ゆいこさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ゆいこ

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ホブスンの婿選び(1954年製作の映画)

3.8

思っていたよりはマイルドなチャールズ・ロートン。
男尊女卑を絵に描いたようなホブスンの価値観だけれど、随所で娘を可愛く思う気持ちが隠しきれていなくて憎たらしいのに憎めない。
そして前衛的な長女マギーの
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チャイナタウン(1974年製作の映画)

4.0

どう決着が着くのだろうかと、中盤辺りから二転三転する状況。
それに振り回されるのがただただ面白かった。
ジャック・ニコルソン演じる探偵ジェイクの、時々見せる血の気の多さ、そこに伴う正義感...いつの間
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モーリス(1987年製作の映画)

3.8

品の良さ、身分や地位が重んじられるかつてのイギリス。
所謂プラトニックを超えた先の愛の行く末は。
抑圧的な風潮の中で描かれているからこそ、彼等の愛の形が一層美しく思えたのかもしれない。
これは同性愛に
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.8

原作を数年前に読んだはずなのに、どうしても結末が思い出せず。
それならばいっそ新鮮な気持ちで観られるのでは、と(改変、むしろ改悪との噂も耳にしていたので)長らく控え選手としていた本作を鑑賞。
予想に反
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君がいた夏(1988年製作の映画)

3.5

テーマも良いし、雰囲気にしろとても好み。なのだけれど...それだけに物足りなさを感じてしまった。
ジョディ・フォスター演じる憧れのお姉さん、ケイティー。
大人っぽさの中に時折見え隠れする幼さが愛らしく
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恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ(1989年製作の映画)

4.2

酔いしれるって、まさにこの事。
情緒溢れるピアノの旋律は、まるで生演奏を耳にしているかの如く、深く気持ちを掻き立てられた。
物憂げで切なげな音楽は、大人の男女の色香漂う本作にぴったり。
少しビターなエ
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.7

ストップモーションアニメならではの動きや質感を楽しめる作品。
それぞれに自我や信念を確立したキャラクター達のやりとりが痛快。
実際には手と手を取り合うことの無いであろう動物同士の交流等、リアルと非リア
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マダムと泥棒(1955年製作の映画)

3.8

正義感に満ちた善良なおばあちゃま。
独自のテンポ、無自覚な押しの強さで強盗集団をも翻弄し、話は意外な展開へ。
類を見ない、品の良さを感じさせるブラックコメディ。
冒頭からさりげなく用意された伏線が上手
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アバウト・ア・ボーイ(2002年製作の映画)

3.5

どう考えてもダメ男なのになぜだか魅力的で放っておけない。
そんな男性を演じさせたら右に出るものはいないと思うヒュー・グラント氏(褒めてるんだかどうなんだか。笑)、今作の彼もそのイメージのまま最後まで憎
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トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

4.0

紛れもなくコメディでありながら、ゾッとするような恐怖をも植え付けられた斬新な作品。
トゥルーマン・ショー症候群なるものがあるらしいけれど、確かに分からないでもない。
それまで信じてきたものが音を立てて
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賭博師ボブ(1955年製作の映画)

3.7

品行方正な賭博師のボブ。
一見矛盾するような彼のこのキャラクターが魅力的。
女性に対しての言動や、いわゆるヒモの男に対する手厳しさ等、揺るぎない正義が素敵。
頼もしいような意外とそうでも無いような..
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誘惑のアフロディーテ(1995年製作の映画)

3.7

シュールとリアルの境界線を行ったり来たり。
いつにも増して、やってる事がめちゃくちゃなウッディ・アレン氏演じるレニー。
縁結びの神になろうと足掻く彼は、傍目に見ればおかしくとも当の本人は至って真面目な
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グロリア(1980年製作の映画)

3.8

とにかくグロリアが強くてカッコ良くて痺れる。
タイトルが潔く「グロリア」なのも良い。
まさに彼女の映画だから。
荒んだ雰囲気を醸し出しつつ、足元はハイヒール、片手には銃。
この出で立ちの彼女の頼もしさ
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ザ・クライアント 依頼人(1994年製作の映画)

3.7

原作の小説をとても面白く読んだので、読み終えたその日に本作を視聴。
主人公のマークを演じるのはブラッド・レンフロ。
マイ・フレンド・フォーエバーの彼だ!と気づいて嬉しくなり、利発で生意気、そして勇敢な
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グッドナイト・ムーン(1998年製作の映画)

3.8

誰も悪くないのに、何故だか拗れて上手くいかない。
それは現実でも度々直面する事態。
母親よりも随分若いイザベラ。
アンナとベンとは、年齢的にも精神面でも、親子というよりも姉妹、姉弟というのに近い関係性
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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

3.8

才能を花開かせる事が出来るかどうかって、当人の意思は勿論、周囲の眼差しの温かさも大きく関わってくると思う。
今作のモードも、サンドラとの出会いが無ければどうなっていたかは分からない。
彼女の場合、ちょ
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.9

ついこの前「街のあかり」を観たばかりだったので、恋人となる彼女が殺し屋の手先なんじゃないかと最後まで不信感たっぷりだった。笑
投げやりで命を捨てたいと願った主人公が、一つの出会いから生きる活力を手にし
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.8

カウリスマキ監督の吸引力に、毎回やられてしまう。
物語も会話も淡々と進む中で、何故こうも惹き付けられるんだろう。
敗者三部作最終章の主人公は、前二作と比べてもかなり辛い。
負け犬と呼ばれる様はまさに敗
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エンパイア レコード(1995年製作の映画)

4.2

めちゃくちゃ良かったー!
出だしからワクワクする感じがたまらない。
登場人物全員愛おしい。
トゲトゲしてても、素直になれなくても、友情とか信頼とか、大事なものを心に持ってる皆が素敵。
リヴ・タイラーの
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.2

人生賛歌の映画は数あれど、触れてみるとそれぞれ違った形をしているのを感じる度、映画っていいなと思う。

夢と希望を、まるでその真逆の境地にあっても失わない強さ。
主人公の彼が持ちうるものの半分でも心に
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召使(1963年製作の映画)

3.7

鬱蒼とした雰囲気が終始漂う中、ある意味で期待通りの展開へ突き進む。
いつから陥れられたのか、そもそも陥れられたように見えていたとしても、彼自身が同じように捉えていたのかは定かでない。
依存とは、そうい
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第三の男(1949年製作の映画)

3.8

あのお馴染みの音楽を耳にすると何故か浮き足立ってしまう。
ちっとも似つかわしくない場面でも流れるものだから何だかおかしな気分になりつつ。
波乱含みの展開という訳では無いけれど、特にオーソン・ウェルズの
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旅するジーンズと16歳の夏(2005年製作の映画)

3.7

ひと夏を経て成長する女子4人組の物語。
その傍らには、”魔法のジーンズ”があって...と言ってもファンタジーではなく、むしろ10代のリアルを丁寧に描いた作品。
仲良し4人は生まれた時からずっと一緒。
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華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

4.0

久しぶりに再鑑賞。多分三度目?
初めて観た当時は、今程映画を観る事がなく、スクリーンで目にする本作のスケールの大きさ、派手さに目を奪われたのが懐かしい。
ディカプリオ演じるギャツビーが、時折見せる少年
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メメント(2000年製作の映画)

3.7

観終えた後に知ったけれど、難解映画と呼ばれているらしい本作。
数あるシーンの度重なる巻き戻しに、主人公と同様に混乱させられること必至。
終盤に明かされる”オチ”(というには不明瞭な所も残る訳だけれど)
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.9

ずっと観たかった作品。
ナチス・ドイツを主題とした作品は数多くあり、時として皮肉を交えながら語られることもあるアドルフ・ヒトラー。
その中でも本作は、主人公ジョジョの架空の親友がヒトラーというちょっと
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山河遥かなり(1947年製作の映画)

4.0

戦争後、アメリカの統治下にあるドイツ。
そこで家族と離れ離れになってしまった一人の少年とアメリカ兵が出会い、失われてしまった記憶や言葉、そして何より愛する母...様々なものを取り戻していく過程が描かれ
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ブリジット・ジョーンズの日記(2001年製作の映画)

3.6

高慢と偏見のMr.ダーシーにインスパイアされた現代版ダーシー氏に会いたくて。
ヒロインのブリジットの良さがイマイチ分からないまま、ひたすらにコリン・ファースの魅力でもった作品だと感じた。
こういう天真
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明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

3.8

こんなにもユーモラスでカラッとした内容だとは意外だった。
おちゃめに自転車を乗り回すシーンや、まるで流れるプールさながらにどこか楽しげに水流に身を任せるシーンが好き。
頼もしいようでいて、どこか抜けて
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アナザー・カントリー(1983年製作の映画)

3.9

この時代をモチーフにした英国映画の雰囲気は好みのものが多いけれど、こちらももれなく気に入った。
階級制度や、人生におけるその重要性への理解が乏しいが為、共感出来ない所もちらほらあったけれど、異端である
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ビッグ(1988年製作の映画)

4.3

これは予想以上に刺さる作品だった。
多分子どもの頃に観てもこの感動は無かったんだろうな、とそんな事を考える時、紛れもなく大人になった事を痛切に感じる(この感覚は一体いつまで続くのやら)。
まずは見た目
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おとなのけんか(2011年製作の映画)

3.8

おとなのけんか、タイトルそのままに会話劇で展開される本作。
切り口が新鮮に感じたし、更にそれを撮ったのがロマン・ポランスキーだなんて、と期待に胸躍らせて観たけれど、予想以上に面白かった。
白熱してお互
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紳士は金髪がお好き(1953年製作の映画)

3.8

マリリン・モンローの魅力爆発してたなぁ。
彼女が演じるローレライは、劇中とある男性に「性悪の魔性バカ女」と称され、かなしいかなそれを否定できないような価値観の女性。
親友であるドロシーとはまるで正反対
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

4.0

およそ3年ぶりの再鑑賞。
実直で純粋な主人公、フォレストが駆け抜けた人生。
それは数多くの輝きに彩られた、希望溢れる真っ直ぐな道。
当のフォレスト自身がはじめて奇跡を奇跡として捉えたのは、最愛のジェニ
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ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年製作の映画)

3.9

何の前知識もなく観た本作、何これめちゃくちゃ面白い!
カメラワークや間のとり方が独特で癖になる上、それぞれのキャラクターも個性的。
怒涛の展開に呆気にとられながら、どっちつかずなラストも含めてとにかく
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フィールド・オブ・ドリームス(1989年製作の映画)

3.7

スポーツが題材ではあるもののファンタジー要素が色濃く、それが新鮮に感じた。
野球を通しての交流。
それが誰かの傷を癒したり、果たせなかった夢を実現させたり。
半信半疑ながらも主人公の思いにうたれて信じ
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