yonemakoさんの映画レビュー・感想・評価

yonemako

yonemako

映画(43)
ドラマ(2)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.8

ここ半月程でアンテナを付け替え、レコーダーも4K対応に変えて、WOWOW 4Kが観られ録画もできるようになったので、試しに『暗殺の森』リマスター版を録画してみた。リマスター版もピンキリだけど、2022>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

3.5

関東大震災の混乱時に朝鮮人が襲撃され、大勢が命を落としたことは比較的知られているけれど、朝鮮人と間違われて日本人が命を落とす事件も複数発生していた。その1つがこの事件。讃岐から福田村に来ていた薬売りの>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.0

実際の事件:2005~09年、少なくとも150人以上の女性たち(下は3歳から上は60代まで)が動物用の催眠スプレーを使った犯人によって被害に逢っていたボリビアのゴースト・レイプ事件。女たちがいくら異変>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.3

主人公のリディア・ターはベルリン・フィルの首席指揮者に上り詰めた女性。女性が権力の階段を昇り詰めるために、使える手は何でも使うことが描かれ、同時に「全能感」のある男性がやりがちなプレデター(捕食者)行>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.8

坂元裕二ドラマの大ファンで是枝作品もほとんど見ている自分。最初から期待高めで映画館へ行ったけど、それでも予想を上回る出来で「やられた~」。

学校のいじめのシーン、短いカットを積み重ねるだけでいじめの
>>続きを読む

幻滅(2021年製作の映画)

4.5

原作はバルザックの『幻滅〜メディア戦記』。フランスのアカデミー賞に当たるセザール賞で、作品賞、最優秀助演男優賞、有望新人男優賞を含む最多7冠を受賞。日本での扱いは驚くほど小さかったけど、セザール賞最多>>続きを読む

The Son/息子(2022年製作の映画)

3.6

前作の『ファーザー』は認知症の父と娘の関係を描いた作品でしたが、こちらは心を病んだ息子と、それに対処できない両親の関係を描いています。

父親と母親が離婚していて、それぞれが成功したビジネスパーソンで
>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

映画を多くの人に見てもらうために、紹介文が「あみ子はちょっと風変わりな女の子」のようになってしまうのは仕方ないかもしれない。だけど実際はそんなに甘いものではない。

原作は読んでいないけど、かなり強い
>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.5

映画館で公開時に観ました。この映画を何度も何度も観に行った人達は精神的にタフなんだなーと思います。フレディの孤独みたいなのが重すぎて、何度も見る気にはならなかったです。

フレディがアフリカの植民地生
>>続きを読む

ルートヴィヒ 完全復元版(1972年製作の映画)

4.5

主演のヘルムート・バーガーがつい先日、78歳でこの世を去りました。WOWOWのヴィスコンティ特集を録画して視聴。以前、映画館で観たものは通常の3時間版だったので、完全版は初めて。

改めて見直してみる
>>続きを読む

ピンク・フロイド/ザ・ウォール(1982年製作の映画)

2.8

ピンクフロイドの代表作の1つ、アルバム「ザ・ウォール」を映画化した作品。公開当時はアルバムやタイトル曲ほどの大ヒットにはならなかった。むしろ素晴らしい素材や監督がアラン・パーカーの割には微妙な感じが強>>続きを読む

アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー(2010年製作の映画)

5.0

英国で最も成功を収めたインディー・レーベル、クリエイションレコーズを創業したアラン・マッギーとボビー・ギレスピー(プライマル・スクリーム)、ノエル・ギャラガー(オアシス)が語りつくすドキュメンタリー。>>続きを読む

クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男(2021年製作の映画)

3.5

ダニー・ボイルがエグゼクティブプロデューサーを務め、『トレイン・スポッティング』など、ボイル作品への出演も多いユアン・ブレナーが主演。英国で最も成功を収めたインディー・レーベル、クリエイション・レコー>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.8

日本の映画・ドラマには売れない芸人とかボクサーの彼女が性風俗で働いているというありがちな設定の作品が少なくないので、そんなのだったら嫌だなあと少し不安だったけど、違いました。そこは有村架純なのでハズレ>>続きを読む

アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~(2022年製作の映画)

4.6

民政移管直後のアルゼンチンで前軍事政権の行き過ぎた弾圧や残虐行為を裁くという、誰もが尻込みする案件を引き受けた検事とそのチームの頑張りを描いた実話に基づく物語。民政移管しても軍の存在は依然として大きく>>続きを読む

ラ・ヴァレ(1972年製作の映画)

4.5

バルベ・シュローデルの長編第2作。監督の妻のビュル・オジェが主演。メルボルン領事夫人の主人公は観光でニューギニアにやってきて、珍しい羽根飾りが欲しくて未踏の地<雲に隠れた谷>を目指す探検隊に同行する。>>続きを読む

モア(1969年製作の映画)

3.3

一般にはミッキー・ローク主演『バーフライ』の監督バーベット・シュローダーとして知られるバルベ・シュローデルの長編第一作。

ヒッチハイクの旅をつづけるドイツ人の学生ステファンがパリで出会った奔放なアメ
>>続きを読む

明日に向かって笑え!(2019年製作の映画)

3.0

アルゼンチンは豊かな資源国でありながら何度も債務不履行に陥っている国。自国通貨に信用がないので皆がドルを貯めている。預金封鎖も金融危機のせいというよりは、財政再建に取り組まない政府の長年の怠慢や腐敗が>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

3.5

スタイリッシュで斬新な映像。エミール・ゾラのナナと同じ名前、ルイーズ・ブルックスと同じ髪型のアンナ・カリーナは美しい。けれど、どこか空虚。

家族を捨てて舞台女優になるためにパリに出てきたという設定が
>>続きを読む

メキシカン・スーツケース <ロバート・キャパ>とスペイン内戦の真実(2011年製作の映画)

3.5

NHKBS世界のドキュメンタリー「戦場写真家 ゲルダ・タローの真実」で「メキシカンスーツケース」のことを知り、渋谷のTSUTAYAで借りてきた観たんですが、期待したほどではなかったというのが正直な感想>>続きを読む

チワワちゃん(2018年製作の映画)

4.0

岡崎京子作品で先に映画化された『ヘルタースケルター』や『リバーズエッジ』は、原作にあるポップで乾いた空気感・虚無感が上手く出せているとはいえず、原作ファンとしてはかなりガッカリと言わざるを得ないものだ>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.8

TOHOシネマズ日比谷のTCXという特大スクリーンと音響のシアターで。
ウッドストックと同じ1969年にニューヨークはハーレムで5回の週末にわたって開催されたフェスのテレビ用の記録映像が4時間分。忘れ
>>続きを読む

Red(2020年製作の映画)

4.5

「誰もがうらやむ夫とかわいい娘を持ち、恵まれた日々を送っているはず」という宣伝文句にはあっさり裏切られる。主人公塔子に夫が求めるのは「プロの女性がするサービス」だけだからだ。関係は一方的で理解はない。>>続きを読む

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

4.5

実録とあるけどフィクションです。ですが、あさま山荘事件で実刑判決を受けた存命中の複数の受刑者たちの回想録(不思議なほど矛盾が少ないらしい)に基づいて山岳ベース事件からあさま山荘事件に至るまで、最高幹部>>続きを読む

千年の愉楽(2011年製作の映画)

4.0

中本の血を引く男はみんな美形で短命、という寺島しのぶの語りのとおり、イケメン俳優が次々出てくるけど、皆さん出番は短めです。「予告された殺人の記録」とか、ガルシア・マルケスの世界にも通じるところがあるか>>続きを読む

軽蔑(2011年製作の映画)

4.0

生家はそこそこ金があるがボンボンで甘ちゃんで甲斐性がなくて、食い物にされて結局ボコボコにされてしまう。閉鎖的な世界から逃げられない。口ばっかりで救いがない奴だけど高良健吾が演じると透明感があるので汚ら>>続きを読む

11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち(2011年製作の映画)

2.5

井浦新のファンだけど、この映画はきびしかった。素材としての三島由紀夫本人がもっている強烈な存在感に、ほとんど近づいていないと思う。三島由紀夫本人は身長が高くなく、後年肉体改造に励んでムキムキになり、ふ>>続きを読む

HOMECOMING: ビヨンセ・ライブ作品(2019年製作の映画)

4.0

圧倒されました。帝王切開から数か月でこんなに激しいトレーニングしてクレーンに乗るような大胆なステージを完全な形で実現するなんて。そしてHBCU(歴史的黒人大学)についても知らなかった。「ホームカミング>>続きを読む

キューブリックに魅せられた男(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

若手俳優レオン・ヴィターリが、キューブリック作品を見て衝撃を受け運命的な出会いを感じ、オーディションで『バリー・リンドン』で役をもらい、撮影中も努力して認められた後、『シャイニング』以降、キューブリッ>>続きを読む

キューブリックに愛された男(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

車好きでロンドンにやってきてプロレーサーを目指していたイタリア人エミリオがキューブリックの運転手として雇われ、勤勉さを買われて次第に身の回りのことを何でもやらされるようになり、24/7で呼び出され、色>>続きを読む

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.8

実は公開時に見逃していて最近、鑑賞。20年も前の作品とは思えない。世の中で起きている新しいこと(ネットなど)を映画に取り込もうとして失敗するケースは後を絶たないけど、岩井俊二はそうではない(まだSNS>>続きを読む

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.7

タイトルからも分かるように寓話的で奇想天外な設定だけど、美しい映像で最後まで説得力を持って見せてしまうのはさすが岩井俊二。COCCOもふつうのアイドルや女優では出せないオーラを出していて、物語を支えて>>続きを読む

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

4.5

同じ原作者の「ピース・オブ・ケイク」も捨てがたいけど、私はこちらの方が女性の揺れ動く気持ちがより繊細に描かれていて好みかな。テレビでは脇役で見ることが多いけど、臼田あさ美は上手いと思う。太賀君もこのこ>>続きを読む

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

2.0

とても魅力的なキャストを揃えているはずなのに原作の持つ雰囲気、どこまでもお洒落で、それでいてヒンヤリした空気感が大きく損なわれている気がしてとても残念。日本の映画にありがちだけど、SEXシーンが寒々し>>続きを読む

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)

4.9

2019年に90歳で没したアニエス・ヴァルダの最後の作品。フォト・グラフィティ・アーティストのJR(33歳)と、普段はフランスでもあまり目を向けられていないところに赴いて(たとえば元の炭鉱町、農地や海>>続きを読む

グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

時は1967年、最初の妻で初期の作品で主演を務めたアンナ・カリーナと別れたゴダールは、新しいミューズ、19歳のアンヌ・ヴィアゼムスキーに出会って恋に落ちる。ゴダールは37歳、『中国女』の主役に抜擢され>>続きを読む

>|