ユウサクさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

クレアのカメラ(2017年製作の映画)

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男性の映画監督として、男性の映画監督を強権的に、気持ち悪く描くことが「自分、わかってますよ」アピールじゃなければなんなの?

逃げた女(2019年製作の映画)

3.3

これがホン・サンスズームか……。正直「ダッッッッッッッサ!!!!!!!」って思いました。あえてなんだろうけどそんなん知らん。ダサいもんはダサい。ダサいうえに下品。ケン・ローチの「顔にズームする行為は資>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.6

まあ初見Blu-rayでも大丈夫だろうと思い買って、やっぱり大丈夫だった。めちゃくちゃ『リバー・オブ・グラス』だ……!と思いながら見た。ライカートは自分の授業で名作のリメイクをさせるらしいとTwitt>>続きを読む

ザ・ヒューマンズ(2021年製作の映画)

3.7

前知識ほぼゼロで見た。割と音デカくて、つまりは音響的に迫力のあるミックスをしてる劇伴でびっくりしたし、後半で物語に絡んでくるのも合わせて驚いた。

元が戯曲なのは納得。ワンシチュエーションの演劇ぽかっ
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.3

落としたら割れてしまうものを題材に選んでるところが流石の着眼点だなと思う。焼き物の存在自体がサスペンス。

ギリギリ花をちぎるくらいで納めてしまいそうな「自分勝手」を描くのが本当に上手い。ライカートの
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オール・ザット・ブリーズ(2022年製作の映画)

4.3

※虫がたくさん出てくるので注意⚠️

とにかく撮影が凄い。アート系の劇映画並みに凝ってる。ドキュメンタリーしか撮らない人なのかな。撮影監督のベン・バーンハードは『GUNDA グンダ』のヴィクトル・コサ
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ぼのぼの(1993年製作の映画)

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声優やアイコニックなSE(汗が出る音や殴る音)がアニメ版と違うのでその分雰囲気も違った。冒頭の左右の目で景色が変わるところやラストのぐるーーっと回って引いていくカメラワーク再現の作画がとても良い。

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)

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セバスティアン・レリオは好きだけどトランス女性の表象が偏ってたら嫌だなと思いスルーしていた作品。「われらは共にある 反トランス差別ブックレット」で児玉美月が挙げていたのでじゃあ大丈夫かもなと思い見た。>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

2.3

物語が薄く技巧優先な作品の割にその技巧も大したことがなく、つまらない。オチありきでしょこれ。最後までどうでもいい展開がダラダラと続くので140分くらいに感じた。抑揚がない。

はしゃぐ若者を罰したい?
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.2

大変長らく待った作品だというのに体感時間が短くてまだ1時間45分くらいだと思っていたところがラストシーンだったため(いや映像見れば「ここで終わる」ってわかるだろ)見事にラストカットを見逃し目を開けたら>>続きを読む

帰れない山(2022年製作の映画)

4.7

映画館で見られなかったのは残念だけど初見をBlu-rayにできて良かった。撮影と照明だけなら間違いなく今年一番だと思う。稜線の雄弁さ。編集も凄いかも。こういう映画こそIMAXレーザーGTとかIMAX7>>続きを読む

栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

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暗いシーンも多く正直累計1/7くらい寝てしまった。そのうえで。

冒頭の栗どぼぼぼ→枯れ葉わさわさからのヘクラ・マグヌスドッティル作曲の劇伴に合わせてわたぼうし?かなんかがぶわーーっと舞っているシーン
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.3

『希望のかなた』のカリード(シャーワン・ハジ)とマズダック(サイモン・フセイン・アルバズーン)が出てきて嬉しかった。サカリ・クオスマネンはまだ顔出てないのに声だけでわかった。

本当に良くも悪くも軽い
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ジュラシック S.W.A.T 対恐竜特殊部隊(2021年製作の映画)

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やっぱりアサイラムがクソなだけでアサイラムで映画撮ってる人たちは普通に才能があるのではないか、アサイラムが才能を潰しているのではないか、と思わせてくれたという点では見て良かった。『ヴェロキラプトル』最>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.8

2回目

やはりこれがカウリスマキの最高傑作。楽観的な(「あえて」なのはわかってる)ヘテロ愛も男同士のわちゃわちゃも一切無く、イリスという一人の人間の抵抗にフォーカスしてるのが良い。
無邪気にヘテロ愛
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国葬(2019年製作の映画)

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大量の人、人、人。ソ連で撮影された映画はいつも圧倒的な物量と自然に圧倒されるけど、これだけはフィクションでは絶対作れない映像。一人の人間の死に数億以上の人間が同じ行動を「強制」される機会なんて、まして>>続きを読む

はかな(儚)き道(2016年製作の映画)

3.2

TIFFが終わった後に『ミュージック』の予告見てこりゃミスったと思っていたシャーネレク。

序盤はいいぞいいぞと見ていたけどだんだん興味が薄れていって、完全に別の人たちの話が始まったから短編をくっつけ
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神に誓って(2007年製作の映画)

4.3

東京外国語大学で。遠からずガザ侵攻に関する作品として観に行った。解説の萬宮健策さんは「過激派がみんなこういう人たちではない」ということを何度か強調されていた。確かにあの人たち=ハマースと同一視するよう>>続きを読む

少女ムシェット(1967年製作の映画)

3.4

だから暗過ぎるって……。うさぎ、逃げてくれよ。

ケリー・ライカートは「ムシェットは極端に口数が少ないけれども、その身振りのおかげで映画が決して堅苦しいものには感じられない」つってるらしい。まあ言われ
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東京暮色 4Kデジタル修復版(1957年製作の映画)

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フィクションを女性を痛ぶるための場とでも思ってるんですかね、この人。気持ちが悪い。中盤で望まぬ妊娠と中絶の話になるのかなと若干期待した自分が馬鹿だった。

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.6

2回目 64分版 2024/01/28

グロッケンの件まるまるなかった。でもあの長いタイム感が大事だから時間の制約があるならあれを全部なしにするのはわかる。152分版に無いシーンが入ってるってことは
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.2

まあ軽くてちょっと笑えるのはいいけど男女二元論規範の強さと男に都合良過ぎる展開が邪魔。ジョー・ストラマーの演奏シーンは良かった。ラスト辺りの展開は『たぶん悪魔が』の裏返しに思えたけどどうなんだろう。

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.9

全部セリフで説明する映画の後に見たら全部映像で表現してる映画だったので好きにならないわけがなかった。めちゃくちゃ「映画」だった。絵、音楽、音、演出など全てが高水準なうえにシネスコなので映画館がオススメ>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.1

ギャスパー・ノエの新作でほぼ全編スプリットスクリーンということでかなり身構えて行ったんだけど拍子抜けした。「2画面を同じ面積で見ないと感想に偏りが生じるかもしれない!」とか思っていつもなら取らないど真>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

「冒頭の説明セリフを我慢すればそれ以降はとても映画的」みたいな評を聞いて行ったんだけど結局最後まで全部セリフで説明しててガッカリした。しかも序盤は固有名詞つるべ打ちのうえにセリフとセリフの間が削ぎ落と>>続きを読む

女像柱たち(1984年製作の映画)

3.6

『ダゲール街の人々』の特典。

苦悶の表情を浮かべ筋肉をことさらに強調しながら建物をなんとか支えている男像柱に対して、澄ました表情でひょいと軽く建物を支えている女像柱。もうこの対比だけで十分な気もする
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

3.8

実は見るの2回目で、1回目の時はあまりに集中できなかったのでマークしなかった。Blu-ray買ったので腰据えて再見。

「自分の行動範囲の中で街の人を撮ってみました」とだけ聞いたらそのコミュニティの生
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ズーム/見えない参加者(2020年製作の映画)

3.4

PCで再生したんだけどほとんど画面見られなかった。ラスト、これ誰がPCいじってんの?と思ったけどよく見たらクレジットだった。粋。

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)

4.9

なぜDVDしか出さないのか理解に苦しむ。

冒頭ギターのチューニングから入る曲はヴァルダとJRの距離感の変化を表してそうだなと思ったけど当たってたような当たってないような。でも親密なわけでもドライなわ
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