Ashtoashさんの映画レビュー・感想・評価

Ashtoash

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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.0

ある日の午後
ほんの2分間をひたすらタイムループする事態が。

類似作品と違う点は、時間が巻き戻っても、登場人物全ての記憶が残っていて、意識は継続しているという設定。
邦画[三尺魂]を緩くした雰囲気で
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

通常版をWOWOWで観ていたけれど、ストーリーも曲も良かったので爆音上映にて再視聴。

この作品の放つ熱気もさることながら、大音量で聴く曲は一段と迫力が増していた。

特にピアニストが覚醒する場面と、
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フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

4.0

ニューヨークとマルセイユ
何の脈絡もなく交互に展開している導入部分。
何が起こってるのだろうと興味が湧いて来たと思ったら、歯切れの良いテンポのお陰で、100分があっという間に。

レストランで食事をす
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いちご白書(1970年製作の映画)

3.8

1968年、コロンビア大学で起こった学園紛争を題材にした作品。
当時の実質的な状況を捉えながらも、エンタメ寄りに纏められていました。
しかし、配信もDVDもないので、この作品を観るまでには相当時間を費
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

3.8

そう言えばマーク・ラファロ出ていたなぁと思い、久しぶりに鑑賞。
情景描写、心理描写、会話
主人公二人については良いと思うけれど、キルスティン・ダンスト、マーク・ラファロの無駄遣いって気がする。

クラ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

「美しき痴人」ベラに知的好奇心が芽生えた途端、ダンカンの知性を軽く追い抜いたのは痛快でした。

社会的弱者を目の当たりにし、どうやったら救えるのか?に想いを馳せる。
哲学書を読み、他者と交流する事で、
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.5

何度も観た作品ですが、やはりIMAXの迫力を味わいたくて。

冒頭の、ラジカセ置いて「サイコ・キラー」の演奏が始まった瞬間、うっかり歌いそうになりマジで危なかった。。

バレンシアガで売られている様な
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

ラストの平山さんのシーンは、不覚にも涙が溢れてしまった。
あのシーンは観る人の経験値によって感じ方が変わる様な気がする。

今度は今度、今は今

「木漏れ日」の説明テロップが消えて、劇場内が明るくなっ
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ホリデイ(2006年製作の映画)

4.0

アイリスとイーライ・ウォラック演じる脚本家との交流が楽しい。

「観たわ。アイリーン・ダンって最高」
「バーバラ・スタンウイックがまぶしいわ」

物語としても充分に楽しめるが、ハリウッド黄金期のラブコ
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

パリの朝について語り、マクドナルドのバンズは食べない。
暗殺地点でその時を待つ間も、ヨガをやり筋トレをし、ストレッチャーで眠る。
そんなパーフェクトな暗殺者がミスというより、目を疑う様な大失態を犯して
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ある男(2022年製作の映画)

4.0

柄本明さんの怪演に引き込まれました。

名刺を切らしていると詫びるシーン
マグリットの絵に重なるカットから、会話を途中で切るエンディングの流れ。
ゾッとする余韻。

地味な作品でしたが、本当の自分と理
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そばかす(2022年製作の映画)

4.0

真帆が父親の前で逆演説するシーン。
言いたい事を言ったあと、中々とどめを刺す一言が出てこない苛立ちと諦め。
しかしこのシーンは、マイノリティに大きな癒しを与える。

ラストシーンの全力疾走
感情のダム
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わたしを離さないで(2010年製作の映画)

4.0

キャリー・マリガンの演技に圧倒されました。

映像、音楽、主要キャストの演技、情景
どれもがうっとりするほど素晴らしい。
しかし、主題が重いので引きずりそうです。

尊厳というものを排除〝された″人は
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キャリー(1976年製作の映画)

4.0

哀愁系ホラーの最高峰
特にプロムでのブチ切れシーンは、何度観ても体温が上昇します。

ロベルタなら「生かしておく理由がなくなりました。私、これでおいとまいたします」と言った後にパイナップルを転がしたけ
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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

4.0

簡単に言うと泡沫の夢物語なのですが、「夢見る事からも学べるんだぜ」って、Wアレンは言いたかったのかなぁ。
やりたい事が見つかったら、あとは本人次第。
要するに、「やるか、やらないか」

初見は面白い、
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

5.0

いつもの事ですが、導入部が終わりテーマ曲のイントロが大音量で流れると、血の巡りが一気に良くなる気がします。

特に今作のアクションに次ぐアクションには力が入りましたが、ジッポライターや手錠、車のハンド
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

不信、疑惑、不眠症
難解でもなく、かと言って単調な犯罪ミステリーって訳でもない。

観ている間に色んな映画を連想しますが、予想を超える到達地点と、観了後も長い余韻に浸る事が出来ました。

日本版ポスタ
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.0

原作未読
予備知識なしで観たけれど、会話/心理描写が秀逸。

特筆するとしたら、友達の家でアイスクリームを食べながら話すシーン。
こういう発言って安っぽくなりがちなんだけれど、キャラクターの輪郭がはっ
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「イリス」とは虹の女神という意味。
このイリスを、長年魔女という意味だと思っていたのが恥ずかしいのですが、作品的にはそれほどズレてはいませんでした。

冒頭部分
ほぼ台詞はないのだが、映像(特に空き瓶
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ポテチ(2012年製作の映画)

3.8

伊坂幸太郎らしい作品。
終盤にかけての伏線回収も結末もバレバレ。
でも、最後の濱田岳の熱演には自然と力が入りました。

のんびり、ダラダラと観る分にはお薦め。

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

オープニングの、ダイアーストレイツの曲に乗せて当時の風俗が流されるシーンから、すでにこの世界観にトリップさせて貰えました。

中でも、ソニーと追加契約について交渉する母親役のクリス・メッシーナが一歩も
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

淡々と流れる時間の中で、時折挿入される雑音という違和感

ショーペンハウアーの引用で、この些細な違和感は天才的才能の賜物だと刷り込まれる前半。
しかし、その正体が顕在化する後半は、外的自意識である虚像
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

開始から30分ほどは情報過多に戸惑いますが、そこから先は映像に浸っていれば無問題。
中国系移民のコインランドリー経営者が「世界を救う」という、余りにも不釣り合いなミッション遂行を描くのかと思いきや、実
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.0

原作既読

市川実和子のやさぐれ感
リリー・フランキーの抑えた演技
ラストレター以来の鈴木慶一(ムーン・ライダース)は、じっくり観ないと分からないほど馴染んでいた。

この三名がいなければ、平凡な人間
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ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

マーク・ラファロが企画を立てて、自ら主演した実話ベースの作品。

「巨大企業だ。やろうと思えば何でも出来る」
「体制は腐りきっている。自分たちの身は自分たちで守るしかない」

大きな敵(大企業)は、さ
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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

(モリコーネのドキュメンタリーを観る前に)

ハリウッド製作の西部劇とは違い、派手な演出や無駄な台詞を削ぎ落としたミニマリストの西部劇。

勝負を一瞬で決め、「間違えた、棺桶は四つだ」とだけ言い残して
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真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

逞しい身体が資本のジョー
誇張された情報を信じ、南部の田舎町から単身ニューヨークへ向かう。
だが大都会の中で、ジョーは何者にもなれず、何も得られない。
最後に残された希望は、親友と太陽降り注ぐフロリダ
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ミス・アメリカーナ(2020年製作の映画)

4.0

素晴らしいドキュメンタリー。

一糸纏わない発言は、時として歪曲されアンチの格好のネタになる。
しかしテイラー自身は、批判や孤立を恐れず、自らの主張を一貫させ一歩も引かない。

覚悟の差と言えばそれま
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

タイトルの〝目を澄ませて”は、観る側へ向けた言葉なのかもなぁと、エンドロールを観ながら考えてしまった。

特筆したいシーン
河川敷で警官に職務質問された時の不安な表情と、会長が試合録画を観ている様子を
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大災難P.T.A.(1987年製作の映画)

3.8

畳み掛けてくるトラブルに、ジョン・キャンディの悪気のない鬱陶しさが加算され、更にイライラ。
しかし、最後はホロリとさせられる。

ジョン・ヒューズ作品は、疲れた一日の夜に適している。
軽い気持ちで観ら
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ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.8

クラシックな図書館に、趣味の悪いボストンバッグを持った若くて綺麗な女性が現れる。

彼女の正体は凄腕の殺し屋。

8歳の少女のドライブテクニックといい、様々なギャップで意外性を持たせながらも、本格的な
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.0

豪華なセットと伏線回収のテンポの良さで、後半は前のめりで観てしまった。

D•クレイグ演じる世界一おしゃべりな名探偵は、今回も絶好調。

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

3.7

お薦めではないけれど、たまに観たくなる作品。
ボウリング場は、孤独な男性達の居場所に相応しいのかも。と、思えて来る様な作品。
仄かなロマンを携えた場末感と、グダグダな親父3人の醸し出す、心地よい緩さが
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いとみち(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

やりたくない事は分かってるが、何をやりたいかは、実のところよくわからない。
そんな女子高生がアルバイト先に決めたのはメイド喫茶。

主人公の駒井さん、ネイティブな津軽弁が見事にハマっていました。
が、
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さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)

4.0

公園でのバーベキューのシーン。
寒そうだし、汚いし、何だか惨め。
でも、生涯忘れられない食べ物の一つになるのは、こういう事なんだろうなぁ。

美味しそうではないが、記憶に残る食事の場面の筆頭です。
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鬼火(1963年製作の映画)

4.0

都会で感じる孤独は、人間観察とフィッツジェラルドの本では解決しないよなぁ。
パリに限らず、都会はどこでも憂鬱。

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