miさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

3.5

めっちゃくちゃ良くできたタイムリープで、そもそも"繰り返されている"ことに現実の問題そのものを投影している点はよく練られている。
しかしながら、あまりにもお利口にできすぎているような印象も受けるので、
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街の上で(2019年製作の映画)

3.2

最近のフィルモグラフィーと比べる以前の今泉節ととれる脚本演出だったように思えて嬉しいとの思いもあるが、サビに全然突入しないようなリズム感の悪さ・完全な中弛みに、興味より疲労が勝ってしまった。
シーンの
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椿の庭(2020年製作の映画)

1.5

数年前にあの上田さんが映画作ってる。という噂だけは聞いてたけど、ほんとに作ってたとは。
正直な話、短編でももうちょいなんかあるやろ。ってぐらい薄いプロットでしんどい。人の感情がまるで投影されてないので
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.0

帰宅途中ジャルジャルアイランドに出演しているのん様を見かけた。久々にお目にかかりあまりの可愛さにニッコニコになった僕は、そうだ!見るなら今日しかない!と、謎の正義感に駆られ本作を観た。
画面の向こう側
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狂った野獣(1976年製作の映画)

4.0

"危ない"という概念が欠落した、市中でのやりたい放題カーアクションパニックムービー。
史上最弱のハイジャック犯を演じるのにピッタリすぎる川谷拓三、無能の一歩先まで体を張る室田日出男に大満足。
深作欣二
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脱獄広島殺人囚(1974年製作の映画)

4.0

とにかく入っては逃げ入っては逃げと、社会との繋がりに飢えに飢えて、とても隙とは言い難い隙でさえ無理やり突き破ってくるスタンスが素晴らしいし、逃げる気満々なのが良い。
若山富三郎の漢気あふれるアシストに
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暴動島根刑務所(1975年製作の映画)

4.2

R.I.P田中邦衛のつもりで観たがこりゃあ面白い。
無秩序に次ぐ無秩序でてんやわんや。
日本語が話せる猛獣の如く本能の赴くままに暴れ倒す松方弘樹のギラつきに胸躍る。
脱獄シーンよりもムショ内の暴動っぷ
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童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)

4.5

人生にはやはり雨の日が必要なのかもしれない。
「○○も、すっかり大きなって」のダイジェスト版でありながら、ボク、ワタシ、キミ、アナタ誰にとっても一人称として受け入れられる話でもある。
晩飯時に孫を迎え
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ダイナマイトどんどん(1978年製作の映画)

4.0

まずオープニングが最高。男臭全開でかけるだけかいた汗を拭おうともせず泥まみれになる姿は甲子園球児そのもの(な訳ない)。
各シーンほんとに汗つけすぎ。
いい歳した大人たちが画面の中で力一杯暴れて殴って喚
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やくざの墓場 くちなしの花(1976年製作の映画)

3.5

面白いには面白いが小慣れたコテコテ感みたいなのが漂っていたため、やはり『県警対組織暴力』の純粋さには勝てない。
もはや警察官と説明できないヤクザっぷりに、県警本部へのカチコミ含め完全にヤクザ者に成り代
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資金源強奪(1975年製作の映画)

4.0

たまたま居合わせた人物までもがストーリーの鍵を握る展開が胸熱。
ポンポン人の手を渡っていく資金源の行く末は予想できない展開を綱渡りしていく。
飼い犬にガッツリ手を噛まれるヤクザの情けなさ。
警察をクビ
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マイリトルゴート(2018年製作の映画)

3.7

寓話をベースに現代社会における問題をシームレスに織り込めるのは、アニメだと容姿を簡単に変形しながらも元の役どころをキープできるから。
アニメならではの優位性。その身体性を行ったり来たりできるのは面白い
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あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)

3.5

色々歴史的な背景を踏まえて見ないと辛いのだが、それでも"きっとこんなこと話したんじゃなあかなぁ"の妄想とは思えない当事者性の高いリアリティな会話劇だったと思う。
こういうこと言うとあれだけど映画として
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マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン(2014年製作の映画)

3.0

賞賛も批判も一手に引き受け常に孤独と向き合い続ける映画監督という職業。
妻がカメラを回しても尚浮かび上がる孤独。
プロフェッショナルの庵野秀明回からも感じるが、映画監督は信念を突き通す度量と、常識に囚
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

自分の知ってるストップモーションアニメの概念を遥かに超えた作品に興奮を禁じ得ない。
ストーリーや世界観はさておき、こんな制作過程で101分にもわたる作品を作り上げたこと自体が奇跡と言えるし、途方がなさ
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マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

3.5

1.2.you know what to do
という軽快な掛け声とは比にならないぐらい重たいテーマ。
リズムアンドブルースでR&B。
その時歴史は動いたとでも言うべきか。
差別と権力にそれでも立ち向
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.0

『ザ・ライダー』の成功体験を踏襲しようとしたやり方に問題があったとは思わないのだけど、ノマドとして生きる主人公の胸のうちがあまりにも見えてきづらく終始ノラない。
F.マクドーマンドの演技ではなく、ホン
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十八歳、海へ(1979年製作の映画)

3.2

5浪中の素人童貞である小林薫が、ひょんなことから妻子持ちとの不倫関係を終わらせた給食作ってるお姉さんと南の島へバカンスに行き釣ったサメを撲殺するとともに童貞を喪失する話。って文字におこすとめちゃくちゃ>>続きを読む

新仁義なき戦い 組長最後の日(1976年製作の映画)

3.0

ネタ切れ感の否めない幕切れ。
ただ、崖から転げ落ちるトラックと伊丹空港での撮影が見れただけでもお釣りがくるレベルではあるのは確か。

新仁義なき戦い 組長の首(1975年製作の映画)

3.2

ただやりたいだけのカーアクションは笑いのポイント。山崎努のイカれ具合がいい。
けど、話としては正直微妙なような。全然つながりないやんけ!
警察に逃げ込むヤクザより、警察である拓ぼんの取調べの方がよっぽ
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新仁義なき戦い(1974年製作の映画)

3.2

人物の相関図がピンとこなかったけど、相変わらず暴れ放題してるシーンだけ見られればそれでいいんだと思った。
死体埋めてるのに足がモロだしなの面白い。
菅原文太vs若山富三郎の2人の演技の間がヒリヒリして
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.5

貧しいながらに力強く生きてます。みたいなテーマの家族物語は散々擦られてきたと思うが、サンキューグランマの一点に比重を重めに描かれていたことでラストにしっかりカタルシスを感じられた。
ただ、誰の視点が主
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水のないプール(1982年製作の映画)

3.7

切符切る道具のカチカチ音がそのまま劇伴になっていくのめちゃくちゃかっこいい。
何の断りもなく家に侵入する行為自体が≒レイプの手口と同義なのが既に面白い。窓の隙間から注射器でチョロチョロ注入されるのも、
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14歳の栞(2021年製作の映画)

2.5

コンセプト先走り系かなと。
クラスを社会のメタとした集団と見立て、その個々を描こうとするスタンスは新鮮味があって面白かったけど、いかんせん個々に対して浅い。
多感な時期でカメラを前に斜に構え冷めた生徒
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運命じゃない人(2004年製作の映画)

4.2

完全に脚本の勝利。
そりゃこんな上質な脚本量産できないから息詰まってしまうのは仕方ないですよね。
同じシーンを別のアングルで切り取ることで浮かび上がる感情。宮田のつま先がピーンと伸びてるところ最高。ス
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ミツコ感覚(2011年製作の映画)

3.5

不倫の功罪についての考察などどうでもいいはずなのに因果応報になってたりするのが面白い。どうせ死ぬか殺すかの展開は読めるのに、一旦話し合うのが山内さんっぽい。すんごい台詞回し。
でも、現実ではそんな風な
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At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)

3.0

サンアドの斉藤さんが思ってる以上にサンアドの斉藤さんだった。
山内ワールド全開。腕とおっぱいとキス。キスから始まる崩壊具合が笑える。終わり方最高。
ただなんかもっと秘密があるのかと思った。
「明日のお
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灰色の狼(1973年製作の映画)

2.0

動物愛護団体顔面蒼白不可避の動物虐待ムービー。
こんなに一本の映画で動物殺しちゃいかんでしょ。
人間が愚かで浅はかだということをここまでしてやる必要性はどこにも感じない。
それを経てなおこの映画の意味
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Go for Sisters(原題)(2013年製作の映画)

3.5

母が訪ねて三千里。
時を隔ててもなお輝く女性の友情。

子供たちをよろしく(1984年製作の映画)

4.0

カネフスキーの『ぼくら、20世紀の子どもたち』を思い出したりもしたけど、こちらの方がより突き放すような拠り所を失った姿が淡々と捉えられていたように思えるが、登場人物の言動がイチイチ映画的。
リアルスト
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ディック・ジョンソンの死(2020年製作の映画)

3.2

発想は面白いがそこまで中身が伴ってない印象。
パーソナルすぎて映像作品としての構成がどうも中途半端な印象は拭えない。
監督自身の葛藤が入り込みすぎて、個人的にはついていけなかった。
ただ、親友の神父が
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あの頃。(2021年製作の映画)

1.0

小学生の時だったか、中学生に入ってからだったか、いつだったか覚えてないが、人生で唯一アイドルの写真集を買った。ゴマキの写真集。当時はエロ本と同じ扱いをしていたなー、まだもしかしたら実家にはあるかもなー>>続きを読む

宝島(2018年製作の映画)

5.0

圧倒的多幸感。俺はこの6文字を72ptぐらいでアートボードのど真ん中に書き連ねたい。
始まりから終わりまで途絶えることのない多幸感。登場する人全員魅力的。老若男女のバランスも、それぞれの楽しみ方も全部
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秋津温泉(1962年製作の映画)

4.0

銀座のママさんが過去にこんな経験したなぁ。と呟いてそうな話。
サヨナラを言わない軽薄な男がそれでもなお見送りたくないんだろ。と、勝手なことを言っちゃう感じが男側からすると急所を攻められたような痛みを覚
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青春讃歌(1985年製作の映画)

3.7

ナオトインティライみのある主人公の青春譚であり成長譚でもある。
むちゃくちゃ変則的なテンポの編集に笑っていいのかいけないのか、感情のコントロールが難しく感じたが、それでも学生時代の"魔が差す"描写は微
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夏時間(2019年製作の映画)

3.0

さすがに何の変哲もなさすぎて、惹かれる部分が少なかった。『はちどり』とかあの辺の系譜と比べても味が薄すぎる。
勝手に先入観でハードルあげた自分を戒めないといけない。
いくらなんでも引っかかりを作らなさ
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