夜さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

夜

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プラットフォーム(2019年製作の映画)

2.0

対資本主義について直喩過ぎて出落ちでしかない。1ヶ月という期間の長さも活かせてない。後半からキリスト教色全開のスピリチュアル展開なので一気に別映画になってる。パンナコッタパンナコッタうるさい。以上。

天使(1982年製作の映画)

3.7

前衛的な映像実験。奇妙で単調な音階。残像のような光と影。進んだり戻ったり、出したり仕舞ったり、持ったり落としたり。少しずつ異なる悪魔的な反復で観客を引き込みつつ置いてきぼりにする。溢れたミルクは甕には>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.0

PV監督でもあり本人も音楽活動をしているイリヤ・ナイシュラーが監督なだけあって全編に渡って軽快な音楽とそれに合わせたカット編集やモーションでテンポ良く観てられる。
脚本はジョン・ウィックと同じ人で、い
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.6

全編モノクロでスクエア型の画角に加え、巧みなライティングと音響効果によって孤島の閉塞感や海やカモメの不気味さ、夢か現か分からない悪夢のような世界観を全編に渡って演出することに成功してる。個人的にはあの>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.6

三部作の一本目、今のところストップモーションアニメ版「神々のたそがれ」。監督一人で作り上げた文字通り独自の世界観には脱帽。ほんとに好きなものがふんだんに詰め込まれているよ。ディストピアだけど基本的に地>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

3.8

二人だけの世界に限界が来たのか、はたまた本当に偶然の余暇なのか。繰り返すほど空虚になる言葉を呪文のように唱え続ける。「5年間一度も離れずに愛する人と過ごしてきた」
昔の友達はみな見かけや環境が変わって
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動く彫刻 ジャン・ティンゲリー(1981年製作の映画)

3.0

「機械を目的から解放してあげたい」スイスの芸術家ジャン・ティンゲリーの創作現場と日本でおこなわれた個展を映した15分の作品。鉄屑や廃材を集めて死んだガラクタに再び命と自由を与えるというテーマ。ただ肝心>>続きを読む

いのち―蒼風の彫刻(1962年製作の映画)

3.0

勅使河原宏監督の父親蒼風の彫刻作品や創作風景を映した。作品の観賞のさせ方は勅使河原色つよめの前衛仕様で極端に細部をクローズアップしたり急に自然の中に置いたりして少し面白い。とはいえ若干の手前味噌感は否>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.3

85年のSFアニメ。ドラーグ族という巨人に首輪を付けられペットにされるか弱き人間。知を手に入れることで仲間が出来、生きる術を身に付けてゆく。謎劇伴とともに謎デザインの生物たちが住む謎の惑星で世界観はバ>>続きを読む

道成寺(1976年製作の映画)

4.0

川本喜八郎監督特集上映(4K修復版)
今回観た5作品のうちで一番好き。髪を振り乱して足から血を流して追いかける様は狂気そのもの。取り憑かれた女はもはやこの世のものではなくなる。色欲と情念が般若に姿を変
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花折り(1968年製作の映画)

3.7

川本喜八郎監督特集上映(4K修復版)
数珠玉を盃にくゆらせて一滴も落とさないように大事に飲む姿、ほんの少しの手足の動き方で可笑しさが増すアニメーションの妙。もとは狂言の話とのこと、お酒の失敗はいつの時
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.3

友人が、生活が、国がどうなろうと構わない、愛する人の信念を一緒に信じて茨の道すら突き進む女の情念。この人と運命を共にすることだけが唯一の幸せ。覚悟を決めた女は強い。
蒼井優の演技はさすがだし、東出君と
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忘れられた人々(1950年製作の映画)

4.5

悪童というにはあまりに生易しいサイコ青年ハイボが感化院から戻ってきたことで狂わされる少年たちの悲劇。
貧困と犯罪の街に生まれ、文字の読み書きもできない親の元で生きていく術は暴力それだけ。時代や環境の
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大日本人(2007年製作の映画)

3.3

今観ると逆に新鮮で普通に笑った……。菊地成孔の解説読んでから観るとまた良し。

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

2.2

暴対法が改正されて当時のようなシノギが無くなり惨めな暮らしを余儀なくされ、シャバにも戻ることができない半端者。ヤクザになる前からその後まで時系列を越えて描かれるものの、全部小綺麗なステレオタイプで全く>>続きを読む

僕が跳びはねる理由(2020年製作の映画)

3.0

自閉症の東田直樹さんが13歳の時に書いた著書を元に海外で映像化されたドキュメンタリー作品。自閉症の人が見ている世界の見え方は、まず音や色彩等の細部が飛び込んできて徐々に全体が見えていること。口から発す>>続きを読む

ザ・コール(2020年製作の映画)

3.5

久しぶりに帰省して固定電話を繋げたら20年前住んでいた家主から電話が掛かってくるタイムパラドックススリラー。
韓国色強めの恐怖演出でサイコな殺人鬼が良いキャラしてる。徹底した悪人像。過去を変えちゃいけ
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凪待ち(2019年製作の映画)

3.7

喪失と再生の物語。捨てる神あれば拾う神あり。ギャンブル依存で仕事も続かずアルコールに逃げる日々。愛する人も仕事もお金もすべて失って、自分自身すら捨てたくなっても死なない限り人生は終わらない。
サスペン
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メランコリック(2018年製作の映画)

3.0

東大卒ニートが銭湯でバイト始めたら夜は死体処理場になってて自らも加担していく話。インデペンデントながらもストーリーの斬新さからかなり話題になってた作品ですが、めっちゃ普通だった。
笑いも感動もグロも無
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彼女(2021年製作の映画)

2.0

何回泣いたか数えておきたいくらい全てのシーンで誰かが泣いてた。
「アデル、ブルーは熱い色」意識してるけど(最後の長尺ラブシーンとか、水原希子の赤髪とか)こっちは演出が一辺倒でだるい。過去と現在行ったり
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スタイルウォーズ(1983年製作の映画)

4.0

完全に「イグジットスルーザギフトショップ(2011)」と「God Speed You Black Emperor(1976)」だった。
前者はバンクシー(ティエリー)がグラフィックアーティストたちの作
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街の上で(2019年製作の映画)

3.8

大橋裕之が好きすぎるんだけど、彼の漫画の空気や間が絶妙に今泉映画の世界観と融合していてかなり成功してる。
下北界隈のバンドマンや劇団員、小説家、古着、古本屋、、高円寺と似てるけど下北沢のがポップなイメ
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バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

3.7

小金持ちの女の子、パン屋の不良、浮浪者、農夫のあいだを巡るロバの話。売られたり、逃げ出したり、盗まれたり、使い物にならないから譲ったり、様々な方法で手放されるロバ。ただでさえ悲しげな顔してるのにだいた>>続きを読む

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(2019年製作の映画)

3.0

サンフランシスコといえばシリコンバレーに代表されるような大都市をまずはじめに想像するが、片や少し外れにゆくと路上生活者やドラッグ、売春等が蔓延する犯罪率の高い地域とも地続きだ。地域の再開発により今まで>>続きを読む

フェアウェル(2019年製作の映画)

2.5

余命3ヶ月を宣告された祖母のために甥の結婚式を敢行して最後の思い出作りに親族が集まる。中国の慣例から「助からないことは最期まで伝えない」が、長らくアメリカで暮らしている主人公はそのウソが祖母や皆にとっ>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.0

大団円という形で良いんじゃないでしょうか。思ってた10倍くらいちゃんと終わらせてくれた。世間の反応は様々あるけどちゃんと結末を付けたからこその反応だし、25年もやってたんだからもう十分としか言いようが>>続きを読む

惡の華(2019年製作の映画)

3.1

宙ぶらりんのままになってるアニメ版、結構好きだったけどもう続きやることないんだろうな。仲村さん役を玉城ティナにするなら佐伯さんはもっともっと圧倒的に可愛い人にして欲しかった。だって自分より頭も悪くて運>>続きを読む

三月のライオン デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

5.0

中学時代にレンタルしてDVDで観てからドはまりしてすぐDVD買った。何回も観てるけど映画館で観るのは初めてで新しい発見もある。
四次元ポケットのようなクーラーボックス、2ヶ月だけ貸された部屋と壊されて
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続・世界残酷物語(1963年製作の映画)

3.5

「世界残酷物語」と全く一緒の内容なので全く一緒の感想なり。

世界残酷物語(1962年製作の映画)

3.7

1962年、世界各国の風俗、奇習をランダムにおさめたドキュメンタリー風映画。「モンド映画」の元祖。高級料理に飽きたニューヨークセレブ達がゲテモノ昆虫食を嗜むのがブームとか、日本の牛肉は柔らかくするため>>続きを読む

28日後...(2002年製作の映画)

2.5

ダニー・ボイルって一作品とも合ったことないけどこれもキツかった。B級にしたいんだろうけど終止すべってる。。

君の膵臓をたべたい(2018年製作の映画)

2.8

アニメ版キミスイ。原作も実写も未読。
最近涙腺よわよわなはずなのにそんなに泣けなかった。あんな陰キャが一軍女子に声かけられたらそりゃ好きになっちゃう。花火のシーンは「聲の形」の方が映えてた。
「必要と
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機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

5.0

サウンドリマスター版を4DXで観賞。映画館で観るのは初めてで、改めて押井守の最高傑作であると再確認した。
地下鉄サリン事件よりも前にあの演出ができること、地下鉄銀座線新橋駅のロマン、タイルで書かれる駅
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LEGO(R) ムービー(2014年製作の映画)

3.5

映画館で観たら絶対楽しいやつ。フィル・ロードなのでスパイダーバースのテンポ感とはちゃめちゃ感を想起させる。シュールはあるけどブラックなユーモアは一切なく子どもがいたら見せたいハッピームービー。

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

4.0

少年院から仮出所した主人公が身分を偽り小さな町の司祭になるポーランド映画。実話を元にした、と冒頭に出るが、ポーランドではその類いの詐称事件はかなりの頻度で起きているようで、どこまでがフィクションでどこ>>続きを読む