薄さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

チャンス(1979年製作の映画)

3.0

生まれてこの方雇われていた屋敷の外に出たことがない箱入り庭師(?)とでも言うべき男があれよあれよという間に祭り上げられていくコメディ映画。

爆笑すると言うよりは登場人物や状況の可笑しさ楽しむような映
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ゴスフォード・パーク(2001年製作の映画)

3.1

登場人物が多過ぎて相関図がないと理解できないが、よく分かってなくても(特に上の住人に関しては)楽しめるところが上手いところ。召使い側から見た貴族の生活は面白いし、貴族と召使いの階級差や扱いの酷さが自然>>続きを読む

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

3.0

好きな映画の主人公がスクリーンから飛び出してきて……というアイデアから始まるラブストーリー&コメディ(ラブコメではない)。実際の主演俳優も出てきて夢が二重構造になったり、いつものウディ・アレン作品より>>続きを読む

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

3.0

全く前知識なく見たがサイレント映画みたいなコメディで驚いた。序盤のコップを割るシーンは笑ってしまう。

モダンな建築等、見て楽しい部分も多く飽きずに見れる映画。

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

3.0

抑圧された社会(環境)とそれに対する反抗、解放されて自由になった幸せな一時、やがて訪れる現実の壁……というアメリカンニューシネマのお手本のような映画。夢から覚めるときはいつも哀しいけれど、ラストシーン>>続きを読む

ワイルド・ブリット(1990年製作の映画)

3.0

香港らしく情感たっぷりに描いた友情ドラマ&戦争アクション。

戦争の現実を描くだけに話はヘビーでやるせない。「男たちの挽歌」のようなスカッとした話ではないけど、相変わらずのジョン・ウーらしさはしっかり
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在りし日の歌(2019年製作の映画)

3.0

上映時間3時間超、作中経過時間30年と文字通りの大長編。夫婦の日々をゆっくり、淡々と描くことで夫婦が耐える深い哀しみが心に沁みてくるような作品。

夫婦のお互いに対する愛や他者への思いやりが強いだけに
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県警対組織暴力(1975年製作の映画)

3.2

「仁義なき戦い」とほぼ同じスタッフキャストの番外編的な話。

同じ実録ものでも「仁義〜」より創作の領域が大きい分不自由さがなくなり、(ヤクザにとっての)古き良き時代の終わりというテーマはよりはっきり、
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.2

モラトリアムからの卒業という20代の通過儀礼的な話(ちょっと遅いか?)。

いつまでも子供のままでいられないし、自分が変わらなくても周りが変わっていく。取り残されたような気分になる寂しさというのはよく
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アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

3.0

字幕版がなかったので久しぶりに吹き替え版で見たけど声優が酷い。やっぱり吹き替えはなぁ……と思ってたら、この吹き替えは特に評判が悪い作品だったのね。声優のわざらしい演技のせいでブラックコメディの面が強調>>続きを読む

アルゴ(2012年製作の映画)

3.1

嘘のようなホントの話……と言いつつwikipediaを見たらハラハラした場面の大半が創作部分で笑ってしまった。流石にそこまでは事実も奇じゃないか。

とは言え実際の映像を使っていたり当時の雰囲気はしっ
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ハイリスク(1995年製作の映画)

3.0

ジェット・リー(リー・リンチェイ)主演の香港版ダイ・ハード。

何の為に用意したんだか分からないヘビとか大暴れのヘリコプターなどの緩い展開や、車からの銃乱射などの派手なアクションという香港らしさはチー
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

2.9

ナーメテーター系復讐アクションかと思ったら各種トラウマと言うか心の病の治療(?)と復讐劇が入り交じる北欧発らしい不思議な手触りの映画に。

ジャンル越境系と言うか、ジャンルをミックスさせる事で新たな視
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別れる決心(2022年製作の映画)

2.9

美しいショットに彩られたとんでもメロドラマ。

韓国得意のサスペンス的手法で話が進む前半はミステリー、ファムファタールものと思わせるが中盤以降は純愛系メロドラマへ転調。最近流行りのジャンルを超越してい
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

3.0

4時間近くの大作でなおかつずっと暗いという凄い映画。

登場人物たちが行き詰まる様を淡々と追うストーリーに何でも人のせいにする自己本意な人間(クズ)の脇役たち。リアリティがあると言うか真に迫る陰鬱さで
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.0

迷いながらもボクシングと向き合う主人公と弱小ボクシングジムの日々を淡々と描いた日常系映画。

日常系映画なので何が起きる訳でもない静かな映画だけど、細やかな聴覚障害者の苦労なんかも分かって悪くない映画
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

3.0

有名作を教養として鑑賞。劇中歌で覚えてる映画だったけど、この映画向けに作られた曲じゃなかったのね。

無垢さと切なさの映画という感じ。戦争、あるいは社会や現実の前では大人も同じ様に無力なんだろうが、子
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心の旅(1991年製作の映画)

3.0

あらすじを見て過去の自分とのギャップに葛藤する映画かと思ってたら、結構リハビリ部分が長くギャップ部分はあっさりと終了して拍子抜け。

些か単純過ぎると言うか掘り下げが足りないと言うか。幾ら嫌な人間でも
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.0

伊坂幸太郎原作のアクションコメディ。後半はオリジナル展開だけど、原作から外れても伊坂幸太郎っぽい伏線数珠繋ぎ展開でテイストは維持していて驚いた。まあ、他の面は原作と全然違うのでファンは怒るかもしれない>>続きを読む

M(1931年製作の映画)

3.0

サスペンススリラーの古典、サイコスリラーの走りとして有名な作品。アルファベット一文字の題名が印象に残ってたので教養として鑑賞。

警察と犯罪組織が同時に犯人を追う展開や乞食組合の活躍、印象的な口笛など
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私の知らないわたしの素顔(2019年製作の映画)

3.0

ビノシュからアレックスという名前を聞くとカラックスの三部作を思い出すが、もちろん全く関係ないラブサスペンス(?)映画。

ストーリー自体はありそうな話なんだけど妙齢の女性が主人公だと意味合いが違うと言
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ラスト・シャンハイ(2012年製作の映画)

3.1

マフィアものっぽい雰囲気ながら実態は情感たっぷりのメロドラマ。

とは言えお金がたっぷり掛かった(と思われる)空襲シーンや爆薬たっぷりの襲撃シーンは迫力満点で面白く、用心棒的な部下のナイフ捌きはカッコ
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悪女/AKUJO(2017年製作の映画)

3.1

「ハードコア」風FPSアクションから始まり、見せ方・ビジュアルに様々な工夫がされたアクションが展開される韓国発のごった煮アクション映画。

技術の見本市的で熱量が足りない気がしないでもないが、色々なア
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星明かりを見上げれば(2022年製作の映画)

3.0

半端者の主人公がひょんなことで預かることになった女の子との触れ合いを通じて変わっていき……というよくある話。音楽の入れ方とか後半の山場乱れ撃ちとか、あざと過ぎるきらいはあるものの、何だかんだで感動させ>>続きを読む

僕らの先にある道(2018年製作の映画)

3.0

男女の出会いと別れ、そして再会までの10年を描く……という中華圏映画には珍しい(?)ベタな恋愛映画。なんか、最後まで男の方は彼女のことをよく分かってなかった感じがする。

この手の映画には欠かせない綺
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最高に素晴らしいこと(2020年製作の映画)

2.9

とある事情で自分の殻に閉じこもっている主人公が黒人で変人のフィンチと出会ったことで変わっていく青春ストーリー。

フィンチがみんなが僕を型に嵌めるんだというような事を言っていたが、彼自身が「主人公を導
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.1

孤独な2人の(疑似)親子愛とトランスジェンダーの哀しさを描いた映画。

邦画あるあるの説明過多映画じゃない分テンポが良いのが○。2人が親子になっていくまでの描写は切なくも愛らしくもあり惹きつけられた。
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

2.9

戦線の激しさと悲惨さをどこまでリアルに表現出来るか、という「プライベート・ライアン」的方向性の令和最新版作品。「戦争は老人が始め若者が死ぬ」を地で行くような状況を新兵の派兵前の高揚から虚しさに辿り着く>>続きを読む

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.1

王道青春映画を上手く今風にリメイクした感じの作品。混迷する展開をきちっとまとめてるし、強いインパクトがある映画ではないけど出来は良い。好きなタイプの映画だった。

監督のルーツが台湾にあるからかどこと
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.0

老いても立ち姿はカッコいいのは流石だが、イーストウッド、吉永小百合的な存在になってない?

内容としては呑気なロードムービーと言うか西部劇と言うか。締まりはないが余計なことはしてないので見心地はいい
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ひとつの太陽(2019年製作の映画)

3.2

どんな哀しみや困難があっても壊れない(壊せない)家族の厄介さと哀しさ、そして強さが描かれた家族ドラマ。簡単には言葉に出来ないズシンとした重みがあり、見終わって時間が経つほど存在感が増してくるような良い>>続きを読む

シャドー・オブ・ナイト(2018年製作の映画)

3.0

正直細かいストーリーとか設定が良く分からないまま終わってしまったけど、血みどろ残虐アクションは種類も豊富で中々楽しかった。全員タフ過ぎて冗長に感じることもないではないが、これも味という事で。

チャン
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.0

カントリーハウスを舞台に真っ当で手堅いミステリー映画だった前作「ナイブズ・アウト」。本作も孤島という王道の舞台設定で期待して鑑賞。

前作と比べると前半はややスロー。伏線を一気に解消していく中盤で盛り
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エレクション 黒社会(2005年製作の映画)

3.0

ジョニー・トーのマフィアものという事で様式美的な銃撃戦を期待していたら銃撃戦は0。勝手に期待しておいてなんだが、拍子抜けでイマイチ楽しめなかった。

勝手な拍子抜けを除けば作品自体は悪くない。「PTU
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.0

他のアメコミ映画より現実に近い世界観で描かれるフィルムノワール調の……要は「ダークナイト」路線のバットマン。

評判通り出来は良いと思うが、エンタメ度と映像の革新性(による面白さ)は「ダークナイト」に
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刑事ジョン・ルーサー: フォール ン・サン(2023年製作の映画)

2.9

ドラマ版以上に勘が良く、特に何の根拠もなく被害者の共通点を言い当てるジョン・ルーサー、いつも以上に間抜けな警察、やたらと規模の大きい組織を持ってる割に単独行動が多い犯人等脚本がかなり大雑把。

アクシ
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