六四二さんの映画レビュー・感想・評価

六四二

六四二

映画(996)
ドラマ(67)
アニメ(0)

ミスミソウ(2017年製作の映画)

3.2

映画の構図としては都落ちした家族の受難の型となる。悪さをするのは雪国のティーンエージャーである。
ミスミソウは何かというと、悪さをしない男子がヒロインを口説くのに利用する野草だ。この映画の文脈でいくと
>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.5

自然と離れ離れになってしまった男女が、12年もの歳月ののちに相手を探し出して再び近付こうとするのだろうか?
ヘソンがそれをして、なんとそこからまた12年
そこまで相手に執着する心情は理解できないものの
>>続きを読む

毒娘(2024年製作の映画)

3.1

親子が醜態を曝け出していがみ合う泥試合を期待したが、積み木崩しの映画ではなかった。
脚本と監督の内藤氏はティーンエージャーに対して暗い影を見ているようである。ご自身の実体験に根ざす恨みなのか、そうでな
>>続きを読む

東京公園(2011年製作の映画)

4.0

パーフェクトデイズのルーツがここにある。
東京が公園にどれほど恵まれているか、東京近郊に居る人は理解すべきだ。そして携帯端末の電源を切って散歩をすればいい。三浦春馬の視線を感じることができるかも知れな
>>続きを読む

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.7

フォーチュンは好きではなかったがこれは悪く無い。分かりやすく、揺るがないものを核にしているのとマニッシュなのが心地良い。たまにはいいではないか。

COUNT ME IN 魂のリズム(2021年製作の映画)

3.5

ドラマーにスポットを当てた映画が作られたことに感激する。自分は今でもドラマーか太鼓打ちになりたいから、登場する演奏家の人達のパッションがわかる。

サッド ヴァケイション(2007年製作の映画)

3.9

最高の光石研が見れる。
中国人のブローカーも本物みたいに見えるし、主演の浅野は言うに及ばず俳優の持ち味をを活かし切っている。
間宮運送のロケーションもそうだが、街の雰囲気に北九州の匂いが濃厚にたちこめ
>>続きを読む

戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

3.2

なんじゃこりゃ
アトラクションにしたら面白そうだが
ゆるすぎやろ(笑)

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.8

ローマの撮影が美しい
画作りが豪華だし、チャント風のサントラも雰囲気がある。久しぶりのオーメンなので忘れかけていたが名場面を工夫を加えて再登場もさせている。サービス満点で想像以上に楽しむことができた。

霧の淵(2023年製作の映画)

3.6

川上村という撮影場所から河瀬直美さんのことを思っていたらプロデューサーの筆頭に名を連ねていた。山あいの村で暮らしていた人が突然その存在を消してしまうという共通点も感じた。「萌の朱雀」のそれと違い、この>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.6

鍋釜、毛布、その他生活道具を乗せた3台の幌馬車を牛馬に引かせて荒野を行く。ビーバーの毛皮で一儲けを企むアメリカ開拓移民である。
その移動の様子を捉える撮影が素晴らしい。冒頭の数分で旅の苦労が知れる。オ
>>続きを読む

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.5

たしか水面が海とツライチに見えるプールのことかと思う。贅沢なリゾートホテルを象徴するものだ。そういう観光のあり方やリゾートツーリズムの痛烈な風刺をエグい内容で繰り広げる。
ミアゴスが出ていてエックスと
>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.8

故郷を出て愛犬のルーシーを連れたウェンディはアラスカに新天地を求める旅をしている。途中、自らの行動が招くトラブルにより先へ進めなくなった。
主演のミシェルウィリアムズがフレッシュなのだが、スクリーンに
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.4

長尺でかつ倍速再生のように走る映画だ。
不快だった。
オッペンハイマー氏の人生の浮き沈みなど知ったことではない。
描かれている権力闘争など無意味である。
原作に無くても、ストーリーの半分を犠牲にしても
>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.8

ライカート作品をまとめて見てわかったのは、この作品以外(自分が見た範囲で)すべてオレゴンを舞台にしている。長編を監督した一作目の本作が例外的に故郷フロリダのマイアミ近郊、フロリダ湿地帯で撮っている。>>続きを読む

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.3

スタイリッシュな映像音楽で気持ち良くさせてくれる映画。旅行カタログかインスタグラマー氏の動画のように観光地のザッピング映像が映る。
お話としては、少子化問題に踏み込んでくれそうで期待したが、ちょっぴり
>>続きを読む

ペナルティループ(2024年製作の映画)

3.5

殺人を犯すほどの激しい憎悪が、だんだん薄れていくのが興味深い。このようなことを描いた映画は他に知らない。
独特のアイデアが光るばかりでなく、意外と考えさせられるタイムリープものである。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

マンガの国に蔓延するルッキズムにアンチを唱えるかのような作品である。それには喝采を贈るとして…
頭上に覆い被さるフタみたいなものが、現代日本人の心象風景のように思える。そして、リアリティのある若年寄り
>>続きを読む

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

4.4

発情期の獣に見えるジャングルのサムニール。
駅のベンチで寝ていた酔っ払いがサインペンで落書きされたような顔のハーベイカイテル。
勘違いしてはいけないと、男は肝に銘じるべきと思った。
裏をかかれまくりの
>>続きを読む

ビニールハウス(2022年製作の映画)

3.5

非常に良くできたシナリオだが、内容は暗澹たるものだ。幸せの絶頂から真っ逆様に地獄に落ちるのを見るのは大好物だ。しかし勤勉で慎ましく、幸の薄い苦労人が、おもにを背負ってトボトボとゆく道に地雷が仕掛けられ>>続きを読む

薄氷の告発(2023年製作の映画)

3.3

この映画をみてネット検索したら、数多くの韓国スポーツ界のセクハラ暴行事件がヒットした。そんな土壌から生まれた映画なのだ。結末を見てこの映画が伝えたいものを受け取った気がする。

青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

3.8

映画の中のシネマスコーレ支配人である東出に同調し、映画館のことを考えはじめる。そして頭から離れなくなる。劇場で見る派のための映画ビジネス最適化は、誰がいかにして成し得るのか?
そのような問題は先送りに
>>続きを読む

12日の殺人(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ひとつの殺人が、被害者の周辺、そして事件を捜査する人間に波紋のように影響を及ぼす。そして被害者が知られることを望まなかったであろう生前の素行が丸裸にされていく。
ジャンル映画のようなタイトルと予告に誘
>>続きを読む

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.8

実名で人物や作品がバンバン出てきて映画好きはめちゃくちゃ楽しめる。この時代60年代末から70年代にかけての若松プロの仕事をみて「古き良き時代…」と心の中で呟く。めぐみさんには「なんでだよ…」としかいえ>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.4

死ねばいい と思うような役からシリアス、好青年、ルーズなお調子者まで守備範囲の広い岡田将生。映画界でノっている2大マサキの一人が悪いヤツを演じる。
子供がワイワイと大人の犯罪に首を突っ込むところは「名
>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

3.8

エリセの人生の中心には映画が揺るぎなくあり、どうしてもそれが創作物の中にも出てくるのだと思った。また他の作品との共通点として霊的なものが、本作ではそこはかとなく、というのでなく、しっかりとストーリーに>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.9

イロモノになりかねない題材を、最後まで集中して楽しめる映画に仕上げていることにベッソンの映画作りの巧みさがうかがえる。リアリティを損なわせないポイントをしっかり決めて脚本とセリフを練り込んでいる。
>>続きを読む

ロンドン・コーリング ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー(2007年製作の映画)

4.0

映画と同名のアルバムを愛聴していただけでクラッシュのファンを名乗ってるが、ジョーストラマーの逝去もこの映画の存在と同時に知った。
ザ・クラッシュは、セックスピストルズの純度の高い(ように見えた)剥き出
>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

3.5

逆再生のシチュエーションを作るための理屈が強引過ぎて乗れない。どういう法則ならば目の前の奇怪な現象が起こせるかをずっと考えてしまう。見終えた後もそれを考え続けるのが楽しかったりする。

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

80年代、アイルランドで少女時代を過ごすコットのひと夏の出来事がアイルランド語で語られる。地に足のついた静かで美しい作品である。
側に居たい、居てあげたい、居てほしい。最も原初的な愛情が育まれる過程を
>>続きを読む

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

3.0

初見ではおそらく面白さを半分ほどしか受け止められないのではないか。そうであれば見ることそのものが失敗だったということになる。
スラムダンクが楽しめたのは例外だったか。

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.4

演技達者たちの個の競演が楽しめる映画だ。
余さん、倍賞さんらベテランに、子役くんも負けておらず表情と姿がいい。志尊さんのグル的な違和感が強烈だが終盤で納得はした。杉咲さんのメーター振り切れている状態の
>>続きを読む

WILL(2024年製作の映画)

4.1

大変興味深く見応えのあるドキュメンタリー作品だ。野次馬的にタレントを追っかけるムービーではない。都市生活からエスケープし山野で狩猟をして生活するという生き方を選んだ一人の男の話である。
見ながら、見た
>>続きを読む

マッチング(2024年製作の映画)

2.3

土屋太鳳、スノーマンとも庶民の設定にしているのがよかった。父娘二人での住まいも生活感があり、慎ましいものになっていた。
コメディか?と思わせるシーンがあり、そのような見方をすれば土屋の悲鳴も味わい深い
>>続きを読む

ミレニアム・マンボ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

3.8

自立したいのにできないのか、したくないのか。行きつ戻りつするマンボのステップのごとく、新しい女性の生き方になかなか踏み込めない人のようにビッキーが見えた。男とセットでしか人生を語れない女ではなく、日本>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.6

今作は、ヒール2系統、メインとサブを2セット用意してくれている。一組は日本の893という設定で、日本刀を得物にするリキが率いるグループだが、もう少し凶悪な刀の使い方をして欲しかった。レーティングの問題>>続きを読む

>|