凛太朗さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

凛太朗

凛太朗

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ニーチェの馬(2011年製作の映画)

4.4

吹き荒む嵐の中、廃れた大地に佇む一軒の家。そこに住まう老人と娘、そして老いた馬の絶望的な六日間を、モノクロの映像、わずかな台詞、ダークアンビエント風の弦楽奏で綴る。

ニーチェの馬というタイトルに引っ
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明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

4.5

邦題が秀逸すぎる!

ニューシネマの傑作と言うか、控えめに言って映画史上に残る不朽の名作の一つだと思います。
初めて観たのは多分10なん年か前だと思うのですが、初めてラストシーンを観た時の感動というか
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評決(1982年製作の映画)

3.8

医療ミスによる訴訟問題を題材に正義の在り方を描く法廷ドラマ。
監督は社会派の映画を撮り続けるシドニー・ルメット。主役の酒に溺れ落ちぶれた弁護士役にポール・ニューマン。

新聞の死亡欄を読み漁り、仕事に
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.7

主演にジョニー・デップを据えたティム・バートン監督によるファンタジーラブストーリー/コメディ。
ヒロインは当時実際にジョニー・デップと付き合っていたウィノナ・ライダー。

主人を亡くした古城に独りで住
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ネットワーク(1976年製作の映画)

4.0

今ではここ日本も含め、そんな事はなんとなく知ってるよ…って感じですが。
70年代、アメリカのTV業界の欲望やら何やら、内情・闇を描いた社会派のシドニー・ルメット監督によるブラック・コメディ。

視聴率
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田園に死す(1974年製作の映画)

4.2

野爆のくっきーは寺山修司からの影響を受けまくってると思う。
白塗り、和テイスト特有のおどろおどろしい世界観。

母と2人で恐山の麓で暮らす父親のいない主人公の唯一の楽しみは、イタコに父の御霊を降霊させ
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狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.1

アル・パチーノ主演で共演にジョン・カザールと言えば、私は真っ先ゴッドファーザーシリーズが思い浮かぶし、監督はシドニー・ルメットだしで、シリアスな社会派の映画なんやろな。と思ってると、チンケな銀行強盗の>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.8

ニューヨークに住むその日暮らしのウィリーと、その友達ビリーと、ハンガリーのブダペストからやって来たスクリーミング・ジェイ・ホーキンスのI Put a Spell on Youを愛聴するウィリーの従妹エ>>続きを読む

グロリア(1980年製作の映画)

4.0

『レオン』からイカれた汚職刑事が消えて、主人公が女性になって相棒となる子供が男の子になったら『グロリア』になる。というくらいには『レオン』の原型となってます。
観ていて、あぁ、ゲイリー・オールドマンの
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スケアクロウ(1973年製作の映画)

4.1

アル・パチーノ&ジーン・ハックマンの共演によるアメリカン・ニューシネマの傑作ロードムービー。

暴力事件で6年間服役していた喧嘩っ早くて豪快な重ね着大好きマックス(ジーン・ハックマン)と、5年間船乗り
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.4

猫、無慈悲にぶん投げられる。指チョンパ。生首ドーン!
コーエン兄弟の如きシュールなバイオレンス。

レイフ・ファインズが演じる主人公グスタヴのモデルとなっているオーストリアのユダヤ系作家、シュテファン
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キングスマン(2015年製作の映画)

3.8

JBってのはジェームズ・ボンドか?
ノー。
ほなジェイソン・ボーンか?
ノー。

ジャック・バウアー。

そっちかよ!オレの頭の中ではなんでかジェームス・ブラウンだと思い込んでたよ!

はい。キック・
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怒り(2016年製作の映画)

4.3

ある暑い夏の日に八王子で起きた夫婦惨殺事件を背景に、東京、千葉、沖縄に現れた素性の知れない3人の男と、彼らを取り巻く人々を描いた重厚なミステリー/ヒューマンドラマ。

ミステリー?ミステリーなのかこれ
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.7

21歳の誕生日に、父親から「一族の男には代々タイムトラベルできる能力があるのじゃ!」と告げられるティム(ドーナル・グリーソン)。
その能力を駆使して魔王討伐に…ではなく、恋人を作るために使うことにした
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

4.6

親が親らしくあることも、子供が子供らしくあることも、簡単なようで簡単なことではない。
愛されることを知らないと、人を愛することもできない。自分を愛することすらできない。
私はそのように思います。

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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.8

観ていて、ボロネーゼが凄く美味しそうで、よっしゃ!今日の晩御飯はボロネーゼ作ったろ!と思ったそばから、見終わった後に挽肉使って全然違う和食を作っていたよ。(ほんとどーでもいい)

カンヌ国際映画祭パル
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主人公は僕だった(2006年製作の映画)

3.8

事実は小説よりも奇々怪界界界界界界界界!(芸人が出てくるBGM風で)
Incredible Strange!
フェンダーのストラトキャスターを手に入れたら、Deep PurpleのStrange Ki
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Love Letter(1995年製作の映画)

4.3

当時25歳くらいの中山美穂さんは、今の私より10歳ほど若いわけだが、あれは惚れる。
岩井俊二特有のファンタジックな画の美しさも相俟って美しい。

渡辺博子(中山美穂)の亡くなった婚約者、藤井樹の卒業ア
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グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

3.9

オドレイ・トトゥに、もっとパーソナルで落ち着いた映画を撮るようアドバイスを受けた結果、ミシェル・ゴンドリー監督自身の自伝的内容になった青春ロードムービー。

絵の才能がある14歳のフェミニンな美青年ダ
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天国と地獄(1963年製作の映画)

4.4

「生憎、花を買いに行くような面は一人もいません!」
緊張と緩和。お笑いの基本である。

黒澤明監督によるこの『天国と地獄』は喜劇じゃないですけども。
白と黒、金持ちと貧乏人、警察と犯人、丘の上と丘の下
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お早よう(1959年製作の映画)

4.3

プー。
「どうだい!」
軽石を削って食って自在にオナラを出す。
そこにシビれる!あこがれるゥ!
いや、どうでもえぇわ。自在に屁ができるから何やねん?無駄すぎるわ!
そしてオナラで人を呼ぶな!返事すな!
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アスファルト(2015年製作の映画)

4.0

旧約聖書の創世記に登場するバベルの塔には、石の代わりに煉瓦、漆喰の代わりにアスファルトが使われたらしい。
一般的に想像される団地というのは、どことなくバベルの塔っぽいですよね。
人種の坩堝というか、色
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.0

髪を切ってくれている妻の夏子にグチグチグチグチと文句を垂れ流し、そのまま旅行に行く妻を送り出し、小説家でタレントでもある自分は他の女と寝ていたら、その日の夜、妻はバスの事故で死んでしまった。
しかし悲
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.8

あ、くっきーだ。←違

モダンホラー小説の帝王スティーヴン・キングの『IT』を原作としていて、TV映画として1990年に作られた作品のリブート作品。
“それ”が見えたら終わり…

終わらねぇよ!

1
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大列車強盗(1903年製作の映画)

3.0

世界初の西部劇と呼ばれる作品。
監督はエドウィン・S・ポーターで、発明王トーマス・エジソンのエジソン社によって制作されています。

タイトルの通り列車強盗の映画で、西部劇には欠かせないカウボーイや銃や
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.6

おぅふ…そのifからエンディングに向けての無言の流れはもう…。

冒頭、LAの高速道路で大渋滞の中の突然のミュージカル。曲はAnother Day of Sun。
原色系で飾られた目に鮮やかな衣装の数
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月世界旅行(1902年製作の映画)

3.5

史上初のSF映画とか言われるジョルジュ・メリエスによる1902年の作品。
1902年って今から116年前ですから、当時の映画製作に携わっていた人たちのイマジネーションやクリエイティブ精神は凄いなぁと思
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マリアンヌ(2016年製作の映画)

3.6

「仕事の相棒はやらねぇ!相棒とヤったら、ヘマをヤらかし、敵にヤられる。」

結果、熱砂の嵐の中、熱いカーセックス。
美しいですねぇ。
状況も立場も違うけど、『タイタニック』のジャックとローズくらい美し
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インビジブル・ゲスト 悪魔の証明(2016年製作の映画)

3.8

スペイン産サスペンス/ミステリー、そして◯◯◯。
あまり多くは語れませんね。

主人公の名前はアドリアンドリアドリアンドリアドリアンドリアドリアンドリアドリアンドリア…アドリアン・ドリア。
皆さん、こ
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マイティ・ソー バトルロイヤル(2017年製作の映画)

3.9

アァアーーアー!
HM/HR好きの私は、最初からLed ZeppelinのImmigrant Song(移民の歌)でテンション上がりまくり!相変わらずのシンプルながらかっちょいいリフである。

『マイ
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.2

リドリー・スコットの『ブレードランナー』から35年、物語の設定では『ブレードランナー』から30年後が舞台となる続編。
監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。(毎回読みにくいし打ちにくい!)
前作の『ブレードラン
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.7

信じるか信じないかは…
あなた次第!(ドーン!)って言いかけたというか言ってたね。一人で。そんなアホなことを言ってる場合じゃないような、シリアスな映画ですけど。

2度目の殺人を犯し、死刑が確実視され
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エル ELLE(2016年製作の映画)

4.5

ポール・ヴァーホーヴェンはやっぱこうでなきゃ!つったら、この映画が描く『らしさ』や『こうあるべき』といった概念に対するアンチテーゼに反する気がするんですけど、まぁ流石ヴァーホーヴェンと言うべきか。>>続きを読む

バリー・シール/アメリカをはめた男(2016年製作の映画)

3.3

監督ダグ・リーマン、主演トム・クルーズということでアクション映画を期待したら肩透かしくらいそうな実話ベースの伝記映画。

1970年代後半、TWA(トランス・ワールド航空)で若くして機長にまで上り詰め
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婚約者の友人(2016年製作の映画)

4.1

フランソワ・オゾン監督のフランス/ドイツ合作映画。
第一次世界大戦直後のドイツ。戦争で亡くした婚約者フランツの両親と共に暮らすアンナ(パウラ・ベーア)。フランツの墓に花を手向けるフランス人男性アドリア
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機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦(2017年製作の映画)

3.8

不良のカイの向こう見ずな性格に振り回されるアムロとハヤト。
親父にもぶたれたことのないアムロが思いっきりぶん殴られている件について。

ファーストの冒頭で語られるブリティッシュ作戦。所謂コロニー落とし
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