夢生さんの映画レビュー・感想・評価

夢生

夢生

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異人たち(2023年製作の映画)

4.4

迷宮に迷い込んだような不思議な世界観。
愛に飢え孤独の間で現実と妄想の狭間で揺れ動く感情など、日本版との比較も多様性を考慮しているのか異性カップルから同性カップルとセクシャリティを意識したり、ドラック
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海街奇譚(2019年製作の映画)

3.3

美しさと醜さを併せ持ったカオスな妄想が次から次へとオムニバスに展開されていき、現実逃避なのか?彼の心の中にあるサイコパシー的な深層心理が映像から炙り出されているように感じました。

奇妙な風習や風変わ
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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.5

世界中が戦争や紛争で、きな臭く平和とはどんどん距離が離れていると思わずにはいられない今日この頃...
第二次世界大戦の終末期に起きた特攻隊とタイムスリップした現代の平和ボケした女子高生の淡い初恋の物語
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Winter boy(2022年製作の映画)

3.8

大まかな主題は「息子と母そして家族の再生。』という事なのかもしれないけれど、
国民性や宗教の違いはあれど、スキンシップの仕方や会話の端々で母と息子の距離感が、とても近いとな感じました。
セクシャリティ
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パンとスープとネコ日和(2013年製作の映画)

5.0

このゆる〜〜い空気感がたまらなく好き。
こんなお店が近くにあったら毎日でも通いたくなる。
心が荒んでいる時に思い出したように観たくなる大好きな作品です。

バグダッド・カフェ 完全版(1987年製作の映画)

5.0

久しぶりにアマプラで観賞してやっぱり好きだなって気持ちが変わらなかった。

この色や構図や音楽が見たことのないのにどこか懐かしい景色をゆるりと眺めているような不思議な空気感が漂っていて、
見終わった余
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ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

3.5

これはただのセレブの母娘の日常のドキュメンタリーなのかな?と途中思いながらも、
ジェーンの奔放さや繊細さの中にある、母として娘達への詫びや、きちんと向き合えなかったことへの後悔とか、
シャルロット自身
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怪物(2023年製作の映画)

3.7

皆それぞれに正義があって、誰もが怪物モンスターになりうる。
それぞれの視点で、同じ時系列でいくつかの物語が進行していき、ちょっとした言葉足らずや言葉のかけ違いが、誤解や不信感をまねき、それが憎悪へと怪
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.7

80年代のアパルトマンからのパリのグレイッシュな色味の景色がなんだか懐かしい感じ。
パリの中で近代化していく部分と旧市街地の程よいミックス感があって
レトロモダンなインテリアも華美ではなく程よく品が良
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パリタクシー(2022年製作の映画)

4.7

思い出は宝物
素敵な思い出も悪夢のような思い出も 92歳まで生きて 想い出として語れるという事自体が尊い

タクシー運転手と客 ほとんどがタクシーの中
彼女が吶吶と回想シーンとともに語るパリ市街の情景
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

3.6

アダマンデイケアセンターは
セーヌ川に浮かぶ精神疾患を患った人たちが集う施設。
近くに水がある事や浮遊感は、精神的な癒しになる。

ここではレッテルはない、ジャッジもされない、
患者と支援者の区別もな
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RRR(2022年製作の映画)

4.7

めっちゃツエ〜し
不死身だし
2人で普通の人間だったら7〜8回は死んでるわ。
ありえない展開や早すぎるステップに神話のような歌詞はもはやインド映画の伝統芸だけど、スケールがぶっ飛びすぎて、
開いた口
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ロストケア(2023年製作の映画)

4.0

長生きする老人たち。「老害」と言う言葉がチラつく。
孤独死、ヤングケアラー、老人格差
継ぎ接ぎだらけ穴だらけの社会保障制度
少子高齢化がもたらす悲劇 認知症の家族が抱える問題
どんどん膿が溢れ出す。
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マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

4.9

生きる LIVINGのビル・ナイのカッコ良さに惚れて、思わずアマプラで鑑賞してしまいました。
こちらのビル・ナイも渋い!荘厳なお屋敷の中のしつらえと彼が一体化されてピンと張り詰めた調和がありました。
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.5

今から70年前のアナログで保守的なイギリスの生活様式。
セピアがかった映像。

ピンストライプのダークスーツに、鍔の広い中折れ帽を目深にかぶり、英国紳士のエレガントさが滲みでていて、凛とした佇まいいが
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ある男(2022年製作の映画)

4.4

自分が何処で?誰から生まれた?どんな環境で育った?
きっと名前を変え、自分の生きてきた道を捨ててまでも人生をやり直したい、幸せになりたいと思っている人は沢山いるはず。
日本にもまだ根強く蔓延り続けてい
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有り、触れた、未来(2023年製作の映画)

4.5

群像劇とドキュメンタリーを合わせたたような作品。
体の中から溢れ出す言葉をふり絞りながら、表現する事の力や大切さを伝えていく。
力強いメッセージを感じました。

コロナ禍のディスタンスやマスク生活は、
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.4

窓の外からは伺い知れない、窓の中に其々の人の生活がある。
父と息子の何気ない日常からは、死がまさにそこにあり刻一刻と2人の残された時間が迫っているなんて知る由もない。

父ジョンと息子マイケルは、ソー
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茶飲友達(2022年製作の映画)

4.0

完成披露試写会&舞台挨拶で鑑賞しました。
現代の日本の歪みがもたらした、社会派の群像劇。

誰だって、ひとりは寂しい。
1人で抱えきれない不安や寂しさを、触れ合い寄り添ってくれて 少しの間でも心和らげ
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パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

3.9

今の韓国の脱北者や不法労働者問題が炙り出されていている作品。

事情は飯のタネとばかりに訳ありの人を運ぶ「特送」

プロ野球選手と警察官が野球賭博に絡む詐欺で大金を搾取し、
どちらも罪人でありながら、
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Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

3.5

今年の一本目。
リアルタイムでドラマを観ていないので、連れの前情報のみで鑑賞しました。
前作から16年経った事もあり、撮影がドローンを駆使して行われている事や、高齢者離島医療の切実な現実を突きつけられ
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あちらにいる鬼(2022年製作の映画)

4.0

一言で言うなら『情念』
男と女、女と女が愛と憎と欲にまみれて、憂い悲しみを押し殺し、冷静さを装った傲慢なマウンティングの応酬は観るものを引きずり込みます。

白木に交わる女達は、それぞれに違う意味の涙
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サイレント・ナイト(2021年製作の映画)

3.5

地球最後の日がクリスマスイヴだったらどうする?
愛する家族や友人と集い、好きなモノを飲み食い、語り、踊り、歌う。
救いは何もないし誰もどうする事も出来ない。
きっとこうする事しかないのかもしれない。
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.2

『友達でも家族でもない。でも孤独ではない。』
これなの。この付かず離れずの関係性がいい。
今みんなこころの何処かに孤立感と焦りと捉えどころのない不安を抱えている。
お金がなくても、最低限の生活でもみん
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.2

日本ではまだまだ閉鎖的な女性の生理の話や、子供を生む産まないの選択、中絶ピル、同性婚間で親になる事等など、
アメリカでは当たり前のように、パートナーや子供たち間で会話が成り立っている事が羨ましく思える
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

5.0

ハッピーエンドじゃないけど決してバッドエンドではない。
観終わった感じは清々しく温かい。

現代と過去、タイとニューヨークを行ったり来たりの繋がり方も緻密で巧みで
カメラワークやレトロな色彩がおしゃれ
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おみおくりの作法(2013年製作の映画)

5.0

孤独死した人の足跡をたどりながら、彼なりの弔い方で故人を偲びおみおくりする。
死はたとえ孤独であったとしても、その後があることに幾らかの救いがありました

淡々とお話は進むけれど、私にはこのゆっくりと
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スープとイデオロギー(2021年製作の映画)

3.8

同じ民族の中にふたつのイデオロギー
それをつなぐオモニのスープ

時間をかけて煮込んだスープにように、民族も思想も宗教も関係なく、絶妙な塩梅で混ざり合って
ただただそれを美味しいと笑顔になれるような世
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.3

美しい音楽と共に、衝撃的なシーンから始まるプロローグ

超高齢者社会が財政を逼迫していく 。
目の前にある未来に起こってもおかしくない、『75歳からの選択的安楽死制度 ”PLAN75”』

看取ってく
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恋は光(2022年製作の映画)

3.3

恋に奥手な女子と、浮世離れした文学女子と、恋に疲れた今時女子に、野武士のような立ち振る舞いに妖精の力を持つ男子のキラキラな青春物語。

西条の台詞まわしがちょっとぎこちない。キャラ的にあえての棒読みな
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メイド・イン・バングラデシュ(2019年製作の映画)

4.5

ラナプラザの悲劇を彷彿とさせるプロローグ。
誰かの犠牲があってこそ 旬で低価格で手に入るファストファッション。
その裏で過酷な労働条件で働き続ける作り手がいる事は容易に想像できた。
1日に1650枚の
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.3

「未来はどんなモノだと思う?」
子どもたちへの問いかけからはじまるストーリー。
ある子どもは不公平で時に孤独感を感じ、またある子どもは不安のなかで自分を信じるしかないという。
そして今より未来は良くな
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ツユクサ(2022年製作の映画)

4.0

大人のおとぎ話というより 長閑でありふれた日常だけど ちょこっとだけトキメキを感じた瞬間にフッと笑ってしまうような ほっこり系のお話。
3人の訳あり女性の会話の” 間 “が絶妙で 小気味良いおばちゃ
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フェルナンド・ボテロ 豊満な人生(2018年製作の映画)

3.7


絵を描く事こそ人生!
絵画の中にユーモアを隠して描き 絵の中に楽しみを盛り込む
ハッピーエンドな画家ボテロ。
観るだけで幸せになれる作品。

美術史の中でも、何派にも属さなアウトサイダーでありながら
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.0

試写会で鑑賞後、観客の人達が一様にうな垂れて言葉少なに退場していくのが作品の重さを物語っていました。
クルドという国を持たない民族。
迫害され帰る国もなく日本に留まるしかないのに、日本の難民認定の壁は
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アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

3.8

アンネの日記の中の空想で理想の友人キティが、現代とアンネが生きていた時代を行ったり来たりして、愛と平和と争いと死という普遍的なテーマについて問いかける。

いつの世だって、少数派は悪者扱いされ迫害され
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