犬さんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

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ヘカテ デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

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都合の良い女として出会ったクロチルドに翻弄され取り憑かれたかのように執着するジュリアンの姿を見るにこれは運命ではなく宿命なるもの。夜に映る妖艶な煌めきを醸すクロチルドを相手にしてしまった男は支配に溺れ>>続きを読む

クリムゾン・タイド(1995年製作の映画)

3.0

カットバックによるテンポの良さで臨場感を煽ることによってEAMの溜飲を下げる間が引き立つトニスコ名人芸。狭い潜水艦の中で艦長と副長の意見が食い違う対立構造は世界の縮図とも取れる。でも、原爆についての発>>続きを読む

デイズ・オブ・サンダー(1990年製作の映画)

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病院内でもレーサーの血が騒いで車椅子で競争したりレンタカーで廃車寸前までバチバチにぶつけ合っちゃうの可愛い。サーキットのトップガンよろしく恋とレースを相乗効果によって加速させるのにハンスジマーは欠かせ>>続きを読む

生理ちゃん(2019年製作の映画)

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原作めっちゃ好き。なにが良いって小山健のイラストが最高に緩くて上手い。コメディベースでセンシティブな内容を理解ある角度で見詰めるバランスが面白いからこそ実写化するとしたら深夜ドラマでもっと緩くやるのが>>続きを読む

ラルジャン(1983年製作の映画)

4.0

省略されたクローズアップ(揺らめくコーヒー、洗濯干し、殺人事件)は言わずもがな、やっぱりブレッソンの凄さは音響にこそあるのかも知れない。断片的だからこそシーンの画が脳裏にこびり付く。

7番房の奇跡(2013年製作の映画)

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コメディとはいえ刑務所設定が自由でガバガバ過ぎて気になってしゃあない点と、捏造やら冤罪の社会派を入れてる点が韓国の良いとこ悪いとこ。娘のイェスンがちゃんと可愛いから見てられるし刑務所長が光落ち的な役回>>続きを読む

ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

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ノエの映画ならば視力なんて捧げてやるが、これただの芸が無い『エンターザボイド』みたいなもんじゃん。どうせなら90分くらい流してマジで脳を破壊してくれよ。ドライヤーやゴダールを引用してフリまくってる割に>>続きを読む

お葬式(1984年製作の映画)

4.0

葬式の大変さを知ってる大人には確実にウケるであろう一本。大滝秀治のコメディリリーフ、葬式ハウツービデオ、住職(笠智衆)がロールスロイス、正座による足の痺れなど、通夜と告別の二日間でしっかり笑って泣かせ>>続きを読む

ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

3.0

フィックスに対する信頼度が高いからこそ成し得るショットの数々。輪廻転生とか難しいことを簡単に表現していて逆に難解なんだけど、この人ユーモアも兼ね備えていて確信犯でもあるから凄いわ。ジェンおばさんが電撃>>続きを読む

運命じゃない人(2004年製作の映画)

3.0

これはよく練られてる内田けんじ脚本ですわ。どんでん返し的なのを勝手に期待して少しオチの弱さを感じてしまったが、そもそも巧みな構成が見所であってどんでん返しを売りにしてないからこれが正しいわ。エンドロー>>続きを読む

ヒート(1995年製作の映画)

3.0

アルパチとロバデニの切り返しが渋すぎて堪んねえ。思えばこれ銀行強盗から二人の邂逅まで素面のバットマンとジョーカーの構図に近いな。市街地での銃撃戦なんかヴァルキルマーの動きが良すぎて見惚れる。

ファーザー(2020年製作の映画)

3.0

従来の客観的視点から描く認知症とは異なり、主観的視点によって描く斬新な角度に脱帽。現実/幻想の混同や時間軸の乱れはアンソニーホプキンスの名演も相まって恐怖を煽るのではなく革新的な追体験である。記憶のパ>>続きを読む

殺し屋1(2001年製作の映画)

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この頃の三池崇史は年代との相性も良く臓物ドバドバ動脈出血しまくり血気盛んでよろしい。ボディサスペンションで吊り上げた背中に熱した油ぶっ掛けるのとか攻めすぎ。浅野忠信じゃなくて大森南朋が殺し屋イチってい>>続きを読む

SLUM-POLIS(2015年製作の映画)

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卒制なのにセット組んだりエキストラ豊富だったりどんだけ制作費あんだよ。今や商業でも活躍してる二宮監督だからこの時点でやりたい事を確立してるのは凄いけど、いかんせん背伸びSFに惹かれないというか、やっぱ>>続きを読む

真実(2019年製作の映画)

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フランスが舞台だろうと台詞回しの小ネタには是枝監督らしさがあるし、ドヌーブの台詞に樹木希林が過ぎる瞬間もあって心地良い。親子三人で川の字に寝たりしないのは文化圏の違いだろうな。

暗くなるまで待って(1967年製作の映画)

3.0

普通にヒッチも嫉妬するレベルのサスペンススリラー。設定を一つ設けることによってオードリーのイメージを一新する好演技と、後世に影響を与えそうなキャラ造形が見事なアランアーキンの怪演。部屋を真っ暗にしてマ>>続きを読む

SWEET SIXTEEN(2002年製作の映画)

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劣悪な環境や境遇によるこの悲劇から抜け出すには毒す者から離れて学校に行く必要があるが、リアムは母親のことを愛してるし救いの手を差し伸べる者もいなければ知性も持ち合わせていない。イギリスの田舎は治安悪い>>続きを読む

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

3.0

95分間ずっと夢見心地だった。ハーモニーコリンの映画には不思議と下品の中にも品があるし、ムーンドッグは真面目に不真面目やっている。この相反する言葉が共存してしまうことに一本の筋を見出してしまうのではな>>続きを読む

グッド・タイム(2017年製作の映画)

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クローズアップの多様や派手な劇伴と色彩によって前半は没入感もありテンポ良く感じたが、一万ドルを必要とし奔走する後半は俯瞰ショットが多様され最下層で足掻く湿っぽさを感じる。「濡れ衣」の質問によって部屋を>>続きを読む

アップグレード(2018年製作の映画)

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まだアナログが残りつつある近未来に於いてオペレーションシステムが人間を支配する瞬間を垣間見る。能力を制御出来なくなるパターンはアニメなどでもよく見るけど、そもそもが黒幕として完全に乗っ取られるパターン>>続きを読む

狂った殺人計画/インパクト(1949年製作の映画)

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エラレインズとエレンウォーカーの配役が逆でも成り立つであろうほどにエラレインズの顔面が凛々しくて良い。脚本は悪くないはずなのに展開がやや単調気味。ジムの詰めの甘さが気になって仕方ない。

おいしい家族(2019年製作の映画)

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板尾の所作が悠長でお母さんとしての振る舞いに違和感が無い。それぞれが自由に生きる愛の形に葛藤を持たせるのはほどほどに、個性を受け入れることへのシフトチェンジが島の自然美と相まって心地良い。でも、最後ハ>>続きを読む

デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲(2001年製作の映画)

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これも劇場鑑賞してると思ったら初見だった。前回よりパワーアップしたディアボロモンという設定であれば再び皆んなが集まるのもフィールドを現実世界に移すのも展開としては当然なんだけど、それが逆に良さを失って>>続きを読む

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(2000年製作の映画)

3.0

幼稚園のときリアルタイムで劇場鑑賞したから21年ぶり?懐かしすぎて焦がれるわ。もうこの頃から完成され過ぎてて原点にして頂点なんじゃないかと。ディアボロモンの奇妙なデザインが好きだった。世界中のメールを>>続きを読む

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)

3.0

なぜエイドリアンを先立たせたのか、なぜ息子にバトンタッチしなかったのか、それはこれが最後まで誰のものでもないロッキーのロッキーによるロッキーのための物語だからである。愛する妻を亡くし息子に軽蔑され年老>>続きを読む

ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)

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ある種の原点回帰であり、パパとして息子との絆を深める一作(救ったのは有能エイドリアン)ではあるけど、単純に自分のケツを自分で拭いただけだからなぁ。シリーズものとして積み上げてきた今までの栄光に対して蛇>>続きを読む

ロッキー4/炎の友情(1985年製作の映画)

3.0

ロッキーとアポロのホモソーシャルを打ち砕いた殺人マシンのドラゴが強すぎて負けてしまうのではと心配したが、そんなドラゴも彼の前では血を流す生身の人間に過ぎず、今回もストファイ根性で突き進む豪鉄のロッキー>>続きを読む

ロッキー3(1982年製作の映画)

4.0

ハルクホーガンのプロレス、ポーリーのコメディリリーフ、ミッキーの死、エイドリアンの叱咤激励、アポロとの共闘/友情、シリーズ3作目にして王道を裏切ることなく見事な胸熱展開を披露してくれる。ラストカット、>>続きを読む

ロッキー2(1979年製作の映画)

4.0

再起不能した転落人生から一転、「勝って」からのトレーニングが単純明快で熱いし、全力疾走→ロッキーステップが前作を上回る興奮度合い。相変わらず会場の熱気が凄いのと、リング外からの撮影が逆にリアリティを捉>>続きを読む

ロッキー(1976年製作の映画)

3.0

動物好きで悠長な話し方のロッキーはちょっとアホだけど嫌味を一切感じない。そんな彼のアメリカンドリームへの道は誰しもが応援したくなる胸熱エイドリアン!生卵×5から始まる朝は早く、精肉サンドバッグ、片手腕>>続きを読む

人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

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文豪であり女遊びが激しい太宰の恋と破滅を華々しいエンタメ要素で纏った今作は蜷川実花にとって最高の題材。もっと文豪の部分を見たい人は生田斗真verを観ればいいのかしら。てか、蜷川実花はホラー撮ったら良い>>続きを読む

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

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理想と現実が乖離しているケイラは自己開示することによって素直な自分でパパと接することが出来た。そこは良い。ただ、ケネディに対する仕打ちに関してはケイラの成長というよりもただの痛い自己満足にしか見えなか>>続きを読む

仮面の報酬(1949年製作の映画)

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粗末な脚本を補うかのようにカーチェイス中に巻き起こるヤギや牛、工事中などによって緊張と緩和が保たれている。ミッチャムの殴り合いはいつも豪快でパンチが重くて見応えあるから好き。

桃色の馬に乗れ(1947年製作の映画)

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『レオン』的な少女×おじさんの逃避行であり、主演であるゲーギンは重体によってあまり活躍せずミステリアスな少女ピラが躍動するのは良いが、物語の抑揚が乏しいせいか全体的に薄味。人情味のあるパンチョや別れ際>>続きを読む

挑戦(1969年製作の映画)

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こういう作品は評価の仕方が分からない。せめて長編であれば分からないなりにも全体を通して角度を変えれるけど、短編ほどの尺ではカメラワークやキャラクターよりも結局意味深な脚本に囚われてしまって理解不能に陥>>続きを読む

犯人を逃がすな(1951年製作の映画)

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短尺で二転三転するのに言葉足らずな気がして展開にメリハリを感じない。馬券シークエンスはヒッチコック的なトリックだし、ロシアンルーレットはカストロを仰向けにすることによって逆さまの顔に銃口を突き付ける画>>続きを読む