も素晴らしい。
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おみおくりの作法(2013年製作の映画)

4.0

“孤独死”した人の弔いを担当する公務員ジョン・メイが真摯に人の死に向き合い、悼み、弔う姿を、静かに丁寧に(少しのユーモアも交え)描く良作。
確かにジョンの仕事ぶりは素晴らしいが、終盤まで、自分自身の生
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藍色夏恋(2002年製作の映画)

3.8

淡く切ない内容でありながら、モンとチャンの瑞々しさに、心洗われる。
台湾映画で、これほど「ザ・青春」というタイプのものを初めて観たが、台湾映画らしい映像の美しさに溢れている。
ラストも悲しくもあるが、
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大学は出たけれど(1929年製作の映画)

3.4

小津監督の初期のサイレント作品。
タイトルだけは、知っていたが、現存するフィルムが10分程度とは、知らなかった。
あまりに短く、ほとんど小津作品らしさは、感じられなかったが、編集が良いのか、元々短編の
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リトルショップ・オブ・ホラーズ(1986年製作の映画)

3.8

登場人物が皆んな狂ってるオリジナル版の雰囲気はないが、ミュージカル・リメイク版の方が観ていて楽しかった。
やっぱり音楽の力は偉大だし、シーモアのキャラクターやラストもこちらの方が良かった。
オリジナル
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.1

小津監督の遺作。冒頭の工場の煙突や電線、ドラム缶のカットから、小津ワールドに一気に引き込まれる。
毎度、同じようなテーマが繰り返され、時代的なギャップも拡大する一方でありながら、なぜこんなにも面白いの
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リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1960年製作の映画)

3.5

'86年のミュージカル・リメイク版のつもりで観ていたら、'60年のオリジナル版だった。これはこれで面白く、この時代にこの発想は凄いと感じた。B級感満載だが、それも含めて楽しめる。
何も知らずに観ていた
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エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE(2019年製作の映画)

3.8

内容はともかく、「ブレイキング・バッド」にハマった人は、観て損はない作品かと思う。
ドラマのファイナルシーズン直後の設定ながら、実際は5年以上が経過している。そのため、ジェシーは、原型を留めているもの
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お早よう(1959年製作の映画)

3.9

小津監督のカラー作品を観るのは初めて。さすがに色彩にもこだわりを感じる。
コメディタッチで、子どもが中心の可愛い作品。これまで観てきた「紀子三部作」とは、かなり印象が違うが、これはこれで面白い。
高度
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麦秋(1951年製作の映画)

4.3

「紀子三部作」の二作目。「晩春」で初老の父親を演じた笠智衆が若返り、原節子の兄を演じている。笠智衆より若い菅井一郎が父親で、「東京物語」で夫婦を演じた東山千栄子が母親という配役に驚く。(菅井一郎の老け>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

4.2

「紀子三部作」の一本目。
当時、40代半ばであった笠智衆が演じる初老の父親の姿が味わい深い。ともすれば、異常とも思える父娘の関係性が、彼の飄々とした中に哀愁を感じさせる佇まいにより、中和され、深みとな
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