私もポップス/ロックファンのはしくれとして、ザ・ビーチ・ボーイズ の『ペット・サウンズ』と、ブライアン・ウィルソンのソロ・アルバム『スマイル』はCDを持っております。とはいえ、それほど熱心なファンとい>>続きを読む
いやあ、素晴らしいね!ギヨーム・ブラックというと、『女っ気なし』がDVD化されたきりで、ソフト化も進まないし、サブスクで配信される事もないし、なかなか観る機会に恵まれなかったが、それが惜しまれるぐらい>>続きを読む
『デッド・プール2』『アトミック・ブロンド』のデビッド・リーチ監督作、もちろん製作にはアクションスタジオ87elevenが加わっているという事で、またもやエクストリームなアクション映画になる事が期待さ>>続きを読む
うーん…私はデザイナー、映画評論家としての高橋ヨシキ氏の事は信頼しているし、共同脚本を務めた『冷たい熱帯魚』も非常に良い作品だと思っているが、これはいくら何でもチープ過ぎやしないか。チープ、というのは>>続きを読む
いやあ、これは凄いね。原案と製作がナ・ホンジンという事もあって、エクストリームな仕上がりを予想していたものの、ここまでとは思わなかった。期待をはるかに超え、『哭声/コクソン』に勝るとも劣らない出来と言>>続きを読む
相変わらず絶好調が続くA24の新作は、タイ・ウエスト監督による回春ホラー(そんなジャンルあるのか?)。当初から三部作になる事が発表されており、公開当初は二作目の予告編がエンド・クレジット後に流れたらし>>続きを読む
会社の同僚が適応障害により休職する事となった。私の仕事そのものには何も影響はないのだが、本来自分こそ休職すべき人間ではないのか、という気がして仕方がない。とにかく、毎日何をするのも嫌でたまらず、朝が来>>続きを読む
原一男のドキュメンタリーはカメラの前に立った人物の無意識の「演技」、わざとらしさをあぶり出す。本作ではもともと恋愛関係にあった女性を対象とする事で、嫉妬や未練、憎悪の入り混じった複雑な反応を引き出す事>>続きを読む
一篇を募兵の為のプロパガンダ広告として構成するヴァーボーヴェンの皮肉。愛する者や恩師の死も主人公の人間的成長を促さず、ただ敵への憎しみを募らせ彼を戦地へと向かわせる。極めて好戦的な反戦映画。
侵略SFを群像劇ではなくあくまでオッサン個人の視点から撮る試みはスピルバーグ『宇宙戦争』より2年早いが、視覚的スペクタルすら排除したシャマランの漢気が勝つか。物語の骨組みだけで作られた様な語り口は後の>>続きを読む
主人公の女警官ヴァレリーが手にする44マグナム。劇中で挿入される『ダーティ・ハリー』のテーマ曲。深夜の警察署を舞台に繰り広げらる警官と殺し屋たちの攻防はジョン・カーペンター初期の傑作『要塞警察』を想起>>続きを読む
珍しくイギリスを舞台とした『ファントム・スレッド』を挟んで9作目となる本作で、ポール・トーマス・アンダーソン(以下PTA)は久しぶりにカリフォルニア州サンフェルナンドバレーに帰還した。1973年の夏へ>>続きを読む
とにかく色んな事が起こる映画だな、という印象である。もちろん、エンタメ系ではそんな作品はたくさんあるだろうが、いかにもミニシアター映画然としたミニマルな演出が徹底されているのに、次々とドラマチックな出>>続きを読む
とにかく、問答無用にサントラが良い。単にエルヴィス・プレスリーの名曲を並べただけではなく、ドージャ・キャットやジャック・ホワイト、テーム・インバラといった現代のミュージシャンによるカバーやリミックス、>>続きを読む
MCU作品『ドクター・ストレンジ』の監督を務めたスコット・デリクソンは続編製作の依頼を断り、『フッテージ』で起用したイーサン・ホークと再びタッグを組んでこの不気味なホラー映画を作り上げた。原作はジョー>>続きを読む
カトリーヌ・ドヌーヴやジュリエット・ビノシュを招いて作られた『真実』に続き、是枝裕和の新作『ベイビー・ブローカー』は海外資本で製作された。しかも『真実』の様な合作ではなく韓国の単独製作であり、キャスト>>続きを読む
昨今、某宗教団体と政権与党の癒着が明るみに出てメディアでは連日大騒ぎの様である。そのきっかけは私の住む奈良県で起きた元首相暗殺事件だった訳だが、現在容疑者とされている男は旅客機をハイジャックしたり、毒>>続きを読む
ホン・サンスの映画には脚本が無いと聞く。俳優たちには撮影日の朝に台本が渡され、一日の撮影が終わるとその台本は回収される。例えば、予め撮りたい映像や物語が確固としてあり、俳優の演技や撮影場所といった諸条>>続きを読む
ホン・サンスの監督第25作『イントロダクション』と第26作『あなたの顔の前に』が日本で同時公開された。
『イントロダクション』は上映時間66分と短い作品だが、美しいモノクロームの映像で撮られた青年ヨン>>続きを読む
写真家エドワード・マイブリッジが撮影した疾走する馬の連続写真ーエジソンがキネトスコープを発明する以前にまで遡り、「馬に乗る黒人」から始まった筈の映画がやがて「馬に乗る白人」に奪われてしまった歴史を明ら>>続きを読む
レビューを書くのをサボっている内に、観た映画の内容をどんどん忘れてしまう。そもそも、映画の感想を備忘録的に記述しておこうと始めたものなのにこれでは本末転倒である。
本作の内容もほとんど覚えていない…が>>続きを読む
今は亡きトニー・スコットの出世作『トップガン』が公開されたのが1986年、何と36年ぶりの続編である。私でなくとも今さらそんなもん作ってどうするんだ?と思った方は多いだろう。前作に思い入れのある方ほど>>続きを読む
この作品、企画と脚本を務めた庵野秀明の名前ばかりが喧伝されているが、あくまで監督としてクレジットされているのは樋口真嗣である。『シン・ゴジラ』では庵野秀明が総監督と脚本を、樋口真嗣が監督と特技監督を受>>続きを読む
旧作なのでレビューはなし。『ハングオーバー』みたいな話だと思ってもらえばいい。
2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうの小説を原作にした李相日の新作は、ある幼児誘拐監禁事件の犯人と被害者の少女が心を通わせていく様を描いた問題作である。例えば、スタンリー・キューブリックがナボコフの小>>続きを読む
この映画を観るまで私はスパークスについてほとんど何も知らなかった。予習がてら、これまでのアルバムを片っ端から聴いていったのだが、彼らがアメリカ出身のバンドというのは本当に意外だった。そのひねくれたメロ>>続きを読む
少し前にブランドン・クローネンバーグの『ポゼッサー』という作品を紹介したが、フランスの俊英ジュリア・デュクルノーは影響を受けた監督の1人としてデヴィッド・クローネンバーグを挙げており、本作にも『ビデオ>>続きを読む
2児の父となった今でも、私は未だに自分の感情をコントロールできずにいる。時に、怒りや不安の矛先を子供に向ける事もあって、その度にひどく落ち込んでしまう。大人たちはいつも、自分の子供とどう向き合えばいい>>続きを読む
祖母の死をきっかけに帰郷した大学生、筧井雅也はある日、死刑判決を受けた連続殺人犯、樫村大和からの手紙を受け取る。大和は雅也が中学生の頃に行きつけだったパン屋の主人だった。郷愁に誘われ面会に訪れた雅也に>>続きを読む
『ミッドサマー』のヒットを受けてだろうか、北欧産のホラーという点をアピールポイントにしている本作だが、映画そのものに北欧らしさはまるで感じられない。じゃあ北欧らしさって何なの?と訊かれると困るのだが、>>続きを読む
ここ最近、映画の感想を書くのをさぼりがちで、確かこの映画を観たのが3月末だから既に2か月近く経っている。老化の著しい私の脳みそは本作の内容をほとんど覚えておらず、この記事を書くにあたってネタバレあらす>>続きを読む
これまで観た映画の中でベスト3を選べ、と言われればレオス・カラックスの『汚れた血』は必ず入る。それぐらいに好きな作品なのだが、カラックス作品というと後は『ポンヌフの恋人』ぐらいしか観ていない。そういえ>>続きを読む