ヤスヤスさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE(2019年製作の映画)

3.8

内容はともかく、「ブレイキング・バッド」にハマった人は、観て損はない作品かと思う。
ドラマのファイナルシーズン直後の設定ながら、実際は5年以上が経過している。そのため、ジェシーは、原型を留めているもの
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お早よう(1959年製作の映画)

3.9

小津監督のカラー作品を観るのは初めて。さすがに色彩にもこだわりを感じる。
コメディタッチで、子どもが中心の可愛い作品。これまで観てきた「紀子三部作」とは、かなり印象が違うが、これはこれで面白い。
高度
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麦秋(1951年製作の映画)

4.3

「紀子三部作」の二作目。「晩春」で初老の父親を演じた笠智衆が若返り、原節子の兄を演じている。笠智衆より若い菅井一郎が父親で、「東京物語」で夫婦を演じた東山千栄子が母親という配役に驚く。(菅井一郎の老け>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

4.2

「紀子三部作」の一本目。
当時、40代半ばであった笠智衆が演じる初老の父親の姿が味わい深い。ともすれば、異常とも思える父娘の関係性が、彼の飄々とした中に哀愁を感じさせる佇まいにより、中和され、深みとな
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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

4.0

自分の中で勝手に作り上げたサリンジャーは、エゴン・シーレの自画像のイメージ。なので、ニコラス・ホルトが演じるサリンジャーは、しっくりきた。
太ったケヴィン・スペイシーとの師弟関係も良かった。
改めて、
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

3.9

9年後の2人。次第にヒートアップしていく、会話がリアル。取り巻く状況は変わっても、2人の根っこの部分が変わっていない感じが良い。
ラストでセリーヌがニーナ・シモンの真似をするシーン、また、それを見るジ
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.0

ウィーンの街を行き当たりばったりに一晩中、彷徨い、会話する2人の姿が自然で、観ていて心地良い。
醸し出される雰囲気に誤魔化されるが、この2人だから成立しているとも言える。冷静に考えると、2人の行動はも
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.7

王道のベタ展開だが、ハッピーエンドで安心して楽しめる。
ジョン・ファブローのシェフ役が板についていて、料理がどれも美味しそう。ラテン中心の音楽もテンションが上がる。
監督・脚本・製作・主演がジョン・フ
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異端の鳥(2019年製作の映画)

3.8

自分にとっては、ジャケ写真でもある少年と烏のショットが最高到達点だった。後は、少し露悪趣味が過ぎる。寓話的なのと映像の美しさで、緩和されてはいるが…
ここに描かれる民衆(特に前半)は、無知で野蛮で不潔
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新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)

3.9

本作に用いられた映像技術や詰め込まれた要素が、後の作品に様々な影響を与えたことが感じ取れる。
羽毛が舞い散る寝室から、少年たちが行進し始めるシーンは圧巻。
さすがは革命の国「フランス」。これが日本だと
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ナイトクローラー(2014年製作の映画)

4.0

ジェイクのサイコっぷりがハマり過ぎ。こういうどこか欠落した人間を演じるジェイクにハズレはない。
ルーに感化されていくニーナのイカれっぷりもかなりのもの。
ラストも含め、何とも胸糞悪い内容だが、SNS時
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はちどり(2018年製作の映画)

4.1

思った以上に良い作品だった。'94年のソウルを舞台に14歳のウニを巡るあれこれを丁寧に紡いでいる。
男尊女卑、格差、学歴社会など、女性にとって、生きづらい状況が、思春期のウニにも、取り巻いている。
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

4.0

予測のつかない展開で、最後まで楽しめる。4人の関係性の変化が見どころだが、充実のキャストで満足度が高い。
特にジョン・C・ライリー演じる普通の生活に憧れを持つ、優しさと強さの際立ったイーライのキャラが
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ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)

3.5

2011年のパルム・ドール受賞作だが、自分には観念的過ぎた。
普遍的なテーマに美しい映像と音楽、思わず涙が出そうになる良いシーンもあるが、天地創造や生命誕生となると、あまりに壮大で置いてけぼりをくらう
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.2

さすが音響効果が素晴らしい。耳が聞こえないとは、どういうことかを疑似体験しているようで、ルーベンとともに外界から隔絶された感覚に陥る。人工内耳で聴く音の不快さも凄い。人間の聴覚が無意識に行っている取捨>>続きを読む

私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

3.7

60年代の公民権運動から現代の「ブラック・ライブズ・マター」まで、米国の黒人差別の歴史を描くドキュメンタリー。
ここに映し出される様々な映画やテレビ番組、インタビューやニュース映像から、これまで気づい
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競泳選手ジャン・タリス(1931年製作の映画)

-

ちょっと自分には評価しづらい作品。
この10分間に、当時の映像技法として、画期的なものが詰まっていることは、何となく理解するが、どうしても当時の洗練とは程遠い力任せな泳法や水の抵抗が増大しそうな水着の
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ニースについて(1930年製作の映画)

3.8

編集の妙を感じる。遊び心もあり、映像表現として面白い。
ここに映し出される当時のニースの街並みや風俗、バカンスを楽しむ富裕層と庶民の生活の対比が興味深い。

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

4.0

これは、世代や性別を問わず、誰でも多かれ少なかれ共感する部分があると思う。
ケイラ役のエルシー・フィッシャーがビジュアルを含め、すべてが絶妙。作品全体に漂う空気感や各エピソードも、匙加減がちょうど良く
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透明人間(2019年製作の映画)

4.1

タイトルからSFかホラー作品(包帯ぐるぐる巻きでサングラスに帽子の透明人間)をイメージしていたが、サイコスリラー色の強い上質の作品だった。
エリザベス・モスの演技が良いのと、見えないものの見せ方が上手
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マーズ・アタック!(1996年製作の映画)

3.3

オープニングから空飛ぶ円盤のチープ感が堪らない。スターウォーズのオープニングロールのパロディっぽいところも笑える。その後もB級テイスト満載で、ティム・バートンのB級愛が感じられる。
この徹底してくだら
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

4.1

アカデミー賞短編実写映画賞受賞作品ということだけで、予備知識なしに鑑賞。自分が殺され続けるというタイムループに閉じ込められる設定が「ハッピー・デス・デイ」に似ていると思いながら、軽い気持ちで観ていたが>>続きを読む

ビルとテッドの大冒険(1989年製作の映画)

3.4

タイムトラベルものの徹底したお馬鹿映画。BTTFのPart2と同年の作品だが、ロックスターを夢見る高校生という設定やタイムトラベルした後の炎などに、BTTFの影響を感じる。ただ、本作の脚本は、とにかく>>続きを読む

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

3.8

ロデオ・カウボーイのロンとトランスジェンダーのレイヨンの対比を際立たせるためか、2人の人物像が典型的すぎて、最初はちょっと入り込みづらかった。だが、マシュー・マコノヒーとジャレッド・レトーの文字通り身>>続きを読む

無法松の一生(1958年製作の映画)

3.9

喧嘩っ早いが男気のある松五郎のキャラクターが三船敏郎に合っている。侍でも軍人でも会社の重役でもない、こういう三船敏郎も良い。
これだけ、献身的に尽くした松五郎に対して、「吉岡さんとでも呼んで」とは…寂
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.4

ナオミ・ワッツが見せる役者魂が素晴らしい。前半と後半のナオミ・ワッツの落差が凄くて、その残酷さが切ない。
時系列の入れ替え、空想(夢)と現実が交差する展開に、一気に引き込まれたが、自分自身の鑑賞姿勢と
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るろうに剣心 伝説の最期編(2014年製作の映画)

3.2

前半部分は今一つ。修行に割いた尺が長い割には、なぜ奥義会得に至ったのか、説得力に欠ける。
だが、終盤、志々雄が見せた4人相手の大暴れだけでも満足。藤原竜也は、結局、ほとんど素顔を晒さないまま、美味しい
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アマンダと僕(2018年製作の映画)

4.3

ミカエル・アース監督の長編第3作。前作の「サマーフィーリング」と同様「喪失と再生」の物語だが、本作は突然の悲劇がシングルマザーである母親に起こるため、余計に琴線に触れた。
深い哀しみの中、「アマンダと
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るろうに剣心 京都大火編(2014年製作の映画)

3.2

前作より面白かった。製作費もかかっていそう。前作初見時のような驚きはないが、アクションシーンは、相変わらず見応えがある。
漫画原作なので、仕方がない面もあるが、コスプレにしか見えない十本刀などのキャラ
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るろうに剣心(2012年製作の映画)

3.1

原作とは違うと聞くが、漫画未読、アニメ未見なので、関係なく楽しめた。
良い意味でも悪い意味でも、漫画が原作らしい作品。キャストが皆んなハマっているが、「ござる」だけは最後まで慣れなかった。
さすがアク
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殺人狂時代(1967年製作の映画)

3.6

岡本喜八監督の放つ奇想天外なカルトムービー。
セットに「時計じかけオレンジ」を思わせるようなところもあり、'67年の作品でこのセンスは凄い。
荒唐無稽で放送禁止用語連発の破茶滅茶な展開ながら、アクショ
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神々のたそがれ(2013年製作の映画)

4.4

とんでもない作品。イマジネーションの極地。細部まで練り込まれた世界観。陰鬱で不潔極まりない、どう見ても情報過多である圧倒的な映像。不快すぎて、笑うしかない。
この糞便地獄は、ローマ帝国崩壊後、ルネサン
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ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

4.2

C・イーストウッド監督の職人技が冴える傑作。アカデミー賞主演男優賞、助演男優賞も納得の演技。(ケヴィン・ベーコンにも、賞を与えてほしいくらい)
デイヴの視点に立っても、ジミーの視点に立っても、救いよう
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.5

音を立てられない状況。張り詰める緊張感。募る恐怖。この手の設定は、昔からあるが、ルールがシンプルで分かりやすく、面白いものが多い。
本作も然り。しかも短い時間の中で、家族愛がしっかり描かれているのが良
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

3.9

圧巻のダンスシーン、時代を無視した選曲も良く、面白かったが、何しろ後味が悪すぎる。
終盤のタップで盛り上がった気分のまま、ラストでスカッとしたかった。

スミス都へ行く(1939年製作の映画)

4.2

これも名作。フランク・キャプラとジェームズ・スチュワートのコンビは凄い。
後半からラストに向けて、どんどんテンションが上がる。議長が良い味出している。
まだ、アメリカの理想が信じられた時代。最後は爽快
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