さくしょんさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.1

なんという詩的映画…!

全てのシーンに"空白"があり、そしてそこに画や言葉たちが溢れている。

「終わりが見えているのに」
否、だからこそ燃え上がる感情があるということを我々誰しもが知っている。
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レディ・マクベス(2016年製作の映画)

3.7

90分のうち88分はBGMなし、会話や物音だけで魅せていくのでこちら側の心拍数の上がり方が尋常じゃない。

自分の聖域を守る為だったら何だってする、彼女の強い意志と空虚な目を完璧に演じ切るのは今や売れ
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ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

3.9

断捨離ムービーfromタイ王国!

過去を振り返るのに回想シーンを入れず"今"の会話や表情に語らせる感じ良かったですね…

何より『バッド・ジーニアス』でも主役を演じたジョンジャルーンスックジンさん(
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ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

3.7

過去に観たことはあったがドルビーアトモスで復活したので改めて!!

特撮の最高峰と言われる平成ガメラ3部作の1作目、やはり面白い。

特撮部分は2,3作目と比べると流石に見劣りする部分もあるがテンポの
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.3

まごうことなき"ジム・ジャームッシュが撮ったゾンビ映画"だ!

なんとなく死人が蘇って、たまたまその街の警官二人が対処して、ちょっとだけバディっぽくなったような、なってないような…

そう、これはカイ
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ばるぼら(2019年製作の映画)

3.5

手塚治虫の描いたデカダニズムと狂気を映画化!

大クセ登場人物たちの中でも光る稲垣吾郎のお尻、そして浮世離れした圧倒的"太宰"感。

ナルシズムの強いカット割や曲もこれが彼の見ている世界なんだと思えば
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.3

韓国の平均的女性として描かれる「地獄」。

なんと息苦しい2時間、でもそれは今作が日本にも通ずる圧倒的現実だから。

特に自分が男社会で見てきたもの、そして"見てるようで見えてなかったもの"が脳内にフ
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

4.2

色んな方が絶賛されていて今更ながらアマプラで観た!

最高ですわ。
友情×バイオレンス。

"あの頃"の俺たちの妄想をそのまま具現化した感。
なんと言っても前髪カール友達が憎めなすぎる。

これの続編
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.6

ノーランに!
007撮らせないから!!
こんなやりたい放題な作品撮っちゃうだろ!!!

皆さん言われているようになかなか一度観ただけでは理解が難しい本作。

「時間の逆行」というテーマを巧みに使った仕
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.7

狂気が狂気を呼ぶ失踪劇!!

原作を先に読んでたんですけど、映画の方もロザムンド・パイクの演技よかったですね。

映画の後半、本で言えば下巻からガラッと展開が変わる感じ、良かったんだけどそのタネ明かし
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.0

現実逃避と憧れから始まるスケボー青春ストーリー!

弱い自分が嫌で、カッコイイ誰かに憧れて、一緒につるむことで自分も強くなれたような気がして…
そんな誰しも経験のある青春の痛さとかけがえのなさを85分
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人数の町(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ディストピア脱走劇のオブラートに隠れながら現代社会批評してくるぞ!!

結構好きですよ、これ。
もちろん作品のテーマとして「自由意志とは」とか「人から人数になる瞬間」みたいな批評性を持ち合わせてはいる
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

3.6

ミュージカル映画の原体験!

ジェームズ・ブラウン、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズ…
いま見たからこそわかる往年のスターたちが出演していてすごいぞ!!

ストーリーは一応あるようで無いみたいな
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.3

会話や視線だけで野球を見せるアルプススタンド群像劇!

いやー、わかるよ?
ひとりひとりのバックグラウンドが透けて見えてちゃんと皆んなを応援したくなっちゃう気持ちになるよ?

でも、それでもストーリー
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はちどり(2018年製作の映画)

3.7

なんたる文学的映画…!

14歳の少女から見た激動の時代を、
一つ一つは小さな出来事かもしれないがそれらを通して変わっていく世の中と人を、
そしてこの世界の普遍的なテーマを描いて見せる本作は設定こそ違
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search/サーチ(2018年製作の映画)

4.3

21世期の最新人探し!!
しかしめちゃ傑作なんだなこれが。

全てがパソコン上で行われるからこその効果が散りばめられていて普段より画面への集中力がグンと上がる。

ミスリードもあって推理ものとしても、
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Vフォー・ヴェンデッタ(2005年製作の映画)

3.5

クレイジーな!
変態仮面紳士が!!
悪の政府に立ち向かう!!!

原作がコミックだけあって内容はわかりやすく特に男性は好みかと。
主人公Vもやたらとおしゃべりで親しみのあるキャラクターだったのは意外。
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麻薬王(2017年製作の映画)

3.6

ソン・ガンホが!麻薬王で!!しかも実話!!!

タイトル通り韓国で麻薬王になった男の栄光と転落を描いてるんだが、貧乏時代→金持ち時代→転落後で全然顔が違って見えて、それを演じきってるソン・ガンホの演技
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

3.8

圧倒的な映像で描いた「宇宙で遭難した場合の生き残り方」だ!

そういう意味では皆さんの言われている通り特別なストーリーがあるわけではなく、むしろ擬似ドキュメントや資料映像といった感が強い。
その分あの
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Red(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

退屈な日常!
再会する昔の恋人!!
憧れの敬語セックス!!!

しかし話自体は至極普通で空っぽな日常の中で昔の恋人と再会すると盛り上がっちゃうよね〜(なお相手は病気の末期)、みたいな"よくあるやつ"で
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ベイブ(1995年製作の映画)

3.5

動物が主人公のハートウォーミングコメディなんてそりゃ"間違いない"でしょう。

とにもかくにもベイブが可愛い、という一言に尽きる映画なのでそれ以外にあまり言及することがない…

あ、吹き替え版で観ると
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パプリカ(2006年製作の映画)

3.0

インセプションの元ネタともいえる本作。
夢の中のやりとりや現実と夢の境目が曖昧になる所などは成る程なと思える。

ただ、これはあえて誤解を招くような言い方になるけど、エログロを交えることで「それっぽく
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

3.7

これを青春と呼ばずしてなんと呼ぶ。

12歳仲良し4人組の夏の2日間。
先行する好奇心。
それとは裏腹な無力さ。
そしてあんなに毎日会ってた友達といつの間にか会わなくなってることに気づく大人になってか
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マトリックス レボリューションズ(2003年製作の映画)

2.8

急にスターウォーズのパチモンみたいになってて草。

ラスト20分までの前座が長いよ。
大雨タイマン対決はよかったですね。
ただラストがよかったかと言うとそれはまた別問題。

「アンダーソン君♪(ウキウ
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マトリックス リローデッド(2003年製作の映画)

3.6

相変わらずメチャかっこいいバトルシーンと訳わかんない現実パートとの対比よ!

すでにネオが救世主として覚醒してるのでバトルシーンは序盤から迫力満点。
全然必要ないところで預言者見守り男とカンフーバトル
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マトリックス(1999年製作の映画)

3.5

うおー!
話自体は全然たいしたことないがとにかく「こういう画を撮りたい!」という欲求をひたすらに満たしてる感じがビシビシ伝わってくるぞ!!

退屈な日常から突然"救世主"に…ってのはある種の男の憧れ。
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インセプション(2010年製作の映画)

4.0

うおー!さすがクリストファー・ノーラン!男が好きそうな世界観を描くのは長けてるぜ!!

映像美はもちろん、一つの目標を達成するために「チーム」になっていく様は少年ジャンプ的要素もあり、やはり男は惹かれ
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ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer(2000年製作の映画)

3.2

ドラマ版を見返してたのでその流れで。

雑というか丸投げ感はあるけど、一応諸々の決着はつけた形なのかな?

ドラマ版(特番含む)→映画と立て続けに見てるとどうしても真山=渡部篤郎の"息を吐きながら話す
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

正直言って全然ハマらなかったんだよな〜これ。

たぶん肝心の『若草物語』のストーリーそのものが自分にとっては退屈なんだなと思った。
それぞれのキャラクターを描こうとしすぎて逆に薄いし、姉妹喧嘩→仲直り
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.8

ザ・青春!

「レポートの代筆を頼まれがちな冴えない女子高生が同級生の男の子からラブレターの代筆を頼まれる」って展開がもう甘酸っぺー!!

"友達"の次のステージは"恋人"しかありえないのかな?とかそ
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愚行録(2017年製作の映画)

4.0

原作ファンなので観る前はちょっと恐かったが見事に映像化されていてとてもよかった!(冒頭のバスシーンも映画のオリジナルかな)

あの妻夫木くんがカッコよく見えない不思議、そして何よりカメラ=視聴者に向か
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ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

3.4

田舎特有の閉塞感と「ここではないどこか」を夢見る若者たち。

カット割りとか歌の使い方がちょっとワザとらしくて鼻につく感じがあったり、時系列とか登場人物の関係性とかがわかりづらかったりというのはあるけ
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ハンニバル(2001年製作の映画)

3.2

うーん…
「羊たちの沈黙」が素晴らしかった分、今作は色々と中途半端というか詰め込みすぎてブツ切りになってる感じが強かったかなあ。

レクターも前作ほど魅力的には描けてないけど、パワーアップした残虐シー
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キングダム(2019年製作の映画)

3.0

無駄に熱い主人公、増える仲間、不必要なコメディ要素、バトルシーン盛り盛り…

要は分かりやすい『少年マンガ』。

大沢たかおの「ンフッ」がずっと面白い。

おくりびと(2008年製作の映画)

3.7

日本にしかできない「死」の描き方。

所属していたオーケストラの解散、勘違いしての応募、理不尽、やりがい、偏見、差別、身近な人の死、新たな命…

主演のもっくんを筆頭に素晴らしい役者さんたちだけど、や
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

3.3

とりあえず辛い目に遭わせて、それを無理やり乗り越えさせる様を「深い」とか「感動する」って言うのはちょっと違うと思うんだよなあ、難しいところだけど。

ウリ坊とかの幽霊に関してもそこまで必然性は感じられ
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