Filmarks試写会にて『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
女性たちの話し合いはシスターフッドのような生やさしいものではなく、まるでそれ自体が戦いのように思える。しかしそれは男性社会によって奪わ>>続きを読む
『ケイコ目を澄ませて』
聴こえずほぼ喋れずセリフで説明できないからこそ肉体の表現が際立つ。ケイコは目で聴き表情で語る。岸井ゆきのの演技は圧倒的、でも押し付けがましくなく自然であり下町の風景と調和する。>>続きを読む
ここ最近のパリの映画といえば19世紀から続く石造のアパルトマンが立ち並ぶ街並を背景に都会的な人々を描く、もしくはバンリューの半ばスラム化したHLMに暮らす移民たちに焦点を当てるといったたものがほとんど>>続きを読む
20代の頃に一度観たきり、評価を見返すと満点付けてるが細部は忘却の彼方。それでも久々に再見し当時の印象が蘇る、足を踏み入れた迷宮をいつまでもさまよっていたいようなそんな感覚。ここまで自由で軽やかな映画>>続きを読む
ワーナージャパンよりFilmarksサポーターとして『THE BATMANーザ・バットマンー』試写会にご招待いただいた。外連味あふれるティム・バートンシリーズ、重厚な人間ドラマのダークナイトシリーズに>>続きを読む
『偶然と想像』というタイトルからインスパイアされたそれぞれ趣ある三編。
最もドラマチックだが出来過ぎのきらいもある第一話「魔法(よりもっと不確か)」はホン・サンスを彷彿とさせる男女の愛憎劇。ラスト近>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
Tu t’appelles comment?
Je m’appelle Mickaël.
最初性同一性障害がテーマなのかと思って観ていたが、それよりもエレクトラコンプレックスか。冒頭の運転を教わるシ>>続きを読む
小野田少尉帰還のニュースにリアルタイムで接することができたのは我々の世代、「戦争を知らない子供たち」のさらに下だったうちらの世代でぎりぎりだろう。上野に傷痍軍人が立っていたり(中には戦地に赴いた歳には>>続きを読む
相手を丸ごと受け入れるためには、まず欺瞞のない自分そのものを受け入れねばならない。自分を受け入れ相手に差し出す=相手を信じ自らを委ねる(家福にとってはまず車の運転を委ねることに象徴される)ことを行って>>続きを読む
6月6日は何の日か知っているだろうか。毎年この時期になるとある戦争映画が観たくなる、『史上最大の作戦』。
第二次世界大戦の西部戦線については幾度も映画化されており、近年では『ウィンストン・チャーチル>>続きを読む
ロードショー公開当時以来ん十年ぶりに再見。当時サークルの仲間たち5、6人と連れ立って観に行った。お目当ては併映『うる星やつら オンリー・ユー』でこちらは全く眼中に無し。当時の相米慎二といえば『セーラー>>続きを読む
孤高の映画作家ロベール・ブレッソン初期の作品『田舎司祭の日記』、この傑作が今日まで日本劇場未公開だったとは信じられない。ブレッソンといえば究極のミニマリスト、過剰な演出を排する峻厳にして端正な画面、俳>>続きを読む
ハリウッドアクション映画のルーツといえば西部劇、邦画のそれはやはり剣戟だろう。ハリウッドでもタランティーノや『ラスト サムライ』のようにこの分野に意欲的に挑戦する作品はあるものの、迫力や奥行きの点で邦>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
画家がモデルを観察している時、モデルもまた自分の絵を描く画家を観察している。この見、見られるという関係は当然のごとく相手の内面にも及び(絵描きはそれも含めて表現しようとするだろう)、それが愛情へと燃え>>続きを読む
日本でヘプバーンといえば十人中十人がオードリーの名をあげるだろうが、個人的には断然キャサリン!確固たる信念を持ち自立する女性を演じさせたら彼女の右に出る女優はいない。今回彼女の出演作がいくつか上映され>>続きを読む
シネマヴェーラ「キム・ギヨン リターンズ」にて『下女』。
冒頭の綾取りから充満する不穏な空気。執拗に繰り返されるマクガフィンたる殺鼠剤。サスペンス感満載で進行するストーリー。が、何か奇妙な感覚を受ける>>続きを読む
久しぶりの国立映画アーカイブにて「生誕100年 映画女優 原節子」特集からマキノ正博『阿片戦争』。二代目市川猿之助演じる林則徐を主役に据えたスペクタクル巨編。撮影・公開は戦時中、とどのつまりはプロパガ>>続きを読む
ジャック&ベティで「映画批評月間 フランス映画の現在」よりギィ・ジル3本立て。各々それほど長くないとは言え3本連続はさすがに疲れた。平日日中にもかかわらずそこそこの入り。人のことは言えないが、シネフィ>>続きを読む
Encore新宿武蔵野館ジャン=ポール・ベルモンド傑作選。
『大盗賊』はベルモンドが最も脂が乗っている時期(この前年に『モラン神父』『女は女である』、翌年に『いぬ』)だけのことはある快作。甘いマスクと>>続きを読む
新宿武蔵野館にてジャン=ポール・ベルモンド傑作選『恐怖に襲われた街』。ベルモンド扮する肉体派刑事ルテリエがパリ市内を縦横無尽に駆け巡る。15区フロン・ド・セーヌの高層マンション群ではヘリを使った空中ア>>続きを読む
世紀の大名作について「フランス映画史、いや世界の映画史に燦然と輝く金字塔」「詩的レアリスム映画の集大成」こんな紋切型の常套句を今更言ってみても始まらない。
この映画が不朽の名作たりうるのはひとえに”>>続きを読む
SFのスパイスをふりかけた古典的なスパイ物という趣。時間遡行がそのスパイスなのだが正直スパイ物との親和性が良いとは思えない。ストーリー運びはごちゃつき気味だし、何よりも物語の説得力を阻害している。敵味>>続きを読む
名匠ジンネマンの演出の技が冴えまくる。派手さは無いのに異様な緊迫感が画面を支配する。追う方も追われる方もどちらもプロ。徹底した理詰めで動いていくその様は清々しいほど。ほぼフランスを舞台とし、登場人物た>>続きを読む
『たかが世界の終わり』(おそらくフランスが舞台)『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』(アメリカが舞台)とここしばらくビジターでの撮影が続いていたドラン。久々にホームに戻り制作したこの作品は、その艶かしい>>続きを読む
台詞をとちってもお構いなしの長回しシークエンスショット、ぶれまくるパン。やり直しを許さないようなその撮影は映画というより演劇に近い。学生運動を題材にとってはいるが、イデオロギーの称揚、いわゆるプロパガ>>続きを読む
時代を色濃く反映したストーリーで、多彩な作品を残した木下恵介の中でも『日本の悲劇』などと並びかなり硬派な部類に属する。
W高峰の演技が見どころ。常に能面のような表情を保ちクールな三枝子と、対照的に常>>続きを読む
久方ぶり(30年ぶりくらいかも)に再見。ストーリー展開の緻密さ大胆さや巧みな心理描写もさることながら、抜群の映像と音楽センス。冒頭電話口で”Je t’aime”を囁くジャンヌ・モローのクローズアップシ>>続きを読む
中学時代にゴールデン洋画劇場で観て以来の再見。ドイツ軍のティガー戦車がアメリカ軍のM74だったり、地形がアルデンヌの森林地帯とはかけ離れていたり、悪天候のはずが晴れてたりとツッコミ所は多々あれど、CG>>続きを読む
愛に生き、現実に生き、運命に生き(死に)、そして夢と自立に生きる。どの生き方も現代的にアップデートされているが、とりわけエイミーの力強くアグレッシブな解釈に惹かれた。そしてラストこう来るとは!オリジナ>>続きを読む
コッポラ、スコセッシ、ウディ・アレン、ハネケ、チャン・イーモウ、ウェス・アンダーソンなど錚々たる監督、デニーロなどの名優がベルイマンへの思いを語るドキュメンタリー
幾人かは連れ立ってベルイマンの家があ>>続きを読む
ウディ・アレン最新作をFilmarks試写会にて。
子供の火遊びを叱るが自らは火遊びが過ぎ焼け木杭、不惑とは名ばかりのジニー。遊園地の華やかさに仮託し、過ぎ去りし華やかな過去を追い求め一夏の恋に溺れ>>続きを読む
力強く意思に溢れた作品。
Act Up Parisの活動は過激で一般的には共感を得づらいものだが、AIDSウィルスの凶暴性や政府の無策にさらされ明日をも知れぬ感染者たちの切実さを思う時、彼らとある種>>続きを読む
試写会にて
つい先日日本でも彼女が主演したJCミッチェル「パーティで女の子に話しかけるには」が公開されたばかりの、今乗っている若手女優エル・ファニング主演のドラマ。
もっとも今作は2年以上前の作品で>>続きを読む
一見落ちこぼれ学級のサクセスストーリーで予定調和的、フランス映画らしくはない。
しかし原題Les Héritiersや邦副題「受け継ぐ者たちへ」が示す通り過去の歴史への学び、近年はびこる歴史修正主義へ>>続きを読む