やすべーさんの映画レビュー・感想・評価

やすべー

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赦し(2022年製作の映画)

4.0

監督のアンシュル・チョウハン作品は初めて見させてもらったが、インドの方が日本映画をなぜ作るのかということに非常に興味が湧く。
映画を引っ張るのは主に三人の役者。法廷ものとしてはトリッキーなものがないこ
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シンデレラ/3つの願い(2021年製作の映画)

3.0

シンデレラストーリーに一定のファンがいらっしゃるのを認識した。新機軸というほどの改変はなく、誰もが安心して見られる内容ではないかと思う。
こういうのは配役の妙を楽しむものなのだろうが、ノルウェーの制作
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マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン(2021年製作の映画)

2.5

映画のつくりはこのデザイナーの研究者でもないただのシネフィル、アートファンには少々退屈だ。
パンフレットがかわいくて出来がいい。

関ヶ原(2017年製作の映画)

3.6

兵庫県のロケ地訪問がこの映画との出会いだ。何度見たか知れず、繰り返し試聴に耐える耐久性を持つ作品だ。
司馬遼太郎の原作の語りを所々に散りばめているのがすごく生きている。
これからも見続けるだろう。

ワース 命の値段(2019年製作の映画)

4.0

映画でいわれる被害者数7,000人という数に驚いてしまう。それだけの数の一般市民がオサマの無差別殺傷の犠牲になった。
その一人一人の補償額を決めて合意させ、訴訟を(誰に対する?)思いとどまらせる役割に
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恋人はアンバー(2020年製作の映画)

3.3

日本のコミックやライトノベルでありがちな設定ではある。ゲイの高校生男女が擬似カップルになる学園ラブコメだが、同性愛者が生きづらい1990年代のアイルランドがどの程度の厳しさなのか想像できない。少なくと>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

これまで見たことのないタイプの映画を相当な熱量をもって作ってくれたことが素晴らしい。そしてミシェルヨーがただのおばさんでないことを知って感慨に耽った。あのカンフーアクションは本物だったのだ。彼女の出演>>続きを読む

サポート・ザ・ガールズ(2018年製作の映画)

-

ボイリングポイントを思わせる話の運びだが、こちらはスポーツバーが舞台となっている。
オーナーに店の切り盛りを任されているリサは、客の荒くれ者たちを巧みにあしらい、テキパキと仕事をこなす黒人女性で人望も
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新しき民(2014年製作の映画)

3.2

岡山で起きた「山中一揆」を題材にした白黒作品。
多くの人間が易々と死線を飛び越える。人命がまだ軽い時代に生きる意味を問う者などいない。
武士階級の非情な税収奪を謗るわけでも、革命を起こすわけでもなく、
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ひかりの歌(2017年製作の映画)

4.2

ひかりをモチーフにした短歌を募集しそのうち4首を題材にして映画にしている。最少の言葉で鮮やかにイメージを想起させる短歌の世界と杉田映画は誠に親和性が高い。知的、情緒的遊戯ここに極まるという感じだ。
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はだかのゆめ(2022年製作の映画)

4.2

制作の経緯を知ると知らないでは
見方が変わる映画だろう。
何も情報を入れずにみたほうが良い。
生者と亡者の区別がつかないのもこの映画の味だ。
その中で確たる存在感を見せる老祖父。
台詞の極端に少ないこ
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海底47m(2017年製作の映画)

3.4

フォールを見て思い出したこの映画
共通点がいくつかある。
フォールが気に入った人は見てみるといい。

FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.7

下手なホラーよりよほど怖い。
純粋に刺激を求める人にはおすすめだが、映画館にかかっているうちに劇場で見るべきだ。

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

3.7

史実を借りたラブロマンスで、信長は濃姫が育てたという設定がとても面白い。
剣戟の要素は控えめで合戦の描写を省いた脚本としている。さすがに本能寺では信長に刀を振らせている。
グリーンナイト的展開に危うく
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.7

上原ひろみの提供楽曲と演奏に100万点!
しっぽりしたエンド曲もいいのだが実際のトリオのセッションを最後に見せてくれたらなあ。
隅田川テラスあたりの風景もサックスにマッチしており素敵だった。

コロンバス(2017年製作の映画)

4.2

監督のコゴナダ氏は映像作家ということだがコロンバスで映画を撮ることにどれほど歓びを感じただろうか。
ほとんどのショットがFIXでどっしり撮られており、見る価値のあるものが全部のカットに写っている。観客
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.7

スピルバーグ自作の自伝(のはず)である。商業映画を作り出すまで、彼が世に出る前の物語だ。
映画の軸の一つは、76歳の御大が映画と出会った幼児期から思春期までの日々への郷愁だろう。8ミリフィルムで幼い妹
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バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

4.0

ねじれてこじれて、破滅に向かうガラスのヒーローと、その周囲で応援に加担する若い野次馬vs潰しにかかる警察、体制側。
アメリカンニューシネマのガチガチの型をやっている。
この映画の始まり方がすごく好きだ
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KAPPEI カッペイ(2022年製作の映画)

3.5

笑えるだけでなく不思議なケミストリーが生じて泣けるのが不思議だ。
各戦士、全力プレイでの続編制作を願う。

最後まで行く(2014年製作の映画)

4.0

邦題が秀逸で、映画をよく表現している。私は韓国語の悪態が大好きなのだがこの映画でも主人公がハイテンションでやってくれる。最後まで見る側が緊張しっぱなしになる良作だ。けっこう笑える部分もある。
もうすぐ
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.1

モスクワからムルマンスクまで列車で北上する。あるシチュエーションによりラウラの旅のはじまりにケチが付く。
日記にすればおそらく2、3ページほどの小さなお話だが、丁寧に撮られているので旅を疑似体験できる
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.4

サムメンデスの個人的な郷愁に裏打ちされた作品に思える。80年代、お気に入りだった秘密の場所で恋人と親密な時間を過ごし、映画を見て前途に光が差した。ひょっとすると若いうちに大きな挫折も経験したのではない>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.3

なぜここまでやるかと驚くほど過激だ。
サディスティックな変態ヴァーホーベンの本領発揮だ。
内容を知らずデート使いしたカップルや、親子はさぞ気まずかろう。(笑)
しかしながら、映画は興味深く面白い。
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

3.6

死の意味もまだ知らない一人息子をもつ父は、自分の命の終わりが近いことを知る。人生最大の選択をしなければならない。自分の死後、息子を託す里親を限られた時間で探すのだ。
タトゥーだらけの腕で窓拭きを生業と
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崖上のスパイ(2021年製作の映画)

4.2

冬のハルビンの寒さが這い寄ってくるような作品だ。一級のサスペンス・エンターテイメントなのは間違いないが、東アジアに不名誉な歴史を刻んだ当事国の人間として複雑な心境で見た。
緊迫感のある凝ったストーリー
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#マンホール(2023年製作の映画)

3.1

状況設定のアイデアが面白く、脱出を試みるシーケンスを楽しませてもらった。
序盤、暗い穴の中で、ダルマ的、武蔵的な開眼が描かれるのかと期待するも裏切られ、トップ営業の割には主人公の行動がもどかしいことや
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.0

繊細で未熟な十代のこころと振る舞いは微笑ましくある反面、時に残酷である。
鈍な教員達の迂闊な行動によって高校の一クラスに波乱が起こるわけだが、それも含めての教育の場だと後になれば思えるのだろう。
生徒
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銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)

3.5

一瞬、映画内映画内映画の3重マトリョーシカが存在!
この映画には映画が2本でてくる。
映画館が好きな人間だから手放しで本作を礼賛したいところだが、さればこそ大目に見るわけにはいかない。映画館で映画を見
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月曜日に乾杯!(2002年製作の映画)

3.9

ベニスで羽を伸ばすヴァンサンを通して人生をより良く生きる見本を示してくれる。旅に出て交流をもつこと。
たとえ仕事が辛くとも
それでまた新たな月曜日に向き合える。

ガザを飛ぶブタ(2010年製作の映画)

3.8

わかりやすく面白い
見る側はギアを一段落として臨むべし
親切丁寧に世界で一番ややこしい地域のことを楽しくお勉強させてくれる。

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.2

無垢なあの頃に
私はもっとボーッとしていただけだけれども、120分の間だけ戻れた気がした。
島田高校3年生それぞれの、卒業までの一日を見事なまでに抑制しつつ、みずみずしく描いた傑作だと思う。

スケッチ・オブ・ミャーク(2011年製作の映画)

3.4

映画で歌われる歌は信仰や労働、その土地=宮古(ミャーク)に根ざしてひっそりと歌い継がれている。
歌い継がれていけば良いが失われてしまう危機が迫っている。登場する老人達、画面の中で達者でいらしたが例えば
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呪呪呪/死者をあやつるもの(2020年製作の映画)

3.3

WWZを思わせるアスリートのような身体能力で迫るゾンビ達。大多数の人がそうなると思うが、追い詰める側すなわちゾンビ軍団に肩入れするはずだ。
新しいアクション表現といえるアイデアが面白い。最近のマトリッ
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