ゆきゆきさんの映画レビュー・感想・評価

ゆきゆき

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12日の殺人(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

実際の未解決事件に材を取ったフレンチ・サスペンス。2016年10月12日の深夜、若い女性が生きたまま焼殺されるという陰惨な事件が発生する。現地の警察チームは捜査を開始するのだが、冒頭から示唆される通り>>続きを読む

COUNT ME IN 魂のリズム(2021年製作の映画)

3.5

ロック界のドラマーたちが、自身のルーツ、先人たちへの憧れ、そしてドラム愛を語っているのが好ましいドキュメンタリー映画。ボーカリストやギタリストと比べて今一つ単独で取り上げられる機会がないドラマーに焦点>>続きを読む

恐怖と戦慄の美女(1975年製作の映画)

3.4

女優カレン・ブラックを主役とした3話のアンソロジーTVムービー。
1話「ジュリー」、2話「ミリセントとテレーズ」は手堅いサイコホラーで普通に楽しめる出来だが、3話の「アメリア」が飛びぬけて傑作。
魂が
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

転落死した男、そしてその妻が殺人容疑で起訴される。裁判の過程で家族の隠された本性が浮かび上がってくる。

この夫婦間の問題は、男女の役割が正反対となっているだけで世界中の家庭で繰り返されてきたこと。転
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悪魔のシスター デジタルリマスター版(1973年製作の映画)

3.6

真相部分は今の目で見ると容易に想像できるものだが、それでも70年代初期のオカルトな雰囲気は面白い。
ダニエルとグレースの2人のヒロインは正反対のキャラクター。しかし両者とも現実世界の中でもがき、最後は
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

「原爆の父」と呼ばれた物理学者の一代記。異なる時代の時系列が並行して進むため、予めオッペンハイマーの人生について、大まかな流れを知っていないと取っ付きづらいかもしれない。自分は前知識は殆どなし。それで>>続きを読む

愛情萬歳(1994年製作の映画)

3.8

空きマンションの一室で触れ合い、すれ違う3人の男女を描いた作品。セリフではなく表情と仕草で登場人物の感情を切り取る演出には引き込まれます。

小康の佇まいには最初から違和感があります。着慣れていないス
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.5

朝鮮王朝時代、盲目の鍼師が「目撃」してしまった宮廷内の陰謀を巡る歴史サスペンス映画。

まず単純に掛け値なしに面白い。弟の薬代を賄うために宮殿に仕えることにした主人公。その主人公の抱える秘密が明かされ
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妻は告白する(1961年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

妻が死の淵にある夫と運命を共にしたら美談、自分の命を守る為に夫を犠牲にしたら正当防衛。では愛人の命を守る為に夫を犠牲にしたのなら?
妻に対して悪女的なイメージも持たせているが、一方で当時の(今も?)男
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『DUNE』の2作目。前作以上の雄大なスケール感の映像と音響は、IMAXスクリーンに映えることなんの。運命の歯車が次々と噛み合い、ポールは望まぬ部分もありながら救世主として祭>>続きを読む

リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング(2023年製作の映画)

4.0

リトル・リチャードという存在を通してロックンロールがどのように華開き、受容され、白人に搾取されてきたかの歴史が語られる。ロックの帝王、黒人、同性愛者、敬虔なキリスト教徒とさまざまな面を持つ彼の一端を知>>続きを読む

アクエリアス(1986年製作の映画)

3.2

劇場に閉じ込められた俳優たちが気の触れた殺人犯に血祭りに上げられていく。展開は王道スプラッター映画だけど、随所に見られる映像美はダリオ・アルジェント直系のもの。舞台演出というシチュエーションを最大限に>>続きを読む

ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ブレーザーの新フォームやゲストウルトラマンは登場しない、近年のウルトラマン映画では異色の出来だが、怪獣に立ち向かうSKaRDとブレーザーの戦いっぷりを真正面から描いた本作はむしろ王道。
個人的にはアー
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機動戦士ガンダム F91(1991年製作の映画)

3.7

冒頭、突如戦争が始まり訳が分からないまま翻弄され、シーブックとセシリーが自らの預かり知らぬところで運命に絡めとられていく様は素直に引き込まれる。
とはいえ、そこから先は細かい説明はなく、ひたすらに早送
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

親との関係に悩んでる人、親が死んだら解放されると思ってる?残念、永遠の悪夢の始まりでした。母親を亡くしたことで戻れぬ地獄を進み続ける羽目となるボーの物語。

冒頭数分で「あ、これ最悪なやつだ」と思わせ
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サンバーン(1979年製作の映画)

3.4

敏腕保険調査員とセクシー美女のアカプルコ捜査行。軽いタッチのサスペンスコメディ。
後半のカーチェイスやアクションシーンはなかなか面白い。
ウイングスの主題歌や10cc、Heatwaveといった面々の挿
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その土曜日、7時58分(2007年製作の映画)

3.8

名監督シドニー・ルメットの遺作。出来心と些細な失敗から崩壊していく家族の物語。

とりあえず出てくる奴ら全員クズだし同情できない。横領がバレそうなバカ兄と、甲斐性無しで兄嫁と不倫するバカ弟。そして強権
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オフィスキラー(1997年製作の映画)

3.2

軽めのコメディホラーだと思ったら予想外に主人公がガチめの連続殺人犯だった。きっかけは事故だけど、そこからのエスカレート具合がすごい。
主人公と両親の関係・過去の事故などを見るに、抑えていたトラウマ解放
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

観たら絶対ドーナツが食べたくなる映画です。

アメリカの大自然とそこで育まれるクッキーとキングの友情の日々が丹念に描かれる。薪を割るキングに対して手持ち無沙汰なクッキーが家を掃除して花を飾るシーンとか
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

また華麗で奇妙な映画を見てしまった。マッドサイエンティストによって生き返ったベラの愛の成長の物語。

モノクロで展開される場面は、古き良きホラー映画を彷彿とさせる。身体は大人だが知能は子供のベラ。愛と
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エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

3.2

個人的には楽しめました。事前評判でハードル下がりまくってたというところもありますが。
まあエクスペンタブルズではなくて、ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画ではありますよね。
イコ・ウワイスやト
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

終始嫌〜な気持ちにさせられる映画です。

主人公の抱える母の喪失、一見和やかに見える友人関係の裏に垣間見える居心地の悪さ、事故死したカンガルー…と不穏な要素を積み上げて、それらは降霊会でピークに達する
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映画刀剣乱舞-黎明-(2023年製作の映画)

3.4

何よりラストバトルは否応なしに盛り上がりますね。刀剣男士たちの殺陣も決まっていて、その立ち振る舞いには刀剣乱舞をあまり知らない自分でも充分惹きつけられます。前作に引き続いて倶利伽羅江がちゃんといたのも>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.8

甦った古代の悪魔、地球規模の海と陸の危機、かつての敵との共闘、爆発に次ぐ爆発……と見ていて素直に面白い。
「DCエクステンデッド・ユニバース」はこれで終わりですが、それに相応しい大団円ではないでしょう
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.7

主演のミア・ゴスの演技はすごいですね。ジャンル映画故にあまり評価されていませんが、あの独白シーンなどなかなかのものです。

『X エックス』の殺人老女パールの若き日の物語。序盤から彼女がすでに狂気の世
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X エックス(2022年製作の映画)

3.6

シリアルキラー夫婦自体はちょくちょく見る気がするが、今作の2人は少々悲哀を感じさせる。ただ続編ありきのせいか、夫婦についての掘り下げはあまりなし。
トビー・フーパー監督作オマージュの気軽なスラッシャー
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.7

はみ出し者の青春時代を送るイーニドとレベッカ。どうしようもない現実をもがき続けるイーニドに対して、社会と折り合いをつけて大人へとなっていくレベッカの対比が本当にツラいですね。
結果的にシーモアにとって
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白石晃士の決して送ってこないで下さい(2023年製作の映画)

3.0

映像や物語はいつもの白石監督という感じで一定の不気味さは保っています。
登場人物の言動の不快感からくる居心地の悪さは作風のひとつであると分かりつつ、とあるビデオ映像で展開する(直接的なものではないが)
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堕落のススメ(2018年製作の映画)

3.2

平凡で何不自由ない暮らしをしている主人公が、あるきっかけからしがらみを解かれて全く違う人生を歩み始める・・・というプロットはよくあるが、そのきっかけが自分のドッペルゲンガーの出現というのがユニーク。>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

2009年の『エスター』は最高のホラー映画であったが、エスターの正体が作品の肝でもあった。続編は難しいし、完成したとしても半端なものになるだろうな・・・と思ってたらこれが良く出来ている。

すでに成人
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惜春鳥(1959年製作の映画)

4.2

会津若松を舞台に5人の旧友の再会と訣別を描いた青春群像劇。

津川雅彦、石濱朗、川津祐介ら名優の存在感はこの頃からすごいですね。川津演じる岩垣の、純朴そうな学生から冷徹な犯罪者へと切り替わる際の演技は
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a-ha THE MOVIE(2021年製作の映画)

3.2

お互いに対立しながらも結局3人ともバンドが大好きなんだな。にしてもヨーロッパではずっとトップクラスの人気なのに、アメリカでは未だに「Take On Me」の一発屋なのが不思議。

市子(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

長谷川からのプロポーズの直後に姿を消した恋人の市子。彼女の行方を探すがやがて市子の隠された過去が浮かび上がってくる。

人探しもの作品は傑作が多いが、存在を消すに至った人物の壮絶な半生が描かれるので毎
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