薄さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

2.9

本国イギリスでは2011年に公開された同性愛映画。

必ずと言っていいほど周囲に受け入れられた状態の同性愛者が登場する最近の洋画に慣れていたので、自身がゲイであることを後ろめたく思ったり、周囲の目線に
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望郷(1982年製作の映画)

3.0

アメリカンニューシネマでは描かれなかった(描けない)、ベトナム側から見たベトナム戦争映画。

淡々と、呆気なく描かれるベトナム人の死と悲劇は彼・彼女らの命や扱いの軽さをそのまま表しているようで哀しく、
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2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)

2.9

初期作品を見て理解できるようになってきた気がしていたウォン・カーウァイだけど、60年代三部作に戻るとまた理解が遠くなってしまった……。

「花様年華」の続編なのに内容をあんまり覚えてなくて「ここ花様年
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

3.0

インド発の社会派ラブストーリー。

格差を越えると一口に言っても、そう簡単な話じゃないと分からされる映画。社会規範が相手となると個人の問題じゃなくなっちゃうもんね。

社会派/ラブストーリー、どちらか
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

2.9

パトリシア・ハイスミス原作の元祖交換殺人もの。

原作はブルーノの狂気と執着、それに絡め取られていくガイの心理が丹念に描かれていく怖い(&気持ち悪い)話だったが映画版はそういう心理サスペンス的な部分は
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地下室のメロディー(1963年製作の映画)

3.0

あらすじからベテランとルーキーが衝突し合いながらバディになっていくような話かと思ったらそんなこともなく。強奪計画実行の様子が淡々と描かれていく純ケイパーもの。

義兄の話とかもっと掘り下げても……とい
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.0

タイトルから想像する内容とも、あらすじから想像する内容とも違ったホラー……じゃなくて哲学的映画。幸福とは何なのかという話で見た人によって解釈が別れてるのが面白い。

何事もなく日常が続いていく(と思わ
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インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

3.1

日米でリメイクされた香港発の大ヒット映画。アメリカ版の「ディパーテッド」は見てるけど本作をちゃんと見るのは初めて(多分)。

改めて見ても警官とマフィアがお互いの組織に潜入するという設定は最高に美味し
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名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)

3.0

全編飽きずに見れたのは確かなんだけど、後半はもうドンデン返しの為のドンデン返しと言うか、ひたすら話をひっくり返すのに終始してて食傷してしまった。BL要素を盛り込みつつ感情に訴えかけるようなオチというの>>続きを読む

サンザシの樹の下で(2010年製作の映画)

2.9

文革時代を背景としたピュアラブストーリー。

同じチャン・イーモウ監督で文革時代を舞台とした「活きる」ほど文革は話の中心になっておらず、中身はベタベタなラブストーリー。思った以上にベタな展開だったので
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ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

3.1

反発し合い縛り合い求め合う話。

アルゼンチンを舞台にしてるからか(?)、空の抜けるような青や陽射しのオレンジなどいつものウォン・カーウァイとは違った色彩が挿入されるのが印象的。ストーリー的にも情熱的
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.0

スピルバーグの自伝的作品という事で明るく楽しいサクセスストーリーかと思ったら映画を撮ることの恐ろしさや苦しみみたいなものの方が多く描かれている映画だった。

スピルバーグの心情を吐露したような映画で視
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水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

2.6

原作は未読だけど、もっと丁寧に感情の動きを書いていく話なんじゃないだろうか。漫画の映画化あるあるではあるんだけど、映画版は書き込みが少ない分薄っぺらく感じてしまった。シェアハウス住人のコメディ部分なん>>続きを読む

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.0

母と娘、少女2人のシスターフッド映画。よく似た子役を見つけたもんだと思ってたら双子だったのね。

2人が互いの哀しみや恐れに寄り添い、支え合う様子が静かに、ゆっくりと描かれていて心地良い。序盤にあるお
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.0

今時ギャルがゆるーく暮らしながら殺しまくる話。台詞が聞き取れない部分が少々あったが特に気にせず見た。アクション部分はテキパキしてて面白く、中々楽しめるB級邦画。

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

2.9

古典SFの名作を映像化した二部作の一作目。前半は思わせぶりに、ゆったりと進めるヴィルヌーブだけにこれだけ見てもよく分からんというのが正直なところ。

ただ、古典が原作なだけに話の造りはどうしても古臭い
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コロンバス(2017年製作の映画)

3.0

コロンバスを舞台に街に留まりたくないジンと留まり続けるケイシー、二人の交流と決断が静かに描かれていく。

静謐な中で映し出される建築物が美しく退屈はしないものの、良かったかと聞かれると……みたいな映画
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

3.1

ムロツヨシと小栗旬ですぐにリメイク出来そうな(ぐらい役者が似てる)社会派エンターテイメント。

前半はテンポ良く進むコメディ混じりのクライム映画(「男たちの挽歌」のオマージュあり)。中盤以降は社会派ド
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天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

3.0

「恋する惑星」と連なる恋愛オムニバス。

フォロワーで溢れた撮影技法や映像美が当時を思い起こさせ、ノスタルジックな想いになるものの映画としてはピンと来ないというのがいつものウォン・カーウァイ映画の感想
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ボルサリーノ(1970年製作の映画)

3.1

フランス2大スター共演のギャング映画。2人の友情が話の中心になっていくのがフレンチ・ノワールっぽく、フランスらしさを感じさせる。

今見るとバイオレンスもお行儀が良くストーリー的な派手さにも欠けるが、
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.0

サンタが(残虐に)悪党をやっつけるアクションスリラー。

サンタという設定が思ったほど生きてこなかったり、強引な家族ドラマなどチープな脚本だけど気楽に笑いながら見ると楽しめるB級感溢れる作品。

ハン
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.2

中心人物3人それぞれの目線で決闘裁判までの経過が語られていく内に事件の構図が反転し、テーマが浮かび上がってくる脚本が見事。いわゆる「羅生門」形式の構成だが反転とテーマの浮かび上がり方は「クレイマー、ク>>続きを読む

ダニー・ザ・ドッグ(2005年製作の映画)

3.0

ジェット・リー主演のアクション+人間ドラマ。変に奇をてらうこともなく素直に楽しめる作品だけど突き抜けるものはないって感じだろうか。カット割が速くアップが多いので(特に序盤)、ジェット・リー&ユエン・ウ>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.0

韓国俳優&スタッフを迎えて作られた是枝監督らしい疑似家族もの。冒頭のオマージュっぽいシーンを見るに「パラサイト」を受けて何らかのメッセージがある映画なのかもしれないけど、既に「パラサイト」の内容の大半>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

2.8

職を失った夫婦が支え合いながら行き当たりばったりに進めていく中で希望の兆しが見えてくる映画。

転がるように不幸になってトントン拍子に盛り返す様が妙な味になっている。人生に対する達観なのかも。諦観か?
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バーン・アフター・リーディング(2008年製作の映画)

2.5

間抜けな人たちが欲のままに暴走するドタバタコメディ。

豪華俳優を集めたコーエン兄弟らしいブラックユーモア溢れる話だが特に面白い訳ではなく。キレがないと言うかなんと言うか。悪い意味で全体的に緩い作品。

海洋天堂(2010年製作の映画)

3.1

親の深い愛が訥々と描かれた映画。少しぎこちない部分もあるが、真っ直ぐにただそれだけを描いている真摯さが心に染みる良い映画だった。息子を愛するだけでなく〇〇を赦す父の愛情は深く、ジェット・リーがノーギャ>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

2.9

クリード1·2はロッキー7·8と呼んでもいい話で、主人公ながらロッキー=スタローンに喰われてる感もあったアドニス=ジョーダン。本作でようやく本当の意味での主役となった訳だが、時既に遅しと言うかなんと言>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.0

見る度によく分からないという感想になるウォン・カーウァイだけどこの作品はそこそこ面白かった。フェイ・ウォンがやりたい放題やるシーンが画的にも綺麗で楽しい
。音楽の入れ方も巧み。

散々真似された色使い
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ダンディー少佐(1965年製作の映画)

2.9

前半の仲間集めの部分は楽しいが、村に入ってのメロドラマ部分から失速。ここに時間を取られたからか後半は駆け足に。

メロドラマは制作会社に言われて挿入したらしいが無駄なだけじゃなく、ダンディー少佐が情け
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モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

3.0

作中最強キャラが妊婦という凄い映画。

それ自体は格好良いし、面白いからいいんだけど妊婦にいいようにやられる殺し屋が追ってもイマイチ緊迫感がないという……。山火事がメインなのかもしれないがこれも時間が
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狂徒(2018年製作の映画)

2.9

台湾・金馬奨で最優秀撮影賞とアクション設計賞を受賞したアクション・クライム・サスペンス。

映像等色々工夫が見られたり意欲作ではあるけど、全体的にもっさりと言うか特筆すべきものがないというか。サスペン
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VETERAN ヴェテラン(2019年製作の映画)

3.0

世紀末的な街を舞台にしたナーメテーター系アクション。

籠城&敵がまるでゾンビというのはジョン・カーペンター「要塞警察」を思い起こさせるが、演出面は大分下回る。軍人としての知識を活かす訳でもなくアクシ
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ひまわり(1970年製作の映画)

3.0

夫婦を引き裂く戦争と運命の残酷さというメロドラマの王道を往くストーリーはなんだかんだで胸に迫る。マストロヤンニがフラフラする役どころな分ソフィア・ローレンスの強さが目立ち、その強さが切なさを引き立てる>>続きを読む

1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.0

日本でもリメイクされた台湾のヒット作。前知識なく見たので思ったよりファンタジー恋愛劇となっていて驚いた。台湾では七夕がサマーバレンタインとなってるのも知らなかったので驚き。

女性が主役ながら男目線の
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さらば友よ(1968年製作の映画)

3.0

子供の時にチラッと見て地下室のシーンが妙に印象に残っていた映画。ようやく全編通して見ることが出来た。

内容としてはセバスチャン・シャプリゾ原作・脚本のサスペンスドラマ……なんだけどサスペンス部分は弱
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