yさんの映画レビュー・感想・評価

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フライド・グリーン・トマト(1991年製作の映画)

3.0

ヤマシタトモコさんの違国日記から来ました。
この映画が発表された時代にこういったテーマを描くことは勇気のいることだったんじゃないかな…しかしながら正直なところ、今現在の自分にとってこの映画のメッセージ
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.0

水晶のような透明感と繊細さを感じる。重いテーマを多分に含んでいるけどフアンやテレサの存在だったり、大人編での苦しい過去が少しずつ昇華されていく様だったり。彼の一途さにも胸が締め付けられる…
鏡を見つめ
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

-

ひたすらに苦しかった。90年代頃の息もできない退廃的な世界を思い出した。美しいのに灰色の雲に覆われているみたいで、絶望ってこんな色だったな、と。
希望のない救いのないこういう現実は、本当はこの世界の一
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

5.0

もう10年くらい前から色んな人におすすめしてもらってたのにさっき初めて観ました。
めっちゃくちゃ良かった。
最初から最後まで出てるキャストの方の空気感含めてとても面白くて全然退屈しないし、この映画が言
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リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

4.5

食のサイクルをほとんど自分だけで一周させるってとんでもなくすごいことだ……農業や料理も勿論なのだが、道具や刃物、自転車のメンテナンスまで丁寧に行っている様にハッとさせられた。そのものに対する「生かされ>>続きを読む

リトル・フォレスト 夏・秋(2014年製作の映画)

4.5

ずっと大好きな映画。
瞬きもしたくないくらい全部のシーンが綺麗で、楽しくて、でも感想を書こうとすると不思議と言葉がでてこない。自然の息遣いを感じながら頭を空っぽにして映画の中に同化することが心地よい。

日日是好日(2018年製作の映画)

3.8

美しさは耳を澄まさなければ聞こえない、見ようとしなければ見えないのだと。「感じる」ということの解像度を上げてくれる素敵な映画だった。
雨の音、お湯の音、水の音、茶碗の感触、縁側の風景、一緒に光を感じて
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サーミの血(2016年製作の映画)

3.0

何のためにこんなことをするのかと本気でわからないシーンがいくつかあり、皆様のレビューを拝見しながら真実を知ると共に時間差でドーンときてしまう……差別することが「当たり前」みたいな、言動もだけど醜悪な行>>続きを読む

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

5.0

この映画が、自分でもなんでこんなに、と思うくらいに好きだ。なんでかわからないけどこの映画を観終わったあと現実に戻ってくると、この世界がそれまでよりも美しく感じられる。窓からさす明るい光をただぼんやりと>>続きを読む

劇場(2020年製作の映画)

3.5

主人公はどうしようもない人なんだけど、安易にクズとは呼びたくない。けれどこの人をそう呼ぶ人もたくさんいるだろうなと、終始複雑な気持ちだった…。
芸術関係のことをどうしても生業にしたい人、不安定なことな
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キャロル(2015年製作の映画)

4.0

言葉で多くを語らず表情と情景と音楽だけで感情を表現した魅力的なシーンがいくつもある。心の機微がこれでもかと繊細且つドラマティックに描かれていて、主役ふたりの美貌もさることながら目の演技が本当に素敵…。>>続きを読む

トイレのピエタ(2015年製作の映画)

3.5

花ちゃんがプールで泳ぐシーンがめちゃくちゃ素敵で、ずっと胸に残っている。
派手ではない。劇的な何かが起こるわけでもない。線香花火のように儚くさりげなく、でも確かな輝きを感じられるそんな映画だった。
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

4.0

この世の中は「こうあらねばならない」みたいな呪いにかかっている人が大多数なんだと思う。特に日本のように、大きな枠組みの中に自分を綺麗に嵌めることがよしとされる、本質よりも体裁を重んじるような文化だと尚>>続きを読む

言の葉の庭(2013年製作の映画)

5.0

新海監督の描く心の繊細さや感情が本当にもう、めちゃめちゃ好き…
ゆきの先生が電車に乗ろうとして乗れなくて引き返す場面がわかりみが深すぎて…正しいことは今すぐ学校に、仕事に、行かなくてはいけないことだっ
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スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

3.0

デヴパテルが気になり視聴。インドの現実が刺さる映画を立て続けに観ているがこれも同じく目を逸らしたくなる場面あり…
目を。いやちょっと待ってありえんと思うけれどあれは全然、珍しいことなんかじゃないのか。
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海街diary(2015年製作の映画)

3.5

画面の空気感がずっと綺麗で鎌倉の古い家の雰囲気がめちゃくちゃ良くて癒される。桜の並木道を潜り抜けるシーンは一緒に風を感じてるみたいに気持ちよかった。
劇的な何かが起こるわけでもなく淡々とした日常が静か
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それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

-

この映画きっとソフトな表現なんだと思う、これでも…。二度は絶対観れないけど観てよかったとも思う。
こんなことがまかり通ってた時代があったなんて本当、人間、何?何もかもがヤバいけど、農場の経営者が主人公
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

4.5

本当の自分に気付いてしまったらもう元には戻れない。真の己を偽って生きることなんてできない。
それでも、あんなに激しい痛みを伴うことになっても、そうすることで死ぬかもしれなくても、それを選択し貫き通した
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はちどり(2018年製作の映画)

-

この映画が高評価な理由もわかるのですが、自分はこの14歳の少女の日常を取り囲む環境がどこまでも恐ろしくて、観ていてただつらくて、描かれる救いもあまりに小さく儚いように見えて、最後までその気持ちのまま終>>続きを読む

海獣の子供(2018年製作の映画)

5.0

圧倒的映像美に呑み込まれる。どこを切り取っても色彩から構図から何から何まで素敵な画……原作にそのまま色がついたみたいだった。
映画館でみなかったことが心底悔やまれる。
この話は、言葉で例えるなら論理的
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イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)

3.5

ずっと胸に残っている。
Happiness only real when shared.
究極の孤独とも言える生き方を選択した主人公が最後に到達する境地の言葉。
目を背けたくなるようなシーンも多々あ
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.0

一番最後にタイトルの意味を回収してくれるのが震える。
サルーが故郷の地面を踏みしめる感触が伝わってくるような、自然の息遣いを大事にした映像の撮り方、臨場感あふれる音楽も素晴らしいです。
前半はサルーと
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

-

昨日ミッドサマーを観たもので、今日これを観たもので、引き続きズーーーーンってなっている……すごい作品だったんですが。あまりにリアルですごいからこそ……人間よ……人間……人間……これ実話なん……
宗教な
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

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なんでこんな胸糞悪くなるんかなあと考えたのですけどやっぱ残酷な行為は嫌だよ…どちら側に正しいも間違いもないと思って見ても、自分の意志として、本能として、もっと深い部分で明確に強烈にその残酷さが「大嫌い>>続きを読む

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.0

最果タヒさんがとても好きなので観ました。本当にうまく詩集の世界観を一つの物語として表現していると思った…
東京の夜。それを知らなくても薄気味悪いくらいにどこか混沌とした世界、空気が薄く閉塞感のある、得
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ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男(2016年製作の映画)

5.0

こんなドキュメンタリー映画大好き…ポスターのビジュアルが醸し出す雰囲気や色彩が好きな人は観て損はないと思う。魂の道を生きているカッコイイファッションデザイナー、何から何までカッコイイ上にファッションの>>続きを読む

僕の村は戦場だった(1962年製作の映画)

3.5

ものすごい芸術作品だということだけはわかる。しかしながら感想を書けるほどに理解が追いつかない…。それでもこの監督の作品をもっと観てみたいと思わされる…わからないのにずっと観ていたい映像だった…。
心象
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RENT/レント(2005年製作の映画)

4.0

この世にはどうしても芸術をする為に生まれてきた魂というのが確かにあると思う、例えば芸術でなくても、いくら生きることそのものが困難な道だとしてもそれを選ばずにはいられない魂が。それは例えば大多数の人間に>>続きを読む

色彩幻想―過去のつまらぬ気がかり(1949年製作の映画)

5.0

最高だった!!!天才の所業…8分あっという間すぎて既に3回見てしまった。
音が視覚化されたらこんな感じなのかなと思わされる心が躍る映像!それもあるし音を感じた時に潜在意識で感じてる感覚が映像になった感
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落下の王国(2006年製作の映画)

4.0

女の子が目を覚ましたあとのシーンが二人共、表情もやりとりも、繊細な演技がもうめちゃくちゃよかった……!救いになってよかったなあ……
なんといっても空想世界の映像美が放心するしかない…。あれがCGなしっ
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.5

例えばあなたが人間でなくても、それでもあなたがいい、って心が叫んでいるようなそういう愛情だった。こういう作品を観ると、本来愛情って性別とか種族とか当たり前のように超えていいものだなあって思わされる。付>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

4.5

たまたま誘われて観に行った、映画に嵌ったきっかけの作品。
どうしようもない男性が贖罪の為に子供の世話をしていく中で贖罪ではない何かが生まれていく様が愛おしかった。何が正しくて何が間違ってるか理解してい
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

3.5

途中までは額面通りの意味合いで理解しながら観続け、これは……となってくるときのゾクゾク感。まさしくペルソナだった。もしかしたら二人の職業からしてこの映画まるごとメタファーであり、現実的な視点は捨てた方>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

5.0

自分では能動的には観ない類の映画だけど、映画通の知り合いに過去にお勧めされていたのを思い出して5年越しに観ました。
いや…よくこの映画をおすすめしてくださったなと感嘆してしまった。胸熱展開すぎてめっっ
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ターシャ・テューダー 静かな水の物語(2017年製作の映画)

5.0

あまりにも理想の暮らしすぎて、こんな生き方をしている方が世界のどこかにはいると思うと人生に希望が持てた。この方はきっと望むことを諦めなかったのだと思う。世情に惑わされずにただひたすらに自分が本当に幸せ>>続きを読む

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