よるさんの映画レビュー・感想・評価

よる

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トムボーイ(2011年製作の映画)

4.5

「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマ監督の2011年の作品がやっと日本でも公開。10才の女のコの性自認についての悩みと苦しみを淡々と描く。第二次性徴期を迎える前の体はTシャツを脱いでサッカーをしたって>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

3.7

モブ男子高校生の「バンドやろうぜ」系、めっちゃかわいい。年上のゴス系女子に憧れるとことか、キュアとかボウイとか聴いてる音楽によって髪型がどんどん変わっていくとことか、影響受けまくりの手作り感あるMVと>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.6

20代後半から30代に差し掛かる、いわゆる適齢期の女性の姿をヒエラルキー別に描いた作品って珍しい。しかも対立や衝突させることもなく、ただ自然にありのままに決して交わることのない世界線上にあることを交互>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.3

お笑いもバンドも漫画も小説も映画も、ぜんぶ一緒くたにしてコーンフレークのようにサクサク食べてゆく麦と絹。前評判通り、東京には一定数いるカップルの諸行無常。天竺鼠が好きな自分が好きなんでしょ。ショーシャ>>続きを読む

はじまりのうた(2013年製作の映画)

3.5

音楽と展開のテンポの良さで最後まで。Maroon5のアダム・レヴィーンの歌はやっぱり唯一無二のものがあるね。タトゥーはさすがに長袖で隠してたけど。明るくポジティブになれるストーリーだし見る人を選ばない>>続きを読む

火口のふたり(2019年製作の映画)

3.5

賛否両論あるけど限りなく否に近い賛と言いたい。原作は福岡だったけど映画は秋田にされてて震災色の強い作品になってる。確かにあまりにも説明的で不自然な台詞回しとダサい劇伴はかなり気になる。
お互いの体に溺
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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

3.3

実在のドイツの殺人鬼フリッツ・ホンカの映画。死んだ女のパンストを乱暴に脱がそうとして上手くいかず、焦って汗だくで歩き回る定点カメラからの冒頭のシーン満点。戦後の街の汚なさ、貧しさ、全ての環境が人々を粗>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.7

音の物語とチェーホフの舞台と多国籍な言語と、言葉じゃない情報の応酬にあっという間の三時間。2回目観て原作読んで、やっと落ち着いてきました。
生きていくことは常に取り返しのつかないことの繰り返しで、失っ
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拷問男(2012年製作の映画)

3.3

自分の可愛い娘の命を奪った犯人を見つけ出し拷問を開始する復讐物。相変わらず邦題はどうかと思うけど。全体的にちゃんと映画のセオリーに則っているので好印象。
娘との楽しい日常とそれを奪われた絶望、犯人探し
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ラ・ヨローナ~泣く女~(2019年製作の映画)

3.0

今年の10月に公開される「死霊館」シリーズ最新作の監督でもあるマイケル・チャベスの初監督作。このラヨローナもジェームズ・ワンリスペクトの雰囲気はところどころにあって、ホラー演出は定跡をしっかり踏んでく>>続きを読む

SCOOP!(2016年製作の映画)

1.0

ここ最近でいちばんキツイ映画だった。福山は相変わらず福山節炸裂しててむしろはまり役だったと思うけど。
芸能人のあら探しメインのゴシップ誌とはいえ撮ることのモラルや正義、信念的なところを一切度外視するほ
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少年の君(2019年製作の映画)

2.8

正直なぜこの映画がこんなに評価されているのか全く分からない。貧困と学歴社会、いじめや社会の閉塞感、それを乗り越えるボーイミーツガール映画なんて何年も前から有象無象にあるよ。
それにしてもチェン・ニェン
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最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

3.0

映画音楽家ヨハン・ヨハンソンが撮った最後の映画。20億年先の人類から届くメッセージと、成れの果てのように静謐に映し出される旧ユーゴスラビアの戦争記念碑たち。ヨハンの過去か未来か混乱するような荘厳な音楽>>続きを読む

朝が来る(2020年製作の映画)

3.9

不妊で悩む夫婦と、望まない妊娠によって人生が一転した少女の対比。命の誕生は本当に奇跡だと年を重ねるごとに実感する。どんな赤ちゃんも愛されるために生まれてくること、ただそれだけを願わずにいられない。

プラットフォーム(2019年製作の映画)

2.0

対資本主義について直喩過ぎて出落ちでしかない。1ヶ月という期間の長さも活かせてない。後半からキリスト教色全開のスピリチュアル展開なので一気に別映画になってる。パンナコッタパンナコッタうるさい。以上。

天使(1982年製作の映画)

3.7

前衛的な映像実験。奇妙で単調な音階。残像のような光と影。進んだり戻ったり、出したり仕舞ったり、持ったり落としたり。少しずつ異なる悪魔的な反復で観客を引き込みつつ置いてきぼりにする。溢れたミルクは甕には>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.0

PV監督でもあり本人も音楽活動をしているイリヤ・ナイシュラーが監督なだけあって全編に渡って軽快な音楽とそれに合わせたカット編集やモーションでテンポ良く観てられる。
脚本はジョン・ウィックと同じ人で、い
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.6

全編モノクロでスクエア型の画角に加え、巧みなライティングと音響効果によって孤島の閉塞感や海やカモメの不気味さ、夢か現か分からない悪夢のような世界観を全編に渡って演出することに成功してる。個人的にはあの>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.6

三部作の一本目、今のところストップモーションアニメ版「神々のたそがれ」。監督一人で作り上げた文字通り独自の世界観には脱帽。ほんとに好きなものがふんだんに詰め込まれているよ。ディストピアだけど基本的に地>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

3.8

二人だけの世界に限界が来たのか、はたまた本当に偶然の余暇なのか。繰り返すほど空虚になる言葉を呪文のように唱え続ける。「5年間一度も離れずに愛する人と過ごしてきた」
昔の友達はみな見かけや環境が変わって
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動く彫刻 ジャン・ティンゲリー(1981年製作の映画)

3.0

「機械を目的から解放してあげたい」スイスの芸術家ジャン・ティンゲリーの創作現場と日本でおこなわれた個展を映した15分の作品。鉄屑や廃材を集めて死んだガラクタに再び命と自由を与えるというテーマ。ただ肝心>>続きを読む

いのち―蒼風の彫刻(1962年製作の映画)

3.0

勅使河原宏監督の父親蒼風の彫刻作品や創作風景を映した。作品の観賞のさせ方は勅使河原色つよめの前衛仕様で極端に細部をクローズアップしたり急に自然の中に置いたりして少し面白い。とはいえ若干の手前味噌感は否>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.3

85年のSFアニメ。ドラーグ族という巨人に首輪を付けられペットにされるか弱き人間。知を手に入れることで仲間が出来、生きる術を身に付けてゆく。謎劇伴とともに謎デザインの生物たちが住む謎の惑星で世界観はバ>>続きを読む

道成寺(1976年製作の映画)

4.0

川本喜八郎監督特集上映(4K修復版)
今回観た5作品のうちで一番好き。髪を振り乱して足から血を流して追いかける様は狂気そのもの。取り憑かれた女はもはやこの世のものではなくなる。色欲と情念が般若に姿を変
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花折り(1968年製作の映画)

3.7

川本喜八郎監督特集上映(4K修復版)
数珠玉を盃にくゆらせて一滴も落とさないように大事に飲む姿、ほんの少しの手足の動き方で可笑しさが増すアニメーションの妙。もとは狂言の話とのこと、お酒の失敗はいつの時
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.3

友人が、生活が、国がどうなろうと構わない、愛する人の信念を一緒に信じて茨の道すら突き進む女の情念。この人と運命を共にすることだけが唯一の幸せ。覚悟を決めた女は強い。
蒼井優の演技はさすがだし、東出君と
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忘れられた人々(1950年製作の映画)

4.5

悪童というにはあまりに生易しいサイコ青年ハイボが感化院から戻ってきたことで狂わされる少年たちの悲劇。
貧困と犯罪の街に生まれ、文字の読み書きもできない親の元で生きていく術は暴力それだけ。時代や環境の
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大日本人(2007年製作の映画)

3.3

今観ると逆に新鮮で普通に笑った……。菊地成孔の解説読んでから観るとまた良し。

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

2.2

暴対法が改正されて当時のようなシノギが無くなり惨めな暮らしを余儀なくされ、シャバにも戻ることができない半端者。ヤクザになる前からその後まで時系列を越えて描かれるものの、全部小綺麗なステレオタイプで全く>>続きを読む

僕が跳びはねる理由(2020年製作の映画)

3.0

自閉症の東田直樹さんが13歳の時に書いた著書を元に海外で映像化されたドキュメンタリー作品。自閉症の人が見ている世界の見え方は、まず音や色彩等の細部が飛び込んできて徐々に全体が見えていること。口から発す>>続きを読む

ザ・コール(2020年製作の映画)

3.5

久しぶりに帰省して固定電話を繋げたら20年前住んでいた家主から電話が掛かってくるタイムパラドックススリラー。
韓国色強めの恐怖演出でサイコな殺人鬼が良いキャラしてる。徹底した悪人像。過去を変えちゃいけ
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凪待ち(2019年製作の映画)

3.7

喪失と再生の物語。捨てる神あれば拾う神あり。ギャンブル依存で仕事も続かずアルコールに逃げる日々。愛する人も仕事もお金もすべて失って、自分自身すら捨てたくなっても死なない限り人生は終わらない。
サスペン
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.0

東大卒ニートが銭湯でバイト始めたら夜は死体処理場になってて自らも加担していく話。インデペンデントながらもストーリーの斬新さからかなり話題になってた作品ですが、めっちゃ普通だった。
笑いも感動もグロも無
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彼女(2021年製作の映画)

2.0

何回泣いたか数えておきたいくらい全てのシーンで誰かが泣いてた。
「アデル、ブルーは熱い色」意識してるけど(最後の長尺ラブシーンとか、水原希子の赤髪とか)こっちは演出が一辺倒でだるい。過去と現在行ったり
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スタイルウォーズ(1983年製作の映画)

4.0

完全に「イグジットスルーザギフトショップ(2011)」と「God Speed You Black Emperor(1976)」だった。
前者はバンクシー(ティエリー)がグラフィックアーティストたちの作
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