よつゆさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

アウトレイジ(2010年製作の映画)

3.5

『ソナチネ』や『HANA-BI』とは様々な点に於いて異なる本作。
セリフ量もヴァイオレンス描写も増え、ドぎつくなっている。

完全にヤクザの抗争を描いており、これまで観てきた北野武映画とは全く別物だっ
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モダン・タイムス(1936年製作の映画)

3.8

はじめてのチャップリン。
まだ見ぬ名作をまた一つ見ることができた。

恐らく当時の社会問題の一つであった進む機械化や、労働者にとっての過酷な状況などを描いたのだろう。
そしてそれらは普遍的なテーマにな
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独裁者(1940年製作の映画)

4.5

チャップリンの映画はすごく直接的だ。
笑いもすごくわかりやすい。
おかしな見た目のチャップリンがおかしな行動を取り、あからさまに変な事を言っている。
物語がわからなくても見ているだけでも面白い。
そし
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うなぎ(1997年製作の映画)

3.8

全然今村昌平に詳しい訳ではないけど、やっぱり冒頭から“らしいな”と思った。
そんな冒頭は本作のポスターからは考えられないようなもので、いい意味で裏切られた。
そしてその数年後から物語はまた始まる。
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HANA-BI(1997年製作の映画)

4.5

『ソナチネ』に引き続き北野武監督作品。
今回はヤクザではなく刑事側、と思ったら…。

ヴァイオレンスとドラマ、そしてシュールなコメディのバランスが本当に丁度よい。
タランティーノは多弁だが、北野武は寡
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ソナチネ(1993年製作の映画)

4.0

北野武監督作品、恥ずかしながら初鑑賞。
やっぱり『首』が公開される前に観ておきたかった。
その中でも、ポスターが特に印象的な本作から鑑賞。
『アウトレイジ』のイメージが強いので、もっとヤクザ、任侠感が
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ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)

3.7

バイクが盗まれタクシーも違う所へ行き、散々な目にあったローラは、更に散々な目にあった恋人マニの為に街を駆ける。

かなり異色でハイセンスな映画。
本作の音楽は逃走中にも使用されている。
主な主要人物は
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カリガリ博士(1920年製作の映画)

4.0

サイレントの名作。
もう100年以上も昔の古典的な作品だがネタバレは避ける。

この手の話は純粋に好みというのもあって面白かった。
サイレントは映像と文字が隔絶されたもので、現代の映画とはやはり大きく
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.7

2回目。
劇場で観られて本当に嬉しい。Filmarksのこの企画とても素晴らしいので是非続けて欲しい。

本作は非モテで陰キャなくせに高嶺の花に恋してしまった不憫な男の物語。
トイレに行きたいのに何処
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ヒドゥン(1987年製作の映画)

3.0

カイル・マクラクラン主演。
とてもおめかししているのがよく分かる。
あんま知らないから下手になにも言えないけどK-POPアイドルみたい。

まあなぜおめかししているかと言うと、カイル・マクラクラン演じ
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エル ELLE(2016年製作の映画)

-

これはちょっと…。
見ていて気持ちの良いものではないし、上質な胸糞さもなく、ただただポール・ヴァーホーヴェンはなにをしたかったのか困惑するしかない。

ポール・ヴァーホーヴェンは女性に対し少々畏怖に近
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

3.3

世界観はめっちゃ好き。
ただ物語はよくわからない。
地球に帰ろうと奮闘しているのは分かるが、過程が色々訳わからなさすぎて大変。

訳が分からなくてカオスなのは好きだけど、ここまで長くてコメディ調だと厳
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オデッセイ(2015年製作の映画)

4.3

火星に唯一人取り残された、世界一、或いは宇宙一孤独な男の物語。
しかし本作はただのSFサバイバル映画ではない。
個人間の憎しみ、はたまた国家間のプライド、無駄とも思える争いを超えたドラマがある。
一人
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悪魔の手毬唄(1977年製作の映画)

3.0

かなり時代を感じるサスペンス。
いかにも当時らしい演出が光る。
演技といい演出といい、少々大袈裟でテレビドラマを観ているかのよう。
つまるところチープに感じてしまった。

ただ、殺人現場だとかの演出は
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砂の器(1974年製作の映画)

4.0

これは傑作。
まず前半のミステリー、サスペンスが普通に面白すぎる。
観客とてもとんと見当のつかない、雲を掴んだような捜査。
そんな状況下でも、僅かな糸口から少しでも犯人に近づいていく様がまさしく本物の
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呪怨(2002年製作の映画)

3.3

やっと観た。
何年も観よう観ようと思っている間に、随分自分の中のハードルが上がっていたかもしれない。
それだけに少し微妙だった。

ストーリーは単純かつタイトルの通り、過去の呪怨が今に降りかかる。
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ディア・ハンター(1978年製作の映画)

3.9

3時間…長い…そしてしっかり長く感じた…。
戦争映画の名作として名高いが、ようやく観た。

ベトナム戦争がアメリカにもたらした現実を克明に描いている。
戦争へ出征することとなった男たちの、それぞれの行
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.3

終盤が衝撃すぎる。
非常にアメリカン・ニューシネマらしい作品だが、本作はその中でも頭ひとつ抜けた傑作と言える。

アメリカン・ニューシネマはかなり苦手だけど、これはかなり良かった。
主人公と患者たちと
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スター・ウォーズ 特別篇(1997年製作の映画)

3.2

なるほどー、こっちがDisney+にある方かー!でもあれかな、Disney+にあるのは更に2011年に変更された部分も加わってるっぽいな。
19年のはどうなのか知らんけど。
(前に書いてたレビュー少し
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切腹(1962年製作の映画)

5.0

息が詰まる。
固唾を呑む。
目と耳でしかこの映画を感覚できないことが勿体ない。
途中、今これ以上観てしまうのはまだ勿体ないのではないかとさえ思った。

また一つ素晴らしい映画を知った喜びと、
また一つ
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パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊(2017年製作の映画)

3.2

中学の時、今でも一番遊ぶ奴とイオンシネマに観に行ったことを思い出す。
その時はなんか面白かったんじゃね、みたいな感じの感想でしかなかった。
でも今見返すとやはり最初の三部作に劣る…。

設定や物語なん
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天使の影(1976年製作の映画)

-

タイトルとポスターが好きで、これを観たくてライナー・ヴェルナー・ファスビンダー特集を観に行ったが、結果的にこれが一番好きじゃなかった…。

監督が違うとはいえライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.0

見逃してなければ、恐らくワンシチュエーションの作品。
演劇の映画化だからだろう。舞台なら場面転換の必要もないし、暗転明転も時間経過などの最低限で抑えられるからいい。
ただ、ここで大きな問題がある。
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

3.8

大分分かりやすくて安心した。
彼女の行動自体はちょいちょい謎だったが、それが男を翻弄する美女めいていて良かった。

マリア・ブラウン演じるハンナ・シグラが美しく、自分の力で成り上がってゆく強い女性にぴ
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

3.4

要するに社会的弱者同士のロマンスを描きたかったのか。
笑い者にされる掃除婦と、差別される外国人労働者のロマンス。

だがどうしても様々納得がいかない。
物語の進行において説明が欠けすぎている気がしてな
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パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉(2011年製作の映画)

3.2

やっぱり今見ると結構つまらないな…。

前作までも大分ファンタジーだったが、そこまで違和感は感じなかった。
だが黒ひげをはじめ、思いの外ファンタジー要素が強く、そしてそうはならないでしょ…みたいな瞬間
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銀河鉄道999(1979年製作の映画)

4.4

以前テレビアニメの銀河鉄道999に挑戦したが、流石に長過ぎて途中で断念してしまった。
なのでこちらでリトライ。

普通にめちゃくちゃ面白い…。
子供向けにしては重いし、普通に大人が見る分にも中々だと思
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さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

3.8

ほぼホームレスで、物を何とか換金してその日のお金を稼いで暮らしているような家庭環境で育った主人公の物語。

家族をテーマにしているものの、ありふれた映画の展開を踏襲せず、中々奇妙な物語になっている。
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ジャンヌ・ダルク裁判(1962年製作の映画)

4.0

ブレッソンの描くジャンヌ・ダルクの処刑裁判。

ドライヤーの『裁かるるジャンヌ』におけるジャンヌ像とはまた異なったジャンヌを映している。

ブレッソンらしく裁判はどんどん進み、しっかり集中していないと
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COWBOY BEBOP 天国の扉(2001年製作の映画)

4.1

やっぱりカウボーイビバップはいいな。
映画とあって作画はすごく良いし、音楽も相変わらず良かった!

ただ、物語はそこまで主人公たちと関係しているものではなくて、アニメの方の一話完結ものの拡大版みたいな
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パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(2007年製作の映画)

3.8

ほぼ3時間。
流石に長いって〜!

ただ、全作品デッドマンズ・チェストから続くデイヴィ・ジョーンズ編の完結作とあって、気合が入っている。
そのせいで詰め込みすぎて散漫になっている感じは否めないが。
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囚われの女(1968年製作の映画)

4.2

『恐怖の報酬』のアンリ・ジョルジュ・クルーゾーの遺作、らしい…。
『恐怖の報酬』はあまり刺さらなかったが、本作は割と好みだった。

とにかく色調が良い。
そしてそこに映るエリザベス・ウィナーが美しい。
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スイミング・プール(2003年製作の映画)

4.5

フランソワ・オゾンは最近のものを2本みた程度のにわか。
少し自分には合わないのかもな〜と思っていたが、本作は冒頭から惹き込まれた。

乾燥し、どこか寒気のある映像とシャーロット・ランプリング。
シャー
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現金に手を出すな(1954年製作の映画)

3.6

渋い!!
おじさんたちのクライムムービー。

全部相棒のせいじゃん。
かなり相棒にイライラしたし、何故主人公マックスがこんなやつと組んでしまったのかと思わざるを得ない。
どう考えてもポンコツじゃないか
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私生活のない女(1984年製作の映画)

3.5

忘れていた…ズラウスキーの映画は難解だということを…。

正直物語やこの映画に託したズラウスキーの想いは汲み取れない。
ズラウスキーの映画や俳優に対する思想や、祖国ポーランドへの想いがあるのかな。
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パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト(2006年製作の映画)

3.8

Filmarksの評価も、どうやら批評がからの評価も前作から下がっている本作だが、個人的にはこちらの方が好きだ。ワールド・エンドも含め。

本作は遂にデイヴィ・ジョーンズが登場する。
クラーケンも。
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