湯呑さんの映画レビュー・感想・評価

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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.7

この映画、アメリカでは公開後に少々物議をかもしていたらしい。というのも、劇中に登場するアトランタ・ジャーナルの女記者について、FBI捜査官に性交渉を持ち掛け、その見返りに内部情報を入手した、という風な>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.7

タイトルに偽りありというか、『フォードVSフェラーリ』というタイトルの割に、フェラーリ側についてはほとんど描かれていない。60年代後半に名車フォードGT40によってル・マン4連覇を成し遂げたフォードの>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.6

第2次世界大戦下のドイツを舞台に、ヒトラーユーゲントに所属する少年ジョジョの日常を、ポップに、コミカルに描いた本作は、賛否の分かれそうな作風でありながら、アカデミー賞候補にノミネートされるなど概ね高い>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ポン・ジュノという監督は、ジャンル映画のフォーマットを利用しながら、決してその枠組みの中に収まりきらない、過剰な物語を撮り続けてきた。その為、『グエムル-漢江の怪物-』や『スノーピアサー』といった、外>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.7

いやいや、とにかく楽しい映画だった。解散寸前のうだつの上がらない麻薬捜査班が、麻薬組織への潜入調査の為に、近所のフライドチキン屋を買い取り(この時点で既におかしいのだが)目くらましに商売を始めたは良い>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.8

マーティン・スコセッシがMCU映画についてのコメントを求められ「あれはテーマパークの様なもので映画ではない」と述べた事が色々と物議をかもした様である。ジェームズ・ガンを始めとしたMCU関係者からの反発>>続きを読む

ジュマンジ/ネクスト・レベル(2019年製作の映画)

4.6

1995年公開のオリジナル版『ジュマンジ』は、コマの止まったマスに書かれた事が実際に起こってしまう、呪われたボードゲームが巻き起こす騒動を描いた楽しい映画だった。虚構が現実を侵食する、という意味で、オ>>続きを読む

ある女優の不在(2018年製作の映画)

4.7

家族からの反対にあい、女優への夢を絶たれた少女が将来を悲観し、洞窟内で首吊り自殺を図るまでの動画を突然送り付けられた人気女優ジャファリと映画監督のパナヒが、少女の行く末を案じ、その顛末を調べる為にイラ>>続きを読む

EXIT(2019年製作の映画)

4.6

韓国で観客動員940万人の大ヒットを記録した本作、ジャンルとしては高層ビルを舞台にしたディザスター・ムービー、という事になるだろうか。まあ、この手の映画は昔から色々ある訳です。『タワーリングインフェル>>続きを読む

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.8

こうの史代の原作を絵、ストーリーにとどまらず、その空気感までをもほぼ完璧に再現し、高い評価を受けた映画版『この世界の片隅に』だが、私は原作は読んでいたもののそちらの方は未見であった為、このアップデート>>続きを読む

カツベン!(2019年製作の映画)

4.4

竹中直人がホイッ、ホイッ、とか言いながら廊下をピョコピョコ歩いていると、床板がズボッと抜けてビックリ!みたいなシーンとか、主人公に向かってピストルを構える音尾琢真の上に看板が落ちてきてバタンキュー、み>>続きを読む

グレタ GRETA(2018年製作の映画)

4.3

サイコ・ホラー、しかもストーカーものなんて、もはや珍しくも何ともないし、サイコ役を意外な俳優が演じる、というのもよくある話だ。『ストーカー』のロビン・ウィリアムスとか…それでも、「イザベル・ユペールが>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.5

前作について、ジェンダーをめぐる現在の問題意識に則り、古典的なプリンセス・ストーリーをアップデートさせた、という様な評価(と、それに対する反発)をよく耳にした。なるほど、王子様のキスで目覚める、という>>続きを読む

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

4.8

『シャイニング』という恐ろしい物語を、私たちは少なくともふたつ知っている。
ひとつはモダン・ホラーの巨匠、スティーヴン・キングが古典的なゴースト・ストーリーを現代に蘇らせた小説として。もうひとつは、天
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エンド・オブ・ステイツ(2019年製作の映画)

4.1

ジェラルド・バトラーの当たり役、マイク・バニングシリーズもはや3作目。一応、これで一区切りという事らしい。
このシリーズのプロットは基本的にどれも同じだ。まず映画の冒頭でテロリストがあっけなくテロを成
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ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.8

本作を鑑賞するにあたり、予習がてら前作のDVDをレンタルしたのだが…死ぬほどつまらないのでびっくりした。10年ぶりに続編が作られるぐらいだから、前作はそれなりの評価を得て、ヒットもしたのだろうが…とに>>続きを読む

国家が破産する日(2018年製作の映画)

4.4

この映画で扱われている1997年のアジア通貨危機とはいったいどの様なものだったのか。もちろん、映画の中でもある程度は説明されているが、まずはその概要を韓国の立場に立って簡単にまとめておこう。
1988
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CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

4.4

本作のサントラを見るとAphex TwinやDaft Pank、懐かしいところではGiorgio MoroderやGary Numan、Soft Cellなんて名前が並んでいる。本作の舞台は1996年>>続きを読む

盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~(2018年製作の映画)

4.6

ご承知の通り、インドは年間映画制作本数世界一位の映画大国である。しかしながら、その膨大な作品群のごく一部しか我が国では公開されていない。上映時間がやたら長くて、合間に歌と踊りが入って…というのが、我々>>続きを読む

ひとよ(2019年製作の映画)

4.7

「15年経ったら戻ってくる―」
あるどしゃぶりの夜、タクシー会社を営む稲村家の母こはるは、家族に見境なく暴力を振るってきた夫をとうとう殺めてしまう。15年後の再開を子供たちに約束し警察に出頭したこはる
>>続きを読む

8番目の男(2018年製作の映画)

4.0

この映画、一応実話をもとに再構成したという謳い文句になっているのだが…いや、さすがにそれはないだろう。韓国初の陪審員裁判(韓国では国民参与裁判と呼ぶ)が無罪判決になった、という点は事実なのだろうが、残>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.7

人気作家、恩田陸による直木賞受賞作の映画化、となれば思い入れの強いファンも数多くいるだろうし、原作の世界がどれぐらい忠実に映像化されているか、というのも本作を評価するポイントのひとつだろう。しかし、私>>続きを読む

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

4.6

前作はすごく面白かったよね!数多あるジュブナイル・ホラーの中でも指折りの傑作と言っていい。具体的にどこが面白かったか、というと…実は、はっきり思い出せない。何せ、前作が公開されてから2年ぐらい経ってる>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

4.6

日を追う毎に世界の分断化が進行するこの時代に、なかなか挑発的なタイトルである。まさに、人々は様々な境界線を引く事で理解できないもの、異質なものを排除しようとしている。『ぼくのエリ 200歳の少女』の原>>続きを読む

ガリーボーイ(2018年製作の映画)

4.8

いやあ、やっぱりこういう映画は良いね。サクセス・ストーリーで一番大事な事は、観終わった後に「よし!俺も明日から何かを始めよう!」という気にさせてくれるかどうかでしょう。その点、この作品が我々に与えてく>>続きを読む

ジェミニマン(2019年製作の映画)

4.0

ウィル・スミス演じる暗殺者が、クローン技術によって生み出された若き日の自分と対決する、という風変わりな設定が話題の本作、何と映画に登場する若い方のウィルスミスは、全てCGで作られているらしい。普通に考>>続きを読む

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

5.0

現在の映画界で最も過小評価されている監督の一人、アレクサンドル・アジャの新作が公開された。しかも、製作が最近はプロデュース業でも傑作を生みだしているサム・ライミだというのだから、これは映画史的な大事件>>続きを読む

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.4

2008年にインドのムンバイで起きた同時多発テロ事件は、170人以上が死亡し、200名以上が負傷する最悪の結果となった。この映画は、テロリストの標的のひとつとなったタージマハル・ホテルに焦点を絞り、人>>続きを読む

毒戦 BELIEVER(2017年製作の映画)

4.4

韓国映画界の現在の充実ぶりを示す、良リメイクである。
捜査官による潜入捜査、というジョニー・トー版のメインプロットはそのままに、例えば麻薬組織のボスの正体については、元々のアイデアを上手く活かし、そこ
>>続きを読む

真実(2019年製作の映画)

4.6

『万引き家族』がカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した際、是枝裕和監督が文科省の祝意を辞退した事に「日本映画製作支援事業の助成金で映画を作っておきながら、祝意を辞退するとは何事だ!非国民だ!」と、文>>続きを読む

ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

4.6

このシリーズ、1作目の時点では車を盗まれ愛犬を殺された元殺し屋が、お返しに人をぶち殺しまくるというニューロティック・スリラー的な佇まいだったのが、2作目では世界中で暗躍する殺し屋組織の過剰な設定が盛り>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.7

個人的に、この監督の出世作『ハングオーバー!』シリーズは大嫌いである。私は酒が全くと言っていいほど飲めないし、我を忘れるぐらいに酔った経験もないので、こういう酔っぱらってやらかしちゃいました、みたいな>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.8

監督、脚本を務めたジェームズ・グレイによれば、本作はコンラッドの『闇の奥』や、『オデュッセイア』といった文学作品にインスパイアされたという。なるほど、地球外生命体の存在を調査する為に海王星へと旅立ち、>>続きを読む

アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

4.5

駐輪場の料金をケチる為の不正行為を注意した事から、織田美緒と久留米和人の高校生カップルは逆ギレしたおっさんと揉み合いになってしまう。すると、たまたま通りがかった和人の父親邦彦が、美緒を指して「この方が>>続きを読む

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

4.2

これは、俺みたいな低PVブログを細々と続けている人間には身につまされる映画だ。
親しい友達の1人もいない、退屈で無味乾燥な学校生活を送っている、要するに俺とかお前みたいな奴らを描いた映画、というのは世
>>続きを読む

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)

4.5

こうしている間にも世界各地で紛争は続き、罪もない人々の命が大量に失われている。宗教や政治思想、人種の違いによる人々の対立は止む事がない。アメリカや国連の影響力は既に失われ、紛争の解決にあたってきた先進>>続きを読む

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