taroumanさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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男はつらいよ 葛飾立志篇(1975年製作の映画)

3.0

BSテレ東
寅を父と思い込む桜田淳子から始まり、旅先での大滝修治和尚の説教に感じ入り、マドンナ樫山文枝とお勉強ごっこに勤しむも小林圭樹とW失恋。
今回のテーマは「己を知る」。「地道な暮らし」「ほんとう
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最も危険な遊戯(1978年製作の映画)

3.0

国立映画アーカイブ
はるーか昔に鑑賞してえらく面白くて興奮した記憶があるのだが、まあ久しぶりに観てみるとやはりいろいろ突っ込みたくなるわけで、あの頃の無邪気な感性が羨ましい。
とにもかくにもピンからキ
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洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

3.0

テアトル新宿
漂着した男女は、洲崎パラダイスの大きなゲートを眼前に赤信号で足止めされたかの如くこちら側に留まる。
あちら側をまったく見せることなく、渡し場たる飲み屋を止まり木にひと時の安息を得たかと思
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鴛鴦歌合戦(1939年製作の映画)

2.5

神保町シアター
新年一発目はめでたくレビュー100本目。ここは新春を寿ぐべく陽気でおめでたい作品といきたい。
ということで勇躍足を運んだ本作は、何とも能天気で絵本のような筋運び。黒澤映画の志村勘兵衛も
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.0

TOHOシネマ日比谷
ラストのライブシーンは圧倒的だったがいろいろ言われるとおりドラマ部分は平凡な印象。であるならば、本家のライブをYOUTUBEで観た方がいいんじゃね、と言ってしまっては身も蓋もない
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

5.0

神保町シアター
昔から小津映画ではこの作品が一番好きだったが、久しぶりに観直してやっぱりよい。絶品です。
お話しの方は相も変わらずいつものように娘の結婚話で、小津様式と言われるスタイルもふんだんに出て
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男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972年製作の映画)

3.0

BSテレ東
10作目。柴又での嫁探しから旅先での田中絹代との一幕。柴又に戻っての挙動不審の米倉助教授と幼馴染の八千草美容室。
流石に10作目ともなるとギャグも空回りしだして山田洋次の苦労も忍ばれるが(
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長屋紳士録(1947年製作の映画)

3.5

神保町シアター
洒脱。口調がまんま落語の長屋物。あの喋りにずっーと浸っていたい。
確か戦後すぐの作品と聞いたが、この後紀子三部作につながるわけで飯田蝶子から原節子という振幅の大きさ。
笠智衆の覗きの唄
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小早川家の秋(1961年製作の映画)

3.5

神保町シアター
小津映画なのでもちろん趣味だし堪能したが、なんというかまとまりきれてないというか無理してお創りでありませんかとついつい小津を気遣いたくなる。
確かに豪華スター目白押しだが大人の事情もあ
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お早よう(1959年製作の映画)

4.0

神保町シアター
「どうだい」と言いたくなるような小津の快作。とっても好きです。
小津映画というのは、これをわざわざ映画にしますか、というようなお話ばかりだが本作に至っては近所の噂話に子供の反抗期で、こ
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放浪記(1962年製作の映画)

3.5

ラピュタ阿佐ヶ谷
高峰秀子の熱演、怪演ぶりはほんとうに恐ろしいほどで、唄は上手いし軽演劇のような踊りまで披露、とただただ頭がさがるだけなのだが、とはいいつつもデコファンからすると彼女のおへちゃ顔のおぶ
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按摩と女(1938年製作の映画)

2.5

神保町シアター
ヴィンテージ物を観慣れてないせいなのか、なんか不思議ちゃんぽいイメージが全編に漂っているが別に決して不快ではなく井伏鱒二とかの短編小説を連想、もしくはまったくもって自信はないがジャック
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博奕打ち 総長賭博(1968年製作の映画)

3.0

シネマヴェーラ渋谷
三島由紀夫が激賞したことで洛陽の紙価を高めたといわれる本作だが、力道山から水戸黄門まで耐えに耐えて我慢の限界ドッカーンというシナリオは昔から我が国の好むところで、鶴田浩二の任侠道も
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裸の島(1960年製作の映画)

3.5

TOHOシネマ新宿 午前10時の映画祭
ご案内のとおりの異色作。製作費がなくて背に腹変えられずこの演出にしたという話もあるが、そんなことは微塵も感じさせない志の高さ。
単調な出だしに最後まで持つか不安
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幕末太陽傳(1957年製作の映画)

5.0

神保町シアター。幸せの2時間弱。
オールタイム主演男優賞もののフランキー佐平次。これを見てからは落語の居残りはフランキーしか浮かばずイメージが違うともう聞けない。
唯一苦手だった長州石原軍団も免疫力が
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男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971年製作の映画)

4.0

BSテレ東
いよいよ第8作。さよなら森川信。
倍賞千恵子の唄に涙したあとの岡山県高梁での博の母の葬式。リンドウの花とほんとうの生活に感じ入る寅を待ち受ける喫茶池内淳子。
堅気の地道な生活がヤクザな漂泊
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赤線玉の井 ぬけられます(1974年製作の映画)

2.5

神保町シアター
詩情漂う気怠い映像美。階段の上下を上手に使ったリズミカルなショット。
主演は宮下順子かもしれないが、オムニバス調の筋立てで他の女優陣もそれぞれ目を引く。
個人的には海のように広大な中島
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喜劇 女生きてます(1971年製作の映画)

2.5

神保町シアター
フィルムの状態が悪く音声が切れたりカットが飛んだりしたせいもあるのか、いまひとつ入りきれず。
安田道代の旦那役も中途半端で、折角のキャラを活かしきれていない。
昔の日本家屋は大の男一人
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近松物語(1954年製作の映画)

3.0

TOHOシネマ日本橋 午前10時の映画祭
世評名高い本作。映像、構図、美術、演技などなどもの凄い完成度で溝口芸術を堪能したが、何か物足りないなどと小声で言いたくなるのは生意気の極みでどうもすいません。
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ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

4.0

国立映画アーカイブ

大好きな内田百閒が原作なので前々から観たかった本作。半分覚悟はしていたが案の定というか虚実入り乱れた幻想的な作風はかなり難渋で噛みごたえ十分。

鑑賞後のロビーでご老人たちが、何
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男はつらいよ 奮闘篇(1971年製作の映画)

4.0

BSテレ東
第7作。ミヤコ蝶々柴又に帰るからのマドンナ榊原るみとの交流と田中邦衛先生。
とらやのいつものドタバタは安定して楽しめるが(森川信もあと1作)、寅の単純な横恋慕から大分ひねりを効かした本作は
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喜劇 特出しヒモ天国(1975年製作の映画)

2.5

神保町シアター
わあーわあーぎゃーぎゃーうるさい限りの本作だが、謎の活力に彩られる。
最初は池玲子さまの映画と思ったが、途中から芹明香ねえさんが爆発。「アタシが死んだらアルコール漬けにしてえ」とか黒の
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男はつらいよ 純情篇(1971年製作の映画)

3.5

BSテレ東
冒頭長崎五島列島の宮本信子と森繁。残り舞台は柴又で博の独立騒動。マドンナは夕子役のあやや。

すでに6作目にして家族から病気扱いされ、この辺からはなんの衒いもなくストレートにマドンナへ横恋
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.0

神保町シアター
出だしからしばらくデコちゃんのバーのマダムぶりが続き、まさかこのまま進むわけじゃと不安に陥ったがさすがは成瀬、そうは問屋がおろさずデコちゃんが実家に戻るあたりから怒涛の成瀬節がスタート
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噂の女(1954年製作の映画)

4.0

神保町シアター
黛敏郎の音楽がなんか合っていない気がするし、そもそも親子丼ぶりっていう設定が無理な気がするし、っていうか主演の男優さんあんただれなどというのはどうでもよい話しで、とにかく神がかった美術
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男はつらいよ 望郷篇(1970年製作の映画)

4.0

BSテレ東
前半小樽のD51、後半浦安の豆腐屋。マドンナ長山藍子。
さあ大好きな第5作だ。3作、4作と違う監督で、満を持して山田洋次登場というちょっとお得な立ち位置の本作だが、もう何と言っても「地道な
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南の島に雪が降る(1961年製作の映画)

3.0

神保町シアター
まったくもって1㎜たりとも女性陣が登場しないという兵隊さんだらけの本作。
この上意下達のストイックな世界とあじゃぱーな演芸という取り合わせの妙がミソか。
スタッフキャストともまず間違い
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新・男はつらいよ(1970年製作の映画)

4.0

BSテレ東。
4作目。前半ハワイ旅行、後半栗原小巻の幼稚園先生。
本作も山田洋次ではないが、前作(森崎東)と違い違和感はない。
というより結構ギャグ満載でシリーズの中でも好きな方。
おいちゃんおばちゃ
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男はつらいよ フーテンの寅(1970年製作の映画)

3.0

BSテレ東
3作目。ご案内のとおり森崎東の作品。やはりいつもの男つらとは趣が異なる。
本シリーズはよく考えてみればろくでもない迷惑男の話で、山田洋次はそこを割合こざっぱりとした後味に仕上げて観てて疲れ
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座頭市地獄旅(1965年製作の映画)

3.0

シネマヴェーラ渋谷
筋をうまく拾って複層的なお話を飽きさせずに繋ぐ。
勝新の演技はいつ観てもすんごいのだが、市のあまりの超人ぶりが好みの分かれるところ。
箱根の温泉が舞台で入浴シーンもふんだんなのだが
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男はつらいよ(1969年製作の映画)

4.0

BSジャパン
第一作にして完成形。男つらの骨格はすでに確立済み。
シリーズ化を考えていなかったのかこれでもかと話をぶち込んでくる。
いくつものヤマがあり出し惜しみせずにこってり盛り込む濃密な筋立て。
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社長漫遊記(1963年製作の映画)

4.0

神保町シアター

これですよ、これこれ。まってました。
乾いた土に染み込むよう名優たちの演技をごくごく飲み干す。
捻り出す小技の数々。いちいち面白くって、ずーっとにこにこしっ放し。
マンネリがー批評性
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駅前旅館(1958年製作の映画)

3.0

神保町シアター

マイフェイバリットがオールスター感謝祭なのでもちろんお腹いっぱいなのだが、野暮を承知でひとこと言えば、何というかモーターが滑らかに回転しだしたところでプスップスッと止まってしまうとい
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巨人と玩具(1958年製作の映画)

3.0

神保町シアター

フルマラソンを全力疾走しているようで非常にくたびれた。
ひたすらエネルギッシュでハイテンション。三丁目の夕日が昭和ならこれもまた昭和なのだ。
川口浩君の坊やぶりにはいらっとするが、つ
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暖流(1957年製作の映画)

3.5

神保町シアター
文芸社会派ホラーとでもいうべきか。
病院再建という社会的テーマと昼メロ的舞台からチロチロと見え隠れする狂気。昔見たので定かではないがブルーベルベットを思い出す。何かがおかしい。
無論
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吹けば飛ぶよな男だが(1968年製作の映画)

3.0

ラピュタ阿佐ヶ谷

文字どおり吹けば飛ぶよなチンピラ男の無軌道ぶりと対比する緑摩子の無垢な魂。
無償の愛というべきか山田洋次お得意の人情の衣を被った普遍的な人間愛の提示がすでに現れる。
失ったものは二
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