薄さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

ホット・ロック(1971年製作の映画)

3.0

時間内に収めるために登場人物とエピソードを少し省いてはいるがほぼ原作通りのストーリー(アフガニスタン・バナナスタンドもそのまま)。雰囲気と言うか作中の空気感に違いはあるものの、映画版も軽快なケイパーも>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.0

何はともあれ、ほぼ1人でこれだけのものを造り上げたのがまず凄い。特にセットは圧巻。もっとCGで誤魔化してるのかと思ったけどしっかり作り込んでいて、きちんと独自の世界観が出来上がっている。セットが広いお>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.0

女性の生き辛さを描いた映画。親族が集まる中、姑と共に台所で働き嫌味を言われる……というシーンなど日本のホームドラマだと一昔前に描かれていた様なシーンが多く、ちょっと懐かしかった。

主人公世代と母世代
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長江哀歌(ちょうこうエレジー)(2006年製作の映画)

3.0

ダム開発で水の底に沈んでいく街と転換期を迎えた夫婦たちを重ね合わせ、その合間に行き場をなくした人々の生活が描かれる。邦題通りの物哀しい雰囲気はいいんだけど、時々挿入されるファンタジー要素とか煙草・酒・>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.0

プライドが傷付いたのでチンピラ相手に憂さ晴らししてたら、眠らせていた暴力衝動が蘇った主人公。ちょうどロシアンマフィアが仕掛けてきたので仲間と仲間と一緒に思う存分ストレス解消!
という冗談みたいなストー
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

2.0

コーヒーと煙草が添えられた11個のエピソード。

それぞれのエピソードに繋がりはないものの俯瞰で撮られるコーヒーと煙草、白黒チェックのテーブルなどモチーフは統一されていて洗練された印象。名優が続々と登
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

2.9

ジャケットとパルムドール受賞というのを見て綺麗なお芸術映画を想像していたけど、「官能的な〜」と言うのが枕詞になる類の映画だった。そういう点ではエロス大好きのフランス映画らしい映画と言えるかも。

主人
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

2.9

寓話的なメロドラマなのはあらすじや評判から想像していたので気にならなかったけど、会社関連の話まで同じ感じで現実味なく進められて冷めてしまった。

お花畑的な話なので、ホプキンス(もしくは神)というちょ
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無敵のドラゴン(2019年製作の映画)

2.0

謎のナレーションで無理矢理話を進めたり、サスペンス仕立てなのに全然サスペンスフルじゃなかったりと脚本が稚拙かつ支離滅裂。演出も上滑りで、救いはいつも通り華麗なマックス・チャンのアクションだけ。ただ、こ>>続きを読む

激突!(1971年製作の映画)

3.0

スピルバーグの出世作となった元祖煽り運転映画。タンクローリーを鮫に変えたらジョーズになる。スピルバーグも好きな「サイコ」序盤のパトカーに追い掛けられるシーンから影響を受けてる気がする。

当然カーチェ
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泥棒成金(1954年製作の映画)

3.0

ヒッチコックらしく手堅い作りだが、流石に今の映画に慣れた目で見るとテンポが悪く感じる場面もある。いわゆるヒッチコックの代表作と言われる作品郡には劣るかな。

ドレスなどエレンガントなファッションをした
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エール!(2014年製作の映画)

3.0

視覚障害者の家族とその娘を描いたヒューマンドラマ。アカデミー賞最有力「Coda」のリメイク元と言うことで見てみたが、メインストーリー以外の話がほとんどSEX関係というのが凄い。

後はやたらと両親が破
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最愛の子(2014年製作の映画)

3.1

ティエン夫妻が主役となる前半はあらすじ通り「そして父になる」と「八日目の蝉」が合わさったようなストーリー。怪しい麻袋を追いかけるシーンなど滑稽に見えるほどの必死さが哀しく、胸に迫る。

話が転調するの
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.0

「ヌーヴェルヴァーグの祖母」と呼ばれるアニエス・ヴァルダのデビュー作だとか。よく知らない監督だったけど気になったので教養として鑑賞。フィリップ・ノワレが若い。

倦怠期を迎えた夫婦が哲学的な会話を交わ
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.2

ストーリーはいつものマーベルという感じだけど、とにかくアニメーションが凄い。

色々な画風のスパイダーマンや3Dと2D、フォトリアルな映像とコミック的な演出と様々な要素をごった煮状態で詰め込みながらも
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フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

2.9

教養としての鑑賞。

春夏秋冬という季節の流れこそあるもののストーリーの軸はなく、フェリーニの少年時代の想い出が並列的に詰め込まれたような作品。映像の美しさと、港町の人々の豪快な明るさは印象に残けどあ
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そして友よ、静かに死ね(2011年製作の映画)

3.0

ゴッドファーザーを思い起こさせるパーティーシーンなど、序盤は派手なシーンがあってイメージと違ったが、最終的には男たちの友情と裏切りというフレンチノワールの王道展開へと収束していく。

アクションシーン
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.0

少し間抜けな奥さんに取り入って裕福な家族に寄生していく導入がコメディタッチで面白く、その後も意外な展開があって飽きさせない。最後までダレずに見れた。

半地下という韓国ならではの、その裏には格差社会と
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密告・者(2010年製作の映画)

3.1

グイ・ルンメイ目当てで鑑賞。同監督の「ビースト・ストーカ」がまあまあ、というぐらいの作品だったので期待してなかったけど意外に面白かった。

香港ノワール、スリラーとしての出来は手堅かったもののプラスア
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

2.9

なんとなく「THE3名様」とか「セトウツミ」みたいなクラスの中心人物じゃない人がくだを巻く映画かと思ったら、割とクラスの中心人物的発想の授業で使えそうな正しい(?)青春映画だった。不在の野球部エース園>>続きを読む

イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.0

教養として&ジャック・ニコルソン目当てでの鑑賞。

社会から逸脱した若者たちが自由を求めて旅に出るが現実(社会)の壁に阻まれる……というアメリカン・ニュー・シネマの王道とも言えるストーリーがどストレー
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この夏の先には(2021年製作の映画)

3.0

中国ではヒットした(らしい)ものの日本では配信スルーでNetflixから配信された青春映画。

青春映画の良作が多い台湾の監督だけあって前半はひとつの嘘をきっかけに微笑ましかったり、切なかったりと青春
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欲望の翼(1990年製作の映画)

3.0

ウォン・カーウァイの初期作品。多数のフォロワーを生んだ影響力のある監督だけに新鮮さは少し薄れていて、雰囲気やストーリー、キャラクターは懐かしいと言うか時代を感じると言うか。もちろん凡百のフォロワーとは>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.1

「ピアノ・レッスン」のカンピオン監督作品。「ピアノ・レッスン」ほどお芸術寄りじゃない分見易い。演出、役者の力で終始画面上に緊張感が漂っていて惹きつけられるし、自然の風景などの撮影も良く全体的な質は高い>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

3.2

普通のヒューマンドラマかと思って見てみたら、まさかこういう手法で認知症を見せてくるとは。新鮮な体験で面白かった。

考えてみれば「1917」や「サウンド・オブ・メタル」と方向性は同じで、こういう疑似体
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.0

基本的には近年のウディ・アレン作品と同じ傾向。

昔と変わらず洒落たジャズをBGMに街と女優が美しく映される反面、昔より女性の描き方のトゲが目立ち(と言うより愛がない?)、脚本・台詞が緩くなっている、
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弱くて強い女たち(2020年製作の映画)

3.1

夫(父)の葬式を通じて人生に区切りをつけていく母娘を描く家族ドラマ。「阿修羅のごとく」みたいな話かと思ったけど、もうちょっとゆったりとしたテンポでしみじみと心に染みてくるような話だった。それぞれのドラ>>続きを読む

The Hand of God(2021年製作の映画)

3.0

美しいイタリアの街並み、エロス全開の叔母、その叔母を憧れと性欲が入り混じった目で見つめる少年……という序盤の道具立てを見てトルナトーレ監督の「マリーナ」を思い出したが、「マリーナ」ほど叔母と主人公の関>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.0

一応落ち目の俳優とそのスタントマンを主役に据えてはいるが、ストーリー云々というよりタランティーノのハリウッドに対するノスタルジックな思い出を描いたような(一部は描き変えた)映画。

ハリウッドにそこま
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ビースト・ストーカー/証人(2008年製作の映画)

3.0

揺れるカメラとかズームの仕方が昔の刑事ドラマみたいでなんだかなぁと思って見始めたが、緊迫感のある展開で飽きずに見れた。運命論的なストーリーも香港ノワールらしくて嫌いじゃない。

このジャンルが好きな人
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.1

小品だけど雰囲気よく、気楽に見られるコメディ。メインの役者二人が達者で会話のテンポ感が良く面白かった。やり過ぎてないのがいい。

最後の追跡(2016年製作の映画)

3.0

テキサスを舞台にした銀行強盗兄弟と二人を追うレンジャーコンビの追跡劇……の皮を被った社会派ドラマ。

アカデミー賞にノミネートされたにも関わらず日本では劇場公開せずNetflixオリジナルとして配信ス
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.1

ドラマを最小限にして、とにかくテンポ良くアクションを詰め込んだ116分。ジャンルムービーとして潔く割り切っていて、純粋にアクションだけを楽しめる。もう少し色んなシチュエーションでアクションしてくれると>>続きを読む

凱里ブルース(2015年製作の映画)

3.0

解説を読むまで村の全容が掴めなかったけど、なるほどそういう事だったのね。観た時は長回しいる? と思ったけど長回しじゃないと異世界感は出なかったかもしれない。途中に感じた「あれっ、いつから長回しになって>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.1

想像してた以上に現代版「クレイマー、クレイマー」という趣きの映画。

男目線で語られ、解決する「クレイマー、クレイマー」に対して女性目線を入れて割とイーブンな視点に(男側にだけ不倫という罪を作るのはズ
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ラストレター(2020年製作の映画)

3.0

岩井俊二と言えばやはり映像。篠田昇が撮影してた頃の映像美は消えてしまったものの相変わらず女の子を撮るのは上手い。森七菜はいかにも岩井俊二のミューズという感じで魅力的に撮られているけど、広瀬すずも負けな>>続きを読む