薄さんの映画レビュー・感想・評価

薄

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

3.1

原作は読んでたけどなんとなく見てなかった映画版。ようやく見たらミヤコの扱いが酷過ぎて笑ってしまった。原作は魅力あるキャラだったのに……。

そこら辺を置いておけばやはり素晴らしい映画。構図等の見せ方に
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ルックバック(2024年製作の映画)

2.9

原作未読。

よく知らなかったので序盤を見て才能ある者と無い者の対比を描いた「まんが道」闇深めverみたいになるのかと思ったら割と王道のシスターフッド映画だった(※刺激的な描写はある)。

正負を問わ
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

3.1

虐げられた夫婦の貧しく辛い日々とそこにある小さな幸せが描かれた映画。

度々ある家屋の解体の呆気なさが象徴的で、夫婦の生活基盤はとても小さく、脆い。その中でもささやかな幸せを見つけて生きる夫婦の逞しさ
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静かなふたり(2017年製作の映画)

2.9

いやー、難しい。話の大筋は分かるんだけど詩的な言葉のやり取りや、挟まれるシーンの意図が掴みにくい。

カモメの話とかアイルランドのハッカーとかが何を暗喩してるのかもよう分からんし、分からんずくめ。分か
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親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)

3.1

ソ連で実際に起こった虐殺事件を題材に、モノクロームで描いたヒューマンドラマ。

モノクロならではというシーンは無いものの、色がないことによる無機質さとか冷たさが当時のソ連やこの映画自体の空気感とマッチ
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ある用務員(2020年製作の映画)

3.0

「ベイビーわるきゅーれ」の監督の低予算アクション映画。

ストーリーは適当、アクションが主役という如何にもなジャンルムービー。低予算でも色々と工夫して頑張っているので、それなりに楽しめる。

色々な殺
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君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

2.9

漫画原作の青春ラブストーリー。

原作はちょっと読んだだけだけど、間の使い方とか実写にすると違和感が出てしまいそうなキャラや演出で映像化は難しそうな作風。どうなるかなあ、と思ってたけど割と頑張っていて
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.0

老婆を介護施設に送るまでの間に彼女の人生も辿っていくロードムービー。

彼女の人生が思った以上にファンキーで驚かされるけど、基本的には今的なテーマを盛り込んだ王道ストーリーで安定した出来。同種の「ドラ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.0

何故かミカエル・アース作品だと思って見たけど役者(アクセル役のアンデルシュ・ダニエルセン)が被ってるだけだった。作風ががらっと変わったから驚いてたんだけど、どおりで。

内容としてはアラサー女子の良く
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野いちご(1957年製作の映画)

3.0

ベルイマンの代表作を教養としての鑑賞。

孤独な老人の悔恨と解放を旅路と夢を通して描いたって感じだろうか。

「叫びとささやき」ほど病的な画に対する拘りは感じられなくて安心したと言うか残念と言うか。た
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あなたがここにいてほしい(2021年製作の映画)

3.0

王道メロドラマに中国の社会情勢や現実の厳しさを混ぜてビター風味にしてみました、という映画。

そこら辺を含めてもまだベタの範疇に入る映画だと思うけど、丁寧に描かれてるからか飽きることもなく胸を打たれな
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運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)

3.0

運動靴を失くしてしまった兄妹の健気な奮闘を描く人間ドラマ。

イランの格差社会(貧富の差が凄い!)を映しつつ、貧しくても思いやりを忘れない家族の姿が飾らずに描かれていて良かった。兄妹の涙が可愛いらしく
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

2.0

ワンアイデアで作ったスリラー映画。アイデア自体は悪くないけど結末が容易に想像できるし、客もやたらと聞き分けが良く展開がないので早々とダレる。

この手の作品はじっくり見せられると設定やストーリーの無理
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96時間 レクイエム(2015年製作の映画)

2.9

前2作と比べるとストーリーがちょっと捻ってあるんだけど、意外性のある展開にしようとした為にかなり無理のあるストーリーになってしまった上にテンポも悪い。

余計な事をしない分テンポが良くて完成度も高いシ
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

2.9

モノクロームで映される静謐な世界と詩的な展開にうとうとしながら見た。

人間讃歌的な穏やかな雰囲気が更に眠気を誘うけど、うとうとしながら見て全て理解できるほど簡単な映画じゃないのが難しいところ。もう1
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涙するまで、生きる(2014年製作の映画)

3.0

元軍人の白人と罪人のアラブ人によるロードムービー

2人の旅を通して現在にも通用する人種の分断や戦争の虚しさが描かれている……のかな? 一番描かれているのは友情か。

原作カミュの「客」(未読)とは結
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ナチュラル・ボーン・キラーズ(1994年製作の映画)

2.8

タランティーノ原案のヴィオレンスムービー。

アニメやら何やら当時は斬新だったであろう演出が詰め込まれているけど、今見てしまうとゴチャゴチャが目立って胃もたれしてしまう。その割にメインのヴァイオレンス
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八月のクリスマス(1998年製作の映画)

3.1

公開当時から名作と評判の作品をようやく鑑賞。

もっとあざとい作品かと思っていたら、良い意味で韓国らしからぬ静かで穏やかな作品だった。過剰な感情表現も演出もなく淡々と進んでいくだけに、いつも笑顔の主人
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崖上のスパイ(2021年製作の映画)

3.0

チャン・イーモウらしからぬスパイスリラー……と思ったけど結構エンタメ活劇も撮ってる人なんだよな。

騙し騙されの展開にカーチェイスや銃撃戦も手慣れた感じで盛り込まれ、派手さはないものの手堅い出来。スパ
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天国の日々(1978年製作の映画)

3.0

お伽噺めいたストーリーをネストール・アルメンドロス撮影の美しい映像とモリコーネの音楽で描く。シンプルな映画だけど、各々のクオリティが高いので魅せられる。映像に限らず美しい映画という感じ。

聖書関係の
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

2.9

中盤ぐらいまではテンポが遅いけど雰囲気は良く中々。ただ、50両騒動以降の脚本なあ。萬屋の対応や碁会での決闘に至るまでの経緯(長兵衛の仕切り)がそうはならんだろうという展開で。遊郭の件の決着もあっさりと>>続きを読む

トリプルX:再起動(2017年製作の映画)

2.8

トニー・ジャーとドニー・イェン目的で鑑賞。前2作は見てなかったけどラストにお前誰やねんという展開があるぐらいで前2作を見てない人も問題なく楽しめると思う。

内容としては大味なストーリー、古臭い主人公
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オットーという男(2022年製作の映画)

3.0

スウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」のハリウッドリメイク。

スウェーデン版は偏屈な主人公が変わっていくというより、観客や隣人たちが主人公を知っていくことによって見方が変わる(受け入れていく)ところ
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.0

美しい映像を通して居心地の悪い家族が描かれる映画。

結局捨てた、あるいは壊れた家族は元に戻ることはないよ、ということなんだろうか。「まさに世界の終わり」という戯曲が原作とのことだが、例によって主人公
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.0

父娘のひと夏の思い出がノスタルジックに描かれるのかと思ったら、それだけの映画ではなく。綺麗な思い出の裏にほろ苦い現実が見え隠れする結構ビターな映画。

監督によると父親単独のシーンは娘の想像とのこと。
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マッドマックス2(1981年製作の映画)

3.2

前作はイメージと違って割と普通の自警団映画だったけど、本作はイメージ通りの世紀末ヒャッハー映画。いわゆるマッドマックスのイメージってこの映画から来てたのね。

予算が増えて派手な絵面になりながら過激な
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悲しみより、もっと悲しい物語(2018年製作の映画)

3.0

リウ・イーハオ&アイビー・チェン主演の王道メロドラマ。リウ・イーハオは「君のためのタイムリープ」では綺麗なジャルジャル後藤という感じだったけど、本作では面影なく。観終わるまで同一人物と気付かなかった。>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

2.8

子供たちへのインタビュー、主人公の独白、妹との電話……、しまいには文献の一節まで挿入されて全編言葉と説明に溢れている映画。会話の映画とのことだけど、少々頭でっかちに感じた。

インタビューに答える子供
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ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021年製作の映画)

3.1

なんと言っても団地でのアクションが素晴らしい。前作は岡田准一の動きは良くても演出にチープな感じがあったけど、今回は演出も良いしオリジナリティも十分で面白かった。序盤の駐車場のアクションも中々でアクショ>>続きを読む

ファースト・ミッション(1985年製作の映画)

3.0

いつものジャッキーアクションに「レインマン」的兄弟愛を加えた異色作(?)。

2つの要素が上手く噛み合ってるかと言われるとそんなこともないんだけど、中盤の兄弟で抱き合うシーンなんかはグッと来るし、アク
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孤狼の血(2018年製作の映画)

2.8

「仁義なき戦い」(と言うか「県警対組織暴力」)+「トレーニング・デイ」と言った感じだった原作を韓国映画的グロ描写を満載にして映像化。

「仁義〜」や「県警〜」は役者たちのギラギラとした魅力や現場の熱量
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ウンベルトD(1952年製作の映画)

3.0

同監督の「自転車泥棒」と同じく厳しく哀しい現実が淡々と描かれる作品。これぞネオレアリズモという感じという感じだが、こちらの方が暖かみのあるラストになっている。

話の骨組みも「自転車泥棒」とほぼ同じで
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冬の旅(1985年製作の映画)

3.0

凍死した女性の死に至るまでの旅路をドキュメンタリータッチで描いた作品。

自由を求める心とそれを許さない現実、という骨組みはアメリカン・ニューシネマを思い起こさせるけど、放浪が逃避として描いたアメリカ
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

2.9

アクションは前作から引き続き頑張っているけど、ストーリーが前作より間延びしてテンポが悪くなったのが残念。着ぐるみアクションが一番面白かった。

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

3.0

デレク・ツァン監督のシスターフッド映画。同監督の「少年の君」ほどのめり込まず女性ならピンと来るのかなぁ、とか思いながら見ていたけど終わってみると印象は悪くない。と言うかむしろ良い。こちらも良作。

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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

2.9

メメントを思わせるモノクロ&時系列入れ替えスリラー。

ストーリーは強引で荒いんだけど時系列を入れ替える事で有耶無耶に……と言うか時系列入れ替えの構成がやりたいだけでストーリーは適当に辻褄を合わせただ
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