ymdさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

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ウェステンダー 勇者の指輪(2003年製作の映画)

1.0

この映画を観た後強く思ったのは、これまで僕は面白い映画ばかりに出会えていたんだなってこと。そんなことをシミジミ考えてしまう。

ってことで、これは僕が今まで観た中でも最高にクソな映画。
もうね、タイト
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ウォッチメン(2009年製作の映画)

4.3

アメコミ映画としてはテーマやテイストが近い「ダークナイト」と同じくらい好き。「キックアス」も近いかも。

「ダークナイト」よりもある意味で人間臭く生々しいやりとりが多く、容赦ないバイオレンスやセックス
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MUD -マッド-(2012年製作の映画)

3.6

隠れた良作。
まぁ「インターステラー」と「ダラス・バイヤーズ・クラブ」のマシュー・マコノヒー認知拡大に伴って隠れていないかもしれないけれど。

でも隠れたってあえて言いたくなるような優れた単館系映画で
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.5

無敵のデンゼル・ワシントンを堪能する映画。
もうただこれだけ。それ以外は要らない。

クロエ・グレース・モレッツの一件は彼にとってキッカケに過ぎず、再び踏まれたアクセルは急加速していく。
前半の几帳面
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凶悪(2013年製作の映画)

3.7

ぶっとい映画。
邦画でこの太さを出してる作品ってなかなかないんじゃないでしょうか。

実話を元にしているとは思えないほどエグくてドラスティックなストーリーが興味深く、3者それぞれのグロテスクな演技がそ
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ザ・スピリット(2008年製作の映画)

2.9

やっぱり「シン・シティ」と比べられるのは仕方ない。ほとんどそっくりだもの。
だから「シン・シティ」の世界観が好きな人にはオススメかな。

こちらは善悪はっきりした分かりやすいストーリーとコメディ路線を
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.7

PTAの映画には一筋縄にはいかない難解さがあるけれど、この映画もやっぱり難しいところはある。

とはいえこの映画はプロット自体は単純だと思う。あくまで素人目の感想。もっともっと複雑なのかもしれないけど
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.5

映画を観るタイミングというのは一種の縁のようなものだと思うのだけれど、どうして今までタイミングに恵まれなかったのだと強く後悔する映画っていくつかある。

これがまさにそう。
ずいぶん前に話題になってた
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300 <スリーハンドレッド>(2007年製作の映画)

3.4

思ってたよりずっと楽しい映画体験だった。
動く漫画を観てるような、アクションゲームのハイライトを眺めているような、そんな童心(男心)をくすぐる映画。

「これは史実が基なんだ」なんて下手に思うくらいな
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ギャング・オブ・ニューヨーク(2001年製作の映画)

3.6

なかなか見ごたえのある3時間弱。信念と覚悟を持って生きる男のぶつかり合い。

アイルランド移民とWASPとの争いという、ある程度歴史に精通していないと全てを楽しめないのかもしれないが、そうした知識を抜
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

4.3

いやもうね、なにが良いのかって、ジョン・グッドマンです。もうね、このルックスとキャラクターは最高。ここまでいかれたキュートなキャラクターを生み出しただけでもコーエン兄弟は偉大な映画人だ。

というわけ
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チャイナタウン(1974年製作の映画)

5.0

これほどストーリーテリングに魅せられる映画はない。
前半の予想させないミステリアスさも、後半以降の衝撃的な後味の悪さも逸品としか言う以外になく、まさしく最高のサスペンス映画なのである。

ジャック・ニ
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バーバー(2001年製作の映画)

3.7

コーエン兄弟ならではのハードボイルド香る一本。今回はコメディ要素は少なめ。

手堅いながらも平凡は生活を送っていた男が、現状に対する不満から軽い気持ちで動いた結果…

というコーエン節冴えるストーリー
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イントゥ・ザ・ウッズ(2014年製作の映画)

2.2

宣伝文句が失敗してると誰もが感じるであろう中途半端な一本。
“その後”のパートが弱いし、これが一番大事だけど、なにより全く面白くない。
正直げんなりしながら蛇足で観た。

前半の童話の再解釈(というよ
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マグノリア(1999年製作の映画)

4.4

これはあらゆる人に向けた人生の賛歌だ。

それぞれ罪の意識を抱えた人々の葛藤と贖罪が作り上げる重厚で複合的なストーリー。
正直よく分からないまま話は進んでいくが、彼らの苦悩の断片を目の当たりにしていく
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WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常(2014年製作の映画)

4.0

予想を超えて面白かった一本。
矢口監督ならではの温かみのあるユーモア感覚が心地よく、ほどよい下ネタがまた愛らしい。

伊藤英明、長澤まさみ、光石研など脇を固める役者はそれぞれに素晴らしいが、なにより主
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.8

コーエン兄弟作品の中でもシリアスさが際立つこの映画。
トミー・リー・ジョーンズの柔らかな演技と、ハビエル・バルデムのいかれっぷりが好対照。

特にハビエルのこの役は最高!ここまで気持ち悪くて怖い悪役っ
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トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

3.6

良くも悪くもコーエン兄弟らしくない映画。
一人の気丈な少女と二人の無骨な男による復讐劇。
コーエン兄弟映画といえばあまりにも浅薄な企てがきっかけとなって泥沼化していく色調が特徴だけれど、この映画の主人
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バーン・アフター・リーディング(2008年製作の映画)

4.2

中学生かそれくらいのときにコメディだと思って観たらものすごく退屈だったこの映画。

その後、色んな映画に出会う中でこの作品がコーエン兄弟によるものだということを知り、実に7年振りに鑑賞。

そしたらね
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ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)

3.3

クリストフ・ヴァルツが圧倒的すぎて。彼の演技の素晴らしさはこれまでの作品で知っていたけれど、この映画は特に良い。

ウォルターという男の二面性を絶妙に表現し、どちらの顔も真に迫った説得力で魅せる。だか
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ブロークン・イングリッシュ(2007年製作の映画)

2.4

ひっかかりの弱い映画だった。
一定の層には受ける内容だと思う。恋愛がうまくいかないもどかしさや新たな一歩を踏み出せない感じとか、共感するタイミングで観れば響くのかな。

この主人公、観ていてムズムズし
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6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

4.6

先日ようやく鑑賞。
いやー、良いもの観た。
この映画はその製作のプロセスばかり語られてしまうと常々思ってていたけれど、それは仕方ない、なぜならそれが本当に素晴らしいのだから。

少年だったメイソンが成
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ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

4.3

戦争映画は好きだけれど、この映画は特に痺れた。もう最初から最後まで緊張感がピーンと続く。

爆弾処理班という命懸けの任務に携わる男の物語。
“war is a drug”という冒頭の言葉通り、その全て
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ザ・タウン(2010年製作の映画)

3.5

ベン・アフレックは自分をどう演じさせたら良いのかをよく分かっている人だ。強盗犯としての男と、大切な人を思う男の狭間で揺れ動く微細な表情をその愚鈍さで包み込む(褒め言葉です)。

ストーリー的には突出し
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.7

ワンシチュエーション映画としてこれを超えるものはあるのだろうか。それほどに完璧に面白い傑作。

12人の作り方と絡め方がとにかく秀逸で、「こんな奴いるよなぁ」とか「おれってこんな人間なのかも」とか現実
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月に囚われた男(2009年製作の映画)

3.7

とても静かで淡々としたSFだけれど、そのぶん宇宙の静寂や寂寥感が浮き彫りになっていて良い。

SFの古典映画のセオリーを飛び越えた先に見せる瞠目の展開と複線の回収が見事という他なく、そのユニークな世界
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.7

タランティーノらしい小技光る佳作だとは思うのだけれど、大傑作『パルプ・フィクション』と比べてしまうとどうしても見劣りするのは確か。

人物たちの描写がおざなりで、どうにもキャラクターに愛着が湧きづらい
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.3

『マイ・マザー』が誰もが通過するであろう感情の機微を描いたとすれば、この映画はマイノリティの社会的不遇における葛藤と煩悶を描いている。

その点では『マイ・マザー』で心を毟られたような感覚は希薄だが、
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

3.9

血湧き肉躍る快作!
タランティーノ成分100%の西部劇がつまらないわけがなく、150分ノンストップで繰り広げられるハードボイルドコメディ。

奴隷制度というシリアスな主題ではあるけれど、タランティーノ
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Present For You(2013年製作の映画)

2.3

パペットアニメーションと実写の融合と聞いていたからどんなものかと期待したら肩透かし。
一つの絵の中にパペットと実写がコロコロ入れ替わりながら同居するのは楽しかったが、面白くはない。

それってつまり、
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

4.7

胸を掻き毟られるような感覚。
息が詰まるほど生々しく、美しい映画だ。

この“SHAME”は主人公にとって、最も許し難い存在に対する許し難い感情である。
それを自覚した時、彼は悶え、苦しみ、逃避の為の
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オー・ブラザー!(2000年製作の映画)

4.1

脱獄ムービーだけれど、そこに焦燥感や恐怖感、あるいは暴力の香りなどは皆無。ここにあるのはどこまでも能天気な楽観主義とポジティビティだ。

随所に配置されたユーモアとカントリーミュージックが可笑しくて楽
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サイド・エフェクト(2013年製作の映画)

4.1

精神病治療の難しさと脆さを指摘しているかのよう。“心を数値化することは不可能である”とかつてカントは言ったが、まさしくその問題を描いている。

とはいえ、この映画はサスペンスとしてよくできている。テイ
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

3.5

家族、土地、仕事。それぞれが大切なものだとしても、それが逆に自分を狭い狭い路地に追い込むこともある。

そんな状況の中で懸命に生きながらも葛藤を繰り返すギルバートと、トレーラー一台でアメリカを旅する奔
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共喰い(2013年製作の映画)

3.2

原作未読のうえの鑑賞だが、映画一本として観てもしっかりと完成されている。
昭和の終わり、下関、夏、魚、性。いくつものエッセンスを通して親と子の歪な関係を描く。

夏や水を絵にしているのにこんなに清々し
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欲望のバージニア(2012年製作の映画)

3.5

とにかくキャストが豪華で、でもそれがキチンと活きているからそれだけでも観る価値は十二分にある。

内容そのものにはこれといって目を見張るところはないけれど、禁酒法という過ちの歴史を紐解きながら、人間の
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