金ピカ牛の前で踊り狂う5人が倒れてフレームアウトした後に聞こえる息遣い、捧げられる血の、血の色としか言い表しようのない色と質感、極めて事務的に繰り返される飛び降り、厳格と軽妙の完璧な共存
延長後半のピルロのアシストからグロッソのゴールという唯一時代背景が明確に示される2006年パートが一番面白かった、素足にほんの一瞬纏わりつくヤモリ、棺に懸命に手を伸ばそうとする娘の姿などに息を呑む
システムのズレとその修正を繰り返しながら無限に進み続ける資本主義社会の歯車の一つとしての暗殺者、撃てなかったというズレが明確な意志を持ったうえでの反復という形で修正されるまでの、あまりに些細な物語
初>>続きを読む
話はまあまあ面白いので見てはいられるが、リズムを欠いたまま前提の説明に費やされる開始1時間ほどはこれが更に2時間以上も続くかと思うと拷問のようだった
時折リリー・グラッドストーンのクロースアップにハッ>>続きを読む
そういった要素が無い訳ではないが現実での出来事がフィクションの中身とリンクしていく、という単純なものではなく、どちらかというとテキストとして舞台上で発せられる台詞よりも彼女たちの身体の問題として現実⇔>>続きを読む
何もかもが絶妙、で片付けてしまいたいが例えば、長く伸びた付け髭を撫でつけるジャン=ピエール・レオの手つきや、一人カフェのテラス席に座り仲間の様子を見つめるその顔面、座るか帰るか選択を迫られた女のあまり>>続きを読む
どれだけ街を彷徨おうとも聞こえてこなかった二人の足音があの窃盗後の疾走でようやく一応、パタパタと鳴っている
食事・家族・哲学と仰々しくつけられた副題がそのまま台詞として登場するが、その中身のくだらなさが良い
北香那の全力疾走をパンで見せるのかと思いきやそのままカメラも全力で追っかけて行って橋を渡り切ったのマジでビビった
he'll someday think he saw it all.
なかなか露わにならない(が、めちゃくちゃ面白い)物語の進行方向は、ネクタイによる目隠しを外したサンディ・デニスを捉えたカメラがズームアウトするショットでようやく見え始める、繰り返されるマイケル・バーン>>続きを読む
蓮實重彦「物語批判序説」Ⅳ 流行から問題へ -語ることと真実-
ジョン・カサヴェテスはこの後に「トゥー・レイト」と「よみがえる」の分裂と横断を撮り続けるが、その予告としてしまうには余りにも傑作すぎるこの映画の存在にひたすら面食らうしかない
これが映画だ、と呟かざるを得ないほどに極めて豊かなファーストショットは、そこで鳴っている音をひとしきりフレーム外から取り込みながら360度近くパンした後にその正体を明かす
フロントガラス越しに伸びる細>>続きを読む
戯言を捲し立てる相手を前にして顔面の上半分を馬鹿デカいサングラスで隠され、目でも耳でもなく唇で話を聞くことになるジーナ・ローランズがそこに傷を負った時、自らも唇を露わにするのだと決意するシーモア・カッ>>続きを読む