遊道よーよーさんの映画レビュー・感想・評価

遊道よーよー

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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.1

この映画について何か核心的なことを語ろうとすると、すぐにネタバレになってしまうので控える。

村上春樹『1Q84』など作中作が描かれる名作は多いが、それは小説にとどまらず、漫画の中で漫画を作ることを描
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.7

葛藤と苦悶、そしてその解決が描かれる様子には、文学の味わいがした。庵野秀明監督が旧劇場版エヴァで描いた「個」や「自我」を消し去って「全体の意思」に委ねたい欲望に向かう人間の姿はここでも描かれている。>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

海外からの人気・評価も高い邦画ということで観に行った。結論から言うと、佳作ではあるが、映画素人であるよーよー的には傑作や名作と呼べるかといったら程遠いように感じた。価値観を揺さぶったり、美しさにハッと>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

話題の映画『君たちはどう生きるか』。一般も批評家も評価が賛否真っ二つと聞いて身構えていたが、宮崎駿の死生観がディテール豊かでドラスティック(抜本的、根本的)に描かれており、そういう個人の思想の深掘りが>>続きを読む

劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro(2023年製作の映画)

4.5

映画代としては高価な2,700円を払って観たけど、ライブ一本を観るとすれば安すぎるくらいのクオリティのライブ映画でした。

以下、まだ未見の方が観るべき3つの理由を挙げていきます。そのあとは今作に限ら
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

4.3

●<傑作です!>Thinkの楽しさ、Feelの感動

SF的なギミック満載(老若認証やディープフェイクなど)で、ストーリーもテンポが良くて面白く、息をつかせぬジェットコースターアクション映画。そして、
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

1.5

ストーリー上でも全体の構成でもAdoの劇中歌が肝になってくる。だが、肝心のその歌に全くノレなかった。

中田ヤスタカが関わっていたり、世間での評判だったり、Adoの歌にとても期待して観たのだが……。歌
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.8

●僕らのマリオが躍動する…!

個性的な日本産(任天堂)キャラクターのあふれる魅力と、米国の映画が得意とする画面の動きの躍動感がかけ合わさった、まさにスター級に無敵のジェットコースターアニメアクション
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.9

●フォレストの優しさに触れてほしい

名匠ロバート・ゼメキスによるザ・人間ドラマの良作。

トム・ハンクス演じる主人公"フォレスト・ガンプ"が頭は回らないものの実直で屈託のない性格であることが、人間ド
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

●ぶつけ合う音のかたまり

石塚真一の同名の漫画を立川譲(たちかわゆずる)監督がアニメ映画化。サックスプレーヤーの頂点を目指す主人公と、彼の熱意に触発されながら努力を続ける仲間が繰り広げる素敵なストー
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.1

●峻厳の寒さの中で

ラーゲリ(露: Лагерь)とは、ソビエト連邦における強制収容所のこと。僕の亡くなった祖父がシベリア抑留の当事者であったことから、自分のルーツを知るためにも観た方がよいという半
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.1

ネタバレになるから、詳しくは書けませんが、とにかく良かったです!

スラダンお決まりのあの名台詞や定番ネタも出してサービス精神もありつつ、一人の登場人物を深掘りして、情緒面もしっかり掘り下げられていた
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.2

●魂と記憶を結ぶロードムービー

九州から東北へ、この世界から扉を隔てたその先の世界へ、魂と記憶を結ぶロードムービー。青春感を成熟させたオトナ切ないラッド(RADWOMPS)の曲も相まってエンドロール
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.5

●一点だけ不満

感想を一言で言えば、「面白かった」。二言で言えば、「面白かったけど、少し不満」となるだろう。

本作『シン・ウルトラマン』に企画・脚本などで携わった庵野秀明さんが監督した『シン・ゴジ
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マトリックス(1999年製作の映画)

3.9

暗いトーンの画面が演出する絶望の近未来。もしかしたら近未来というよりも、僕達の生きているこの現在かもしれない。

ストーリーの発想は、この映画の発表された当時は革新的だっただろう。しかし、模倣作品や影
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

4.0

主役であるそばかすの女子高生(演じるのはアーティストの中村佳穂さん)の歌う歌が魅力たっぷりで、音楽映画ともいえる本作に説得力をもたらしている。主題歌「U」は、King Gnuの常田大希さんによるプロジ>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.3

●メッセージを受け止めて!

NHK Eテレで放送され、SNS上で話題になっている映画『若おかみは小学生!』を観ました。

泣ける映画が良い映画という訳ではないですが、泣ける映画という評判は違わなか
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僕のワンダフル・ジャーニー(2019年製作の映画)

3.0

転生を行いながら、一人の女性を守り続ける犬の物語。犬のいる生活っていい。僕も昔、実家で飼っていたことを思い出した。

ヒロインの相手役が中国系というのも新鮮で良かった。誠実でマジメな男性であり、中国系
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ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

統合失調症当事者から観た感想。

ノーベル賞を受賞した数学者のジョン・ナッシュの生涯を描いた作品。これは現実なのか、妄想なのかーー。映画『ビューティフル・マインド』には、ジョンの統合失調症患者としての
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バクマン。(2015年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

テンポが良く、ストレス無しに観れたが、あの長さの原作を2時間にまとめるのは、やはり無理がある。

亜豆との恋も中途半端に終わるし、何よりカヤさんが登場しない。サイコー、シュージン、カヤ、亜豆の四人がワ
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.0

自分の好きなミュージシャンが良くなかったと言っていたのであまり期待しないで観たのだが、とても良かった。

楽しいシーンには楽しい音楽、切ないシーンには切ない音楽で魅せる。製作者は音楽の根源的な楽しさや
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機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編(1982年製作の映画)

4.2

面白かった。引き込まれて観た。戦争を描くことで、戦争の悲しさを描く本作の可能性は、ジョン・レノンのイマジンと同じで普遍的なメッセージになりうるのではないかと感じた。

血に囚われるザビ家とシャアの破滅
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天気の子(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

僕は知っている。"セカイ系"と呼ばれ、批判されてきた作品にも見るべきものがあり、語られるべきメッセージがあったことを。人と世界の間に社会がないという批判を受けていた"セカイ系"作品にも、実は社会が描か>>続きを読む

機動戦士ガンダム II 哀・戦士編(1981年製作の映画)

4.0

ミハルとカイのエピソードが泣ける。アムロもカイもその他ホワイトベース乗員も、様々なエピソードを通して成長していく。その描き方が丁寧だ。

ヒーローVS敵という構図を乗り越え、戦っているどちらの側にも正
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8 Mile(2002年製作の映画)

3.1

エミネムが主演する、彼の半自伝的映画。貧困と犯罪が横溢する1995年のミシガン州デトロイトが舞台だ。貧困家庭に産まれた主人公が、都市と郊外、富裕層と貧困層、白人と黒人を分ける8マイル・ロードの向こう側>>続きを読む

機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)

3.9

SFロボットアニメの金字塔は伊達じゃなかった。

人の命を奪うという戦争のリアリズムもきちんと描写されている。そして、主人公のアムロが反抗心や落ち込みから戦えなくなったりと、とても人間臭い。

「親父
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.5

骨太の政治サスペンス。主人公の官僚役の松坂桃李の抑えた好演が光る映画だった。一方、もう一人の主人公である新聞記者役のシム・ウンギョンも表情で感情を伝える力が凄い。ただ、日本語がそれほど上手くないように>>続きを読む

フラガール(2006年製作の映画)

4.0

常磐ハワイアンセンター開設までとそこで踊る予定のフラガールがプロになるまでの物語。

新しいことをやることに対する昔の田舎(炭鉱町)の抑圧と、抑圧をはね返すように新しいことに挑んでいく主人公たちの熱意
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

2.0

遅ればせながら、2016年の話題作である本作を観た。現実を徹底して写実的に描く手法を用いた、政治的要素を多分に含む群像劇である。

登場人物への感情移入をさせずに現実を描くこの手法は新鮮に思えるし、お
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