美しい大海原を舞台にして戦争が描かれることで、むしろそこにリアリティを感じさせる。
連合国同士でも諍いが起き、自分だけが生き残ろうとするさまが描かれている点、軍人が憧れの対象となることによる悲劇が描か>>続きを読む
映画向きの痛快なストーリーだが、実話をベースにしているため、できすぎた感じを抱かせない。ジュリア・ロバーツが躍動しているのは言うまでもないが、アルバート・フィニーがいい味を出している。
何より、シェリ>>続きを読む
原題は『Runaway Bride(逃げる花嫁)』で、こちらのほうがストーリーにはしっくりくる。リチャード・ギアとジュリア・ロバーツの相性の良さもあって見ていて飽きさせない。価格交渉のシーンは、『プリ>>続きを読む
『ピグマリオン』『マイ・フェア・レディ』の系譜に属する成功譚だが、何度も見たくなるワクワク感がある。
ジュリア・ロバーツの容貌の変化はやはり目を見張るものがあるし、最後に「ここはハリウッド」という種明>>続きを読む
映画を通して、昭和30年代の東京の風景が見られるのはよい。浅丘ルリ子、吉永小百合の美しさに目がいきがちだが、ストーリーはわりと女性の身勝手さが印象に残るので、末っ子を演じた和泉雅子の天真爛漫さが映画を>>続きを読む
戦死した同僚の手紙の配達をするという行為を通して、戦争がもたらした多様な悲劇が描かれていて、考えさせられる内容になっている。
映画制作に奔走したのも渥美清自身で、『拝啓天皇陛下様』などに連なる、彼の戦>>続きを読む
三姉妹以上に、いつもよりも出番の多い津田寛治の躍動ぶりが際立つ映画。
ただそれ以外の男性俳優は魅力に乏しい。写真1枚の沢村一樹に存在感で負けるほどに。
『急に具合が悪くなる』の映画を、例によって本を読んだあとで鑑賞する。原作を読んでから映画を見ると、どうしても物足りなさを感じてしまう。シスターフッドものとしてはいいのかもしれない。ただ、それにしては内>>続きを読む
宇宙を舞台にした壮大な父殺しの物語という印象だったが、帝国という概念が生々しく感じられる昨今、別の見方をしたくなる。帝国の支配者がダークサイドに堕ちるというのは現代的なテーマである気がする。
従軍体験に、血液銀行、高度経済成長期の日本人の働きぶりなど、大人にとっても見応えのある内容になっている。
原作よりもいっそう三人の関係性に焦点があてられている。石橋静河の自然体の雰囲気は悪くないし、何より歌が上手い。原田美枝子の劇中の歌も素晴らしかったことを思い出した。
原作を読んだときにも感じたが、もっと関係性にもっと緊張感があってもよさそうだ。だが、それもこの作品自体の狙いなのかもしれない。いかにも映画的な展開は悪くはないが、定型通りという気もする。ただ、ラストシ>>続きを読む
迫りくる足音への恐怖を基調にこれだけの物語が紡がれていくのは圧巻だ。
殺したいほど憎い相手と、その家族は別だと考え、必死に救おうとする姿は人間愛に満ちているともに、それが仇となる恐ろしさも表現されてい>>続きを読む
序盤でのキーワードの提示に、1秒間の沈黙など、数々の実験的試みに彩られた作品。終盤の展開は鮮やかだし、最後にタイトル(Bande à part )に言及される点なども素晴らしい。
有名な中盤のダンスの>>続きを読む
大切な人を失ったとき、人はそれぞれにその人の死についての物語を紡がねばならないため、我々が小説を読んだり、映画を観たりするのは、そのときに備えて無意識に学習をしているのかもしれないと、この映画を見なが>>続きを読む
当時のアイルランドの街並みがとてもよくわかる作品ではある。因習にふりまわされるドタバタ劇といえると思うが、それはそれでいいのかもしれない。
言うまでもなく、宇宙を舞台とする一大スペクタクル古典的作品。
1970年代の宇宙への夢が詰まっているが、今見ても古びていないのは良い。
未成年の妊娠という問題をコミカルに描きつつ、物語を予想外の方向に転がしていき、夫婦や家族のあり方をかんがえさせる脚本はお見事。
貧困と排外主義が密接に結びついていることを容赦なく描写している。
シリア難民を嫌悪する人々も根っからの悪人でないことをきちんと描いているのは、監督の誠実さの表れだと思われる。
難民支援の運動が排他主義>>続きを読む
実話を映画らしく脚色した、よくある作品なのだが、その域を少し出ているように思えるのは、人間が植物に託す思い、願いが物語に織り込まれているからだろう。
吉行和子さんや、富司純子さんの演技も素晴らしい。>>続きを読む
タイトルからして、思想性の強い映画かと思ったが、意外と娯楽映画であった。
何度銃で撃たれても気絶さえしないというのは、あまりにもリアリティに欠ける。
プルトニウムを簡単に盗めたり、警視庁長官と簡単に直>>続きを読む
よく知られた横一列のテーブルが、この家族の象徴としてよく機能している。
由紀さおり演じる母親がつぶやく「こんなことなら、もっと遅くに子供を産めばよかった」というセリフも、現代と共鳴していてよい。
若くして妊娠してしまった少女たちをめぐる物語。
自分のお腹を痛めて産んだ子供を、その幸せを願って手放すというのはどんな心境なのだろうと深く考えさせられる。
大人たちに信用してもらえず、嘘をつかざるを得>>続きを読む
綻びが生じてしまった兄妹の関係の修復というのは案外難しいのかもしれない。ただ、この作品では甥っ子を媒介にして、それが実現するさまを描いている。主人公がアメリカに住むマイノリティの人々にインタビューする>>続きを読む
不法移民の問題を真正面から捉えた映画。30年前の作品だが、今この作品が提起した課題は当時以上に熱を帯びているように思われる。呪術という近代合理主義とは相容れない規準に判断を委ねることによる対立は、現代>>続きを読む
前半から中盤にかけては、複数の片思いが同時に進行するが、後半でプラトニックな恋が肉欲にからめとられてしまう展開は面白い。聖書からの引用がトリガーになっているのもよい。
eコマースの拡大に伴い、肥大化してしまった物流網の問題を背景に、外資系大手テック企業の非道さをあぶり出しつつも、見る者を引き込むストーリーに仕立て上げた点は特筆に値する。戸籍売買を簡単に扱うなど荒さも>>続きを読む
将来の夢がない平凡な田舎の女子高生が打ち込めるものをみつけて、のめり込み快進撃を続けるという、ありふれた青春ドラマだが、視聴者を飽きさせない。それは、常呂町のもつ空気感のせいかもしれない。加藤ローサの>>続きを読む
原作は達夫の家族との関係を中心に描かれていたと思うので、あらすじの軸が少しズレていると思うのだが、映画としては成立している。菅田将暉の破滅的な演技がすばらしいし、池脇千鶴の自堕落な演技もよい。2時間と>>続きを読む
原作である実話はよく知られているが、それを上手に映画化している。何より字が読めない若者を演じる重岡大毅の表情がすばらしい。隠していたことがバレた時に、夢のような半年だったというセリフもグッとくる。
オーソドックスなあらすじとお決まりの展開だが、会社からの独立に伴う時を経ても変わらない問題を描いてもいる。
行きずりの女性に対する寅次郎の優しさもよい。
熾り火のような穏やかな三角関係のなかで、時おり情熱や嫉妬が暴発するのが胸に迫る。一倍大切なことは口にしないとか、誰も本当のことを言わずに生きているとか、会いたいときに会わないのも愛情だとか、後半にグッ>>続きを読む
マイケル・ルイスの原作はとても面白いのだが、映画向きの作品ではないのかもしれない。ただトレードの交渉の生々しく、興味深かった。
コロナ禍を舞台に、アメリカが抱える様々な問題を詰め込んだ映画。保安官という職業の特殊性、マスク着用を拒み、決して品行方正とはいえない彼の人間性は、混乱したアメリカ社会を描くのにぴったりのキャラクターと>>続きを読む
想像していた以上に、筋書きのしっかりした作品だった。『用心棒』が作中に登場し黒澤明へのオマージュとなっている点、『オールウェイズ・ラブユー』が暗い歌として紹介され、伏線になっているのは良かった。
突飛なことなど起きずに、物語は穏やかに進んでいくが、それでも観ている者もそこに引き込まれていく。恐らくは低予算の映画であることを考えると、十二分な内容である。特に、平山あやの落ち着いた演技が素晴らしく>>続きを読む