湯っ子さんの映画レビュー・感想・評価

湯っ子

湯っ子

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

3.6

ずっと観たかった作品。ジャンヌ・モローの目の下の隈が、貫禄とただものではない感を漂わせていて、たしかにこんな女に振り回されてみたいと思う男はいるのかもしれないと思う。3人でパリの街を駆け抜けたり、森の>>続きを読む

(1973年製作の映画)

4.2

これをなんと表現したらいいんだ。カオスな脳内をカオスなままにアニメーションにしたような、悪夢みたいな作品だった。この無国籍感とディストピア感のめまぐるしさに心を委ねていると、不意にまた見慣れた景色の中>>続きを読む

花折り(1968年製作の映画)

4.2

こちらはユーモラスな作品。小坊主さんがかわいくて動きが面白い。手や首の動かし方や、ちょっとした口元の表情が繊細で、酔って踊り出すところなんかはずっと見ていられそう。

(1972年製作の映画)

4.2

びっくりしました、すごかった。川本喜八郎という人のことは今回初めて知りました。
「川本喜八郎 作品集」でU-NEXTにあるんだけど、その紹介文が「日本アニメーションの神様の1人・川本喜八郎の国宝級の傑
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キートンの大列車追跡/キートン将軍/キートンの大列車強盗(1926年製作の映画)

4.0

バスター・キートン初鑑賞。チャップリンの漂わせている悲壮感が苦手なので、この飄々とした無表情の方が好きかも。
蒸気機関車の追いかけっこ、のどかなスペクタクルで面白い。ラピュタのパズーとシータみたいで、
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キッド(1921年製作の映画)

4.0

子供がかわいいからか、2作目で慣れたのか、こちらは楽しめました。夢のシーンも良かった。

街の灯(1931年製作の映画)

3.5

偉大な喜劇王チャップリンの映画をちゃんと観たのは初めてかもしれない。本当に自分が恨めしいのだけど、逆になんで今まで私がチャップリン観てこなかったのかがわかってしまった…、リアルタイムで流行っていたミス>>続きを読む

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.7

お話を知らないで観ていたら、もっと衝撃的だったのかな。アラン・ドロンはとっても美しいけど、どうやら私のタイプではないらしく、あまり感じ入るところはなかった。でも、ラストは思わず「あらら…」と声が出たし>>続きを読む

パッチギ!(2004年製作の映画)

3.8

すごい熱量だったな。史実がどうだとか、作中のセリフの真偽を問うのはナンセンスだと思う。青春ものでもあるし、戦争についての映画でもある。美しい音楽が敵対する者同士を結ぶことだってある、そんなことを信じさ>>続きを読む

ボクらのホームパーティー(2022年製作の映画)

3.9

ゲイ男性のホームパーティー。全員が恋愛対象/性的対象になりうる人間で構成されたグループの人間模様はこんな感じなのかと面白かった。
三角関係がこんな展開を見せるのかっていうのも新鮮だったし、知らない役者
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

2.3

「パスト ライブス」を観て、初恋引きずり系のお話といえば…なこの作品を思い出す。
ずいぶん前に、深夜にたまたまつけたテレビでやっていてなんとなく見たきり。映像は美しいけど、ささやき声のモノローグが気恥
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.6

なんだか評判が良さそうなのと、「LETO」で素敵だったユ・テオが出てるじゃん!というので観てきたけど…、私って「あの時こうしていれば」みたいなのがあんまりない人なんでした。
余白の多い作品なので、私も
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.9

歌は愛、って本当にそうだったな。聡実くんの「紅」には涙出ちゃった。冒頭の語りの部分の大阪弁訳もすごく良かった。
中学生たちがみんな、まさに思春期の目元(©︎ロバート秋山)。綾野剛ってもう42歳か、坂井
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ルナ・パパ(1999年製作の映画)

4.5

また、映画の魔法と出会うことができた幸せ。
海の近く、乾いた大地の街はおとぎ話の世界のよう。主人公は観る人全てが恋しちゃうチュルパンちゃん。いかついお父さんと戦争後遺症を抱えるお兄さん、そしておなかの
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のら犬(2023年製作の映画)

4.0

「世界ふれあい街歩き」に出てくるみたいな美しい静かなフランスの田舎町を舞台にして繰り広げられるのは、半径3メートルの世界で暮らす若者たちのお話。
幼なじみの男ふたり。片方に恋人ができたことをきっかけに
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イノセンツ(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

子供が残酷っていうよりか、このお話が残酷だと感じてしまった。
命を落とした2人の子供は、悲しみや怒りを募らせた母親たちのもとで育ち、その犠牲になったとも言える。サイキック要素を抜いたら、シングルマザー
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

3.8

やっぱりチョン・ジョンソが最高でした。謎だらけの女の子モナ・リザが魅力的すぎる、ずっと見ていたい。満月の夜に拘束衣のまま裸足で逃げ出して、わらしべ長者みたいにシャバの装備をゲットしていくのが楽しい。>>続きを読む

パピヨンの贈りもの(2002年製作の映画)

4.0

偏屈爺さんと小さな女の子が幻の蝶を探して山の旅へ。この設定からして期待する全て、いやそれ以上が85分に詰まっていた。

お爺さんと女の子の会話がとても興味深い。世界の真理を伝えるのに難しい言葉はいらな
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プリティ・ウーマン(1990年製作の映画)

3.6

たぶん劇場で観たと思う。その後、テレビでも何回か。たくさんの女の子たちが憧れたシンデレラストーリーだけど、当時から疑問を持ってた女の子たちもいるにはいた。そんな女の子の一員だった私なので、多くを語るの>>続きを読む

プリティ・ブライド(1999年製作の映画)

3.8

ジュリア・ロバーツがひたすらかわいい!
明るくて気さくで無邪気で少女っぽさをいつまでも失わない、こんなモテモテガールが田舎町に暮らすとしたら、そりゃあ生きづらいでしょうよ。

私が印象に残ったのは、ジ
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ブリタニー・ランズ・ア・マラソン(2019年製作の映画)

3.9

なんだかんだでイケメンに好かれたり本当はいい子だったり実は美人だったり(だって女優が演じてるんだから)する凡百のこじらせものとは一線を画す作品。
自己肯定感が低いとこれくらい卑屈になったり意地悪になっ
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ドント・クライ プリティ・ガールズ!(1970年製作の映画)

3.6

メーサーロシュ・マールタ作品の主人公の名前はきまってユリ。これまで私が見てきたユリはリリ・モノリが演じるおぼこビッチばかりだったけど、この作品のユリは可憐でか細くてあどけなさを残す美少女。どっかで見た>>続きを読む

ホドロフスキーのサイコマジック(2019年製作の映画)

3.8

宗教を利用してお金儲けをしたり人を支配したり抑圧したり、宗教を巡って戦争が起こったりと、その背景には何かと血なまぐさいことがあるけど、それは宗教が人間に及ぼす力の大きさなのだろう。良い方向にも悪い方向>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

5.0

カチカチになってた脳がほぐれたみたいな、どっか閉じてた場所が開いたみたいな。終盤のあのパレードみたいな紙吹雪が、頭の中でパーッと舞い散ったような感じ。そんな興奮状態を経て、整いました!と使ったことのな>>続きを読む

丑三つの村(1983年製作の映画)

3.8

何度かTLで見かけていた、このエロいジャケット。でもね、なかなかこのジャケは映画をうまいこと表現してる。この主人公の頭の中は、この女たちとのエロいことでほぼほぼいっぱいなんだもの。エロいことで頭いっぱ>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ熱かった!ジャズは全然知らないけど、これはジャズを、音楽を信じている人たちが作った映画だと思う。音楽の力ってすごいし、その力を映像化した表現も素晴らしくて、本当に宇宙の果てまで旅したような>>続きを読む

クラム(1994年製作の映画)

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漫画家を志す少年のお話「ファニーページ」の「似ている作品」から。ロバート・クラムという名前は知らなかったけど、彼の描くキャラクターにはうっすらと見覚えがあった。
「ゴーストワールド」の監督が撮ったドキ
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映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(2019年製作の映画)

3.7

ひろしとみさえがラブラブ!ふたりのカラオケ演出も好き!あいみょん苦手だけど(わざわざ言うな)この映画にはハマっていたよ!

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.7

ジャケから、イマドキの承認欲求モンスターをポップに皮肉ったコメディかと思い、ほとんど予備知識を入れずに鑑賞。私の期待とは違い、コメディではなく悲しくおそろしい話だった。フィルマでのジャンルはドラマ/ホ>>続きを読む

ドリーマーズ(2003年製作の映画)

4.0

おとぎ話の世界に住む双子と、異国の地へやって来た青年。映画が結びつけた偶然の出会い。
ひととき、秘密の遊戯に耽るかれらの姿は、いにしえの神々のようだった。
かれらの遊戯の時間は、成長でも死でもなく、時
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

-

前半ガッツリ寝てしまった…、後半は頑張って起きていたけど、法廷でのやりとりはゴシップ誌の記者会見みたいに感じた。ちゃんと観た人に聞きたいのだけど、妻が夫の死を悲しんでいる描写ってありましたか?
サスペ
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.9

町山智浩さんのラジオでこの作品を知り、すぐに思い出したのがビリギャルだった。
ちゃんと読んではいないが、あの本の売り方にかすかな違和感があってちょっと調べたら、題名になっている事柄は嘘ではない。でもや
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(2004年製作の映画)

3.8

西部劇に詳しい人はいろいろ小ネタを楽しめそう。知識のない私は、西部劇といえば荒涼とした大地、威張り散らかす保安官が男を馬で引き摺り回しているイメージなのだが、見事にそのままの世界観だった。

例によっ
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

4.0

テレビ版から続けて。テレビ版を切って貼って作ったみたいに感じたけど、作っている人たちも追っかけている人たちも、こうやってリピートすることで、それぞれエヴァの世界を自分の世界にしていっているのではないか>>続きを読む

キャットファイト(2016年製作の映画)

3.9

女同士のガチバトルをメインに、社会風刺とブラックジョークを散りばめて、誰もが聴いたことある(でも曲名は知らない)クラシックBGMにのせてお届け。
2016年作品。「人間の想像することは全て起こりうる」
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トールガール(2019年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

脇役がとてもカラフルで魅力的なのは良い。それなのに、どうしてこんなに主人公に魅力がないのか。
全ての出来事や登場人物が主人公に奉仕し、結果的には主人公が成長するという例のタイプの映画、ど真ん中をみつけ
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